【ビザ&物価&現地sim&宿泊エリア】サウジアラビア・リヤドを旅するためのヒントいろいろ【2024年1月版】

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2019年に観光ビザの発給がスタートしたサウジアラビア。

以前はイスラム教徒の巡礼か商用でなければ入国するのが困難だった同国ですが、現在は積極的に観光キャンペーンを打っており、また国内の制度改革もあいまって、少しずつではありますが外国人観光客が訪れやすい環境が整いつつあります。

今回の記事では、そんなサウジアラビアの首都・リヤドを訪問した際に感じたことや注意点をまとめます。

既にかなり観光化されている他の湾岸諸国よりも異国情緒があり、まだあまり観光客スレしていない点はポイント高し!

目次

ビザの取得と入国

日本国籍者はビザの取得が必要

2024年1月現在、日本国籍保有者が観光目的でサウジアラビアに入国するには観光ビザの取得が必須です。

観光ビザはeVisaポータルからオンラインで申請が可能で、取得できる観光ビザは90日間まで滞在可能なマルチプルタイプです。

申請用のポータルサイトはこちら。

申請時に顔写真の画像データが必要なので、事前に準備しておくとスムーズです。いわゆる証明写真でなくても、スマホ撮影による写真で可能です。

ビザの費用と取得までの期間

これまでにポータルサイトを利用したことがない場合は、まず氏名やメールアドレスといった個人情報を登録してアカウントを作成します。ビザの取得にはビザ費用の他に保険料(サウジアラビア政府指定の保険に加入が必須)と手数料がかかります。

筆者が実際にビザの取得にかかった費用は以下のとおり。

各種項目費用
Visa Fee ビザ費用300 SAR
Insurance Fee (including VAT) 保険料180 SAR
Associated Transaction Fee 手数料8.51 SAR
合計488.51 SAR(約19,000円)

なおビザは申請から数時間ですぐに発行されました。

eVisaはPDF形式で登録メールアドレス宛に送信されます。

取得したビザは印刷しておくべきか

筆者は印刷環境が無かったため、取得した観光ビザをPDF形式でスマホに保存していつでも開けるようにしておきました。

入国審査時もスマホの画面を見せるだけで済みましたので、特段印刷して紙の形式で持っておく必要はないと思われます。

ただスマホの充電が切れていたりすると表示できないリスクがあるので、印刷して持っておくと安心かもしれません。

リヤドの交通(空港から市内&市内交通)

見渡す限りだだっ広いリヤドの幹線道路。

リヤドはカオスな車社会

リヤドは碁盤の目に広がる近代都市。市街地の範囲は非常に広く、市民の移動の足は車です。

車移動が前提の場所を旅する際にレンタカーを利用する旅行者は多いと思いますが、サウジアラビアの交通事情はあまりよくありません。例えば、運転は非常に荒く、路肩走行や2車線~3車線分の急な車線変更は日常茶飯事。旅行者がリヤドで自動車を運転するのは無謀と言わざるを得ません。

また大きな交差点以外では中央分離帯が長距離にわたって設置されていることが多く、地図上は近く見えても実際は大回りしないとたどり着けないこともよくあります。

近年問題になっているのが激しい交通渋滞。特に朝夕のラッシュ時にはほぼ車列が動かなくなるほどの渋滞が発生します。これに巻き込まれてしまうと数分の距離の移動に数十分かかることもザラなので、時間の決まっている予定(空港への移動など)はとにかく余裕を持って行動するのがおすすめです。

正直タクシーに乗っていてもハラハラすることが多いですが、ドライバーが道路事情に精通している(と思われる)分だけ幾分マシです。

公共交通機関もあるにはある

2024年1月現在利用可能は公共交通機関はバスのみ。SUICAのようなカードを購入して利用するようですが、路線がややこしく旅行者には難しいかも。

現在地下鉄が建設中なので、完成すれば市内の移動が楽になるかもしれません。

立派なバスの停留所。建設中の地下鉄との相乗効果に期待です!

