開業届は収益が少なくても出すべき?税務署で聞いてみた【メリット&注意点まとめ】

当ページのリンクには広告が含まれています。

国際機関を目指して大学院に留学したのに、帰国して最初に向かったのはなぜか税務署でした。
就職を諦めたわけではありません。けれど、ブログ収益が出てきたことで、思いがけず個人事業主デビューすることに。

もちろん、ブログは開業届を出さなくても続けられます。
実際には「専業か副業か」で基準が変わり、収益額によっては提出の必要すらありません。
正直、私の場合もまだ開業届を出さなくてもいいくらいの収益しか出ていません。

それでも今回あえて開業届を出したのは、調べるうちに「利益が少なくても出すことで得られるメリット」が見えてきたから。実際に税務署で相談して聞いてきた内容をふまえて、整理してみることにしました。

この記事では、

  • 開業届を出すメリット・デメリット
  • 開業時期の決め方
  • 出さない方がいいケースはあるのか?

といった点を、リアルな税務署でのやり取りと独自調査を交えてまとめます。

専業ブロガーとして、個人事業主になるか迷っている方、とりわけ「収益が少ないのに開業届を出す意味ってあるの?」と感じている方にとって、この記事が参考になれば嬉しいです。

目次

ブログ収益はいくらから申告が必要?

まずはそもそもブログでどのくらい収益が出たら確定申告が必要になるのかを整理します。
収入がブログのみなのか別にあるのかによって違います。

専業の場合(給与所得ゼロ)

専業でブログをしている場合、年間の所得が48万円以下であれば、所得税(国税)の確定申告は不要です。
これは「基礎控除」という仕組みがあるためで、収益が少額なら国税庁への申告義務は発生しません。

ただし、注意が必要なのは住民税(市税)の申告
収益が少なくても自治体に対しては住民税の申告が必要になるケースが多いため、居住地の市区町村役場に確認が必要です。

給与所得がある場合(会社員など)

一方で給与所得のある人が副業として行っている場合は、ブログの収益が年間20万円を超えたら確定申告が必要になります。給与と事業所得を合算して判定するため、専業の場合とは基準が異なります。

筆者の場合、ブログ収益が48万円に達していないため、所得税の確定申告は不要ですが、住民税については別途確認が必要な状況だということが分かりました。

開業届を出すメリットと注意点

申告が任意の状況でも開業届を出して正式に個人事業主になるべきかどうかは、多くの人が迷うポイントだと思います。

ここでは、実際に税務署で相談した内容をもとに「開業届を出すことで得られるメリット」と「知っておくべき注意点(デメリット)」を整理してご紹介します。

開業届を出すメリット

まずは開業届を提出して個人事業主になるメリットから。

経費を堂々と計上できる

開業届を出して個人事業主になると、ブログ運営に必要な支出を事業経費として計上できるようになります。

筆者自身も税務署で相談したところ、サーバー代や取材目的の旅費などは業務との関連性を説明できれば経費として問題ないという整理でした。

ブログに関係のない支出は当然経費にはなりませんし、収益が少ない段階では正直赤字を可視化するくらいの意味合いしかありません。

それでも、この「経費」という制度を実際に使ってみることは、今後会社員として節税を考える際や、本格的に事業を営むことになった場合の会計知識の基礎作りにつながります。開業届は、そうしたリテラシーを身につけるための入り口としても活用できると感じました。

青色申告が選べる(65万円控除・赤字繰越3年)

開業届を提出すると、青色申告を選択できるようになります(別途「青色申告承認申請書」の提出が必要です)。

青色申告には、最大65万円の特別控除や、赤字を3年間繰り越せるといった制度上のメリットがあります。
継続してブログ運営を行い、将来的に収益が伸びる可能性があるのであれば、選択肢として持っておく価値は大きいと感じました。

当ブログのように海外の現地情報をまとめるスタイルは、取材や調査に一定の費用がかかります。そうした支出を赤字として整理し、将来の事業収益と相殺できる可能性を残せる点は、青色申告ならではのメリットです。

