パリといえば、一大観光地にして世界有数の大都市。世界中から人が集まる華の都らしく、公共交通機関もしっかりと整備されています。便利さの一方で、映画の題材にもなるほど絵になる雰囲気も魅力的です。
そのような多種多様な公共交通機関は、乗りこなせれば非常に便利な反面、初めての人にとっては少しハードルが高いという側面も…。ルールや切符の買い方などについてはあらかじめ知識を入れておかないと、改札で戸惑ったり、目的地にたどり着けなかったりする可能性もあります。
治安の良い都市であれば誰かが助けてくれることもありますし、時間をかけて調べたりすることで特に問題なく移動することができますが、そこは地下鉄駅や鉄道駅の治安が微妙なパリ。親切を装って詐欺を働く輩もいるので気を抜けません。
さらに券売機や改札の前などでオロオロしていると、最悪スリ集団に目を付けられるおそれもあります。
この記事では、パリの公共交通機関を初めて使う人でも迷わず行動できるように、
各交通機関の特徴から乗り方、券売機の使い方、アプリでのチケット購入方法まで、写真付きでわかりやすく解説していきます。
特に2025年は制度変更によりパスやチケットのラインナップや乗り換えのルールも大きく変わっており、以前訪問したことがあっても油断は大敵!
この記事では、最新の情報をもとに、各種公共交通機関の利用方法について、実際の写真とともにお伝えします。
パリを訪れる方の参考になれば嬉しいです。
パリの構造を理解しよう
パリの街はかたつむり型構造をしている

まずはパリの街を把握するところから!
パリは1区から20区までの行政区に分かれており、ルーヴル美術館がある1区を中心に、時計回りの渦巻き状に配置されています。この構造は“かたつむり型”とも呼ばれ、区の番号を知っていればおおよその位置関係を把握できます。
セーヌ川が街を東西に流れており、川の北側が「右岸(Rive Droite)」、南側が「左岸(Rive Gauche)」と呼ばれています。多くの観光名所がセーヌ沿いに集まっているため、移動の際はこの地理的な区別を意識すると便利です。
それぞれに属する区は以下のとおり。
- 右岸(北側): 1, 2, 3, 4, 8, 9, 10, 11, 12, 16, 17, 18, 19, 20区
- 左岸(南側): 5, 6, 7, 13, 14, 15区
またセーヌ川の中には、歴史的な中心地であるシテ島(Île de la Cité)とサン=ルイ島(Île Saint-Louis)があります。シテ島にはノートルダム大聖堂などの名所があり、パリの発祥の地とされています 。
主な観光地と位置関係
パリの主要観光地と区は以下のとおり。多くが一桁台の区に位置している(=中心部にある)ことが分かりますね。
- ルーヴル美術館(1区、右岸)
- ノートルダム大聖堂(4区、シテ島)
- エッフェル塔(7区、左岸)
- オルセー美術館(7区、左岸)
- 凱旋門(8区、右岸)
- オペラ・ガルニエ(9区、右岸)
- サクレ・クール寺院(18区、右岸、モンマルトル地区)
- パンテオン(5区、左岸、カルチェラタン地区)
- サン・ジェルマン・デ・プレ教会(6区、左岸、サンジェルマン地区)
また観光客に人気のエリアと所在する区の対応関係は以下の通りです。
- マレ(流行のブティックやLGBTバーなどが立ち並ぶファッショナブルなエリア)→4区、右岸
- カルチェラタン(パリ大学がある学生街)→5区、左岸
- サンジェルマン(サンジェルマンデプレ教会を中心とするシックなエリア)→6区、左岸
- モンパルナス(20世紀初頭に芸術家たちが集った街)→14区、左岸
- パッシー(パリの高級住宅街)→16区、右岸
- モンマルトル(19世紀半ばに芸術家たちがアトリエを構えた下町エリア)→18区、右岸
なお人気のヴェルサイユ宮殿はパリの南西郊外にあり、RERでアクセス可能です。
パリの主要空港は2つ
長距離路線が中心のシャルル・ド・ゴール空港(CDG)は北東郊外に、短距離路線やLCCが中心のオルリー空港(ORY)は南郊外にあります。
それぞれRERやバスなどの交通機関で市内と結ばれています。
パリで利用できる交通機関の一覧
パリでは多彩な交通機関が使える

パリの公共交通網は、イルドフランス(Île-de-France)地域を網羅する鉄道・地下鉄・バス・トラムなどが複雑に絡み合う構造になっています。
観光スポットが集まる中心部と郊外を含め乗り換えがスムーズに行えるように設計されており、主要駅やターミナル、交通機関それぞれの特徴を簡単に把握しておくことで、目的地までの最適なルートを選びやすくなります。
各交通機関のメリット・注意点早見表
各交通機関の特徴を踏まえたメリットと注意点は以下のとおり。
これらの内容を考慮して交通機関を選ぶと無駄がありません。
交通機関の種類 | 説明 | 注意点 |
---|---|---|
Métro | いわゆる地下鉄。 時間が読みやすくスムーズに移動できる。 | 混雑しやすく、治安が微妙。 階段が多く、エスカレーターやエレベーターはほぼない。 大きな荷物を持っての利用はおすすめしません。 |
Bus | いわゆる路線バス。市内の移動に。 | 慣れないと路線把握が難しい。 メトロと比較するとどうしても時間がかかる。 遅延や経路変更が頻繁にある。 |
RER | 高速郊外鉄道。空港アクセスにも使える。 | 郊外区間および車内の治安が微妙。 |
Tram | トラム。主に環状道路沿いで運行。 | 市内中心部の運行がないので、主要観光地にはアクセスできない。 |
Transilien | SNCF(フランス国鉄)が運行する郊外列車。 | 本数が少ない路線もあり、時刻表の確認が必要。 |
乗車券の種類と買い方
ここからは利用可能な乗車券の種類と購入方法について解説していきます。
乗車券の種類
パリでは、利用したい交通機関に対応するチケットやパスを物理ICカードやアプリにチャージして使います。物理ICカードの種別やアプリなどの媒体に応じてチャージできる乗車券の種類も異なるので、ここで把握しておきましょう!