旅行者は配車アプリ・タクシーの利用が便利

旅行者が市内を移動する際の足として有用なのがタクシー。UberとCareemといった配車アプリを使えば料金交渉やトラブルが避けられます。

Uber(ウーバー):タクシーが呼べるタクシー配車アプリ
Uber(ウーバー):タクシーが呼べるタクシー配車アプリ
開発元:Uber Technologies, Inc.
無料
posted withアプリーチ
Careem – rides, food & more
Careem – rides, food & more
開発元:Careem
無料
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いずれのアプリもSMSによる電話番号認証が必須。電話番号付きのSIMカードを契約するなど現地でSMSが受信できる環境を用意しておく必要があります。

2024年1月現在、キング・ハーリド国際空港の第1ターミナルは工事のため閉鎖中。第1ターミナル発着の航空会社は他のターミナルに振り分けられています。

またUberなどの配車アプリで第1ターミナルを到着地に指定した場合は、第1ターミナルでの乗降ができないため第2ターミナルなど別のターミナルで降ろされる場合があります。

リヤドでsimカードを購入する

キング・ハーリド国際空港第2ターミナル到着ロビーにある通信会社のカウンター。

空港の到着ロビーに通信会社のカウンターがある

キング・ハーリド国際空港の到着ロビー向かって右側に複数の通信会社がカウンターを設けており、SIMカードの購入が可能です。

SIMカード購入時に身分証(パスポート)の提示と指紋の登録が必要です。

筆者はstcを購入してみました

筆者は一番人が並んでいたstcを利用してみることにしました。対応は割とぶっきらぼう。

提示されたオプションは一種類で、通常のデータ通信4GB分とソーシャルメディア用データ6GB分、通話が300分ついてきて75サウジアラビアリヤル(約3,000円)。1ヵ月有効です。ソーシャルメディア用のデータ量が別途割り当てられているのがSNS大国サウジアラビアらしいかも。

無事にsimカードが有効化すると、SMSでsimカードに紐づけられた電話番号が通知されます。(通知はアラビア語ですが、10桁の番号が記載されていればそれが電話番号です)

公式アプリをインストールすると残り容量が確認できて便利。購入時にパスポートや指紋により個人情報とsimカードの情報が紐づけられているからか、電話番号のみで簡単にログインが可能です。

mystc KSA
mystc KSA
開発元:STC
無料
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容量が足りなくなったら(stcの場合)

データ容量が足りなくなったら、追加の通信プランを購入すれば容量を増やすことができます。アプリから通信プランの一覧を確認できますが、それぞれのプランが直接購入できるわけではなく、対応する金額をチャージする必要があります。

チャージはクレジットカードを利用してアプリ経由で行うことができますが、筆者の持っている全てのカード(全て日本で発行)がはねられてしまったため、店舗に赴く必要がありました。

サウジアラビア以外で発行されたカードが利用できない可能性が考えられるので、データ容量がギリギリにならないよう目配りをしておくと安心です。

リヤドのおすすめ宿泊エリア

Al Futah地区周辺:観光至便だが雰囲気に難あり

AL Futah地区はリヤドで最も古い地区。北には国立博物館ムラッバ・パレス、南にはマスマク・フォートレスディラ・スークといった見どころが徒歩圏内にあるため、効率よく観光ができる点が魅力です。いわゆる安宿を始めとするお手頃な宿泊施設も多く、出費を抑えて旅するスタイルの旅行者にも最適なエリア。

国立博物館とムラッバ・パレスの中間にある広場。ここまで来れば雑多な感じは無くなりますが…

一方で同地区は現在移民街&一種の貧民街となっており、建物は古びていて道端にはごみが散乱しているなどかなり雑多な雰囲気。

飲食店を含め各種店舗はインドやパキスタン系で占められ、アラブ感はほぼゼロです。夜になると街は移民労働者(ほぼ全員男性)であふれかえり、かなり異様な雰囲気に。

またマクドナルドやKFCのような欧米系のファストフード店、スタバのようなwifiや電源のあるカフェは皆無です。

観光の利便性だけを考えればコスパの高い場所ですが、万人向けとは言い難いエリアです。

Al Olaya地区周辺:痒い所に手が届くバランスの良いエリア

キングダム・タワーアル・ファイサリア・タワーといったランドマークがそびえる商業とビジネスの中心地。高級ホテルからビジネスホテルまで多彩な選択肢があります。土地柄安宿を見つけるのはちょっと難しいかも。

