【DELF/DALF?仏検?TCF?】フランス語能力試験の比較&受けるべき試験の選び方

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フランス語をある程度学習したらぜひ挑戦したいのが資格試験!自分の現時点での実力が客観的に測れますし、今後の学習のモチベーションアップにもつながります。

日本では仏検がフランス語学習者にとってメジャーな試験ですが、実は英語の試験と同様に仏検以外にも複数の試験が存在しており、用途によって適している試験が異なります

本記事では、フランス語の各種資格試験をご紹介します。

結論としては、腕試し目的や日本国内での利用を想定するなら「仏検」、就職や大学院留学なら「DELF/DALF」の受験がおすすめです。

目次

試験の種類

日本国内で受験可能な試験としては、仏検のほかにDELF/DALFとTCFがメジャーどころ。TEFを受けている人は知り合いにはいませんでした…

各試験の概要

まずは各試験の概要から。開催頻度や検定料は試験によって大きく異なります。

仏検とDELF/DALF、TCFとTEFがそれぞれ似た試験形式になっており、TCFとTEFには有効期限があります。

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試験の種類開催頻度検定料有効期限想定される
主な用途
仏検年2回5,000円(5級)~14,500円(1級)生涯日本国内の進学・就職
腕試し
DELF/DALF年2回9,900円(DELF A1)~26,000円(DALF C2)生涯海外進学・就職
TCF複数16,000円(必須試験)+12,000円(補足試験2科目) or 8,000円(補足試験1科目)2年海外進学・就職・移民
TEF複数15,278円(必須試験)+15,278円(オプション試験:筆記) and/or 15,278円(オプション試験:口頭)2年海外進学・就職・移民

各試験のレベル・スコア対応表

各試験のレベルは以下のとおり。フランス語の試験レベルはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠しており、他のヨーロッパ諸語と比較ができるようになっています。

仏検とDELF/DALFは受験者のレベルに応じて級を選ぶ方式で、合否判定があります。一方でTCFとTEFはスコア形式なので合否は出ず、自分のレベルが分かるようになっています。

A1未満のレベルを設定しているのは仏検だけです。

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CEFR各段階で可能なこと仏検DELF/DALFTCFTEF
C2聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。1級DALF C2600~699834~900
C1いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。1級DALF C1500~599699~833
B2自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。準1級DELF B2400~499541~698
B1仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。2級DELF B1300~399361~540
A2ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。準2級DELF A2200~299204~360
A1具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。3級DELF A1100~1990~203
4級
5級
出典:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル (britishcouncil.jp)

仏検

仏検の概要

実用フランス語技能検定試験(仏検)は、公益財団法人フランス語教育振興協会主催(文部科学省後援)の日本人学習者を対象とする試験です。基本的に年2回(春・秋)開催され、2023年の場合は5級~2級は春季・秋季の2回実施されますが、1級は春季のみ、準1級は秋季のみの実施です。

仏検は5級から1級の7レベルに分かれており、5級~3級は一次試験(筆記と聞き取り)のみ、準2級~1級は一次試験に書き取りが加わり、更に二次試験(面接)があります。

レベルの目安は学習時間とCEFRで示されており、公式ウェブサイトによると3級がA1相当、1級がC1及びC2相当とされているため、5級と4級はDELF A1よりも難易度が低いということになります。合格点は5級~3級は6割に設定されている一方、準2級~1級は実施回によって基準点が変動し、仏検データブックを見る限り一次試験は7割(1級は9割)、二次試験は8割(1級は6割)程度得点できれば合格できそうです。

仏検はDELF/DALFと異なり国際的な認知度は高くなく、通用するのは概ね日本国内のみです。

仏検を取得するメリット

大学等の入試や単位認定の際に活用される場合があるほか、1級に合格すると通訳案内士の外国語筆記試験(フランス語)が免除になります。また日本国内での知名度が他のフランス語能力検定よりも高いため、就職活動のアピール材料になる可能性もあります。

さらに別の切り口として、特に5級や4級は口頭試験が課されずA1よりも低いレベルなので初学者の気軽なレベルチェックとして活用するのもアリかもしれません。

詳細及び申込はこちらから。

DELF/DALF

DELF/DALFの概要

DELF(Diplôme dʼétudes en langue française)及びDALF(Diplôme approfondi de langue française)はフランス語の運用能力を測るフランス国民教育省認定の資格試験です。

