香港旅行を効率よく、そして快適に楽しむうえで欠かせないのが、交通機関の使い方。
コンパクトな都市の中に、MTR(地下鉄)や路線バスといった交通網が密に張り巡らされており、仕組みさえ理解してしまえば驚くほどスムーズに移動できます。また、トラムやスターフェリーのように、移動そのものが観光体験になる交通手段もあります。
一方で、選択肢が多いぶん、使い分けに悩む場面があるのもまた事実。さらに最近は決済手段も多様化してきているので、どうやって支払うか?ということも考えないといけません。
本記事では、香港の主要交通機関を実際の経験をもとにわかりやすく整理し、観光で押さえておきたいポイントを丁寧に解説します。
香港で効率よく移動したい方の参考になれば幸いです。
香港の交通機関の種類と特徴
香港の特徴(ざっくり)
香港は、大きく「九龍半島」「香港島」「新界」「ランタオ島(大嶼島)」の4つのエリアに分けられ、それぞれで利用できる交通手段や街の雰囲気に特色があります。
それぞれのエリアの行き来には鉄道の他、フェリーやバスも利用されます。
香港の面積は東京都の約半分と非常にコンパクトで、主要エリア間の移動距離はそれほど長くありません。観光地の多くが公共交通沿線にまとまっているため、地下鉄やバスを使えば効率よく回ることができます。
一方で、道幅が狭く主要道路が混雑しやすいことから、渋滞に巻き込まれる可能性がある点には留意が必要です。
さらに特徴的なのが、海と山に囲まれた地形ゆえに高低差が大きく、利用する交通手段によって見える景色が大きく変わるというところ。高層マンションが林立する風景と緑豊かな山間部を両方楽しめるのも香港の魅力です。
香港の交通機関の種類
香港では、エリアごとに利用される交通手段が異なります。
主要な移動手段であるMTRや路線バスに加え、香港島を走るトラム、新界西部のライトレール、ランタオ島のロープウェーなど、都市の特徴に合わせて複数の交通網が整備されています。
旅行者が実際に利用する可能性のある交通手段を、主な利用エリアとあわせてまとめると次のとおりです。
| 交通手段 | 運行エリア | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| MTR | 全域 | 広範囲をカバーし、最速で移動できる。 |
| 路線バス | 全域 | 景色が良く観光向き。混雑時は時間が読みにくい。 |
| ミニバス | 全域 | 小型で停車場所が細かい。要広東語。 |
| トラム | 香港島北側 | 均一料金。速度は遅いが街並みを楽しむのに最適。 |
| スターフェリー | 中環 ⇔ 尖沙咀 ほか | 景色が良く料金も安い。悪天候時は運航に注意。 |
| ライトレール | 新界西部(屯門・元朗エリア) | 地域密着型で乗り換えが便利。 |
| 昂坪360 | ランタオ島(東涌 ⇔ 昂坪) | 天壇大仏などへの主要アクセスとなるケーブルカー。 |
| タクシー | 全域 | 色で営業エリアが異なる(赤:香港島・九龍/緑:新界/青:ランタオ島)。渋滞時は時間が読みにくい。 |
| エアポートエクスプレス | 空港 ⇔ 市内(青衣・九龍・香港) | 空港アクセスの最速手段。料金は高めだが快適で荷物が多くても安心。 |
交通機関利用時の決済手段
香港では、交通機関ごとに対応している決済方法が異なります。
まずは、旅行者が利用しやすい代表的な決済手段を簡単に整理しておきます。
1. オクトパスカード
香港の交通では最も広く使われる決済手段。多くの交通機関の他、コンビニなどでも支払いに利用できます。
これがあれば香港の全ての公共交通機関を利用できるといっても過言ではないカード。
2. クレジットカードのタッチ決済(Visa、Mastercardなど)
改札や専用端末にカードやApplePay対応スマホをかざすだけで乗車できます。
近年急速に普及しており、香港ではMTRやバスといったメジャーな交通手段であればほぼ全て対応していますが、一部非対応の場合もあるので要注意。
3. QRコード決済(Alipay、WeChatPayなど)
中華圏でメジャーな決済手段。香港でも対応しているところが多いです。タッチ決済が利用できるときは使える場合が多いです(逆もまた然り)。
4. 現金
バスやミニバスでは香港ドル現金が利用できる場合があります。お釣りが出ないこともあるので小銭を準備。
以下に、それぞれの決済手段で利用できる交通機関を一覧でまとめました。
| 決済手段 | MTR | バス | ミニバス | トラム | スターフェリー | ライトレール |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オクトパスカード | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| クレジットカードのタッチ決済 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
| QR決済 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
| 現金 | ○(一回券) | ○ | ○ | ○ | ○(トークン) | × |

