香港名物の乗り物といえばトラムやスターフェリーが挙げられますが、忘れてはいけないのが二階建てバスです。
市街地から郊外まで幅広くカバーしている路線バスは、実は観光にも便利な存在。二階席に座れば眺望は抜群で、高層ビル群と山林が織りなす香港らしいダイナミックな景観を移動しながら存分に楽しむことができます。
ルート次第では、日本ではまず見られないような絶景に出会えるのも魅力です。
その一方で、料金体系はやや複雑。同じ距離でも運賃が大きく変わることがあるため、路線バスをお得に使うには事前に仕組みを知っておく必要があります。
この記事では、そんな香港の二階建てバスの魅力を実体験をもとにたっぷり紹介していきます!
二階建てバスの魅力
ドアツードアで便利
これは二階建てバスに限らず路線バス全般に言えることですが、MTRではカバーしきれない範囲の移動をストレスなくこなせるのが最大のメリットです。
例えば尖沙咀は縦方向の移動はMTRで簡単にできますが、横方向(奧運 → 旺角など)は少し不便。そんなときこそバスが便利で、距離は近いのにアクセスしづらいというシチュエーションで抜群の力を発揮します。
また、長距離を走る路線では、乗り換えなしで目的地まで行けるケースも多く、MTRより多少時間はかかるものの、こちらもとても便利です。
さらに路線によっては海底トンネルを通るため、九龍・新界 ↔ 香港島の移動にも気軽に使えるのがポイント。タクシーは色によって運行エリアが分かれていますが、路線バスならその心配がないのもうれしいところです。
涼みながら移動できる
季節にもよりますが、香港はどうしても日本より蒸し暑いことが多いです。特に夏は徒歩で歩き回るのがちょっと厳しい…というのが正直なところ。
路線バスを使えば、ちょっとした距離を比較的リーズナブルに移動することができます。もちろんエアコン付きなので涼しい!
ドアツードアで移動できてしかも涼しいなんて最高では!?
暑い日なんてもうずっと乗っていたくなっちゃいます。
縦に長い香港の眺めを楽しめる
香港の景観は本当に独特。日本ではまず見られないようなぺらっぺらの高層ビルが、狭い区画にぎゅっと密集しています。ヴィクトリアピークから眺める夜景は、その極致ともいえる光景ですよね。
さらに香港は山林も多く、アップダウンの激しい地形に沿うように建てられたビルや、古い中国式の建築物が並ぶエリアもたくさんあります。二階建てバスの二階席から見ると「香港のもう一つの顔」がダイナミックに広がります。
この魅力は観光ガイドブックなどではあまり語られないので、二階建てバス利用者のみぞ知る特権とも言えるでしょう。
タッチ決済で気軽に使える
香港の路線バスは、オクトパスカードはもちろん、主要なクレジットカードやモバイル決済にも対応しています。オクトパスカードがなくても手持ちのカードで乗れるので、思い立ったらすぐ利用できるのが魅力です。
「とりあえず乗ってみる」という軽い気持ちで使えるのも、香港の二階建てバスの良いところです。
注意点
料金体系がとにかく複雑
香港の二階建てバスは複数の会社が運行しており、運賃は路線ごとに設定されています。利用するバスがどの運営会社のものかは、基本的に気にしなくても問題ありません。
注意したいのは、運賃が乗車距離ではなく「乗車地点が終点からどれだけ遠いか」で決まるという独特の仕組み。乗車地点ごとに運賃が固定されており、次の停留所で下車しても運賃は変わりません。
つまり、乗車したバス停の運賃がそのまま適用される形になります。