SUICAやPASMOのような金額ベースではないので、チケットやパスと交通機関の対応関係を把握しておかないとうまく利用できません。
ここでは代表的な乗車券とチャージ可能な媒体を紹介します。詳細は別記事【2025年制度変更対応】パリの公共交通チケット&パス徹底比較【旅行者・在住者別に解説】をご参照ください。
チケット・パス名 | 利用期間・特徴 | チャージ可能な媒体 | 備考 |
---|---|---|---|
Ticket Métro-Train-RER | 一回券(メトロ、RERなどに使用可) | Navigo Easy、アプリ | |
Ticket Bus-Tram | 一回券(バス、トラムに使用可) | Navigo Easy、アプリ | |
Navigo Jour | 1日乗り放題パス | Navigo Easy、アプリ | |
Paris Visite | 1〜5日間の観光用乗り放題パス | Navigo Easy、アプリ | |
Navigo Semaine | 週単位の定期券(月曜開始) | Navigo Découverte、アプリ | 記名式 |
Navigo Mois | 月単位の定期券(月初~月末有効) | Navigo Découverte、アプリ | 記名式 |
Navigo Liberté+ | 後払い方式(1回乗車ごとに課金) | 専用ICカード | 記名式 |
Navigo Annuel | 年間契約型定期 | 専用ICカード | 記名式 |
なお物理カードとアプリをどちらを選ぶべきかですが、正直どちらでも使用感はあまり変わらないという感想です。
以下に筆者の考えるメリット・デメリットを掲載しますので、ご参考まで。
媒体 | メリット | デメリット |
---|---|---|
物理カード | ・使用時にスマホを取り出す必要がない。 ・自動券売機でもスマホでもチャージが可能。 | ・発行時にカード代がかかる。 ・カードを管理する手間が増える。 |
アプリ | ・全てスマホだけで完結する。 ・カード(無記名)を発行する手間が省ける。 | ・使用時にスマホを取り出す必要がある。 ・スマホのバッテリーが切れると使えなくなる。 ・チャージ時に通信環境が必要。 |
どこで買える?購入場所の種類
パリの公共交通カードの購入及びチケットやパスのチャージは、以下の場所で購入できます。それぞれに特徴があるため、滞在スタイルや好みに応じて選びましょう。
購入場所 | 特徴 |
---|---|
自動券売機 | メトロ・RER駅に設置(設置されていない出口もある)。タッチパネル式で、複数言語対応(日本語は非対応)。Navigo Easyカードの購入やチャージが可能。 |
駅窓口 | メトロなどの駅に設置(設置されていない出口もある)。自動券売機の機能に加えてNavigo Découverteなどの発行手続きができる。営業時間に注意。 |
RATP提携店舗 | タバコ屋(Tabac)や書店など、RATPのサインがある店舗でNavigo Easyカードの購入・チャージが可能。一覧はこちらのウェブサイトで確認できます。 |
Île-de-France Mobilitésアプリ(IDFM) | 手元のスマートフォンでチケットやパスの購入・チャージが可能。 |
Bonjour RATPアプリ | 手元のスマートフォンでチケットやパスの購入・チャージが可能。 |





駅窓口の英語通用度は場所によります。フランス語が得意でない場合は、翻訳アプリなどを用意しておくのがベター。
ここからは自動券売機の使い方をご紹介します。
自動券売機での買い方
駅に設置されている自動券売機は一見複雑に見えますが、慣れてしまえば簡単です。
Navigo Easy(物理カード)を購入する
まずは物理カードの購入方法から。
まずはNavigo Easyが購入できる自動券売機を見つけます。
「ici, achetez votre passe」と書かれている券売機でNavigo Easyが購入可能です。


購入手続きに使用する言語を選択します。フランス語以外には英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語に対応していますが、日本語には対応していません。
右側の言語以外の部分をタッチするとフランス語で手続きが進みます。


今回は英語を選択して進めていきます。
今回は物理カードを新しく購入するので、右側の「You don’t have a Navigo Pass: touch here」をタッチ。