香港で必須!オクトパスカード
香港の公共交通をスムーズに利用するうえで、最も便利で汎用性が高いのがオクトパスカード(八達通/Octopus)です。
オクトパスカードの特徴は以下の通り。
- チャージすればすぐ使える(交通機関の他に通常の決済でも使える)
- 香港のほぼ全ての交通機関が利用できる
- 残額が不足しても「マイナス残高」で改札を通れる(マイナス許容額はカードにより異なる)
- MTRの運賃が割引になる(概ね1割程度)
近年はタッチ決済対応の交通機関やお店が増えてきているものの、オクトパスカード決済か現金のみ対応というお店が非常に多いので、香港を複数回訪問する予定があるなら一枚持っておくのがおすすめ。
オクトパスには大きく分けて物理カードとデジタルカード(アプリ)の2種類があります。
それぞれの特徴は以下の通り。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 物理カード | 旅行者が利用するのは主に通常(デポジットあり)か旅行者向け(デポジットなし)。 他にはオーナメントタイプや中国大陸で利用できるタイプも販売されている。 |
| デジタルカード | スマホのウォレットにアプリを入れて利用する。チャージや残高確認が手元で可能。在住者向けと旅行者向けが用意されている。 |
なお在住者向けの記名式オクトパスもありますが、今回は取り上げません。
ここからはそれぞれについて更に詳細をみていきます。
通常版オクトパス(スタンダード・オクトパス)
概要
通常のカード型オクトパス。
デポジット(HK$50)が掛かるものの、払い戻しも可能で自由度が高いのが特徴。
| 種別 | 購入料金 |
|---|---|
| 成人用 | HK$200(デポジットHK$50含む) |
| 子供用(3歳~11歳) | HK$100(デポジットHK$50含む) |
| シニア用(65歳~) | HK$100(デポジットHK$50含む) |
購入とチャージ
販売場所は以下の通り。
- MTR駅(自動券売機・窓口)※一部駅を除く
- ライトレール駅(一部)やシティバスチケット窓口
- コンビニエンスストア(セブンイレブン、サークルK)
- オンライン(例:KKday)
チャージは駅窓口や自動券売機などで行うことができます(現金のみ)。
払い戻し
払い戻しはMTRサービスセンター(駅窓口など)で可能です。
手続きを行いカードを返却すれば、デポジット(HK$50)とチャージ金額が返金されます。
| カード残額 | 返金方法 |
|---|---|
| HK$500未満 | 他のオクトパスカード(物理・アプリ)への載せ替え 現金による返金 |
| HK$500以上 | オクトパスウォレットへの返金 銀行口座への送金 ※いずれもフォーム記入が必要 |

残高がHK$500以上あると返金手続きが煩雑になるので、払い戻しを行う際はHK$500未満にしておくのがベター。
なお上記に関わらず、返却するオクトパスカードに問題がある(破損など)場合はHK$30の手数料がかかります。
また、以下の条件を1つでも満たす場合はHK$11か残高の1%の多い方の金額分の手数料が適用されます。
- 残高がHK$1,000を超える場合
- 発行日から90日間以内に払い戻す場合
- 使用回数が5回以下の場合
あまり使わない前提でオクトパスカードを発行しないでね、という圧?を感じます。
旅行者向けオクトパス(ツーリスト・オクトパス)
概要
こちらもカード型ですが、買い切りタイプなのでデポジットは不要。
購入価格はHK$39で、場所によってはチャージ額HK$100を含むHK$139で販売していることがあります。
購入とチャージ
販売場所は以下の通り。
- MTR各駅(窓口・自動券売機)
- コンビニエンスストア(セブンイレブン、サークルK)
- Hung Fook Tong
- Travelex(香港国際空港)
- ECサイト
香港国際空港に着いてからすぐに入手したい場合は、ECサイトが一番便利。
こちらのツーリストオクトパスカードはHK$50チャージ済みなので、受け取り後すぐに使えます。
チャージは通常カードと同様に駅窓口や自動券売機で。
払い戻し
買い切りタイプなので、払い戻しはできません。
オーナメントタイプ/限定タイプ
概要
キーホルダーやフィギュアのような立体造形タイプ。
香港らしいデザインのものや期間限定商品もあるので、お土産にもおすすめです。
こんな感じで日本のアニメ作品とコラボした商品も多く販売されているので、普通にキャラクターグッズとして使っても良いかもしれません。

購入とチャージ
限定バージョンのオクトパスはMTR公式オンラインショップ(MTR e-Store)や特定のコンビニエンスストアで購入が可能です。
またMTR公式オンラインショップはMTR駅構内に実店舗を出店しており、オンラインショップで販売している商品を一部直接購入することができます。
2025年11月現在、実店舗はMTR金鐘(Admiralty)駅とMTR香港西九龍(Hong Kong West Kowloon)駅の2か所にあるので、興味のある方は訪問してみては。

