【元駐在員が考える】シンガポールは日本人にとって住みやすい?住みやすい点7つと住みづらい点7つについて解説!

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筆者は以前シンガポールに駐在していました。

赴任前は治安が良いが何もない管理国家的なイメージでしたが、実際に住んでみると、思ったよりもいろいろなメリットがあり、思ったより住み心地が良いと感じました。

結論として、シンガポールは日本人にとってどの外国よりも住みやすい環境が整っていると思います!

この記事では、そんな筆者がシンガポールについて住みやすいと感じた点7つ住みづらいと感じた点7つをご紹介します。「住みづらい点」については合わせて対策もご紹介していますので、お楽しみに!

先に各項目をお伝えすると、以下のとおりです。

シンガポールの住みやすい点
  • 治安が良くて清潔
  • 効率的なサービス
  • 豊富な和食&日本製品と充実の日本人向けサポート
  • ルールが明確
  • 違うことが前提の社会
  • 周辺国に旅行がしやすい
  • 金銭面、税制上のメリットがある
シンガポールの住みづらい点
  • 野菜・乳製品が高くてまずい
  • ずっと暑い
  • シンガポール人の気質が難しい
  • 虫が多い&大きい
  • サービスの質は期待できない
  • 住居費がとにかく高いが、高機能というわけでもない
  • 娯楽が極端に少ない

正直「住みづらい点」は多かれ少なかれどの国にも当てはまる内容なので、シンガポールが特段悪いというわけでもない、というのが現実だと思います。

ではひとつずつ見ていきましょう!

移住先候補としてシンガポールを考えている方の参考にもなると思います!

目次

シンガポールの住みやすい点7つ

これぞシンガポール!なCBDの夜景。

治安が良くて清潔

シンガポールは治安が良く、公共の場が(他の東南アジア諸国と比較すると)とても清潔。ショッピングモールのトイレもきれいです。

治安が微妙な場所がないわけではありませんが、基本的に深夜に外歩きをしても全く問題ありません。女性一人歩きでもそこまで危険はないと思います。

他の外国(特に欧米)では夜遅くまでやっているお店が少なかったり、夜は治安が悪かったりします。

治安が気になるエリアは、ゲイラン地区リトルインディアオーチャード地区の一部くらい。知っておけば避けられるので問題はないと言えるでしょう。

また推奨はされませんが水道水も飲用可能。筆者は料理の際に水道水を使用していました。

効率的なサービス

シンガポールはキャッシュレス決済が浸透しており、スマホさえあれば手元に全く現金がなくても支払いが済んでしまうことが多いです。

銀行送金も携帯電話番号さえあれば簡単に行えるので、割り勘もとても簡単!

行政サービスや銀行のサービスもアプリで簡単に行えるので、窓口に並ぶ必要はほとんどありません。

豊富な和食&日本製品と充実の日本人向けサポート

海外に住むと日本的なものが恋しくなったりするもの。

その点シンガポールは和食レストランや日本製品が溢れているし、日本人向けのクリニックや学校もあります。しかもその多くが日本人経営だったり、日本語が問題なく通用したりする環境です。

そのような場所はローカルな場所と比較すると多少割高になるので、お金さえあれば日本とほぼ同じ環境で何不自由なく生活できてしまう環境といって差し支えないでしょう。

一方で、そこまでのお金をかけなくても日本っぽさを味わえる点もシンガポールの特徴です。外国でここまで幅広い選択肢があるのは非常に珍しい!

この点は異国感が乏しいとも言えるので、海外生活に刺激を求める人にとってはマイナス面ともいえるかもしれません。

駐在員であれば日本人会に入会するのも簡単。日本人会のネットワークは盤石なのでさらに安心です。

ルールが明確

シンガポールはFine Cityと言われるほど罰則の多い国。しかしそれは、裏を返せば守るべきルールが明確だということでもあります。

最低限ルールを知っておく必要はあるものの「やっても良いこと」「やってはいけないこと」が明確なため、日本のように「空気を読んで暗黙のルールに従う」ようなことは求められません。曖昧な理由で責められるようなシチュエーションは発生しづらい環境といえます。

違うことが前提の社会

シンガポールは多人種・多宗教社会なので、それぞれの人の価値観や信念が全く異なります。比較することに意味がないため、第三者の容姿や生活に必要以上に干渉することはありません

日本では他人の容姿や言動をチェックしたり周りに合わせることに気を使うことがよくありますが、シンガポールではあくまで自分の感覚が一番。「自分は自分、他人は他人」です。

周辺の国に旅行がしやすい

シンガポール自体は狭い島国ですが、マレーシアやインドネシアといった周辺国と近接しているため、海外旅行が気軽にできます。LCCを活用すれば往復で2万円以下で旅行することができることも。

東南アジアは国ごとに言語も文化も全く違うので、少し移動するだけで面白い経験がたくさんできる環境です。

また日本との時差が1時間しかないので、時差ぼけが起きにくい点もメリット。(この点は日本とリモート会議をするときにも効果を発揮します。)