すると購入するチケットやパスの選択肢が出てきます。


ここでは試しにTicketsを選択します。2種類の選択肢が表示されました。


チケットをチャージするためにNavigo Easyの購入が必要になる旨の案内が出てきます。
問題なければ右下の「I understand」をタッチ。


カードを利用する人数を選びます。


ここでは大人一人の利用を想定して進めます。問題なければ右下の「Continue」をタッチ。


チケットを購入する枚数を選択します。


購入したい枚数に対応する数字をタッチ。今回は2枚を選択してみます。問題なければ右下の「Add to cart」をタッチ。


購入する内容と合計金額が表示されます。
問題がなければ右下の「Check out」をタッチ。


レシートの要否を聞かれるので、必要なら「Yes」、不要なら「No」を選択。



購入証明が必要になることもなくはないので、できればレシートはもらっておいた方が安心です。


使えるカードの種類が表示され、決済用端末が発光します。
CB(フランスの銀行カード)、VISA、MASTERCARD、AMEXが使えます。


クレジットカードやデビットカードを挿入する(暗証番号が必要)か、タッチ決済をします。


決済が完了すると、選択したチケットやパスがチャージされた物理カードが発行されます。
手元のNavigoにチケットやパスをチャージする
次に既に手元にカードがある状態で、自動券売機を使ってチャージする方法をご紹介。
まずは駅構内に設置されている自動券売機を見つけます。
Navigo Easyが購入できる自動券売機以外にも、チャージ専用の自動券売機が使えます。
これはNavigoにチャージするための機械。


アップにするとこんな感じ。


こちらはタッチパネルではなくハンドルを回して選択する方式。このタイプの機械では現金が使えます。購入可能なチケットとしてTicket t+が選択肢に出てきますが、2025年1月の制度変更後に買えるかは不明。


フランス語以外を使いたい場合は、画面にタッチして右下の言語一覧から選択します。
ここでは英語を選択してみます。


紫色のリーダー部分にカードを置きます。


カードが認識されるとこのカードにチャージできるチケットやパスの選択肢が表示されます。



現在カードにチャージされているチケットなどの内容確認もできます。


拡大するとこんな感じ。Ticketsを選択してみます。


更に選択肢が表示されます。


枚数を選択。


レシートの要否を選択。


クレジットカードやデビットカードを使って決済します。
今回はCB、VISA、MASTERCARDが使えます。


決済用端末を操作して決済を完了させます。


金額が表示されているので、問題なければ上の挿入口にカードを挿入し、暗証番号を使って決済します。
決済が完了すると、カードに購入内容が反映されます。
アプリでの買い方
パリでの交通案内や各種パスやチケットの購入・チャージにはÎle-de-France Mobilités(IDFM)アプリとBonjour RATPの2種類のアプリが利用可能です。Île-de-France Mobilités(IDFM)アプリはイルドフランス都市圏、Bonjour RATPは主にパリ市内をカバーします。
発行元が異なりますが、パリ市内で使うならどちらのアプリでも操作方法はほぼ一緒。
今回はBonjour RATPを例に具体的なチケットやパスの購入方法を紹介します。
スマホをカードとして利用する
ここではiPhoneユーザー向けにスマホを物理カードのように利用する方法を紹介します。
アップルウォレットの「交通カード」から「フランス」を検索するとNavigoが出てきます。「次へ(Next)」をタップ。


「続ける(Continue)」をタップ。


購入可能なチケットやパスが表示されます。希望する乗車券を選択し、次の画面へ。


利用規約を読み、問題なければ「同意(Agree)」をタップ。


使用するカードを選択し、アップルペイで決済します。


決済が完了すると固有の認識番号が振られた(仮想)カードが作成されます。
これでスマホをカード代わりに使用する準備ができました。
もし手元のチケットやパスが不足しても、ウォレットの機能や公式アプリを使えば簡単にチャージが可能です。
- ウォレット経由の場合:ウォレットでNavigoを選択→購入するチケットやパスを選択→決済
- アプリ経由の場合:チケット購入機能を使って購入(スマホと物理カードを選択する画面でスマホを選択)
アプリを使って物理カードにチャージする
続いてアプリを使って物理カードにチケットやパスをチャージする方法をご紹介します。
右下のTicketsをタップ。


物理カードをスマホに押し当てて「Read pass」をタップ。


物理カードの読み込みが完了すると、カードにチャージされているチケット情報や決済履歴などが表示されます。


読み込ませたカードに対応する購入可能なチケットやパスが表示されます。購入したいチケットやパスをタップ。今回はTickets(一回券)を選択してみます。


各種一回券が表示されます。



Metro-Train Ticketの価格が2ユーロになっていますが、購入時は正しい価格(2.50ユーロ)で決済することになります。


購入する一回券の枚数を選択します。


購入内容を確認し、問題なければ決済手段を選択し、レシート受け取りのためのメールアドレスを入力して利用規約を読み、問題なければ「同意する」にチェックします。
アップルペイなら、ウォレットに入っているカードを使って決済ができます。


決済手続きが完了すると、カードを読み込ませる画面に遷移します。
物理カードを再度スマホに押し当てます。


購入内容がカードに正常に反映されると、Loading complete!と表示されます。これで物理カードを使えます。


次の項目からは、購入したチケットやパスを実際に使ってメトロやバスなどを利用する方法をご紹介します。
Métro(メトロ)


概要
パリ市内を網の目のように走る地下鉄で、駅間が短く、観光地間の移動にも便利です。運行時間は基本的に5:30〜0:30(週末は延長あり)。
1号線の開業はなんと1900年(パリ万博に合わせて開業)。全体的に非常に歴史のある交通機関です。「地下鉄のザジ(Zazie dans le métro)」「アメリ(Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain)」などたびたび映画の題材にもなるほど独特な雰囲気が魅力的ですが、一方で古さゆえの問題もチラホラ…。
2025年現在、1号線〜14号線までの本線と、3bisと7bisの支線があります。
利用できる一回券は「Ticket Métro-Train-RER」(2.50ユーロ)。
メリットとデメリットは以下のとおり。
路線と運行区間
メトロの路線図は以下のとおり。