各店舗の詳細(営業時間など)につきましては、こちらの公式ウェブサイトも参考にしてください。
払い戻し
このバージョンのオクトパスは残高の返金のみ可能(オクトパス本体の購入金額は返金されない)です。
払い戻しを行った場合は、このオクトパスは使用不能になります。
払い戻しはMTRサービスセンター(駅窓口など)で可能です。
| カード残額 | 返金方法 |
|---|---|
| HK$500未満 | 他のオクトパスカード(物理・アプリ)への載せ替え 現金による返金 |
| HK$500以上 | オクトパスウォレットへの返金 銀行口座への送金 ※いずれもフォーム記入が必要 |
デジタルカード(アプリ)
概要
スマホのウォレット機能を利用するデジタルカード(apple pay、Huawei Payなどに対応)。スマホをタッチするだけで公共交通機関の利用や決済が可能です。アプリでいつでも残高確認ができる他、クレジットカードによるチャージも可能。
在住者向けと旅行者向けでアプリが異なるので注意。
なお物理カードの載せ替えも可能なので、既にカードを持っている場合でも使えます。元の物理カードは手元に残るものの、使用不能になります。
インストール方法
iPhoneアプリのダウンロードはこちら。
このアプリを使えば長期間使用していない物理カードを復活させることもできます。
詳細はこちらの記事をどうぞ。

なおこちらは在住者向け(海外発行カードによるチャージ不可)なので、間違えないよう注意。
払い戻し
デジタルカードも機能から払い戻し手続きを行うことが可能です。
利用するサービスによって方法が異なるので、詳細はこちらのページをご確認ください。
どちらを選ぶべき?
物理カードとデジタルカードでどちらを選ぶかは、正直好みの問題かと思います。
そのうえで筆者個人の感想としては、デジタルカードの方がやや便利かな、という感想です。
以下にそれぞれの使い勝手を比較しましたので、参考までにどうぞ。
| 項目 | 物理カード | デジタルカード |
|---|---|---|
| 入手のしやすさ | ○(販売場所を探す必要がある) | ◎(対応機種なら即利用可) |
| デポジット | △(買い切りでないとHK$50発生) | ◎(なし) |
| チャージ | △(駅などに出向く必要あり。現金のみ) | ○(クレジットカードを使えばその場で可能) |
| 残高確認 | △(駅などに出向く必要あり) | ◎(手元で簡単) |
| 注意点 | 紛失すると | スマホの充電が切れるとピンチ |
| おすすめの人 | オクトパス単体で管理したい人 オクトパスのデザインを楽しみたい人 | 手元で全て完結させたい人 物を増やしたくない人 |
ここからはそれぞれの交通機関の使い方について見ていきます。
MTR【港鐵】

概要
香港の都市交通の中心となるのが、MTR(Mass Transit Railway/港鐵)。
香港島・九龍・新界・ランタオ島まで広く網羅し、主要観光地の多くへ短時間でアクセスできます。運行本数が多く、駅構内の案内も整っているため、初めて訪れる旅行者でも使いやすい交通機関です。
2025年11月現在10路線が運行しており、運行時間は概ね朝6時から翌1時まで。
運賃は距離制で、路線と利用する乗車券によっても異なります。運賃検索はこちらから。
路線図と運行区間
MTRの路線図はこちら。

2025年現在の路線一覧はこちら。
| 路線名 | 運転区間・主な駅 | 説明 |
|---|---|---|
| 觀塘綫(Kwun Tong Line) | 黄大仙 – 観塘 – 九龍塘 – 旺角 | ローカル色強めのエリアと接続 |
| 荃灣綫(Tsuen Wan Line) | 荃灣 – 旺角 – 尖沙咀 – 中環 | 九龍と香港島を結ぶ赤い主力路線 |
| 港島綫(Island Line) | 堅尼地城 – 金鐘 – 銅鑼灣 – 筲箕灣 | 香港島北側を一直線に横断 |
| 南港島綫(South Island Line) | 海洋公園 – 金鐘 – 利東 | 香港島南部の主要エリアへ |
| 將軍澳綫(Tseung Kwan O Line) | 寶琳 – 將軍澳 – 北角 | 近年開発エリアを結ぶ紫の路線 |
| 東涌綫(Tung Chung Line) | 東涌 – 青衣 – 九龍 – 香港 | 空港方面へのアクセスに便利 |
| 東鐵綫(East Rail Line) | 上水 – 九龍塘 – 金鐘 | 中国本土方面に伸びる淡青色の路線 |
| 屯馬綫(Tuen Ma Line) | 屯門 – 紅磡 – 大圍 – 烏渓沙 | 新界と九龍を広く結ぶ長距離路線 |
| 迪士尼綫(Disney Resort Line) | 欣澳 – 迪士尼 | 香港ディズニーへの専用支線 |
| 機場快綫(Airport Express) | 機場 – 青衣 – 九龍 – 香港 | 空港と市内を最速で結ぶ路線 |
ルート検索は公式MTRアプリも便利です。
乗車券の種類
MTRでは複数の乗車券・決済方法が使えます。観光客が利用する手段は次のとおり。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| オクトパスカード | 香港の交通カード。一番スタンダードな方法。 |
| タッチ決済 | Visa/Mastercardなど対応のカードが必要。apple payにも対応。 |
| 一回券(Single Journey Ticket) | カード式。片道乗車専用。 |
| ツーリスト・デイパス(Tourist Day Pass) | 指定日のMTRが乗り放題。 |
| QR決済(Alipayなど) | アプリを使った改札入出場。 |
一回券
出発駅から目的地までの片道乗車券。各駅の自動券売機で購入できます。