幹線道路の周辺には大型の商店やショッピングモール、奇抜な建築のオフィスビルが立ち並んでおり、煌びやかな現代のサウジアラビアを体験するのにおすすめのエリアです。

キングダム・タワー併設のショッピングモール。金曜日午前は閉まっているので注意。

デメリットといえば、徒歩で移動する場合に幹線道路の横断が難しい点や、歴史スポット系の観光地から離れているため観光しようとすると広範囲の移動が多くなる(タクシー移動の費用がかさむ)点でしょうか。

なおいわゆる繁華街のため、周辺の店舗の価格設定も若干強気。予算に限りがあるとちょっとひもじい思いをするかもしれません。

またオシャレなお店が多い反面、アラブっぽいローカル感のあるお店やリーズナブルなお店を見つけるのは難しいです。

リヤド郊外:ローカルの生活に触れられる

中心街から東西南北に外れたエリア。近年一般のサウジアラビア人はごみごみした中心街から離れた場所に居住する傾向があり、郊外には低層の住宅地をメインに幹線道路沿いに商店が並ぶエリアがぽつぽつと形成されています。

そういったエリアには外国人向けの大規模ホテルや安宿はないものの、小規模のアパートメントホテルの選択肢が意外と豊富なので、観光地にこだわらないタイプの長期滞在者には色々と使い勝手が良いかもしれません。

また居住者がそこそこいるということで周辺にはスーパーマーケットやアラブ料理を提供するお店、独立系のカフェなど普段使い向きのお店が多いので、サウジアラビア人の生活を垣間見ることができます。

広い土地を活かした開放感のあるカフェ。地元民がひっきりなしに訪れていました。

ただし静かな居住エリアのため観光地からは基本的に遠いですし、新興住宅街のありがちな歯抜け状態の区画も多く、商店同士の距離もそこそこあります。周辺のお店からの距離を考慮して宿泊場所を選ばないと毎回そこそこの距離を歩くか、微妙な距離で毎回タクシーを利用するハメになるので注意。

具体的にどこのエリアというのは難しいですが、いわゆる中心街であるAl Futah地区周辺やAl Olaya地区周辺から少し北か東(キング・ハーリド国際空港寄り)に外れた碁盤の目状の区画が整然と並んでいるエリアや、逆に西か南に外れたエリアが該当します。

空港を利用する予定がある場合は中心街の混雑を避けられる北部か東部がおすすめ。

リヤドの物価

標準的なアラブ料理(1人前)。これで800円くらいです。

全般的なリヤドの物価は東京と同じか少し安いくらい。ただし外資系のチェーン店は日本よりも高めの印象です。キャッシュレス決済が浸透しており、現金はほぼ使いません。

食費

リヤドの食費はインド・パキスタン系の安食堂であれば500円いかないくらい、アラブ系のローカル食堂であれば1,000円程度、おしゃれなレストランでは2,000円からくらいが相場でしょうか。

カフェのコーヒーは一杯600円程度が多いですが、一部安めの価格設定の場所もあります。

中東地域でメジャーなファストフード店、Al Baik。お財布に優しい価格設定です。

交通費

Uber利用の場合、空港から市内中心部まで5,000円程度、近距離(10分程度)の移動で2,000円程度かかります。

宿泊費

当然ながら?かなりピンキリで、安めのシングルで5,000円程度~。

ラグジュアリーホテルは上を見ればきりがないほどです。

その他注意すべきルールや治安など

治安は安定している

宗教的な戒律の厳しさや移民労働者への制度的締め付けといった背景から、サウジアラビアの治安は比較的安定しています。商業地区であれば深夜まで明るいので、ちょっとした買い物程度であれば出歩いても大丈夫。

ただし移民労働者の多いエリアでは夜間や女性のみの行動は避けた方が無難だと思いますし、住宅街は発展途上でスカスカ状態なので、そのような地区を歩く際も注意が必要だと感じました。