実際の地形に対応している地図はこちら。


路線一覧と主要駅は以下のとおりです。
路線番号 | 運行区間(始発駅&終着駅) | (観光客が利用する)主要駅と主なランドマーク |
---|---|---|
1 | La Défense Château de Vincennes | ・Charles de Gaulle–Étoile(凱旋門、シャンゼリゼ通り) ・Concorde(コンコルド広場) ・Palais Royal–Musée du Louvre(ルーヴル美術館) ・Gare de Lyon(国鉄リヨン駅) ・Bastille(バスティーユ広場、オペラ・バスティーユ) |
2 | Porte Dauphine Nation | ・Charles de Gaulle–Étoile(凱旋門、シャンゼリゼ通り) ・Anvers(サクレクール寺院) ・Père Lachaise(ペール・ラシェーズ墓地) |
3 | Pont de Levallois–Bécon Gallieni | ・Saint-Lazare(国鉄サンラザール駅) ・Opéra(オペラ・ガルニエ) |
3bis | Porte des Lilas Gambetta | – |
4 | Porte de Clignancourt Bagneux–Lucie Aubrac | ・Porte de Clignancourt(クリニャンクールの蚤の市) ・Gare du Nord(国鉄パリ北駅) ・Gare de l’Est(国鉄パリ東駅) ・Cité(ノートルダム寺院、サントシャペル) ・Saint-Germain-des-Prés(サンジェルマンデプレ寺院) ・Montparnasse-Bienvenüe(国鉄モンパルナス駅) ・Denfert-Rochereau(カタコンブ) |
5 | Bobigny–Pablo Picasso Place d’Italie | ・Gare du Nord(国鉄パリ北駅) ・Gare de l’Est(国鉄パリ東駅) ・Bastille(バスティーユ広場、オペラ・バスティーユ) ・Gare d’Austerlitz(国鉄オーステルリッツ駅) |
6 | Charles de Gaulle–Étoile Nation | ・Charles de Gaulle–Étoile(凱旋門、シャンゼリゼ通り) ・Trocadéro(シャイヨー宮) ・Bir-Hakeim(エッフェル塔) ・Montparnasse-Bienvenüe(国鉄モンパルナス駅) ・Denfert-Rochereau(カタコンブ) ・Bercy(国鉄ベルシー駅) |
7 | La Courneuve–8 mai 1945 Villejuif–Louis Aragon / Mairie d’Ivry | ・Gare de l’Est(国鉄パリ東駅) ・Chaussée d’Antin – La Fayette(プランタン、ギャラリーラファイエット) ・Opéra(オペラ・ガルニエ) ・Palais Royal–Musée du Louvre(ルーヴル美術館) |
7bis | Louis Blanc Pré-Saint-Gervais | – |
8 | Balard Pointe du Lac | ・Invalides(アンヴァリッド) ・Concorde(コンコルド広場) ・Madeleine(マドレーヌ寺院) ・Opéra(オペラ・ガルニエ) ・Bastille(バスティーユ広場、オペラ・バスティーユ) |
9 | Pont de Sèvres Mairie de Montreuil | ・Trocadéro(シャイヨー宮) ・Havre–Caumartin(プランタン、ギャラリーラファイエット) ・Chaussée d’Antin – La Fayette(プランタン、ギャラリーラファイエット) |
10 | Boulogne–Pont de Saint-Cloud Gare d’Austerlitz | ・Sèvres-Babylone(ボンマルシェ) ・Gare d’Austerlitz(国鉄オーステルリッツ駅) |
11 | Châtelet Rosny–Bois-Perrier | ・Hôtel de Ville(パリ市庁舎) ・Rambuteau(ポンピドゥーセンター) |
12 | Mairie d’Aubervilliers Mairie d’Issy | ・Abbesses(モンマルトルの丘) ・Saint-Lazare(国鉄サンラザール駅) ・Madeleine(マドレーヌ寺院) ・Concorde(コンコルド広場) ・Solférino(オルセー美術館) ・Montparnasse-Bienvenüe(国鉄モンパルナス駅) |
13 | Les Courtilles / Saint-Denis–Université Châtillon–Montrouge | ・Saint-Lazare(国鉄サンラザール駅) ・Champs-Élysées – Clemenceau(シャンゼリゼ通り) ・Invalides(アンヴァリッド) ・Montparnasse-Bienvenüe(国鉄モンパルナス駅) |
14 | Saint-Denis–Pleyel Aéroport d’Orly | ・Saint-Lazare(国鉄サンラザール駅) ・Madeleine(マドレーヌ寺院) ・Gare de Lyon(国鉄リヨン駅) ・Bercy(国鉄ベルシー駅) ・Aéroport d’Orly(オルリー空港) |
利用方法
まずはメトロの駅を見つけましょう。デザインにバリエーションがあり、それぞれ絵になります。


こんな感じのシンプルなものも。


アール・ヌーヴォーのデザインも。


こんな感じも。オシャレ。





駅によってはさらに特徴的なデザインの入り口もあります。興味があればぜひ注目してみてください。
カードやスマホは紫の部分にタッチ。紙の切符は挿入口に入れます。出てきた切符を回収するのを忘れずに。