ツーリスト・デイパス
使用開始後24時間、MTR全線(MTR、ライトレール、MTRバス)が乗り放題になるパス。香港滞在期間14日間未満の観光客のみ購入が可能という、旅行者専用のチケットです。
MTR駅の窓口の他オンラインでも購入が可能で、有効期間は発行日から1ヵ月です。
料金は成人用カードはHK$75、子供用カードはHK$35。
ツーリスト・デイパスはMTRで頻繁に移動する人には非常に便利ですが、以下の点に留意が必要です。
- 機場快綫(エアポートエクスプレス)や東鐵綫(1等車)は利用できません。
- 羅湖・落馬洲(中国本土への境界駅)への利用はできません。
- オクトパスカードのようにチャージして利用することはできません。
乗り方/降り方
MTRの乗り方は非常に簡単です。
まずはMTRの駅を見つけましょう。赤いマークが目印です。

MTR駅の方角を示すこんな感じの看板もあります。

次に乗車券を使って改札を通過します。
手前のブルーの改札がタッチ決済対応型です。利用する場合は黒い丸部分にカード類をタッチ。

行きたい方面のホームへ。路線のカラーと終着駅を覚えておくと便利です。

電光掲示板では電車の到着案内をはじめとする情報が分かります。

目的の電車が来たら乗り込みます。
ドアの上には電車の進行方向や停車駅が分かる表示があるので、参考に。

目的地に着いたら、「出」の案内に従って地上に出ます。

利用上の注意点
香港のMTRは比較的わかりやすく利用できますが、旅行者が特に注意したいポイントが2つあります。いずれも「他路線とは運賃体系や利用方法が異なる例外」にあたるため、事前に知っておくと安心です。
東鐵綫(East Rail Line)の1等車に注意
東鐵綫は、MTRの中で唯一1等車(First Class)が設定されている路線です。通常の車両(Standard Class)とは乗車条件が異なり、特に以下の点に注意が必要です。
・1等車は運賃が異なる
1等車の利用には、通常運賃に加えて「First Class Premium(追加料金)」を支払う必要があります。
Premiumの金額は同区間の標準クラス(2等)運賃と同額で、実質「約2倍の料金」になります。
・オクトパス/非接触型クレジットカードは追加タップが必須
東鐵綫の1等車に乗る際は、1等車用の乗車券を購入する方法、オクトパスカードやタッチ決済を利用する方法、QRコードを利用する方法があります。
オクトパスカードやタッチ決済で1等車を利用する場合は、ホーム上か1等車の入り口横にある専用の端末(First Class Processor)に追加タップが必要です。入場時に改札にタッチするだけでは1等車の利用にならないので注意。
● 乗換駅でも再度の認証が必要(重要)
他路線から東鐵綫に乗り換える場合は、その乗り換え先の東鐵綫駅で再度First Class Processorにタッチしなければなりません。
公式に指定されている駅は以下の通りです。
- Admiralty(金鐘)
- Hung Hom(紅磡)
- Kowloon Tong(九龍塘)
- Tai Wai(大囲)
機場快綫(Airport Express)はMTRでも完全に別体系
機場快綫(Airport Express)は、外観上はMTRの一部に見えますが、運賃体系も設備も一般のMTR路線とは別の扱いです。
ツーリスト・デイパスが利用できないなど、通常のMTRとは異なるので要注意(詳細は後述)。
路線バス【巴士】

