【完全版】ジュネーブ市内の各種公共交通(バス・トラム・ボート・電車)の乗り方&チケットの購入方法

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スイス・ジュネーブ市内を巡るには公共交通機関が非常に便利。日本とはシステムが異なるため戸惑う点もありますが、慣れてしまえば色々なところにストレスなく移動することができます。

ジュネーブで利用可能な公共交通機関は以下のとおり。

  • バス
  • トラム
  • ボート
  • 電車

バス・トラム・ボートはtpg(Transports Publics Genevois、ジュネーブ公共交通)が、電車はSBB(スイス国鉄)が運営しています。

電車については国際鉄道や近郊鉄道といった種別が色々ありますが、今回はジュネーブ市内(ゾーン10)範囲内の電車についてご紹介します。

目次

路線図・運行時間・ルートの探し方

路線図とルート検索

tpgの公式ウェブサイトに以下の種類の路線図が掲載されています。

路線図の種類
  • Schematic plan:いわゆる普通の路線図。ルート検索だけであれば一番手軽。
  • Geographic Plan:実際の地形に則った路線図。実際に通る場所が一目瞭然。距離感が分かりやすい。
  • Night Plan:夜行バスの路線図。
  • Schematic plan of the TAC network:ゾーン210(フランス)内の路線図。
  • Tariff zone plan:近郊鉄道も含めた料金ゾーンの地図。料金ゾーンを調べたいときに。

路線図から自力で検索することも可能ですが、tpg公式ウェブサイトのトップページでも出発地と目的地を入力してルートの検索が可能です。

Schematic plan。コルナヴァン駅を中心に路線が張り巡らされています。出典:https://www.tpg.ch/en/travel/plan-journey/maps

カラフルな太い線がトラム、細い線がバス、黒い線が電車、湖の青い線がボートの路線をそれぞれ指します。

運行時間

路線によっても異なりますが、バスやトラムは大体6:00から24:00の運行です(深夜バスを除く)。ボートは平日は朝7時ごろから21時ごろ、土曜日・日曜日は10時ごろから21時ごろの運行です。

便利なアプリ

tpgは複数のアプリをリリースしており、それらが非常に便利です。他の交通系アプリも有用です。

tpg

路線検索やチケットの購入が可能な基本のアプリ。GPSを利用して最寄りのバス・トラム停留所を探したり、時刻表を調べたりすることが可能です。

公式ウェブサイトに掲載されている地図も検索可能ですが、公式ウェブサイトへのリンクというかたちをとっているのでネット接続が必須です。

tpg
tpg
開発元:Transports publics genevois
無料
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tpgPreview

もう一つのtpg公式アプリ。上記のtpgアプリとかなり機能が被っていますが、こちらは地図を主体としており、より視覚的に情報を得ることが可能です。

上のアプリでチケットを購入できない場合の保険としても使えます。

tpgPreview
tpgPreview
開発元:Transports publics genevois
無料
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Citymapper

またシンガポールの公共交通機関の記事でもご紹介したCitymapperはジュネーブもカバーしています。

Citymapper
Citymapper
開発元:Citymapper Limited
無料
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チケット料金と買い方

ジュネーブの公共交通はゾーン制

ジュネーブの公共交通は距離制ではなくゾーン制なので、利用する区間に対応するゾーンのチケットを購入します。

ジュネーブ近郊のゾーン一覧
  • ジュネーブ市内→ゾーン10
  • フランス領→ゾーン200、210、230、240、250、300、380、400

ジュネーブ市内のみの移動であればゾーン10内で有効のチケットを購入します。その他にも近隣のフランス領にも別途ゾーンが割り当てられているので、ゾーンをまたぐ移動の際には対応するチケットが必要です。

料金設定

ゾーン10内で有効な1回券(Les billets)は以下のとおりです。

チケット種別説明料金
Saut de puce3駅(停留所)分の片道で有効なチケット。短距離移動向き2.00 CHF
“Tout Genève” ticket60分間乗り降り自由のチケット3.00 CHF
表示は大人料金です。子供料金(6歳~15歳)等も別途設定されています。