紙のチケットが入れられない改札もあるので注意。





無賃乗車をするために改札を跳び箱のように飛び越えたり、改札を通過する人にぴったりついたりする輩がいます。後者はスリを働く場合もあるので、改札を通過するときは周囲に注意!
改札口を通過したら、目的地の駅のある方面に行く電車のホームに向かいます。



目的地の方面の終点駅を覚えておくと便利です。
これは4号線。それぞれの終着駅が表示されています。Porte de Clignancourtは北方面、Bagneuxが南方面であることが分かっていれば、どちらに行きたいか分かりますね。


ただもし行きたい方向が分からなくても、途中駅が記載されたパネルを見れば大丈夫。


ホームに着いたら電車を待ちましょう。


パリには時刻表はありませんが、大体の運行間隔は決まっています。
ホームでは次の電車とその次の電車があとどのくらいで来るのか確認できるパネルが設置されています。


ホームドアのあるタイプの駅ではホームドアの上部に同じような表示があります。


電車が来たら乗り込みます。
地下鉄のドアは自動で開くパターンもありますが、自分で開ける必要があることも。画像のようなタイプはハンドルを上に押し上げるとドアが開きます。


さらにボタンを押すタイプも。


乗り込んだら席を確保します。防犯のため、席が空いていたらなるべく座るのをお勧めします。



混雑時はスリに狙われることもあります。時間に余裕があれば、無理せずに次の電車を待ちましょう。


電車の中ではフランス語で案内が流れますが、駅名だけです。
乗り換えや次の駅についてのアナウンスはないのでそのつもりで。
その路線の駅名リストは扉の上にあるので参考に。これは一番基本的なタイプ。


現在地が光るタイプもあります。今どこに居るか一目で分かって便利です。


電光掲示板が設置されていることもあります。車両番号や出口案内まであってさらに便利。


パリの地下鉄は乗り過ごすとリカバーが面倒(島式ホームが皆無のため)なので、常に現在地を把握しておきましょう!
目的の駅に着いたら電車を降ります。
この場合も手動で開けるタイプの場合は自分で開けないといけません。


その点はボタンを押すタイプも一緒。


もし目の前に人が立っていて降りられないようなら、「Pardon(パルドン)」と声をかけて道を開けてもらいましょう。
電車を降りたら出口へ。Sortieが「出口」を表します。
どの出口から出たら良いかは駅構内の表示を参考に。


乗り換えの場合は、目的の線番号の案内に従って移動します。


鉄道駅には専用の表示があります。エスカレーターのある出口にはアイコンもあるので参考にしてください(ただし壊れていることもあるので期待はせずに)。


観光地が近い駅にはこのような茶色のパネルも設置されているので、便利。


出口案内も親切です。


目的の出口からゲートを通過して外に出ます。出口のゲートにはいくつかタイプが存在します。
こちらは自動で開くタイプ。


こちらも自動で開くタイプ。


一方、こちらは押して開けるタイプ。結構力を込めて押さないと開かないので注意。後ろの人のために開けて待っていてあげると親切です。





このシステムを利用して無賃乗車しようとする輩もいます(降車客が途切れた合間を縫って駅構内に入る)。
改札外乗り換えが可能な駅の場合は、チケットやパスをかざすようになっているゲートもあります。


注意点
メトロを利用する際の注意点は以下のとおりです。
治安は要注意レベル
メトロ駅構内・車内ともに正直治安は微妙。スリを始めとする軽犯罪の温床になっています。
そのため、メトロを利用するときはとにかく貴重品に注意(特に混雑時)。大声や大きな物音にもなるべく反応しないようにしましょう。



斜め掛けのカバンを利用する、カバンの口を安全ピンで留めるなどの自衛対策を忘れずに。ドア付近に立つのもやめた方がいいです。
またスリ以外にも車内で楽器の演奏などをして寄付を集めようとしたり、乗客に直接お金をせびってくるパターンもあります。この手のケースは基本的にガン無視でOK。とにかく目を合わせないこと。
混雑しているときは無理に乗車せずに次の電車を待つのが吉です。
エスカレーターやエレベーターはほぼない
駅構内にはエレベーターやエスカレーターは皆無。トータルでかなりの段数の階段を上り下りすることになります。大きな荷物、ベビーカー、車いすなどを利用する方は別の交通機関の利用がおすすめ。
またエスカレーター、エレベーター、動く歩道などが設置されている場合であっても、修理中だったり壊れていて使えないパターンが本当に多いです(フランスあるある)。
ベビーカーは他の乗客が助けてくれることもありますが、期待しすぎは厳禁。


トイレはあるが少ない
日本のように全駅にというわけにはいきませんが、パリのメトロにもトイレが設置されています。
こちらのウェブサイトに一覧がありましたので、参考までにご紹介します(メトロ部分のみ抜粋)。



構造上の問題なのか、新しい路線に集中しています。
路線番号 | 駅名 | トイレの場所 |
---|---|---|
1号線 | Charles de Gaulle – Etoile | 出口3から出口2に行ったところ |
5号線 | Bobigny – Pablo Picasso | 窓口・自動券売機の近く |
6号線 | Trocadéro | 出口1 |
7号線 | Villejuif – Louis Aragon | 出口2 |
10号線 | Cluny – La Sorbonne | 出口2(有料) |
12号線 | Concorde | 窓口・自動券売機の近く |
13号線 | Asnières – Gennevilliers – Les Courtilles | 窓口・自動券売機の近く |
13号線 | Les Agnettes | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Bercy | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Bibliothèque François-Mitterrand | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Cour Saint-Emilion | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Gare de Lyon | 出口13 |
14号線 | Madeleine | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Pyramides | 窓口・自動券売機の近く |
14号線 | Saint-Lazare | 窓口・自動券売機の近く |
一方通行の通路に注意
メトロ駅構内は一方通行の通路が結構あります。「Passage interdit(通行禁止)」と書かれた通路には入らないように。


