筆者は以前シンガポールに駐在していました。
こんな記事タイトルにしましたが、ブログを立ち上げて記事を書いてしまうくらい今でも好き。隙あらばまた住んでやろうと画策しているくらい。
そんなシンガポールについて、今回はあえて嫌だった点を書きたいと思います。
最近は芸能人が続々移住している(ように報じられる)こともあり話題に上がることも多いシンガポールですが、こんなデメリットもあるよ、ということでエンタメとして楽しんでいただければ。
暑すぎる
毎日汗だく
シンガポールは赤道に近い熱帯のため年間を通じて暑いです。平均気温は30度前後。
ちょっと買い物に行くにも常に汗だくで冷凍食品は買うのにコツがいる。帰ったらとりあえずシャワー。あれ、何回目だっけ?レベル。必然的に消費量が激しくなるので新しいシャンプーやボディーソープをムスタファセンターで物色するのは楽しかったです。
一方でショッピングモールや職場は冷房がガンガン効いていて寒い。
加減すべきはエアコンの温度ではなく我々の服装といったところか。
なぜ。
ファッションは楽しめない
あまりに暑いので、仕事中以外は大抵Tシャツ・短パン・ビーチサンダルの人が多い。色々と丈が短い。
ビジネス街をちょっと離れると、男女ともに異様にスポーティー。ジム帰りですかって感じ。
いわゆる秋冬の重ね着コーディネートは無理で、せいぜい羽織ものに凝る程度。
オシャレは我慢とはよく言ったもの。
なお出費が減って助かるという点は否定しません。
(筆者はなぜか一時期バティックに凝って散財しました。)
四季が無い
毎日夏のような気候なので、季節のイベントも何だかしっくりきません。特にクリスマス。
南半球はサンタクロースがサーフィンに乗ってくるというけれど、そんな風情は中華系の多いシンガポールにはありません。
※Marks & Spencerは別。あれはイギリスだから。
思い出が季節と結びつかないので、あれ?いつのことだったっけ?ということも度々。ただナイトプールでの年越しは一生忘れないと思います。
対人感覚の違い
手ごわいシングリッシュとキアスー
コスモポリタンなシンガポールでは、言語を使うときも常に「こちらに正当性があるぞ」という態度でいないと、負ける。
たとえ英語に自信がなくても相手に隙を見せてはいけません。あと英語の誤りを指摘するのはお互いに得をしないのでやめましょう。
特に中国語ベースのシングリッシュは語気も強めなので、慣れないとビックリすることもあるかも。
意識していないと相手のペースに巻き込まれます。
中国のような押し売りが無いのが救いか…。
負けることを極端に嫌う性質「キアスー」も、シンガポール人と付き合う上で避けられません。
相手のプライドを傷つけないように、でも舐められないように…加減がホントに難しい。
底が浅いメンツ合戦に巻き込まれるたびに、過剰な競争社会の怖さを感じずにはいられません。
基本ファッショナブルではない
とにかくダサい。髪型は微妙。服装も微妙。
謎の全身(靴以外)ブランドコーデカップルがよくいる。
シンガポールの銀座+渋谷・オーチャードをビーチサンダルや便所サンダルで闊歩し、そのままルイヴィトンやプラダのような高級ブランドに入る人の多いこと。
パリだったら客扱いされずに門前払いされるレベル。
あとなぜか上半身だけやたら鍛えて布面積狭めのタンクトップで見せつけている?ような人も多い。
下半身もバランス良く鍛えたら良いのに。
騒音、というわけでもないけれど
MRTでよく高齢の方が音楽を大音量で垂れ流しています。なぜかイヤホンやヘッドホンは使わない。
中華懐メロを強制的に聴かされても嬉しくないです…。知らないし。
あとサイクリング時は基本的にBGM垂れ流し。自転車にスピーカーを取り付けている人が多いため、夜のイーストコーストパークはサイクリストとBGMが飛び交うカオス空間と化しています。
前にシンガポーリアンの友人にこのことを愚痴ったら、「君も付ければ?」だって。
恥ずかしくないの?
