社会人としてキャリアを築きながら海外大学院進学を目指してIELTSに挑戦した筆者でしたが、リスニングパートの対策に特に悩みました。
もともとリスニングは大学受験時代から得意な方。得点源にするつもりでしたが、IELTSでは「イギリス英語特有の発音」「独自の設問形式」「本番の緊張感」が想像以上のハードルに。
忙しい仕事の合間を縫いながら、限られた時間でどれだけ効率よくリスニング力を伸ばすか。このテーマに真正面から向き合う中で、私が大切にしたのは次の3つです。
- 公式問題集を繰り返し使い、演習を重ねること
- 日常的に英語を浴びる生活を作ること
- 設問ごとの特性を理解し、細かなミスを徹底的に防ぐこと
この記事では、私が実践した具体的な教材・勉強法について、体験談を交えながら詳しく紹介していきます。
IELTSは四技能全てを測る試験ですが、特に日本人はライティングやスピーキングでのハイスコア(8.0以上)の取得が結構厳しい。そんなときにリスニングはスコア全体(Overall Band Score)を引き上げるための大きな得点源になります。
リスニングで確実に高スコアを取ることで、他セクションの苦手をある程度カバーできる…これも私がリスニング対策に力を入れた理由の一つでした。
「リスニングを武器にしたい」「社会人からでもスコアを伸ばしたい」
そんな方に、少しでもヒントをお届けできれば嬉しいです。
私は地方公務員として働きながら、英語の勉強を地道に続けていました。
もともと大学では国際法を専攻し、卒業後も国際交流や観光政策に関心を持っていたものの、配属は全く異なる分野。海外や語学とは無縁の日常業務に違和感を抱えながらも、キャリアの中で少しずつ国際部門への異動チャンスを掴み、やっと海外駐在も経験することができました。
シンガポールでの生活は、自分にとって大きな転機でした。英語を日常的に使い、世界中から集まった人々と働くことで、英語力の不足を痛感する一方で、「もっと世界に近づきたい」「もっと高いレベルで働きたい」という思いが強まったのです。
そして、国際機関就職を目指して大学院留学を決意。そのために必要だったのがIELTSスコアでした。
リスニング対策に本気で取り組むならこの教材!
私が実際に使用した教材と、合わせて日本人学習者に人気の教材をご紹介します。
いずれもリスニング力強化に役立つものばかりなので、ぜひチェックしてみてください!
実際に使用した教材
まずは実際に使用した教材からご紹介。
✅ Cambridge IELTS公式問題集(ケンブリッジ大学出版)
本番と同じ形式・難易度で演習できる、リスニング対策の必須アイテム。
私もこのシリーズを徹底的に使い込み、本番力を養いました。
✅ ターゲットバンド7(シモーネ・ブレーバメン)
IELTSアカデミックモジュール受験者向けに必須テクニックの数々を解説した良書。正直リスニングよりもライティングなどの他技能について詳しい本ではありますが、7.0レベルを目指すなら必読です。
人気の参考書
続いて筆者は実際には使用していないものの、英語で書かれた解説本が多いIELTSにおいて日本語で読める貴重な参考書をご紹介。
✅ 新セルフスタディ IELTS完全攻略(ジャパンタイムズ出版)
リスニングからスピーキングまですべての試験科目について、自力で対策することをコンセプトに書かれた参考書。試験の全容が分かりやすく解説されているので、IELTSを初めて受験する方にまず読んでもらいたい一冊です。
✅ IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集(ブリティッシュ・カウンシル、旺文社)
IELTS試験運営団体であるブリティッシュ・カウンシルが手掛ける公認問題集。ちょっとお高めではありますが最新の公式情報に触れられるので、初めての受験時はもちろん情報のアップデートにもチェックしておきたい一冊です。
✅実践IELTS技能別問題集リスニング(旺文社)
設問タイプ別に頻出パターンを徹底対策できる日本語解説本。独学でも理解しやすく、スコアアップに直結すると評判です。本番の試験よりも難易度が若干高めという評判もあるのでハイスコアを目指す方にピッタリ。
私が実践したIELTSリスニング勉強法
ここから、具体的な勉強法をご紹介していきます!