ランダムで検札がある
駅構内から出るにはチケットやパスをどこかにタッチする必要はありませんが、たまにランダムで検札があり、有効なチケット等を持っていないとその場で罰金が科されてしまいます。



結構な人数が引っかかっているのを見ます。こんなに無賃乗車が多いんですね…。
言い訳は一切通用しないので、乗車券(特に紙のチケット)は最後まで捨てずに持っていましょう。
他の交通機関への乗り継ぎについて
一回券(Ticket Métro-Train-RER)を利用する場合、同じチケットではバスやトラムへの乗り継ぎができません。バスやトラムを利用する場合は別途Ticket Bus-Tramを購入する必要があります。
メトロ14号線でオルリー空港に行く際の注意
パリオリンピックを契機にオルリー空港までメトロ14号線が延伸し、オルリー空港と市内のアクセスが改善しました。ただし空港駅で降りるにはオルリー空港アクセス専用のチケット(13ユーロ)が必要になり、通常の一回券は利用できません。
Bus(バス)


概要
いわゆる路線バス。路線数が300以上(うちパリ市内は70路線)と豊富で、メトロでは直接アクセスできない場所にもスムーズに移動が可能です。
路線が把握できればかなりスムーズに移動できる一方、デモやストの影響で運休や経路変更が生じることが多いので、アプリなどを活用して最新の情報を入手するようにしましょう。
乗車は前方、降車は後方が基本で、二両編成の場合は後方からも乗車・下車が可能です。
運行時間はバス路線にもよりますが、大体5時45分~深夜0時45分まで(週末は延長あり)。
これ以外の時間はNoctilien(深夜バス)が深夜0時30分~5:30まで運行しています。
利用できる一回券は「Ticket Bus-Tram」(2.00ユーロ)。
メリットとデメリットはこちら。
路線と運行区間
路線バスの路線図は以下のとおり。
パリ市内を走るバス路線は二桁、近郊や郊外を走るバス路線は三桁の番号が振られています。
料金体系は異なりますが、シャルル・ド・ゴール空港と市内を結ぶロワシーバスもこのシステムの一部です。


Noctilien(深夜バス)の路線図はこちら。
こちらも50超の路線が運行中で、主要駅をカバーしておりとても便利です。


利用方法
まずはバス停を見つけましょう。大きくBUSと書かれているので分かりやすいです。


バスがどこを通るかは路線図をチェック。
セーヌ川やエッフェル塔などのランドマークに注目すると土地勘がつかみやすいです。


次のバスとその次のバスが何分後に到着するかが分かる電光掲示板があるバス停もあります。


ただし電光掲示板があっても機能していない場合もあるので過信は禁物。
非常に便利な電光掲示板ですが、もし通常と異なる表示があったら要注意。
例えば「Arret Non Desservi」は「このバス停には止まりません」の意。該当のバスは運休や経路変更になっている可能性が高いので、別の交通機関の利用を検討してください。


他には周辺のバス停が表示された地図も乗り換え時など非常に役立ちます。


目的のバスが来たら手を挙げるなどして運転手に合図を。合図をしないと停まらないことがあります。



満員の場合や運転手が気づかない場合など、合図をしても停まってくれないことがあります。気にしない気にしない…。
乗り込んだらNavigoカードかスマホであればこちらの紫色の端末にタッチ。


紙のチケットならこちらに通して打刻。


チケットやパスを持っていなくても、バスの運転手から直接チケットを購入することができます。助かりますが、どうしてもちょっと割高なので避けたいところ。


降りる停留所が近づいたら、赤いボタンを押して運転手に伝えます。


赤いボタンを押すと「ARRET DEMANDE(次停まります)」が点灯します。


あとは、目的のバス停に停まるまで待つだけ!スムーズに降りられるように準備をしておきましょう。パリのバスの運転手はせっかちなので、停車時間は結構短いです。
バスが目的のバス停に停車したらドアが開くので、降車します。均一料金なのでカード類をタッチする必要はありません。そのまま降ります。



まれに降りる前にドアが閉められてしまったり、降りたいドアが開かないことがあります。その場合は「La porte s’il vous plaît!(ラ・ポルト・シルブプレ)」などと叫んでドアを開けてもらいましょう。
注意点
バスを利用する際の注意点は以下のとおりです。
往復でバス停の位置が異なることがある
パリの道は一方通行が多いので、同じ名称のバス停でも往路と復路で異なる場所にあったり、別の通りを通行したりします。
ルーヴル美術館の周辺のような区画の大きい&一方通行の多い場所は、行きたい方向に向かうバス停がなかなか見つからないことも…。他の交通機関と上手く組み合わせて移動しましょう。
土日祝日は運休・本数が減少するバス路線も
バス路線によっては平日のみの運行だったり、土曜祝日は本数が激減するものも存在します。利用するバスがそのような路線かどうか路線図などでチェックしておきましょう。
ストや工事などによる運休や経路変更が多い
ストライキや工事などの理由でバスが来なかったり、経路が変更になったりします。
以下は通常とは異なる運転の例。
- 路線番号が欠けているような表示→限定運行(終点手前でストップするなど、運行区間が短縮)
- バス停に「Arret Non Desservi」→そのバス停には該当のバスが停車しない
- バス停の「Arret Non Desservi」に「Deviation」は「迂回」の意


