【海外大学院って忙しい?】環境に慣れるだけでも一苦労!な第1セメスター中間振り返り

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スイス・ジュネーブ留学中のMattです。

9月から授業が始まり、先日ミッドターム(中間試験)が終わったところ。キリが良いので、このタイミングでこれまでの授業の感じや大学院留学生生活を一旦まとめたいと思います。

個人的には「文系」ってちょっと…とは思いますが、ひとまず分かりやすさ重視。

目次

学業面

大学院留学って忙しい!

専攻にもよりますが、大学院は大学学部と比較して授業が少な目です(文系の場合)。

現在筆者は授業を週5コマ(1時間45分×5)を取っており、これだけ聞くとスカスカな感じがしますが、リーディングや課題をこなしていくと、あっという間に時間が経ってしまいます。

でも学習内容はそれでも十分とは言えないくらい。

また自炊の頻度が増えた関係で、買い物や実際の調理などにもかなり時間が割かれます。

課外活動やイベントも色々とあるので、計画性が大事!

英語が得意な優等生から、一気に劣等生に

日本に居た頃や働いていた頃は同僚の中でも海外経験が豊富で外国語もできる方で、職場での評価もそこまで悪くなかった筆者(駐在させてもらえるくらいなのできっと悪くはなかったはず…)。

しかしこちらでは慣れないことに悪戦苦闘。内容が高度でこの分野のアカデミックの基礎が無い&社会人経験が長いことから簡単に良い結果が出ないことは織り込み済みであったものの、正直ここまで苦戦するとは思っていませんでした。世界中から来た学生と同じ土俵で戦うことの難しさをひしひしと感じる日々です。

なお日本での「社会人経験」は欧米のキャリア観とかなり異なるため、「特定の理論を説明するための実例」「日本・東アジアの文化に関する説明」といった文脈以外で機能することはなかなかありません。

英語で学習する難しさ

筆者はこれまで英語で何かを学習したことがほぼありません(特にアカデミック)。

そのため、毎回の授業の理解はもちろん、大量のリーディングも一部をこなすので精一杯(多分他の学生の3倍くらいは時間がかかっている)。

一般的なアドバイスとして「そもそもリーディングは読み切れない量を与えられるのが普通なので全てを読む必要はない」というものがあります。

ただリーディングの内容をどれだけ重要視するかは授業によりますし、ある程度読みこなせないとそもそも情報の取捨選択が出来ないので、結局は頑張って読むしかないんですよね…

しかも筆者の専攻する学科は負担が重いことで有名で、かつ少人数でディスカッション中心の授業ばかりなので、ある程度はリーディングの内容を頭に入れていかないと授業時間が完全に虚無の時間と化します。

またディスカッションで発言する際にも、非常に高い英語の運用能力が求められます(当たり前)。自分の言いたいことちょっとを伝えるだけでも適切なニュアンスを選択するのは容易ではありません。

しかも日本とは文化的な距離が遠いこともあり、説明をかなり加えないと理解してもらえません。限られた授業時間でそこまでやれるだけの語彙力もないので、ちょっとした意図を汲み取ってもらうだけでも一苦労。

ましてやIHIEDは国際的な分野を深く学ぶことや、国連や国際機関で働くことに興味のある人々が集う学校。英語で考え、英語で論理を構成して表現するスキルが非常に鍛えられる環境です。

要求水準が高い

国際関係学・政治学はただでさえ理論や語彙が複雑で理解するのが難しいのに、常にアウトプットが求められます。評価も基本的にかなりシビア。

最近は仕事上の成果物で上司に指摘されることが少なくなっていたお年頃(10年超の中堅なんてそんな感じ)でしたが、一気に低評価に叩き落される状況に。論理的思考や批判的思考をもっと鍛えないと厳しいです。

英語でこれまでに学んだことの無い理論について論じるなんて慣れていないので、ひとつずつ学んでいくしかないですね…

特に難しいと感じているのが統計の授業。身につけたいスキルのために自分で選択はしたものの、数学用語を英語で学習するのは非常にトリッキー。R言語もこれまで何となくしかプログラミング言語を学んだことのない自分にとっては非常に高いハードルです。

とはいえ、特段辛く当たられるようなことはなく、むしろ「長く学業から遠ざかっていた」「英語で学ぶのは初めて」「年齢的には最年長の部類」という点を授業の最初に伝えたおかげで、授業では適度に配慮されていると感じます。

教授も他の学生と平等に扱いつつも要所要所でサポートしてくれるような感じなのが非常に助かっています。

留学生に慣れている大学院のサポート体制も手厚いです。

周りがみんな若くて優秀

比較するものでもないとは思いますが、やはり年齢的な差はついて回るもの。

日本と比較して海外の大学院は基本的に「いくつで入ってもOK!」な雰囲気ではありますが、やっぱり学部新卒が多い印象です。近い年齢の人は大抵セカンドマスター(2つめの修士号取得目的)。

また一般的な特徴として、土地柄なのか学校柄なのか国際経験が多い人が非常に多く、幼少期から外国を転々としていたようなタイプの学生や外交官の子供も結構います。非ヨーロッパ出身者のマルチリンガルも全然珍しくありません。

入学前に既に国連や国際機関のインターンでキャリアを積んでいる人も多いですね。日本のキャリア観ではたどり着けない世界を既に見ている人の多いこと!