同じくゾーン10内で有効な一日券(Les cartes journalières)は以下のとおりです。

チケット種別説明料金
Day pass from 9:00 a.m一日券(午前9時から終電まで利用可能)8.00 CHF
Day pass一日券(始発から終電まで終日利用可能)10.00 CHF
表示は大人料金です。子供料金(6歳~15歳)等も別途設定されています。

その他にも子供料金や長期滞在者向けの定期券(週/月/年単位)、国境をまたぐチケット(ジュネーブ+フランス領など)も設定があります。詳細は公式ウェブサイトの該当ページをご確認ください。

チケットの購入方法

市内交通のチケットは色々な方法で購入が可能。筆者のおすすめは券売機アプリでの購入です。

ジュネーブのホテルに宿泊する場合、サービスの一環として交通カードがもらえることがあります。その場合はチケットを購入する必要がありません。必要に応じて宿泊先に確認を!

券売機で買う

バスやトラムの停留所に設置されている券売機を利用する方法です。

スイスフランかユーロの硬貨、クレジットカード、デビットカードが利用可能。

オレンジ色が目印。

アプリで買う

先ほどご紹介したtpg公式アプリを利用する方法です。こちらはクレジットカードかデビットカードがあれば利用可能。

SMSで買う

SMSを送って購入する方法です。スイスかフランス(Orange, SFR, Free et Bouygues)の事業者の番号があれば利用可能です。

具体的な手順としては、SMSの宛先788にSMSを送り、その後購入したいチケットに割り当てられているコードを送ればチケットが送られてきます。

旅行者がよく使うと思われるコードは以下のとおりです。

  • tpg1:ゾーン10内で60分間有効の一回券(”Tout Genève” ticketに相当)
  • cj1:ゾーン10内で終日有効の一日券(Day passに相当)

窓口で買う

チケットの種別などについて直接相談しながら購入する方法です。市内にいくつかtpgの窓口がありますが、コルナヴァン駅の支店が利用しやすいと思います。

営業時間は、平日は8時から19時、土曜日は9時から18時。日曜日はお休みです。詳細はこちら。

あとは繁華街に近いRiveの支店も便利。

乗車時に車内で買う(バスのみ、券売機が備え付けられていないエリア)

一部の区間限定ですが、備え付けの機械でもチケットが買えるらしいです(未確認)。コンタクトレス決済対応のクレジットカードやデビットカードが必要です。

外国人としては不確実な要素が多いので、筆者個人としてはよほど必要のない限りおすすめしません。

バス・トラムの乗り方

バスの外観。
トラムの外観。

バス・トラム路線は市内に満遍なく張り巡らされており、運行も基本的に時刻表通り。

海外なので治安には注意が必要ですが、基本的に日本に近い感覚で利用できます。

乗車する

バスの場合は、乗りたいバスが来たら合図をしてバスを停めます(合図しなくても停まる場合もあります)。前後どこからでも良いので乗車します。

トラムの場合、特段合図は不要ですが、トラムの停留所であっても降りる人がいない&乗る人がいないと停留所を通過することがあります。トラムを停留所で待つ際は、運転手から見える位置にいましょう。

降りてくる人が居ればドアが自動で開きますが、そうでない場合はドア脇にあるボタンを押してドアを開けます。待っていてもドアが開くとは限らないので注意!