このような不便を避けるには、公式アプリやたびレジの情報などを元に影響を受けそうなルートを避けるといった工夫が必要です。ただし完全に避けるのは非常に難しいのが現実。
おすすめバス路線
最後におすすめのバス路線をいくつかご紹介。乗っているだけで車窓から観光もできる路線を選びました。
69番:Champ de Mars / Gambetta – Japon
ペール・ラシェーズ墓地からシャン・ド・マルス公園までを結び、ルーヴル美術館、オルセー美術館、アンヴァリッドなど主要観光地を通ります。


72番:Parc de Saint-Cloud / Gare de Lyon
国鉄リヨン駅からサン・クルー公園までを結び、セーヌ川沿いを走りながら、ルーヴル美術館、コンコルド広場、エッフェル塔などの主要なランドマークを眺めることができます。


73番:La Garenne-Colombes – Charlebourg / Musée d’Orsay
オルセー美術館からラ・デファンス方面を結びます。シャンゼリゼ通りから凱旋門へと抜けるルートを通るのはこの73番バスだけ。


86番:Demi-Lune – Parc Zoologique / Champ de Mars
シャン・ド・マルス公園からパリ植物園までを結び、エッフェル塔、サン・ジェルマン・デ・プレ、バスティーユ広場などを通ります。


95番:Porte de Montmartre / Porte de Vanves – Place Simard
ポルト・ド・ヴァンヴからモンマルトルの丘までを結び、モンパルナス、オペラ座、サン・ラザール駅などを通ります。


広域鉄道(RER/Transilien)


概要
RER(Réseau express régional d’Île-de-France:エール・ウー・エール)とTransilien(トランシリアン)はいずれもイルドフランス都市圏を広範囲に結ぶ高速郊外鉄道。いずれも路線番号はアルファベットで管理されており、同じチケットやパスが使えます。
RERはパリ市内のメトロと地下区間で接続しており、A〜Eの5路線があります。空港や郊外都市(ヴェルサイユなど)へのアクセスに適しています。メトロと比較すると駅間が広いので特急鉄道のような感覚。
一方のTransilienはパリ市内の国鉄駅を起点に郊外を結ぶ鉄道で、H~Vの9路線があります。観光客の利用も多くメトロのように使えるRERと比較すると、こちらは通勤・通学用の特色が強めです。



厳密に言えばRERはTransilienネットワークの一部です。
それぞれの違いを対比すると以下のとおり。
比較項目 | RER | Transilien |
---|---|---|
地下区間 | パリ市内では地下鉄的に運行 | 地上駅発着、主に地上を走行 |
路線表示 | A〜E | H, J, K, Lなど(アルファベット) |
利用目的 | 都心と郊外の高速接続 | 郊外~郊外 or 郊外~都心通勤 |
路線と運行区間
路線図は以下のとおり。
パリ市内を貫く太い線がRER、国鉄駅を起点に放射状に延びるのがTransilienです。


RERの路線一覧は以下のとおり。
路線番号 | 運行区間(始発駅&終着駅) | (観光客が利用するパリ市外の)主な駅 |
---|---|---|
A | Cergy-le-Haut / Poissy / Saint-Germain-en-Laye Boissy-Saint-Léger / Marne-la-Vallée – Chessy | Marne-la-Vallée – Chessy(ディズニーランド・パリ) La Défense(ラ・デファンス) Saint-Germain-en-Laye(サン=ジェルマン=アン=レー) |
B | Robinson / Saint-Rémy-lès-Chevreuse Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV / Mitry – Claye | Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV(シャルル・ド・ゴール空港) Aéroport Charles-de-Gaulle 1(シャルル・ド・ゴール空港) Antony(オルリー空港行きOrlyval乗換駅) La Plaine – Stade de France(スタッド・ド・フランス) |
C | Pontoise / Versailles-Château-Rive-Gauche / Saint-Quentin-en-Yvelines Saint-Martin-d’Étampes / Dourdan – La Forêt / Massy – Palaiseau | Versailles-Château-Rive-Gauche(ヴェルサイユ宮殿) |
D | Creil Corbeil-Essonnes / Melun / Malesherbes | – |
E | Nanterre-La Folie Chelles – Gournay / Tournan | – |
利用方法
ここではRERの利用方法をご紹介します。
まずはRERの表示を探します。RERのロゴは四角にRERの文字の入ったもの。
アルファベットの路線名が添えられています。