金銭面、税制上のメリットがある

シンガポールで高いのは住居費やサービスで、それ以外は思いのほかリーズナブルです。日本よりも所得の幅が広いので、有用なスキルや実績があれば日本よりも稼ぎやすいといえるかもしれません。

また、税制面では日本よりも割合が低かったり、課税されない分野があります。投資から得られるキャピタルゲインについて、日本では課税される一方でシンガポールでは非課税なのは有名な話でしょう。

シンガポールの住みにくい点7つ

夕暮れのマリーナ・ベイ・サンズは絵になります。

野菜・乳製品が高くてまずい

シンガポールは国土が狭く資源もないことから、石油製品の中間貿易で富を築いた国。そのため、いわゆる第一次産業(農業や畜産業など)が非常に貧弱です。

野菜や乳製品の入手先は主に近隣諸国からの輸入に頼っており、スーパーマーケットを見る限り輸入元は東南アジア諸国やオセアニアが多いです。

そういった商品は輸入にかかるコストが価格に転嫁されているため、基本的に高いです。しかも日本人の口に合う美味しいものも少ないので、価格の高い日本やヨーロッパからの輸入品を買うか、諦めて順応するしかありません。

対策方法

輸入品のバリエーションの多いスーパーマーケットを利用しましょう!

シンガポールの代表的なスーパーマーケットは以下の5つ。上に行くほど高級なので輸入品のバリエーションが多くなり、日本人の口に合うものが見つかる確率も上がります。

  • COLD STORAGE
  • Fair Price Finest
  • NTUC FairPrice
  • Sheng Siong
  • Giant

日本の食料品を豊富に取り扱う以下のお店なら、安定の日本の味が手に入ります。

  • Don Don Donki
  • Meidi-Ya
  • Iroha Mart
  • Kuriya Japanese Market

ずっと暑い

シンガポールの気温は年間を通じて30度前後。

極端に暑くなることはありませんが、涼しくなることもありません。毎日汗だくで生活することが避けられない状況です。

雪も降らないので、シンガポールに居る限りウインタースポーツは基本的に諦めた方が良いです。

対策方法

暑さ対策として筆者が実践していたことは以下のとおり。

  • エアコンの効いた移動ルート(地下道など)を覚える
  • ショップハウスのファサードや屋根付き通路を利用して直射日光を避ける
  • 長時間外にいることを避ける。避けられない場合はこまめに休憩・水分補給をする
  • シャワーの頻度を上げる
  • デオドラントを使用する
  • 体力を使う活動は夕方から夜間に行う

シンガポール人の気質が難しい

シンガポール人は幼少期から厳しい競争に晒されるため「他人に負けたくない」というマインドセット(キアスーと呼ばれます)が身に付きます。これが日本人が受けてきた「平等」を重視する教育と非常に相性が悪く、付き合いの難しさにつながります。ここに中華系のメンツを重視する気質が合わさると更に厄介…。

また、シンガポール人は移動範囲が狭いため、学生時代のグループのような狭いコミュニティにこもりがち。外国で育った外国人がそのような輪に入るのは容易ではありません。

シンガポール英語は聴き続ければ慣れますが、コミュニティに入れるかどうかは話が別です。

対策方法

正直対策はかなり難しいですが、筆者は以下のようなことに取り組んでいました。

  • シングリッシュを覚えて使う
  • シンガポールをほめる
  • 自分の意見を(ある程度)はっきり伝える
  • 単純に接触頻度を増やす
  • (相手との関係性によって)自分の情報を開示する・社会的ステータスをさりげなくアピールする
  • (親しくなってから状況に応じて)相手のステータスをほめる

また以下のことをしないように心がけていました。

  • シンガポールやシンガポール人の悪口を言う
  • 職歴・学歴・年収等の個人情報を安易に引き合いに出す
  • 相手のメンツを潰す、恥をかかせる

虫が多い&大きい

南国によくあることですが、日本よりも虫が多いかつ大きいです。低層住宅に住むと日常的に虫を目にすることになるでしょう。ホーカーセンターにはよく大きなゴキブリがいます…。

また東南アジアと聞いて気になるのが、日本には生息していない、風土病を媒介する害虫。東京でも一時期デング熱を媒介する蚊が問題になりましたね。

シンガポール政府はそのあたりしっかりしており、デング熱を媒介する蚊については撲滅キャンペーンを展開しています。(害虫が発生するような環境を放置すると罰則の適用も!)

コンドミニアムで定期的に行われるペストコントロール(害虫駆除)はその一環です。

対策方法

自然相手なのでかなり対策が難しいですが、できることがないわけでもありません。

  • 虫除けスプレーを意識して使う
  • 住居を選べるなら、なるべく高層階に住む
  • 室内にダストシュートのような虫の侵入経路があれば、周囲に殺虫剤を撒いておく
  • 蚊取り線香を使う(スーパーマーケットでコンセントに差すタイプが販売されています)
  • 虫の嫌う芳香剤や香油(ムスタファセンターで安く入手可能)を部屋に設置する

上のような対策を行えば少なくとも居住空間で虫が見つかる可能性はかなり少なくなるはずです。あとは虫を見ても驚かない強靭な精神を身につけましょう!

