留学前に要チェック!渡航前に日本でやっておくべきお金の手続6選【駐在&海外移住でも!】

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海外留学は準備することがいっぱい!

そして厳しい留学生活を乗り切るための準備といえば、やっぱり「英語の勉強」や「筋トレ」!といった方向に目が向きがちですが…ちょっと待って!

確かに留学の成功には語学力や体力は大変重要ですが、長期留学前に日本でやっておくべきこととして忘れてはならないのがお金に関する手続き。ただでさえお金がかかる留学。少しでも負担を減らせるなら儲けものです。

しかもお金に関する手続きは、出国してしまうと物理的・制度的に手続きができかったり、手続自体は可能でも非常に煩雑になることが多いです。

今回はそんなお金に関する手続きを6つご紹介します。

  1. 海外転出届の提出【市区役所/町村役場】
  2. 国民年金【市区役所/町村役場、年金事務所】
  3. NISAとiDeCoの手続き【金融機関/証券会社、運営管理機関】
  4. 海外旅行傷害保険の契約【保険会社】
  5. 銀行口座の新規開設・整理【銀行】
  6. 所得税の確定申告【税務署】(※該当者のみ)

適切に処理しておくことで、留学中の無駄な出費を抑えたり課税される金額を減らしたりすることができます。

留学先で慌てないよう、早めに一つずつ片づけていきましょう。なおこの記事の内容は海外移住や駐在で長期間日本を離れる際にも当てはまる内容なので、参考にしていただけると幸いです。

個々人の条件によって手続き内容が異なるので、不明点は必ず各制度を所管する機関に確認を。

目次

海外転出届の提出

国外での居住期間が概ね1年を超える場合は、居住する市区町村の役所に海外提出届を提出し、海外転出の手続きを行います。届出日は渡航前14日以降。

海外転出届を提出すると住民登録が抹消されるため、翌年から住民税が課税されなくなり国民年金の加入は任意(=保険料の支払いも任意)、国民健康保険は脱退(=健康保険料は支払わなくても良い)になります。

ただし1月1日(基準日)現在の居住地で課税される住民税については納税義務がある点は注意が必要。納税管理人の選定が必要になるケースもあります。

なおこの手続きは渡航後であっても郵送でできる場合もあるようなので、詳細は居住自治体にご確認ください。

海外転出届は出さないことも可能です(罰則なし)。海外転出届を出さない場合は住民登録が残るので、渡航前と同様に住民税が課税されます。また国民年金や国民健康保険にも加入し続けることになります。

以前は海外転出するとマイナンバーカードは失効することになっていましたが、令和6年5月27日から海外転出後も継続して利用できるようになりました。詳細はこちらのサイト(マイナンバーカード総合サイト)をご確認ください。

国民年金の手続き

上述のとおり、海外転出届を提出すると国民年金の加入が任意になります。

将来的の年金受給額を減らしたくないのであれば、任意加入を検討すべきです。手続きや保険料の払い込み方法については、居住自治体にご確認ください。

退職してから留学する場合、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが別途発生する可能性があります。この場合も居住自治体か年金事務所に問い合わせが必要です。

NISAとiDeCoの手続き

海外転出届を提出し1年間以上留学する場合は「非居住者」になるため、NISA(つみたてNISAも含む)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の取り扱いが変わります。

NISA・つみたてNISA

非居住者の場合は、原則解約(口座閉鎖)しなければなりません。

口座を保有している金融機関/証券会社によっては、(取引に制限はかかるものの)口座の継続保有が可能な場合もあるので、事前に確認・問い合わせをおすすめします。

2024年から始まる新NISAでは、出国前に所定の手続きをすれば継続保有ができるようです。

iDeCo

非居住者の場合は前述のとおり国民年金は任意加入となります。国民年金に加入しない場合はiDeCoの加入資格を失うことになりますので、掛金の運用はできません。

ただ運営管理機関によっては、国民年金に任意加入する場合iDeCoは(取引に制限がかかる可能性はあるものの)継続して利用が可能な場合もあるようです。

なお加入資格を失うと掛金の拠出ができなくなりますが、「運用指図者」制度を利用すれば運用は可能です。

こちらはご自身の選んだ運営管理機関への問い合わせが必要です。

海外旅行傷害保険の契約

海外旅行傷害保険は任意。でも絶対入るべき!