次に電車の到着スケジュールと行きたい方向の電車が来るホームを確認。


目的の電車が運行していそうなら、改札を通って駅構内へ。
Navigoは上部にタッチ、紙のチケットは黄色いスロットに挿入します。


乗りたい電車が到着するホームへ移動します。


RERの各電車には、一定の法則に従って4文字のコード(ミッションコード)が振られています(画像のBALIなど)。解読のヒントは以下のとおり。
項目 | 意味 |
---|---|
1 | 列車の最終目的地を示す。基本的には最終目的地の頭文字だが、例外もある。 例)RER B線では、Eはシャルル・ド・ゴール空港を表します。 |
2 | 列車が通過する駅や停車パターンを示す。 例)RER D線では、Oは各駅停車(オムニバス)、Iは急行を表します。 |
3 | 識別用の補助文字。路線によっては列車が進む支線(ブランチ)を示すことがある。 例)RER D線では、リヨン駅からCombs-la-Ville–Quincy支線を通ることを表します。 |
4 | 識別用の補助文字。路線によっては特定駅の停車有無や列車の運行方向を示すことがある。 例)RER D線では、Viry-Châtillonに停車し南行きの列車であることを表します。 |
主要観光地に行くために覚えておくと便利なコードは以下のとおり。
- RER B線:シャルル・ド・ゴール空港(CDG)からパリ市内へ
KA、JAから始まるコード(KALI、JAMIなど)は市内行きの急行電車を示す。 - RER C線:パリ市内からヴェルサイユ宮殿へ
Vから始まるコード(VICK、VITY、VACK、VETOなど)はVersailles-Château-Rive-Gaucheに行く電車を示す。 - RER A線:パリ市内からディズニーランド・パリへ
Qから始まるコード(QIWI、QIKIなど)はMarne-la-Vallée – Chessy(ディズニーランド・パリ最寄り駅)に行く電車を示す。
電光掲示板の情報以外に、プラットフォームの案内も参考になります。


ホームはこんな感じ。メトロよりもかなり広いです。


ホームにも案内があります。


このような表示が出ているホームには電車は到着しません。


到着ホームには電車の行き先が書かれています。RERは行き先が複数あるので、目的地に電車が行くか確認できます。


電車は二階建ての大型車両です。


車内はこんな感じ。メトロと同様若干治安が悪いので手荷物には注意。


目的地に着いたら電車を降ります。
降車時は有効なチケットやパスを改札に通す必要があります。
注意点
RERを利用する際の注意事項は以下のとおり。
分岐に注意
RERは行き先が複数あることが多く、目的地に応じて適切な電車を選択する必要があります。特に分岐点より先に行くときは乗り間違えないよう注意を。
日本のように親切な案内は基本的にないので、行き先案内やミッションコードをよく確認して間違いのないようにしましょう。
治安が微妙
RERは路線によってはかなり治安の悪いエリアを通過することがあり、(筆者の肌感覚では)メトロよりも治安面の不安があります。
特にシャルル・ド・ゴール空港を通るRER B線は旅行者を狙ったスリやひったくりなどが多いので、子供・高齢者連れ、パリに慣れていない旅行者、大きな荷物を持っている場合などは空港バスやタクシーの利用の検討を。
他の交通機関への乗り継ぎについて
メトロと同様に、一回券(Ticket Métro-Train-RER)を利用する場合は同じチケットではバスやトラムへの乗り継ぎができません。バスやトラムを利用する場合は別途Ticket Bus-Tramを購入する必要があります。
おすすめアプリと現地での情報収集方法
最後に情報収集に役立つアプリやサイトをご紹介します。
公式アプリ
情報収集は何といっても公式アプリが最大手。Navigoへのチャージのためにも、Île-de-France Mobilités(IDFM)かBonjour RATPのどちらかは必ずインストールしておきましょう!
Île-de-France Mobilités(IDFM)
全交通機関の時刻、路線検索、チケット購入(スマホ搭載NFC端末の場合)まで対応。特にNavigo系ユーザーは必携。
Bonjour RATP
バス・メトロ・RER・トラムのリアルタイム情報に強み。遅延情報や出口情報も詳しい。
SNCF Connect
Transilien(郊外列車)や全国鉄道(TGV含む)に特化。遠距離移動時に便利。
地図アプリ
続いては経路検索にあると便利なアプリ。利用者も多く使いさすさはピカイチですが、最新情報にすぐ対応できない場合もあるので公式アプリと併用するのがベター。
Google Maps
ルート検索からレストランの口コミ検索まで、何でもできる万能アプリ。
Citymapper
大通りや人通りの多いルートなど、細かいニーズにも対応してくれるありがたいアプリ。
情報更新に強いSNS/Webサイト
最近はYouTubeなどのSNSでパリについて日本語で情報発信している方が結構いますので、出発前にそれらの動画を少し見ておくだけでも全然違います。



「パリ 旅行」のようなワードで検索するとたくさんヒットします。フランス政府の公認ガイドや現地在住者、芸能人まで…本当に様々な人が情報を紹介してくれています。
さらに情報収集に役立つサイトはこちら。経路検索も可能です。
たびレジも強い味方!
外務省が提供している「たびレジ」も必要な情報を入手するための必須ツール!
旅程を登録しておくとデモや重大事件などの情報をタイムリーに伝えてくれます。
まとめ
メトロやバスなど多彩な交通機関が用意されているパリ。
選択肢は多い点は良いのですが、パリやフランス語環境に慣れていない旅行者にとっては優しくない造りのものが多いですし、2025年1月の制度変更は改悪ともいえる内容も…。



当初この記事を書き始めたときはここまで制度が複雑だとは思っていませんでしたし、ここまでのボリュームになるとも想像していませんでした!
最初は複雑だったり不便に感じるかもしれませんが、一度慣れてしまえば移動は意外とスムーズですし、パリらしさをそこかしこに感じることができるはず。
荷物の管理には十分気をつけつつ、交通機関を上手に活用して華の街を存分に楽しんでください!
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