このため、乗車距離が長い場合は確実にそこそこの金額になりますし、逆に短距離移動でも必ずしも安いとは限りません。距離制運賃に慣れていると理解しづらいですが、これが香港のバス運賃の特徴です。
運賃決定の詳細な仕組みについてはこちらの記事で解説しているので、ここでは損をしないために覚えておきたいコツをご紹介します。
九龍↔香港島の移動はMTRが無難
海底トンネルを通る長距離系路線は、対岸に渡るタイミングで運賃が跳ね上がる傾向があります。
その点MTRならリーズナブルに移動が可能です。
最初からバスで長距離を移動する前提ではない場合、海底トンネルを通るバスは避けた方がコスパは良いです。
短距離移動は短距離バス(3桁以下)を使う
数字が1〜3桁の市内ローカル路線は、4〜8ドルで安定。
終点の遠い長距離バスは、進行方向によっては20ドル以上の高額な運賃になることが多いので、要注意です。
複数のバス停を確認する
同じ目的地に向かうバスが複数ある場合は、バス停に掲示されている運賃帯($7.7/$12.2/$20.8など)をチェックしましょう。乗車地点から終点までの距離が近い路線ほど、安い運賃で乗れる仕組みになっています。
なお遠乗り目的の場合は長距離路線をあえて利用することになりますが、その場合でもいくつかバス路線を検討するのがおすすめ。終点を確認しておかないと、途中で降りることになった場合、無駄に高い運賃を支払うことになります。
乗り物酔いしやすい人は注意
香港のバスは運転がやや荒い傾向があり、道路もアップダウンやロータリーが多く、酔いやすい条件が揃っています。
二階の最前列が取れればまだマシですが、それ以外の席だと揺さぶられるような感覚が続くことも。特にヴィクトリアピーク往復のような曲がりくねった山道ルートは、普段酔わない人でも注意した方が良いレベルです。心配なら酔い止めの準備を。
また、急発進や急ブレーキが頻発するわけではないものの、運転の荒さは日本とは比較になりません。乗車したら降車まで座席に座るか、しっかり手すりをつかみましょう。
スケジュールが一定ではない
海外ではよくあることですが、香港のバスも時刻表ではなく「時間帯ごとの運行間隔」で運行されています。
そのため、スケジュールの正確性はあまり期待できません。
朝夕のラッシュや交通状況の影響を強く受けるので、次の予定の接続を考える際は余裕を見ておく必要があります。
ルート・運賃の調べ方(便利なアプリ紹介)
路線バスのルートの検索や運賃の確認については、アプリを使うのが一番簡単です。
MTRなど別の交通機関と合わせて検索したい場合と、バスに限って利用する場合で最適解は異なります。
Googleマップ
日本でもおなじみの地図アプリ。香港でも日本と同じ感覚でルート検索が可能ですが、運賃までは出てこないのがちょっとイマイチ。
Citymapper
世界の主要都市でサービスを提供しているアプリ。ルート検索のカスタマイズ機能が豊富で、ニーズに合った使い方ができるのが特徴。こちらは運賃も分かります。
HKBUS
香港の路線バスのルート検索に特化したアプリ。路線番号や現在地など様々な軸で検索でき、運賃も分かります。
バス停に表示されている運賃テーブル(乗車するバス停と運賃の対応表)の内容も分かる点が非常に便利。
HKeMobility
香港交通局が提供するアプリ。香港の交通機関を路線バスの他にも横断的に検索でき、所要時間や運賃も分かります。
乗り方/降り方
続いては具体的な乗り方と降り方をざっくりご紹介。
利用するバス路線が見つかったら、該当のバスが発着するバス停で待ちます。
バス停の表示で運賃をチェックするのも忘れずに。

バスが来たら手を挙げるなどして運転手に合図をします。
合図しないと通過してしまうこともあるので注意。

香港のバスは前方から乗車します。
乗車時にオクトパスカードなどを専用の端末にタッチするか、運転手に目的地を告げ現金で運賃を支払います。

乗り込んだら早めに座席を確保しましょう。空席がなければ手すりにつかまります。
前述の通りかなり運転が荒いので注意。
降車したいバス停が近づいたら、停車ボタンで合図します。
停車時間は長くないので早めに降りる準備を。

目的地に着いたら、後ろのドアから下車します。
均一料金なので再度タッチする必要はありません。
おすすめの楽しみ方
最後に二階建てバスの楽しみ方をいくつかご紹介します。
その1:絶景バス路線で観光!
まずは観光バス代わりに使える香港らしい風景が楽しめるルートをご紹介!二階建てバスなら景観もしっかり楽しむことができ、大抵の場合オープントップバスよりもリーズナブル。
ネイザンロードを駆け抜ける王道系ルート
九龍側のメインストリートであるネイザンロードを突っ走るルート。
看板が減ってカオス度は若干薄れてしまいましたが、それでも尖沙咀~旺角~深水埗と街並みが微妙に変わっていく様子は必見です。黃大仙方面にアクセスできる路線もあるので、観光ルートとしても利用価値大。
このルートのおすすめ路線
- 6(KMB):スターフェリー乗り場から荔枝角バス停まで、ほぼ全線を荃湾線に沿って走る路線。
- 6C(KMB):九龍城フェリーターミナルから美孚バスターミナルまでを結ぶ路線。こちらもほぼ全線を荃湾線に沿って走る。
- 1(KMB):スターフェリー乗り場と竹園邨バスターミナル(黃大仙の近く)を結ぶ路線。
高速道路から街を見渡す絶景ルート
九龍半島西側や香港島北側などの高速道路を通るルート。高い位置を走るため見晴らしが非常によく、停留所の数が少ないことでスピード感も味わえます。