英語もままならないアジア人には非常に厳しい環境なのは言うまでもないですね…。

もちろん英語力以外にも物事を深く捉える力やコミュニケーション能力の高さといった能力の高さもあります。

10年以上のキャリアを持っている筆者ですが、本当に「日本で何をしていたのだろう…」という気持ちにさせられることが幾度となくあります。

生活面

物価が高い&円安で生活に不安が…

スイスは物価が元々高いです。そこに円安。

最近の日本の金融政策を見ていると、頭脳流出につながるから日本人を留学させたくないのでは?と勘繰りたくなっちゃいますね…。

学生を支援する取組があるのが非常にありがたい。

一応色々と工夫はしていますが、やっぱり気にしないのは無理ですね…。

外食したい・娯楽が欲しい

スイスに限らず、ヨーロッパってあんまり外食を日常的にする文化じゃないんですよね。

娯楽も何か施設(カラオケとか)に求めるのではなく、何もない中で友人間でワイワイする、といった感じ。ホーカーセンターみたいな安くてふらっと行ける屋台街が恋しくなります。

最近は日帰りでフランスに行って気を紛らわせています。

自分の機嫌は自分で取る!

欧米系のノリがまだ分からない

留学生活で最も重要と言っても過言ではない友人関係。

アジア系の人とはすぐに打ち解けるものの、欧米系のノリが未だにちょっと分からない筆者。付き合いがかなり表面的なので、これから踏み込んでいきたいところ。

アジア系でヨーロッパ人とすぐ仲良くなる人をみると軽く嫉妬心が芽生えたりもしますが、よくよく聞いてみるとヨーロッパ留学経験者だったり。

結局は人種とかよりも個人を見ろ、ということですな。比較して落ち込むよりも、良い部分を色々と吸収していきたいです。

半面、学生寮は意外と快適

こちらはちょっとした嬉しい誤算。

夏場はエアコンがないのできつそうですが、思ったよりも設備が充実していて(眺望以外は)満足。

自炊生活が続いているのでキッチンの使い勝手は死活問題ですが、そこも全く不満無しです。あとはもうちょっと市街中心部に近いと良いのにな…

と思うのはないものねだりなので、なるべく考えないようにしています。

メンタルケアを意識する

大学院留学は2年間という長丁場。学位取得目的の留学である以上、一定レベルの成果が求められます。

成績は確かに重要ですが、元より「欧米以外の国で英語以外の言語で教育を受けた」「アカデミックの世界から遠ざかっていた」「年齢が高め」というハンデがあるので、他の学生と同じように過ごしていても同じような成果が挙げられるとは限りません。

というかいきなりは無理。比較はできないし、しない方が良いです。

しかし、そんななかで他人の情報も嫌でも耳に入ってくるもの。自分や他人の成果を考える度に劣等感や無力感に苛まれてしまう…

また慣れない環境も厳しいものがあります。ヨーロッパは一概に暮らしやすいとはいえません。アジアに慣れているとはっきり言って「不便」です。

こんなとき、町並みの美しさはそれだけでは決して学業の助けにはならないんですよね。アジアの雑多さはヨーロッパとは別ベクトルでの「生きやすさ」なのかもしれません。

病まないのが一番ですが、もし病んだ場合でもサポートを受けられるように、誰かを頼ったり、サポート制度を利用していきたいと思います。

留学の目的を見つめなおす

身に付けたかったスキル

日本の組織で働いていたときに感じていた閉塞感から抜け出したい。自分の力で自由に生きられるようになりたい。

欧米であれば待遇や成果に見合った賃金がきちんと得られて、日本のように安い給料で辛い労働環境で働く必要もない。

ただし日本以上の学歴社会である欧米か日本で外国人と同じ待遇で働くには、おそらく修士以上の学位がマスト。それも英語で卒業する必要がある。国際機関を目指すなら言わずもがな。

日本が嫌いなわけではなくても、現代は「個人の能力」以上に「どこで働くか」「誰と働くか」が賃金水準や人生そのものを決める残酷な世界。それをシンガポールで垣間見ました。

日本で自分の実現したい人生を叶えるのはかなり厳しいし、そもそもこれまでの人生の延長線上にあの世界はない。

自分の人生を切り開くには、これまでの職歴を整理しつつ、アカデミックな知識や統計・プログラミング言語も習得する。英語で読んだり・書いたり・考えたりする習慣を身につける。

そのために修士は避けては通れない道だと思っています。

できないことに挑む・できない自分を受け入れる

留学は簡単ではありません。知らなかったこと、理解できないことがたくさん。

何かにつけて「ああ、自分ってこんなにダメだったんだな」と感じてしまうこともたくさん。

でも、これがきっと自分を知ることなのだと思います。自分を諦めるのではなく受け入れたい。このあたり、年齢はさほど関係がなさそう。

また些細なことですが、いつまでも新しいことに挑戦する気持ちを持ち続けていきたいと思える体験が日々あります。

簡単ではない。だからこそ、やってみたい。経験してみたい。自分の限界を知りたいわけではないけれど、自分がどこまで行けるかにはちょっと興味があります。

あとは、日本の教育やキャリア観、働き方について考えることが色々とありますが、それらを自分の境遇の言い訳にしたくないと思っています。思ったことをブログで吐き出すくらいに留めておいて、自分を国と一体化させて嘆くようなことはなるべくしないようにしたいと思っています。

経験してみたかったこと

留学自体への憧れ・ヨーロッパへの憧れもありました。

これまでに経験できたのは、授業で国連図書館を訪れたときのワクワクだったり、機会を作ってフランス語で会話してみるときだったり。友人も少しずつ増えてきました。

これからも、学問の世界に、現実の世界に、と色々と旅をしたい気持ちです。

おわりに

今回の記事では第1セメスターの中間報告と題し、大学院留学中の授業や生活について個人的な現状をお伝えしました。

第1セメスターを総括する記事も書きました!

大学院留学を志す方や留学中の方の参考になれば幸いです。

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