もっとも「控除=使った経費分がそのまま戻ってくる」というわけではありません。
青色申告は帳簿付けを前提とした制度であり、必要な帳簿や証拠を揃えたうえで、きちんと申告することが求められます。

また、3年間の間に事業収益が伸びなければ、赤字を計上しただけで終わる可能性もあります。

その意味では、青色申告は今すぐ節税効果を得る制度というより、「将来収益が伸びた場合に備える選択肢」として捉えるのが現実的でしょう。事業を続けるモチベーションの一つとして使えます。

住民税申告が確定申告と一本化される

個人事業主として開業届を出すと、確定申告の内容が住民税の算定に反映されるようになります。

税務署で確認したところ、青色申告をする前提であれば、別途市区町村に住民税申告を出す必要は基本的になく、手続きが一本化されるとのこと。
先述のメリットがあることを踏まえると、この点は非常に助かると感じました。

ただし細かい扱いは自治体によって異なる場合があるため、気になる場合は一度確認するのがおすすめです。

開業届を出す注意点(デメリット)

次に、開業届を出す際に注意しておきたい点について整理します。
開業届を出さないという判断が合理的なケースもあるため、両面を踏まえて考えることが重要です。

開業届を出す際に覚悟しておくこと

開業届を出したことによるデメリットは、正直なところ多くありません。
強いて挙げるとすれば、帳簿付けや申告といった事務作業が発生する点です。会計ソフトを使う場合は、その費用もかかりますね。

青色申告を選択する場合は、一定の帳簿を付けたうえで申告する必要があります。慣れるまでは正直、結構ストレスを感じました。

帳簿に関して言えば、会計ソフトやスプレッドシートを使えば、日々の作業自体はそれほど重くありません。
とはいえ、専門用語にはどうしても触れなければなりませんし、咀嚼して理解しておかないと後で困るのは自分です。
そう思うと、精神的な負荷はそれなりにあります。

控除額の少ない青色申告や白色申告を選択すればそのあたりのストレスは軽減されますが、同時にメリットも少なくなるので、折角ならチャレンジしたいところ。

筆者自身も最初は構えていましたが、実際に会計ソフトを導入して色々入力してみると仕組みが少しずつ分かってきて、スムーズに入力をすることができるようになりました。

さらにこの手のノウハウはネット上に豊富に転がっていますし、最近であればChatGPTなどのAIのサポートも受けられるので、一人で悩んで行き詰まる心配がないのが大きい。

事業が小さいうちに申告手続きに慣れておくことで、将来的に事業が拡大したときに慌てずに済むので、今のうちに苦労しておくのも悪くないかもしれませんね。

開業届を出さないメリットもある

なお、事業収益がほとんどなく、今後も収益が増える見込みがなかったり、そもそも事業を続ける予定がない場合は、無理に開業届を出す必要はないとも感じました。

開業届を出さなくても事業そのものは問題なく続けられますし、申告義務が発生するレベルの収益が無いフェーズで帳簿付けや申告の手間を増やさないという判断も十分に合理的です。

開業日をいつにするか

開業届には「開業日」を記載する欄がありますが、実際にはいくつか考え方があります。

よく挙げられるのは、初めて事業収益が発生した日や、帰国日など自分の中で区切りの良い日を設定するケースです。いずれも間違いではありませんが、税務上は特定の日を必ず選ばなければならないという決まりはありません。

税務署で確認したところ、原則事業を開始してから1ヵ月以内の届け出が必要だが、それを過ぎた場合でも開業届は提出可能とのこと。ただし、先述の期限との兼ね合いなのか、開業日は開業届の提出日から2ヵ月以内の日付までしか遡れないと言われました。この点には注意が必要です。

冒頭に述べたような初めて事業収益が発生した日や指定したい区切りの良い日があったとしても、それが開業届の2ヵ月前よりも前の日付だと選択できないので注意が必要です(さらに開業日は申告すべき収益や経費の算定とは別なのでその点も注意)。