規格が世界中で統一されているためどの地域で受検しても同等の効力を持ち、合格すると得られるディプロム(証書)には有効期限がありません(つまり一生有効)。日本では基本的に春と秋の年2回実施されます。

DELF/DALFはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の6段階の基準に従ってレベルが設定されており、DELFはA1からB2までの4レベルDALFはC1とC2の2レベルが対応します。

試験は筆記試験(聴解・読解・文書作成)と口頭表現試験から成り、100点満点(DALF C1までは各パート25点、DALF C2は各パート50点)で採点されます。

100点中50点の得点で合格ですが、各パートの点数が25点中5点(DALF C2は50点中10点)が下回ると合計点が50点を上回っても不合格になります

フランス語で授業が行われる大学に入学するためには、文系で概ねC1、理系で概ねB2レベルが必要と言われます。

なお成人向けのDELF/DALF以外に、小学生向けのDELF Prim(A1.1~A2)や中高生向けのDELFジュニア(A1~B2)といったバリエーションもあります。

DELF/DALFを取得するメリット

DELF/DALFを保有していると国際的にフランス語の運用能力を証明することができます。またDELF B2以上を取得すると、フランスの大学に登録するための語学試験を免除されます。

なおIHEIDの場合はB1レベル以上取得者が証明書を提出すればフランス語のプレイスメントテストやフランス語集中講座が免除になる等、大学(院)が独自に定める語学要件を充たす目的でも使えます。

詳細・申込はこちらから。

DELF/DALFについては筆者の受験記もあります。

TCF

TCFの概要

DELF/DALFと並んで国際的に認知度が高いのがTCF (Test de Connaissance du Français) です。TCFはフランス国民教育省が認定した総合的なフランス語学力を測るテストで、DELF/DALFと同様に統一規格のテストですので受検場所による有利・不利はありません。東京では年間5回程度実施されていますので、DELF/DALFや仏検よりも多少受検機会が多いのも特徴です。

TCFは他の試験と異なりレベルで分かれておらず、取得したスコアによりCEFRに対応したA1からC2の公式証明書が発行されます。そのためTCFにおいて不合格はありません。試験は699点満点でスコアの出る選択式の必須試験(聴解、語彙・文法、読解)と各20点満点で評点の出る補足試験(口頭表現、文章作成)から成り、必須試験さえ受ければスコアと公式証明書が出ます。スコアの有効期限は2年間です。

TCFには一般的なTCF TP(コンピューターで受けるTCF SOもあります)や長期滞在許可証申請用のTCF CRFといったバリエーションがありますので、用途に応じて適切な試験を選ぶ必要があります。

TCFを取得するメリット

TCFは有効期限内であれば受け入れ先が認める限りDELF/DALFと同様に語学力の証明になります。

詳細・申込はこちら。DELF/DALFと同じサイトです。

TEF

TEFの概要

TEF(Test d’Evaluation de Français)はパリ商工会議所が実施するフランス語能力検定です。聴解、読解、語彙・文法、口頭表現、文章作成から成り、「読解」「聴解」「語彙・文法」が必須試験、「文章作成」と「口頭表現」がオプション試験です。必須試験は900点満点で、TCFと同様にスコアに応じてCEFRに対応したA1からC2の証明が発行されます。スコアの有効期限は2年間です。

TEFを取得するメリット

TEFは有効期限内であれば受け入れ先が認める限りDELF/DALFと同様に語学力の証明になります。またカナダに移民申請する際にフランス語能力を証明することのできる2つのテストの一つです(もうひとつはTCF Canada)。

まとめ

フランス語の運用能力を証明する各種検定試験ですが、資格として一生涯有効なものから一時的なレベルチェックとして有効期限が設けられているものまで多種多様。

試験を受けるのはあまり楽しいものではないかもしれませんが、語学学習において自分のレベルを正確に把握することはその後のレベルアップには欠かせません!

また語学力の証明のように用途が定まっている場合は適切な試験を選択する必要があるので、提出先の定める要件を熟読して間違いのないようにしてください。

以上です。

参考にしていただけると嬉しいです。

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