海外では日本の保険制度が利用できないため医療費が高額になりますし、言語面での不安もあります。

海外旅行傷害保険に入っておけばキャッシュレスサービス(医療費を保険会社に立て替えてもらえる)や医療通訳といったサービスを受けられるので、安心して学業に専念できます。

日本の海外旅行傷害保険は通常出発前しか契約できないため、必ず出発前に手続きを完了させましょう。

またクレジットカードに海外旅行傷害保険が付帯していることも多いですが、こちらはあくまで短期間の海外旅行用。適用期間が短かったり、補償額や提供サービスが充実していなかったりと、長期留学には向かない場合が多いようです。

留学先によっては加入が義務付けられている場合も

留学先によっては、その国の定める保険制度と代替性のある保険への加入が義務付けられている場合があります。

その場合、日本の海外旅行傷害保険で代替できず、現地の会社が提供する海外旅行傷害保険に加入する必要がでてくることが多いので、補償内容をよく確認したうえで契約しましょう。大学から紹介される場合もあります。

スイス(ジュネーブ)の留学生用保険を比較した記事はこちら。

銀行口座の整理

長期留学は銀行口座整理の良タイミング

銀行の提供するサービスや取引ルールは、日本と海外で大きく異なります。

特に長期留学を前提とすると、銀行口座の物理的・心理的管理コストを最大限まで減らしたいと考える人が多いと思います。

結果として、長期留学はこれまで使用していなかった銀行口座をリストラしたり、海外で利用するために新たに口座を開設する良いきっかけになります。

出国前しかできない手続出国後は制限のかかる手続を把握し、戦略的に立ち回りましょう。

出国後は口座の新規開設ができない場合がある

日本を出国して非居住者になった場合、日本において銀行口座の開設ができない場合や口座の維持が認められない(解約する必要がある)があります。

そのため、留学中に利用する銀行口座を開設したい場合は、出国前に非居住者でも利用可能な銀行で口座を開設しておく必要があります。

筆者が利用したことのある銀行

参考までに、筆者がシンガポール駐在時に利用していた日本の銀行は以下の2つです。

  • SMBC信託銀行プレスティア
  • 三菱UFJ銀行(グローバルダイレクト)

SMBC信託銀行プレスティア

SMBC信託銀行プレスティアはもともと海外利用を想定されているためか、外貨関係のサービスが充実しています。

キャッシュカードはデビットカードとの一体型で、プレスティアマルチマネー口座に現地通貨を予め入れておけば、現地ではその現地通貨で決済したり、ATMで現地通貨を現金で引き出せたりできて非常に便利。レートを気にしなければ、あらかじめ現金を両替しておく必要もありません。

また利用の度にメールが送られるので出費の管理にも良いです。

海外送金は登録済口座宛てのみ可能なので、送金する可能性のある口座は日本にいるときに登録してしまうのがおすすめです。

あとはカードフェイスがカッコイイのもGOOD。

メリット・デメリットなどの情報はこちらの記事にまとめているので合わせてどうぞ。特典もあります。

三菱UFJ銀行(グローバルダイレクト)

三菱UFJ銀行のグローバルダイレクトは月額料金がかかりますが、国内での送金と同じような感覚で利用できて便利でした。

また送金サービス「WISE(ワイズ)」の振込先口座が三菱UFJ銀行であることから、振込手数料を浮かせるために利用していました。(2024年3月現在振込先はPayPay銀行になっています。)

海外送金については銀行以外の手段がおすすめ

長期の海外留学では学費の支払いなど大口の国際送金を行う場面が必ずやってきます。

銀行を経由した海外送金は一番簡単ですが、適用されるレートが悪かったり、中継銀行で高額な手数料が取られたり、着金まで時間がかかったり…と使い勝手がイマイチな側面もあります。

事前に送金先登録をしておかないといけないのも結構不便。マネーロンダリング対策が必要なのは分かるんですが…

その点、前述のWISEであればそのあたりのデメリットが解消されているので便利です。

詳細はこちらの記事をどうぞ。特典もあります。

出国後は各種取引に制限がかかる場合がある

非居住者の場合、制限がかかったり対象外になる取引があります。

また、各種取引を行う際に、マイナンバーの提供が求められることがあります(取引内容によっては提供義務)。

有効な個人番号カードが手元にあれば個人番号カードのみで認証されますが、個人番号カードが失効していると、追加書類の提出が必要になります

銀行の提供する特定のサービスを利用したい場合や海外送金のような取引を行いたい場合は、個人番号カードを失効させる(=海外転出届を提出する)前に、居住者と非居住者の取扱の違いについて取引銀行に確認しておくことをおすすめします。

所得税の確定申告(年度途中に退職して留学する場合)

退職してから留学する場合はその年の1月から退職日までの源泉徴収分については年末調整が行われないため、そのままだと所得税が納め過ぎになってしまいます

所得税の確定申告はその過不足を解消するための手段です。

所得税の確定申告は住所地を所管する税務署で行えます。2023年5月現在、来署予約が必要。

国税庁「タックスアンサー」に該当のページがありましたのでリンクを貼っておきます。

まとめ

大学院留学の目的はもちろん現地でしっかり勉強して学位を取り理想のキャリアにつなげることですが、日本で必要な手続きを終えずに渡航してしまうと、本来悩まなくても良いことに頭脳のリソースや時間を割くことになってしまいかねません。

留学が開始すると頻繁には日本に戻れないので、出国前に確実に手続きを行いましょう。

なお、お金以外にやっておくべきことはこちらの記事にまとめています。

以上です。

参考にしていただけると嬉しいです。

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