概要
香港の街を代表するもうひとつの交通手段が路線バス。
普通の路線バスはもちろん、香港ならではの赤や緑のミニバスも含め、日々非常に多くの路線が運行されています。
路線バスのメリットは、非常に小回りが利き、MTRではカバーしきれないエリアにも広くアクセスできる点。なかには素晴らしい眺望が望めるルートもあり、単なる移動手段以上の利用価値があります。
ミニバスは広東語の知識が必要だったりとやや上級者向けなので、この記事ではいわゆる普通の路線バス(2階建てバスが多い)にスポットを当てて、具体的な利用方法や注意点をご紹介します。
なお香港の特徴として、路線バスが複数の会社によって運行されていますが、決済方法や運賃体系は旅行者目線ではどれもほぼ同じなので、会社の違いは意識しなくてもOK。
利用可能な決済方法
香港の路線バスでは各種決済方法が利用可能。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| オクトパスカード | 香港の交通カード。一番スタンダードな方法。 |
| タッチ決済 | Visa/Mastercardなど対応のカードが必要。apple payにも対応。 |
| QR決済 | Alipayなど。 |
| 現金 | ぴったりの金額である必要があります。お釣りは出ないので、小銭の準備を。 |
バス路線の特徴とバス停の見方
香港の路線バスルートは現在700路線以上!全てを解説するのは現実的ではないので、バスを効率よく利用するためのヒントをお示しします。
路線番号の規則性
複数の企業が分担して営業している香港の路線バス。路線番号がどのようなルールで付与されているかを知っておけば、バスのルート特性や営業タイプを判断するヒントになります。
旅行者に関係のありそうな分類は次の通り。こちらは路線番号の頭にアルファベットが付くタイプ。
- A系統:空港連絡(Airport Bus)
- N系統:ナイトバス(Night)
- X系統:急行(Express)
- 数字のみ:一般的な市内路線
他にも路線番号の末尾にアルファベットが付くものがあったり、路線番号の桁数が運行エリアを示すこともあります。

観光で使いやすい代表ルート
香港のバス網は広大ですが、観光で利用しやすい路線は意外と限られます。
特に以下の路線は、アクセスの良さや車窓の魅力から旅行者に人気があります。
- 15:ヴィクトリア・ピーク方面(山道を登るダイナミックなルート)
- 6 / 6A / 260:スタンレー方面(海沿いの絶景が続く人気路線)
- 102 / 104:香港島 ↔ 九龍(海底トンネル経由で景観も面白い)
「どのバスに乗ればいいのか分からない」という場合は、まずこのあたりの路線が候補になるはずです。

運賃体系
路線バスは距離制(乗車距離に応じて運賃が高くなる)を採用している都市が多いですが、香港のバス運賃はちょっと特殊です。ここでは、バス停の見方と運賃の仕組みをセットでわかりやすく解説します。
ポイント1:香港のバス運賃は「距離制」ではない!
まず最初に強調したいのは、香港のバス運賃は乗車停留所が属する「区間」で運賃が決まる仕組みであり、距離や乗車時間とは直接関係がない点。これが、旅行者が最も誤解しやすいポイントです。
次以降のポイントで詳しく解説します。
ポイント2:バス停の運賃表示はバス路線・方面共通
下の写真のように、香港のバス停には 3種類ほどの運賃が並んでいることが多いです。