建設中の建売住宅と思われる建物が並ぶ光景。郊外の住宅街にはこんなエリアがぽつぽつとあります。

また日本人はアラブ人や南アジアからの移民労働者と顔立ちが異なるので多少目立ちます。

数年前までは外国人観光客が入国できなかったこともあり、異教徒ということもあって面白がってちょっかいを出す輩がいたり、フィリピンやインドネシアからの労働者と間違えられる可能性がある点には多少留意しておいたほうが良いかもしれません(特に何だということでもないのですが)。

イスラム教の厳格なルールに注意

豚肉とアルコールはご法度

イスラム教の聖地を擁するサウジアラビアでは、宗教上禁止されている豚肉とアルコールはサウジアラビア国内に持ち込むことが出来ません。工程でアルコールの発生する日本の醤油洋酒入りのチョコレートなどはうっかり持ち込んでしまう可能性があるので要注意。

ハラル認証を受けた醤油であればサウジアラビア国内でも入手が可能です。

メイドインサウジアラビアの炭酸飲料やノンアルコール飲料は種類が豊富。

宗教行事は重要です

またイスラム教の行事はイスラム暦(イスラム諸国で用いられる太陰暦)に則って決められます。

日中の一切の飲食を絶つラマダンは有名ですが、他にも月の満ち欠けにより直前に決まるようなタイプの祭日もあるので、急な日程変更の場合でも柔軟に対応できるようにしておく必要があります。

男性のみ・ファミリー向けの区分が厳格

イスラム教の戒律により、公共交通機関や飲食店は「男性のみのエリア」「ファミリー向けエリア(女性のみの場合も含む)」に厳格に分けられています。入る前に表示の確認を!

リヤドのマクドナルド。向かって右、Family Sectionの表示がある扉はファミリー向けエリアの入り口です。

写真撮影は被写体に注意

SNSブーム真っ只中のサウジアラビアでは、老若男女問わずスマホでさまざまな被写体を撮影している姿をよく見かけます。

風景や食べ物であれば、写真を撮るのは全く問題ありませんが、外国人観光客として注意すべきなのが人物や政府機関の建物の撮影。宗教上の配慮からサウジアラビア人に限らずイスラム教徒の女性を被写体にするのは避けた方が良いですし、政府機関などの写真撮影は保安上の理由から禁止されているので撮らないように注意しましょう。

英語の通用度は若干低め

外国人観光客の受け入れが始まってからあまり時間が経っていないからか、Uberのドライバーも含めて英語の通用度はまちまち。移民労働者であっても英語が通じるとは限りませんし、アラブ人向けのローカル食堂だとアラビア語対応のみ(英語メニューがない)の場合もあります。

そのため、どローカルなお店を利用する予定がなかったとしても、アラビア語の翻訳ができるアプリをインストールしておくのがおすすめです。

筆者がインストールしていてよかったと思ったのがNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)開発のVoiceTra。音声入力の精度が高く、主にタクシードライバーとのやりとりで役に立ちました。

VoiceTra
VoiceTra
開発元:NICT
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【変更点】アバヤ着用は必須ではなくなった

かつては女性であれば外国人観光客であってもアバヤ(イスラム教徒の女性が肌を隠すために着用する黒い上衣)の着用が必須でしたが、現在はサウジアラビア人を含めてオプションという扱いになっています。

しかしながら、アバヤの着用が必須ではなくなったといっても、やはり保守的なお国柄であることは変わりません。アバヤを着用している女性の割合は非常に高いですし、着用しない場合でも節度を守った服装が推奨されます。

防犯の観点からも、露出度の高い服装で出歩くのはおすすめできません。

【変更点】お祈りの時間にお店が閉まることはなくなった

以前はお祈りの時間になるとお店が一時的に閉まったりウエイターが注文を取りに来なくなるといったことがあったようですが、2024年1月現在、そういったルールは撤廃されています。

店主の判断により自主的に守っている場合がないとは言えませんが、外国人観光客がお店の営業時間を気にする必要が減ったのは朗報ですね。

まとめ

本記事では、2024年1月に筆者が観光ビザでサウジアラビアに入国した際の情報をまとめました。観光地としてはまだまだ発展途上感が拭えないものの、以前見聞きしていた情報から比べると、格段に旅行しやすくなっていると感じます。

本稿がサウジアラビア(特にリヤド)に旅行を計画している方の参考になれば幸いです。

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