スイス・ジュネーブ留学中のMattです。
筆者は将来的にフランス語圏で働き生活したいと考え、フランス語の資格取得を目指していました。その目標が叶い、現在はフランス語圏スイスでフランス語を使いながら日常生活を送ることができています。(働くにはまだまだ足りないレベルではありますが…)
他にもフランス語を学ぶ動機はいくつかあります。
この記事では、筆者がDELF/DALFを選んだ理由と、試験対策として行ったことを簡単に紹介します。
おすすめのアプリも7つ紹介しますので、フランス語学習に興味がある方は参考にしていただけると嬉しいです。
DELF/DALFを選んだ理由
国際的に通用する資格だから
DELF/DALFはフランス国民教育省認定の公式フランス語資格(ディプロム)。
フランス国内ではDELF B2またはDALFの取得者は大学学部1年目(L1)の言語能力のテストが免除される他、フランス語を教授言語とするコース(フランス外)に出願する際も、フランス語の言語要件を充たす資格(英語ではIELTSやTOEFLに相当)として広く認められます。
有効期限が無いから
DELF/DALFは一度取得すると一生涯有効のため、他の試験のように失効して受けなおすという必要がありません。
他に国際的な知名度の高いフランス語検定としてはTCFやTEFがありますが、こちらはTOEICやIELTSと同様に2年で失効します。
フランス人の思考回路を学べるから
個人的に一番メリットがあると思われるのはこの部分です、
DELF/DALFでは非常に実践的なフランス語力が試され、論述式も多いため当てずっぽうでは合格点に到達することは無理だと思います。しかも一部多肢選択式と論述式を組み合わせた問題もあり、選択した回答が合っていても根拠が示せなければ正答にならないような場合もあり、常に議論に根拠を求められるカルチャーと一致している感じがします。
思考回路という意味では、特にB2レベル以上でフランス人が日常的に触れる事柄の理解力やフランス語の実践的な運用能力が問われますので、フランス人の考え方を理解しておくことがカギになります。
参考までに私がDALF C1を受けた際の題材はこんな感じでした。
- 聴解:題材はフランスで実際に放送されたラジオ放送の音声(ご丁寧にノイズ付き)。論述式あり。
- 読解:題材はフランスで出版されたルポルタージュやニュース記事。論述式あり。
- 文章作成:フランス人の学生が実際にフランスの学校で学ぶ論理構成を使った論述(さらにDALF C1ではサンテーズ(Synthèse)というフランス独特の作文方法も出題)
- 口頭表現:事前に長文(これもフランスで出版されたルポルタージュやニュース記事)を読んで口頭で要約。その後日常的な話題のみならず政治や学術的なトピックについて議論
文法や語彙といった単なる言語能力ではなく背景知識も問われていると考えて差し支えないでしょう。
4技能全てを問う試験だから
英語ではよく読む・聞く・書く・話すの4技能を伸ばすことが必要と言われますが、フランス語を始めとする別の外国語にも当てはまります。
DELF/DALFは聴解・読解・文章作成・口頭表現の4科目のテストであり、合格するためにはそれぞれ5点以上(各25点満点)、計50点(100点満点)以上取る必要があります(DALF C2は配点が異なります)。各科目に足切り点が設定されているため、バランスよく全ての技能を習得していることが求められます。
文章作成や口頭表現が補足試験となっているTCFやTEFと比較し、外国語能力として重要な4技能全てで基準を上回っているという証明になるので、信頼度が高いですし、何よりも自信がつきます。
フランス語学習におすすめのアプリ7選
プチ・ロワイヤル仏和・和仏辞典
仏和・和仏辞書アプリ。発音の確認が出来て便利でコラムも結構面白いです。仏和・和仏のため説明が日本語で書かれておりとっつきやすい印象。意味を調べるだけならこれで十分だと思います。動詞の活用が代表例しか載っていないため、ライティング課題に取り組んでいるときは自分の使いたい動詞の活用について正解がすぐ分からず、少し困りました。
Collins French Dictionary
仏英・英仏辞書アプリ。英語も学習出来て一石二鳥かと思ったので導入しました。
個人的にフランス語と英語の対比が面白いと感じましたが、辞書としては特筆すべき要素なし。最近意外と英語の勉強にも役立つかもしれないと思っています。
Le Robert mobile
仏仏辞書アプリ。
他に本格的な辞書であるDictionaire Le Petit Robertがあり、Le Robert mobileはその日常使い版らしい(辞書機能以外にワードパズルやクロスワードパズルのお助け機能も付いているのがいかにも)。ほぼ全ての動詞で動詞の活用が確認できるのでその点が便利。
当然ながら説明が全部フランス語なので、C1以上のレベルでないと使いこなせないかも。
アンドロイド版は見つかりませんでした。
20 minutes journal
フランスの駅等で配布されているフリーペーパーのアプリ版。
ほぼ毎日更新されるためフランスの今が分かりますが、現地人向けなのでかなり難しいです。
やる気があるときは単語を拾ってファイリングしていましたが、この学習方法は手間がかかりすぎで程なくして挫折。
写真や広告を見るだけでも結構面白いです。
Radio France
フランスの公共ラジオ局Radio Franceのアプリ。
複数のチャンネルを聴くことが可能で、リスニング対策として有用です。日常的に聴いているとDELF/DALFのリスニング問題がかなり聞き取れるようになります。日本で聴いていると時差の関係か?歴史や芸術に関するプログラムが多い印象。ポッドキャストも意外と面白いです。