例えば930番の路線の場合は以下のような表示になっています。
- $20.8(葵芳~荃灣西站)
- $12.2(西九龍)
- $7.7(西營盤~會展站)
このバス停は「新都会広場、興芳路」(HK$20.80の区間)に設置されているものです。
距離制なのであれば「近い場所の運賃が安く、遠い場所の運賃が高くなる」はずですが、一番遠いはずの香港島の区間になぜか一番安い運賃(HK$7.7)が表示されています。
ではこれは何なのか?というと、実はこの路線に存在する運賃の種類一覧をまとめて表示しているだけ。この停留所単体に関連があるのではなく、この路線(會展站行き930番バス)全体の情報を表しているにすぎません。
そのためまずは、このバス路線には3種類の料金設定があるのだな、ということを把握することになります。
ポイント3:運賃は「乗車する停留所がどの区間に属しているか」で決まる
では、どの金額が適用されるのでしょうか?
答えはシンプルで、乗車停留所が路線のどの運賃区間に属しているかで決まります。
つまり「新都会広場; 興芳路」(HK$20.80の区間)から乗車した場合は、HK$20.80が運賃になります。
ここで重要なのは以下の点。
- 乗車した時点で運賃が確定。→次の停留所で降りようが終点まで行こうが運賃は同じ。
- 区間の境界は路線ごとに会社が独自に設定している。
- 区間の境界は終点からの距離に応じて設定される。
最後の「終点からの距離に応じて区間が設定される」という仕組みが、香港バス運賃を分かりづらくしている最大の理由です。
ポイント4:「区間」は路線や進行方向によって大きく異なる
「終点からの距離に応じて区間が設定される」ということが具体的に何を意味するのか?
930番(新界 ↔ 香港島)を例に解説します。
まずはバス停の書かれた運賃を考えてみます。
バスの進行方向は「新界→香港島」、つまり「上り」にあたります。
| エリア | 運賃 |
|---|---|
| 新界(荃灣西站~葵芳) | 20.8(最も高い) |
| トンネル付近(西九龍) | 12.2 |
| 香港島(西營盤~會展站※終点) | 7.7(最も安い) |
ここから乗車パターンを考えてみます。
- ①1.荃灣西站(始点)($20.80区間)→17.金鐘 – 金鐘廊, 金鐘道 運賃:HK$20.8(まあ妥当)
- ②1.荃灣西站(始点)($20.80区間)→2.楊屋道街市, 楊屋道 運賃:HK$20.8(大損)
- ③17.金鐘 – 金鐘廊, 金鐘道($7.7区間)→20.會展站(終点) 運賃:HK$7.7(リーズナブル)
終点から最も遠い区間(HK$20.80)に属する荃灣西站から乗車した場合は、どこまで乗ってもHK$20.80の運賃が掛かります。それは終点に近い金鐘(パターン①)であっても、次の停留所である楊屋道街市, 楊屋道(パターン②)でも同じです。
つまり、終点から遠い停留所から乗車する場合、短距離での利用は損をする場合が多いということになります。
逆に、終点に最も近い区間(HK$7.7)に属する金鐘 – 金鐘廊, 金鐘道から乗車して終点(會展站)で下車した場合(パターン③)、運賃はHK$7.7で済みます。
では、同じ930番を利用して今度は會展站(始発)から金鐘 – 金鐘廊, 金鐘道に移動する場合を考えてみます。
距離制なら運賃はHK$7.7になるはずですが…。少なくとも930番バスを利用する場合はそうとは限りません。
それは始発と終点が入れ替わったことで、区間設定も逆転するからです。
先ほどは「上り」でしたが、今回は「下り」になります。
| エリア | 運賃 |
|---|---|
| 香港島(會展站~西營盤) | 20.8(最も高い) |
| トンネル付近(西區海底隧道巴士轉乘站) | 11.0 |
| 新界側(葵芳~荃灣西站※終点) | 6.8(最も安い) |
このように、今度は終点から遠い香港島側が高運賃ゾーンになります。
- ④1.會展站(始点)($20.80区間)→25.荃灣西站(終点) 運賃:HK$20.8(まあ妥当)
- ⑤1.會展站(始点)($20.80区間)→2.金鐘 – 金鐘廊, 金鐘道 運賃:HK$20.8(大損)
- ⑥11.葵涌廣場, 葵富路($6.8区間)→25.荃灣西站(終点) 運賃:HK$6.8(リーズナブル)
香港島側が$20.80のゾーンになったため、上りではHK$7.7しか掛からなかった會展站・金鐘間の移動に、下りではHK$20.8掛かるようになってしまいました(パターン⑤)。その他のパターン(④と⑥)はそれぞれ①と③と同じ。
ポイント5:同じ距離でも運賃が違う?謎現象の正体は「終点までの距離」
このように、香港バスの運賃は、「乗車地点から終点までの距離」に応じて区間が決まる(=「残距離制」に近い挙動)というかなり特殊な方式を採っています。
つまり、
- 終点が遠ければその区間の運賃は高くなる
- 終点が近ければその区間の運賃は安くなる
という「普通とは逆」の動きをします。
短い距離を運行する路線であればそこまでの差は生じませんが、長い距離を運行する路線はそれだけ始点と終点の距離が長くなるため、運賃幅も距離に応じて大きくなります。
以上の仕組みから、同じ路線で来た道を戻る(始点と終点が逆転する)際はもちろん、同じ進行方向であっても路線それぞれの長さに応じて区間が異なるため、同じ距離を乗ったのに運賃が全く違う!という現象が発生することになるのです。
ポイント6:超重要!損をしないための路線バスの使い方
このように運賃体系が複雑な香港の路線バスですが、別に全部を把握する必要はありません。
以下のルールだけ覚えておくだけで、余計な出費をせずに済む確率が高まります。
①九龍↔香港島の移動はMTRが無難
海底トンネルを通る長距離系路線は、対岸に渡るタイミングで運賃が跳ね上がる傾向があります。
その点MTRならリーズナブルに移動が可能です。
②短距離移動は短距離バス(3桁以下)を使う
数字が1〜3桁の市内ローカル路線は、4〜8ドルで安定。
終点の遠い長距離バスは、進行方向によっては20ドル以上の高額な運賃になることが多いので、要注意です。
③複数のバス停を確認する
同じ目的地に向かうバスが複数ある場合は、バス停に掲示されている運賃帯($7.7/$12.2/$20.8など)をチェックしましょう。乗車地点から終点までの距離が近い路線ほど、安い運賃で乗れる仕組みになっています。
乗り方/降り方
運賃体系はかなり複雑な香港の路線バスですが、乗り方は普通です。
まずはバス停を見つけます。