あとインド系の人(主に男性)はバスでもMRTでもひたすら誰かとスマホで会話しているように思います。なぜかずーっと途切れなく話している。
そんなに話題があるんでしょうか。羨ましいものです。
物価の高さと釣り合わないQoL
何をするにもお金がかかる
何をするにもお金がいります(これは当たり前)。でも住居費が異様に高い。風呂やトイレを誰かとシェアしたくなかったら多分東京の4倍くらいはかかる。
飲食費も(ホーカーセンター以外)高い。
特にお酒やたばこは日本の何倍か分からないくらい高いらしい(筆者はどちらにも興味がないので又聞きレベル)。
交通費は安いですが、諸々と合わせてトントンに。
あ、でもお酒の代わりにアイスクリームでまったりするのは結構良いです。
涼しくなるし、お財布にも優しい。
ホーカーセンターは安い。でも…
庶民の味方ホーカーセンター。地域の高齢者の集会所ホーカーセンター。健康には良くないけれどリーズナブルにご飯が食べられる素敵な場所。(基本野菜少なめ糖分・油マシマシマックスなので3食ホーカー生活はおすすめしません。)
ただそのおかげで肥満が増え、糖尿病が国民病に。
翻って、シンガポールの中心部や駅周辺には、ティッシュペーパーを売る脚が無い高齢者がたくさんいます。
中国語訛りの英語で「ワンダラー!ワンダラー!」(つまり1ドルでティッシュペーパーを売ろうとしている)と通行人に叫んでいる姿は、なかなかにショッキング。
筆者は彼らが脚を失った理由が糖尿病にあるとにらんでいます。
政府もこの状況を認識しているので、理想的な食事バランスを啓発したり、食品の糖分含有量表示を企業に義務付けたりと様々な対策を行っていますが…果たしてどうなるか。
ちなみに最近はサラダやスープのお店が若者に大人気です。
なお筆者はThe Soup Spoonが大好きです。若干高くつくけど美味しいし健康的。好きすぎたので記事を書きました。
退屈な近代国家
国土が狭い
端から端まで2時間程度。
地域ごとの特色はあるものの、東京の原宿と上野のコントラストほどは違いが大きくない。
バスの景色はHDB群か緑。ずーっと同じ。2階建てバスは眼の癒し。
1時間は余裕で乗っていられます。大好き。
あとは趣向を凝らしたショッピングモールは各地にあるものの、実はお店のラインナップはどこでもほぼ同じ。Boon LayのJurong Pointにある香港っぽいエリアは地味に好きでしたが。
単純に飽きます。
観光地は整っていて単調
マレーシアから分離独立した比較的新しい国なので、シンガポールの歴史はほぼそのままマレーシアの歴史だったりします。
そのためシンガポールとしての歴史スポットは薄味。
その結果として、マリーナベイサンズやガーデンズバイザベイのような人工的なアトラクションが多くなります。
でも実はそんなに広くない場合も多いし、広かったとしても日中は暑くて行きたくない。
こっちもすぐに飽きます。
ちなみに筆者の趣味はエアコンの効いている通路を伝ってどこまで行けるかチャレンジでした(暑いの無理)。
こっちのほうが地味に楽しいですよ。寂しいですが。
もし同じ趣味の方がいらっしゃったらぜひフナン・モールからサンテック・シティーまで一度も外に出ず行けるか試してみてください。成功したらあなたはシンガポール知識王!
お祝いにどっかで甘いものでも食べてください。
あとスコールに降られたときなんかにHDBの屋根を伝ってどこまで行けるかチャレンジをするのも楽しいですよ。寂しいですが。
規制が厳しい
罰則が厳しく細かい
シンガポールは罰則が厳しく、かつ細かいです。
法律は確実に執行されますし、その過程で罰則も当然に科されるので、日本みたいにそもそも罰則を設けないとか罰則があるのに適用されないといった体たらくはあり得ない。
基本は「お願い」ではなく「命令」ベースで物事が動きます。
コロナ禍では特にその傾向が顕著で、ほぼ毎日集会可能人数や店内飲食の条件が変わっていた時期であっても、ちょっとでも規則を破ったらお店は営業停止。客は罰金(場合によってはプラス禁固刑)。
法律も罰則も適用するためにあるので、当たり前ですね。
ただ、未だに鞭打ちの刑があるのはあまり知られていないのではないでしょうか。
対象は男性だけですが、外国人にも適用されます。最近上限年齢が引き上げられました…。
シンガポールのNG行為についてはこちらの記事をどうぞ。
監視国家
コロナ禍のときは町中に赤いポロシャツの「アンバサダー」が大量に配置され、ソーシャルディスタンスその他政府の規制が守られているか監視していました。
現在でも国民防護のために通報機能のついたアプリがあるので、行動にはご用心。
また街中に監視カメラが設置されておりSNSも監視対象なので、シンガポールの安全を脅かすような行動を取るとすぐに特定されると思います。
なおシンガポールは人種・宗教の共存共栄を国是としているので、間違っても人種・宗教の差別につながるような発言を投稿してはいけません。
事と次第によっては再教育の対象になります(前例あり)。
独立系メディアは基本的に存在しない
「基本的に」と書いたのは、筆者が知らないだけで存在するかもしれないからです。
シンガポールでは、報道機関(テレビ・新聞・ラジオ)は政府の管理下にあります。
バラエティーやドラマもありますが、日本に比べると規模はかなり控えめ。
そのおかげで質の高いプログラムが制作されますし、コロナ禍のような非常事態に際し無用な混乱が生じないというメリットはあります。
ただ言論や表現の自由に関する事項は基本的にセンシティブ。
なおチャイナタウン近くのHong Lim Parkにはデモを合法に行えるPeople’s Cornerがありますが、筆者は使われている光景を見たことがありません。
おわりに
書いていたら止まらなくなって小項目まで増やしてしまった…ちょっとディスり過ぎましたかね。でも楽しかったです。
気が向いたら今度は好きなところを書きたいと思います。
以上。
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