開業日については、「開業届を出すタイミング」と「計上したい収益や経費の発生日と額」の兼ね合いで決めるのが現実的だと感じました。

その他税務署で確認したこと

開業届に関する基本的なルールに加えて、ブログを事業として運営していくうえで気になっていた事項についても色々質問してみました。

外貨建て収益の計上について

グーグルアドセンス(Google AdSense)など、海外在住中に外貨建てで発生した収益について税務署で確認しました。結論としては、自分で円換算して計上すれば問題ないとのことでした。

換算方法については、入金日レートや一定期間の平均レートなど、いくつかの方法が考えられますが、一貫した方法で処理していれば問題になりにくいという説明でした。

実際の為替レートの細かな差よりも、処理方法の継続性が重視される印象です。

サーバー・ドメイン費用の計上について

サーバー・ドメイン費用の扱いについても確認しました。
結論として、複数年契約をしている場合でも事業に必要な費用であれば経費として計上可能とのことでした。

ただし、支払った年に全額を計上する方法と、契約期間に応じて年割りで処理する方法があり、どちらを選ぶかは処理方法の考え方次第との説明でした。一度選んだ方法は、継続して処理するのが望ましいようです。

通信費・旅費交通費・取材関連費の計上について

通信費や旅費交通費、取材のための飲食代や入場料についても相談しました。
結論としては、事業との関連性を説明できれば、経費として認められる可能性があるとの整理でした。

もちろん、私的な支出は対象になりませんが、記事としてアウトプットしている場合は、事業との関係性を説明しやすいとのこと。ただし具体的にどの支出が経費に計上できるか?みたいな詳細はケースバイケースとのこと。

実際に計上する際は、もし税務調査の対象になってもしっかりと説明できるよう、目的や内容が分かる形で記録を残しておくことが重要だと感じました。

開業届提出後の扱いについて

開業届を提出した後の扱いについても確認しました。
基本的に、開業届は提出すればほぼ確実に受理され、特別な通知が届くことはないとのことでした。

出したかどうかの確認は、自分で控えを保管しておく形になります。「出したら何か連絡が来るのでは?」と不安に思っていましたが、その点は特に気にしなくてよさそうです。

領収書・帳簿の保存ルール

税務署では領収書や帳簿の保存期間についても確認しました。

レシート・領収書の保存

レシートや領収書は、確定申告の際に提出する必要はありませんが、原則として5年間の保存義務があるとのことでした。紙のまま保管しても問題ありませんし、スキャンしてデータ保存する形でも構わないそうです。

帳簿の保存

帳簿については、7年間の保存が必要との説明でした。
帳簿の形式は、Excelや会計ソフトなどでも問題なく、必ずしも手書きである必要はありません。

まとめ

ブログ収益に関する申告や開業届について整理してみると、制度そのものは思っていたほど複雑ではないものの、判断の余地が大きい点には留意すべきだと感じました。

まとめると、専業であれば、年間の所得が48万円以下の場合国税への確定申告は不要ですが、住民税については別途申告が必要になるケースがあります。一方、給与所得がある場合は、事業収益が年間20万円を超えると確定申告が必要になるなど、立場によって基準が異なります。

また、開業届については、出すことで経費の整理や青色申告の選択が可能になり、手続きの一本化など実務面でのメリットは大きいと感じました。デメリットとしては帳簿付けなどの事務作業が発生する程度で、致命的な負担になるものではありません。

他にも経費の扱いなど、実際に税務署で確認してみると、ネット上の情報だけでは分からなかったことが色々と見えてきました。

そして結局のところ、申告義務が発生するほどの収益が無いのであれば、開業届を出すかどうかは今後の事業運営方針次第。メリットと注意点をよく理解したうえで選びましょう。

本記事は、筆者自身の体験や税務署での確認内容をもとにまとめたものです。
税務上の取扱いは、個々の状況や自治体、担当者によって異なる場合があります。具体的な申告や判断については、税務署や税理士などの専門家にご確認ください。

この記事がその判断を考える際の材料になれば嬉しいです。

以上です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次