乗りたいバスが来たら、運転手に合図をしてバスを止めます。
合図をしないと素通りされてしまうこともあるので注意。

香港のバスは前の扉から乗車します。
乗車券やカード類をタッチして車内へ。この時点で運賃が表示されているのでチェック。

香港のバスは結構運転が荒いです。乗車したら速やかに席に着きましょう。
おすすめは二階の最前列です。
下車したい停留所が近づいたら、ボタンを押して知らせます。
スムーズに下車できるよう、準備は早めに(特に二階席利用時)。

バス停に停車したら、後ろの扉から下車します。
均一料金なので、下車時にはタッチは不要です。
トラム【電車】

概要
香港島の北側を東西にゆっくりと横断する二階建て路面電車。
開業は1904年と歴史が長く、現在でも香港島のローカルな足として多くの住民に親しまれています。
特徴的なのは、世界でも珍しい全車両二階建てのトラムであること。狭い道路を走り抜けながらビルの谷間を進んでいくため、二階席に座ると香港らしい独特の景色が広がります。

運行エリアは香港島のみで、主に西の堅尼地域から東の筲箕灣までを東西方向に結びます。上環・中環・金鐘・湾仔・銅鑼灣など主要エリアをカバーしているため、観光の合間に気軽に利用できるのも便利なポイントです。
速度は決して速くありませんが、街の雰囲気そのものを楽しむ乗り物としては最高。乗車する区間によってはMTRよりも便利です。価格も非常にリーズナブルなので、香港旅行ではぜひ一度乗ってみたい交通手段です。
運行時間は路線にもよりますが、概ね朝6時から深夜0時まで。
運行間隔は非常に短く、次から次へと電車がやってきます。
路線図と運行区間
香港トラムは、香港島の北側を東西に結ぶ路面電車で、非常に分かりやすい交通手段。
停留所は数百メートルごとに設置されており、各停留所に必ず停車します。
2025年11月現在、6つの系統が運行。

| 路線(西 ⇔ 東) | 備考 |
|---|---|
| 上環(西港城) ⇔ 筲箕灣 | |
| 跑馬地 ⇔ 筲箕灣 | 競馬場のある跑馬地(Happy Valley)への支線を走る路線。 |
| 石塘咀 ⇔ 北角 | 北角(North Point)の支線を走る路線。市場の中心を走る光景が見られる。 |
| 石塘咀 ⇔ 銅鑼灣 | |
| 堅尼地城 ⇔ 跑馬地 | 競馬場のある跑馬地(Happy Valley)への支線を走る路線。 |
| 堅尼地城 ⇔ 筲箕灣 |
運賃と支払い方法

運賃は以下の通り。乗車距離に関わらず均一料金。
下車時に料金を支払う「後払い方式」です。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 成人 | HK$3.3 |
| 子供(3歳~12歳) | HK$1.6 |
| シニア(65歳~) | HK$1.5 |
利用可能な決済方法は以下の通り。
- オクトパスカード
- 各種カード(VISA / Mastercard / UnionPay / JCB / AMEX)
- タッチ決済(Apple Pay / Google Pay / SAMSUNG Pay / HUAWEI Pay)
- QRコード決済(Alipay / UnionPay / BoC Pay / Tencent)
- 現金
乗り方/降り方
まずはトラム停留所を見つけます。
トラムの停留所は西行きと東行きがあり、58WのWは西行きを表しています(東行きはE)。