サービスの質は期待できない

どれだけ日本食レストランや日本製品の多くても、シンガポールは外国。サービスの質は基本的に支払金額に比例します。コンビニやファストフードでホスピタリティを求めてはいけません。

ただし高級なお店でも期待のしすぎは禁物です。日本とは異なる基準が存在することを頭に入れておけば、無駄にイライラすることは減るでしょう。

対策方法

こちらも海外である以上対策はほぼ無理ですが、シンガポールなら多少緩和できるかもしれません。

  • 客単価の高いお店を利用する
  • 日本人が経営するお店を利用する
  • Grabfoodやfoodpandaのデリバリーを利用する

カルチャーショックを抑えるには有効ですが、現地に適応してしまうのが一番早いと思います…

この点はシンガポールに限らず外国あるあるですね。

住居費がとにかく高いが、高機能というわけでもない

シンガポールはとにかく住居費が高いです。駐在員や相当稼いでいる人でない限り、誰かと空間(バスやトイレ)をシェアして暮らすことになるのは避けられないでしょう。

2022年末からはさらに住居費が上がっているので、今後ますます出費が増えていくことが予想されます。

2024年現在、インフレと円安で実際にものすごいことになっています。

とても高い住居費ですが、クオリティーはあまり高くありません。施工が甘いため新築住宅は避けた方が良いと言われます。また高温多湿な気候により建物の劣化も早いので、古い物件も危険。

もし住宅関係でトラブルがあっても、すぐに対応してもらえるとは限らないのが現状です。

また自炊派の方には残念ですが、シンガポール人は自炊をしないのでキッチンが総じて小さいです。2口なのに近すぎて1口しか使えないようなレイアウトになっている場合もあります。コンロの配置もフライパンや鍋を置くシミュレーションをして判断するのが必須です!(経験あり)

対策方法

おそらく対策は無理。少しでも良い物件を見つけるという意味では、以下のことを実践すると良いかもしれません。

  • 信用できる不動産エージェントに依頼する。可能であればローカルのエージェントも検討
  • 予算が限られるのであれば郊外を選ぶ(シンガポールは小さいので通勤時間はたかが知れています)
  • 築浅物件&古すぎる物件はトラブルの可能性が高いので避ける。築10年くらいなら安定
  • 自炊する方はキッチン回りを念入りにチェック
  • 暑くて想像以上に移動が億劫になる。なるべく欲しい施設に隣接する住居を選ぶ

娯楽が極端に少ない

シンガポールの国土は非常に狭いため、遊びに行ける場所はかなり限られます。観光地としても人気なので見るものがないわけではありませんが、住んでいると代表的な観光地はすぐに行き尽くしてしまうと思います。

またテレビやラジオといったメディアは政府の傘下にあり言論統制もあることから、日本のようなバラエティー番組はありません。

しかもタバコやアルコールのような嗜好品は日本の何倍もします

このような状況が、旅行者や駐在員に「つまらない」「退屈」「飽きた」といった感想を抱かせる原因になるのではないかと思います…。

対策方法

シンガポールに飽きてしまったら、以下のようなことをすると気晴らしになるかも。

予算に余裕があるなら…

  • 周辺国に行く(ジョホール・バルなら陸路で簡単にアクセスできます)
  • 近隣の島を訪れる(ウビン島など)
  • 非日常を楽しむ(アフタヌーンティーやカフェホッピング等)

お金をなるべくかけずに楽しむには…

  • 地域の図書館を利用する
  • 路線バスで遠乗りする←おすすめ!
  • お酒はハッピーアワーを狙ってお得に楽しむ

バスの遠乗りについてはこちらの記事を参考にどうぞ。ディープなシンガポールを体験できますよ。

まとめ

本記事では、シンガポールの住みやすい点と住みづらい点(+対策方法)をご紹介しました。

改めてまとめると以下のとおり。

シンガポールの住みやすい点
  • 治安が良くて清潔
  • 効率的なサービス
  • 豊富な和食&日本製品と充実の日本人向けサポート
  • ルールが明確
  • 違うことが前提の社会
  • 周辺国に旅行がしやすい
  • 金銭面、税制上のメリットがある
シンガポールの住みづらい点
  • 野菜・乳製品が高くてまずい
  • ずっと暑い
  • シンガポール人の気質が難しい
  • 虫が多い&大きい
  • サービスの質は期待できない
  • 住居費がとにかく高いが、高機能というわけでもない
  • 娯楽が極端に少ない

個人の価値観によるところも多いので、必ずしも全ての人に当てはまるわけではない点にはご留意ください。それでもシンガポールは日本人にとっては非常に住みやすいところだと思います!

シンガポールに赴任予定の方や、移住を考えている方の参考になれば嬉しいです。

なお住みやすいエリアについてはこちらの記事でいくつかご紹介しています。合わせてどうぞ。

以上です。

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