乗り込んだ後に整理券を取ったり、チケットを何かに通すような作業は一切必要ありません。有効なチケットを持っているのであればただ乗るだけでOKです。

ランダムに検札があり、その際に有効なチケットを持っていないと罰金です!乗車前にチケットを購入しておくようにしましょう。

チケットの形態は購入するプラットフォームによって異なりますが、購入したチケットやアプリの画面を常に提示できるようにしておくと安心です。

バスやトラムには小型の画面が取り付けられており、これから通過する停留所が確認できるようになっています。

ジュネーブの場合、バス・トラム車内のアナウンスは現地語であるフランス語ですが、基本的にフランス語が理解できなくても支障がないよう設計されています。

以下のような内容が頭に入っていれば通常大丈夫なはずです。

公共交通利用時に覚えておくと便利なフランス語
  • Destination(デスティナシヨン):行き先、方面
  • Prochain arrêt(プロシャン・アレ):次の停留所。日本語の「次は~駅です」に相当
  • Ligne(リーニュ):路線。Ligne 1なら「1号線」
  • Correspondence(コレスポンダンス):乗換。アナウンスでは、この言葉の後に乗換可能路線が案内される
  • Gare(ガール):駅。Gare Cornavinは「コルナヴァン駅」の意味
  • Billet(ビエ):乗車券、チケット
  • Arrêt de bus(アレ・ドゥ・ビュス):バスの停留所(バス停)
  • Arrêt de tram(アレ・ドゥ・トラム):トラムの停留所

降車する

降車したい停留所が近づいたら、降車ボタンを押して運転手に伝えます(降車ボタンが押されると画面上の停留所名の脇に「STOP」と表示されます)。

ドアが開いたらそこから降ります。この場合もどのドアからでも降車してOK。

なお、次の停留所で開くドアは上部に緑のサイン(エレベーターの「開く」のようなサイン)が点灯します。ドアのサインが点灯していない場合は停留所に着いてもそのドアは自動で開かないことがあるので、降りたいドア上のサインが点灯していない場合は、念のため自分でも降車ボタンを押しておくと安心です。

もしドアが自動で開かない場合でも、降車時にSTOPボタンを押せばドアが開きます。

国境をまたぐ区間を利用する場合は要注意

バス路線によってはフランスとの国境をまたぐルートがあります。

スイス領内を出る際にはアナウンス(フランス語)があるので、国境を越えた先のゾーンで有効なチケットを持っていない場合はそこから最寄りのバス停で下車します。もし継続して乗車したい場合は、該当するゾーンで通用するチケットを予め購入しておく必要があります。

なお、既にゾーン10(ジュネーブ市内有効)のチケットを購入済みでフランス領に行きたい場合、Extention Ticketを買えばOK。この場合も券売機かアプリでの購入が便利です。

アプリであれば乗車前に買えなかった場合でも乗車中に購入が可能ですが、乗車後に購入したチケットが有効と見なされるのかは試したことがないので不明です。可能な限り乗車前に購入しておいたほうがトラブルを回避できると思います。

週末・祝日は運行本数が大きく減るので注意!

土曜日・日曜日は運行本数が大きく減ります(特にバス)。また路線によっては短縮運転になる場合も。

週末の移動は時間に余裕をもって!

ボートの乗り方

黄色いボートが湖に映えます。

ジュネーブでは、バスやトラム以外にもレマン湖の渡し舟も利用可能です。チケットはバスやトラムと共通です(ゾーン10)。2024年5月現在ボートは全部で4路線あり(M1からM4)、ほぼ10分間隔で運行されています。

ボートの路線
  • M1: Pâquis ~ Molard
  • M2: Pâquis ~ Eaux-Vives
  • M3: Pâquis ~ Genève, Plage
  • M4: De-Chateaubriand ~ Genève, Plage

桟橋に向かう

ボートを利用するには乗船する桟橋に行きます。桟橋は黄色い看板が目印。

桟橋にはバスやトラムの停留所と同じ券売機が設置されているので、乗船前に桟橋で乗車券を買うこともできます。

奥がEaux-Vivesの船着き場。手前にはオレンジ色の券売機が設置されているのが見えます。

各桟橋の場所

M1からM3のボートが発着するPâquisの船着き場はモン=ブラン通りQuai du Mont-Blanc沿いにあります。コルナヴァン駅とその周辺の繁華街からのアクセスが便利です。

M3とM4のボートが発着するGenève, Plageの船着き場はビーチの近くにあります。市民の憩いの場である広大なグランジュ公園Parc La Grangeからもすぐです。

M2のボートが発着するEaux-Vivesの船着き場は花時計で有名な英国庭園Jardin Anglaisの近くにあります。

M3のボートが発着するMolardの船着き場はモン=ブラン橋Pont du Mont-Blancのたもとにあります。高級時計店や宝飾店が立ち並ぶローヌ通りからも近いです。

桟橋から乗船する

船に乗り込む列(右側)と船から降りる列(左側)が分かれているので、右側の乗船列に並んでボートが来るのを待ちます。ボートが来たらそのまま乗船します。バスやトラムと同様チケットのチェックは特段ありません。

PâquisとGenève, Plageは複数の路線があるので、乗船列に並ぶ前に桟橋に記載されたMで始まる番号を確認しましょう!