筆者のお気に入りはfrance bleu paris(パリの地域放送局)です。
BFM TV
フランスのニュース専門局のアプリ。
テレビやラジオといった機能があるので情報収集用&リスニング対策用として使えます。
リアルタイムのテレビ放送が視聴できるので、筆者は時々スマホをテレビに繋いでニュースを視聴し、ちょっとしたフランス気分を味わっていました。
ARTE.tv
ドイツ・フランス共同出資のテレビ局Arte(Association Relative à la Télévision Européenne)のアプリ。ドキュメンタリーやアート分野の動画が多くアップロードされています。語学とはちょっと離れますが、Arte Concertコーナーはクラシック音楽が好きな方に刺さるかもしれません。
言語交換アプリ(TandemやHellotalk)
言語交換アプリはスキマ時間での学習にもってこい。友達ができるのも楽しいです。
語学クラス外でのアウトプットは主にこちらで行っていました。説明はこちら。
アプリの他に試験対策のためにやったこと
東京日仏学院(Institut Français de Tokyo)の試験対策コースを受講した
東京日仏学院のフランス語コースもフランス語学習と試験対策に有用でした。
筆者の場合、総合フランス語コースを数度受けた後、仏検準2級よりもレベルが上と思われるDELF B1試験対策コースに移行しました。DELF B1に合格した後はDELF B2試験対策コース、DELF B2合格後はDALF C1対策コースを受講しました。
日仏学院で勉強するメリットは、試験の実施機関ということでノウハウの蓄積があり合格するために必要なことを効率よく勉強できることです。同じ資格を目指すネットワークも作れますので、口頭表現の練習を一緒に行うこともできました。筆者が受講していたときはクラス人数は大体15人程度でしたので、先生への質問もし易かった記憶があります。また日仏学院が試験会場(口頭表現)になることも多く、精神的な負担も多少減らせます。
今はオンライン学習の選択肢もあるようなので、検討してみても良いかもしれません。
DELF/DALF受験体験記
ここからは筆者が実際にDELF/DALFのフォーマットと受験体験談を簡単にですがご紹介します。
DELF B1
DELF B1のフォーマット
DELF B1のフォーマットは以下の通りです。
試験科目 | 試験内容 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
聴解 | 録音された3つのテキストを聞き、設問に答える(聞き取り回数:2回) | 約25分 | 25点満点 |
読解 | 2つのテキストを読み、設問に答える。 | 45分 | 25点満点 |
文書作成 | 一般的なテーマに関して個人的見解を表現 | 45分 | 25点満点 |
口頭表現 | 試験は以下の3部で構成される: – 面接官の質問に答える – 面接官とのやりとり – 与えられたテキストに対する見解の表現 | 準備:10分 面接:約15分 | 25点満点 |
DELF B1の対策&受験
東京日仏学院で総合フランス語コースを受講した後にDELF B1対策講座を受講しました。DELF B1対策講座は15名程のコースで、クラスで課題をこなしつつスピーキングを受講者同士で練習しました。
2017年春に東京にて受検し、100点中71点で合格しました。
DELF B2
DELF B2のフォーマット
DELF B2のフォーマットは以下のとおりです。
試験科目 | 試験内容 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
聴解 | 録音された2つのテキストを聞き、設問に答える。 インタビュー、ニュース番組等(聞き取り回数:1回) 解説、講演、スピーチ、ドキュメンタリー番組、ラジオ・テレビ放送(聞き取り回数:2回) | 約30分 | 25点満点 |
読解 | 2つのテキストを読み、設問に答える。 フランスもしくはフランス語圏に関する情報提供を目的とするテキスト ある主題について論説しているテキス | 60分 | 25点満点 |
文書作成 | 自分の見解を論証する(討論・公式文書・論評を参照して)。 | 60分 | 25点満点 |
口頭表現 | 与えられた短いテキストに関する見解の提示・論証 | 準備30分 面接約20分 | 25点満点 |
DELF B2の対策&受験
東京日仏学院でDELF B2対策講座を受講しました。講座は15名程のコースで、こちらも授業時間外に一緒にフランス語のスピーキングの練習をしたり、かなり熱心でした。
2019年春に東京にて受検し、100点中58.5点で合格しました。
DALF C1
東京日仏学院でC1対策アトリエを受講してから2020年秋に東京にて受検し、100点中36.5点で不合格でした。その後シンガポールで再挑戦しましたが、40点前後でまたも不合格に。
現在も合格を目指しいろいろと試していますので、もしアップデートできる情報があればいずれ記事にします。
まとめ
フランス語圏以外でフランス語を学習することは非常に難しいですが、手段は探せば色々あるものです。今後も勉強を続けてDALF C1を取得したいですが、まず語学を楽しむことが一番かなとスイスで生活していて感じます。
以上です。
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