トラムの正面に書かれている行き先を確認し、目的地に行く路線であれば乗り込みます。

トラムには後ろから乗り込みます。
停留所のアナウンスはないので、地図アプリを使うなどして位置情報を把握しておくと便利。

目的の停留所に着いたら、前から下車します。
下車する前に乗車券を端末にタッチ。

空港から市内へのアクセス
香港国際空港(HKG)から市内への移動手段は大きく分けて4つ。
「速さ」「安さ」「荷物の量」「到着時間」によって最適解が変わります。
| こんな人におすすめ | 最適解 | 注意点 |
|---|---|---|
| 速く移動したい | 機場快綫(Airport Express) | 深夜早朝は利用不可 |
| 安く移動したい | 空港バス | 時間が掛かる |
| 深夜早朝・荷物が多い | タクシー/空港送迎 | 費用が高くなりがち |
機場快綫(Airport Express)
最も速く・快適に移動できるアクセス手段。空港・香港駅間を約24分で結びます。
空港と九龍・香港島方面の移動ならベストな選択肢です。
利用可能な乗車券には以下の種類があります。
| 乗車券種別 | 説明 | 購入場所 |
|---|---|---|
| 片道券 | 機場快綫を1回利用できる。発行当日のみ有効。 | 機場快綫の窓口・自動券売機 オンライン |
| 当日往復券 | 空港と任意の駅を1往復できる。発行当日のみ有効。 | 機場快綫の窓口・自動券売機 |
| 往復券 | 空港と任意の駅を1往復できる。発行から30日間有効。 | 機場快綫の窓口・自動券売機 オンライン |
| オクトパスカード | 香港の交通カード。 | 機場快綫の窓口 MTRの窓口・自動券売機 オンライン など |
空港・市内間の料金(大人)は以下の通りです。
片道については支払い方法により運賃が異なります。
| 行き先(空港駅発着) | 片道・当日往復(オクトパス) | 片道・当日往復(その他) | 往復券 |
|---|---|---|---|
| 香港 | $120 | $130 | $215 |
| 九龍 | $105 | $115 | $195 |
| 青衣 | $73 | $80 | $130 |
機場快綫はKlookの前売りだと割引料金になるうえ、カウンターですぐに受け取れます。

香港国際空港で機場快綫の乗車券を購入する人は非常に多く、窓口・券売機ともに常に長蛇の列ができています。事前予約が圧倒的に楽。
空港バス
空港から主要エリアまで直行できる空港バス。路線が非常に豊富なので、滞在場所によっては機場快綫よりも便利。
A系統とE系統があり、停留所の数が異なります(Aの方が少ない)。
運賃は掛かっても片道HK$50程度(路線により異なる)と、機場快綫よりもかなり割安です。
代表的なルートは以下の通り。
- A11:空港(北角碼頭行き) → 中環・上環 ※香港島北側の繁華街にアクセスしたい人におすすめ。
- A21:空港(紅磡站行き) → 尖沙咀・旺角 ※九龍の繁華街のアクセスしたい人におすすめ。
- A22:空港(藍田站行き) → 紅磡・観塘 ※九龍の東側へのアクセスにおすすめ。
深夜・早朝でも利用できる点が魅力的ですが、基本的にかなり時間が掛かります。所要時間は交通事情に大きく左右されるため、利用する際は時間に余裕を持って(特に空港行き)。
最安で香港島まで行きたい人向け。HK$30未満で香港島までアクセスできます。
ルート:空港 → S1(東涌) → MTR 東涌線 → 香港島/九龍
※ラッシュ時は混雑するほか時間&手間もかかるので、大きな荷物のある人にはおすすめしません。
タクシー【的士】
深夜・早朝到着・荷物が多い場合などには有力な選択肢。
数人で折半すればかなりコスパ良く移動することができます。
香港のタクシーは地域ごとに3色に区分されています。行き先に応じて選択を。
- 赤:市区的士(香港島・九龍)
- 青:大嶼山的士(ランタオ島)
- 緑:新界的士(新界)
空港からタクシーを利用する場合の料金の目安は以下の通りです。
こちらには空港公式ウェブサイト掲載の料金テーブルを一部抜粋してご紹介します。
- 空港 → 中環:HK$375(市区的士)
- 空港 → 尖沙咀:HK$290(市区的士)
- 空港 → 屯門:HK$155(市区的士)、HK$145(新界的士)
- 空港 → 香港ディズニーランド:HK$155(市区的士)、HK$145(新界的士)、HK$160(大嶼山的士)
ただしタクシー利用には以下の点を考慮する必要があります。
- 有料道路は客の負担になる。
- トランクに荷物を入れるのは別料金。
- メーターを使わずにふっかけてくる場合があるので、必ず相場の確認を。
空港送迎サービス
荷物が多い場合や高齢者・家族連れの場合は、空港送迎サービスも選択肢に入ります。
あらかじめ予約しておけるので確実に利用でき、明朗会計。
タクシーの利用時の不要なトラブルを避けられる点も安心です。
代表的なところでは、Klookなどが空港送迎サービスを提供しています。
まとめ
香港はコンパクトな都市ながら、地下鉄・路線バス・トラムなど多彩な交通手段が揃っており、目的に合わせて自由に組み合わせられるのが大きな魅力です。
一方で、バス運賃の仕組みのように独特のルールが存在するのも香港らしい特徴。
しかし、ポイントを押さえておけば迷うことはありません。

スターフェリーやライトレールなど、体験し次第順次追加していきます!
この記事を参考に、是非香港を楽しんでください!
以上です。
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