桟橋には時刻表や乗船の注意事項が掲示されています。

Eaux-Vivesの船着き場のスケジュール。

公共交通のボートは黄色が目印です。

遠くからも目立つ黄色いボート。

レマン湖上からモン=ブラン橋を望む(M2)。ボートだと地上からだと見ることのできない風景を楽しむことができます。

他にも大噴水Jet d’Eau de Genèveの近くを通るルートもあったり、交通機関ですが観光にも使えます。

短い船旅を楽しみましょう。

目的地の桟橋で船から降りる

目的地の桟橋に着いたら船を降ります。以上。非常に簡単ですね。

電車の利用方法

ジュネーブ市内なら電車もバスやトラムと同じ感覚で利用できます。

チケットを買う

ジュネーブ市内のみの移動であればtpgのゾーン10有効のチケットがそのまま使えます。

Zone 10と書かれている範囲(中心の白色部分)の鉄道が該当します。出典:https://www.tpg.ch/en/travel/plan-journey/maps

ジュネーブ域外へ行く場合は別途チケットの購入が必要です。購入はアプリか専用の券売機で。

SBB Mobile
SBB Mobile
開発元:SBB AG
無料
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鉄道のチケットが購入できる券売機。

券売機では行き先を指定して購入が可能です。ゾーンが示された路線図を見ながら購入できるので便利ですね。

目的の電車を掲示板で確認

目的地に向かう電車の時刻とプラットフォームを掲示板で確認します。

掲示板に記載されている項目は以下のとおり。

  • 電車の種別
  • 発車時刻
  • 目的地(主要な経由地や途中駅も表示)
  • プラットフォーム
  • 備考(遅延、運休、その他の変更などを表示)
掲示板は見やすくて便利。

プラットフォームに向かい乗車する

発車時刻に近くなったら該当のプラットフォームに向かいます。ホームにも目的地や時刻が表示される掲示板があるので、再度確認すると確実です。

大きく書かれているのが終着駅、小さく書かれているのが主な途中駅です。

またホームにはAやBといった乗車目標が示されており、どの停車目標に何号車が停まるのかが一目で分かるようになっています。

自分の位置が分かります。

写真の場合、次発の電車は17時42分発St.Gallen行きで、途中ローザンヌLausanneやチューリッヒ中央駅Zurich HBといった駅を通ることが分かります。

またEの左側の赤い目印から、この掲示板が設置されているのがDとEの中間地点で、車両に1という番号が振られていることから、ここは一等車の乗車目標であることが分かります。

もし所有しているのが二等車用のチケットの場合は、前方か後方に移動して2という番号の振られた車両に乗車する必要があります。この場合はDの前方側かFの後方側まで行けば二等車に乗れそう。

なお鉄道もバスやトラムと同じ信用乗車方式。改札は無いのでそのまま電車に乗り込みます。

白い車体が綺麗。

乗車クラスが分かれている(一等と二等)ので、乗車前に車両に記載されている番号を確認してください。

ランダムで検札があるのでチケットは常に提示できるようにしておきましょう。

目的地に着いたら下車する

目的地に着いたらそのまま下車します。

こちらも改札は無いのでそのまま駅を出ます。

まとめ

本記事ではジュネーブのバス・トラム・ボート・電車の利用方法をご紹介しました。

利用料金も含めて変更が多い情報なので、念のため公式ウェブサイト等で確認されることをおすすめします!

以上です。

参考にしていただけると嬉しいです。

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