このルートのおすすめ路線
- 720(CTB):西灣河バスターミナルと香港マカオフェリーターミナルを結ぶ。途中で香港島北側の高架道路を通るので、香港島と対岸の風景の両方を楽しむことができる。ルート全体が香港島内で完結するため運賃がリーズナブルなのもポイント。
- 930(CTB):香港島の會展駅と荃灣西駅を結ぶ路線。九龍半島西側の高速道路から香港島側が望める絶景ルート。
- 950(CTB):香港島の會展駅と菁田邨バスターミナル(屯門の北)を結ぶ路線。運行区間が非常に長いため、香港島の景観に加えて、湾を隔てたランタオ島の景観も楽しめる。
香港島を南北に貫く山越え路線
高層ビルが立ち並ぶ北側と自然豊かな南側という、全く異なる香港島の景観が一度に楽しめるルート。路線によっては起伏の激しい山越えもあり、なかなかにスリリングな体験もできます。
このルートのおすすめ路線
- 6(CTB):中環と赤柱市集(スタンレー・マーケット)を結ぶ。大都会とリゾートのギャップが面白いルート。
- 99(CTB):筲箕灣と海怡半島を結ぶ。こちらは大都会とベッドタウンの両方の景観が楽しめるルートで、途中トンネルを通過する。
その2:路線バス終点旅
こちらは香港路線バス玄人(もしくは暇人)向けの楽しみ方。
何となく終点までバスに乗り、(たいてい終点にある)ローカルモールでご飯を食べて帰ってくるだけの、ゆるい過ごし方です。
乗る路線は正直何でも良いですが、この目的なら長距離路線が最適。
香港はエリアごとにかなり風景が変わるので、眺めているだけでリラックス効果もあります。YouTubeとかでお気に入りの音楽を流しても楽しいです。バスの運賃はちょっと高くなってしまいますが、バスに乗ること自体が目的ならそこまで気になりません。
ローカルモールはそこそこの規模があるところも多いですが、ラインナップは大抵似たような感じ。大家楽や美心MXなどの大衆向けレストランがリーズナブルなのでおすすめです。いずれもメニューが非常に豊富なので、どこで食べようかな?なんて悩む必要もありません。
なお中心部ではどこのお店も混雑していますが、通常ローカルモールのローカル飲食店はそこまで混まないので、長い列に並ぶ必要もありません(※サイゼリヤのような日系はどこも大抵大行列なので、そこは例外)。
香港料理はもちろん、日本人になじみのある中華料理に似たようなメニューもあるので色々試してみると面白いです。
個人的にはこの「普通に行って普通に食べて普通に帰ってくる感じ」が結構好き。
外国人がほぼ皆無の環境なので、香港の日常に紛れたような不思議な体験ができます。


まとめ
MTRでは行きづらいエリアにも気軽にアクセスでき、香港らしい景観もたっぷり楽しめる二階建てバス!
二階席の最前列に陣取れば、リーズナブルに夜景トリップすることも可能です。
運賃体系は少し独特ですが、距離ではなく「乗車地点」で決まるという仕組みを理解しておけば、無駄なく使いこなすことができます。
観光向けの絶景ルートからローカル色の濃い終点旅まで、楽しみ方は幅広く自由。
香港をより深く、より効率的に巡りたい人に、二階建てバスはおすすめです!
以上です。
関連記事
香港滞在に役立つ記事をまとめました。
二階建てバスも含む各種交通機関の使い方を解説しました。

香港の交通系ICカードといえば「オクトパスカード」!便利なアプリの使い方を解説。

日本とは色々違う香港の通信事情と、現地SIMの購入方法など。

物価の高い香港でコスパ良く楽しむコツを二階建てバスも含めて7つご紹介。

香港行きLCC「香港エクスプレス」の最安クラス「ウルトラライト」搭乗レビュー。

-1.png)



コメント