公式問題集を繰り返し解く
リスニング対策の中心は、やはり「Cambridge IELTS公式問題集」でした。
なぜなら、IELTS本番のリスニング問題は、
- 音声の話すスピード
- 話し方(イギリス英語訛り)
- 設問の傾向(空欄補充や選択肢問題など)
これらが市販の問題集とは異なるため、「公式問題で慣れる」ことが圧倒的に重要だったからです。
BBC Learning Englishでイギリス英語に慣れる
リスニング試験の難しさの一つは、アメリカ英語ではなくイギリス英語が主体であること。
日本の英語教育はアメリカ英語が主体のため、イギリス英語独特の発音やアメリカ英語とは異なる意味で使用される語彙などは新たに学ぶ必要があります。イギリス英語の発音に慣れない状態ではハイスコアの取得はおぼつきません。
筆者はこれに慣れるため、私はYouTubeチャンネル「BBC Learning English」を折に触れて聞くようにしました。特に「6 Minute English」は英語学習者向けに重要ボキャブラリーを含む最新トピックや面白い話題を配信しているので、飽きずに毎日聞き続けることができました。
例えばこのトピック「なぜ人はネガティブなニュースの閲覧がやめられないのか?」のように、興味深い話題がコンパクトにまとめられています。
通勤中やちょっとした移動時間にスマホを使いラジオ感覚で流していたので、かなり自然に耳が慣れていきました。

移動中など日常のシーンで快適にYouTubeの音声を聞くには、バックグラウンド再生ができるYouTubeプレミアムが必須。語学学習者にとって必要な投資だと思います。
リスニングパート別のポイント対策
IELTSのリスニング試験には特徴的な設問がいくつかあるので、それら専用の対策も行いました。
地図問題・ルート説明問題
問題用紙に印刷されている地図を見て答える設問。
- 地図問題は、リスニング開始前に目を通して方向感覚をつかむのが超重要。
- 試験中に「North」「East」などの単語が聞こえた瞬間に反応できるようトレーニングしました。
住所・電話番号問題
住所のスペルや電話番号を聴き取る設問。
- 数字にまつわる特殊な表現(ダブルオー=ゼロが2つ、など)に慣れることが重要でした。
- 数字とアルファベットが混在することも多いので、書き間違えないようにトレーニング
- 逆にほぼ確実に出るので、慣れてしまえば確実に得点源にできるパートにできます。
転記ミス・スペルミス対策
IELTSリスニングでは、転記ミス(例えば複数形のs抜けやスペル間違い)がそのまま減点対象になります。単語数や数字の指定を見逃さないようにすることにも気を配りました。
- 問題用紙に書き写すときにとにかく落ち着いて確認する
- リスニング中に「これは複数形になる」と意識する
- 聴き取った情報が文法的に正しいかも考えるクセをつける
- スペルに不安がある単語は事前にリスト化して暗記する
こうした地道な努力も、最終的にスコアに直結しました。
スクリプトの精読・シャドーイング
演習後、答え合わせをしたら終わり…ではなく、
- スクリプトを見ながら聞き直す
- 自分でも声に出してシャドーイングする
この流れを徹底することで、リスニング力が確実に上がっていきました。
まとめ
リスニング対策で大切なのは、完璧な理解ではなく、「本番に必要なスキルを確実に身につけること」。
私は、
- 公式問題集で本番形式に慣れる
- BBCなどでイギリス英語を日常的に聞く習慣をつける
- 設問パターンごとの対策を地道に積み重ねる
この3つを意識して学習を進め、最終的にリスニングで8.5を取得することができました。
リスニングで高スコアを取れると、苦手なライティングやスピーキングの分を補うことができ、Overall Band Scoreを大きく引き上げることができます。
社会人になってからでも、忙しい中でも、正しい戦略で続ければ、リスニングは必ず武器になります。不安になったときこそ、焦らず、ひとつひとつ積み重ねていきましょう!
あなたのリスニング対策を、今ここから
IELTSリスニングは、正しい教材と継続的な練習で必ずスコアが伸びます。この記事で紹介した教材・サービスは、私自身がリスニング力を伸ばす過程で大きな支えとなりました。
まずは一冊、まずはひとつ、あなたに合った教材から取り組んでみてください。
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以上です。
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