【半年でIELTS6.5→7.5を達成】筆者が使用した教材・サービス・対策法まとめ

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昨今のリスキリング・学びなおしの流れもあり、注目を集める海外大学院

オフライン・オンラインを問わず授業は基本的に英語で行われるため、出願に際し十分な英語力があることを語学試験のスコア等で証明する必要があります。

英語力の証明として利用できる語学試験は大学院が指定しますが、大抵はIELTSTOEFLのスコアが求められます(TOEICが使用可能な場合もあります)。

この記事は、筆者がIELTSを選んた理由から、IELTS6.5~7.0をふらふらしつつ最終的にOA7.5を達成するまでの軌跡、おすすめの教材やサービス、各試験科目の対策方法についての記事をまとめたものです。

英語学習者、特にIELTSに取り組んでいる方の参考になれば幸いです。

目次

IELTSの概要と私がIELTSを選んだ理由

IELTSの概要

IELTS(アイエルツ)はInternational English Language Testing Systemの略で、英語圏(アメリカ、イギリス、オーストラリア等)への移住・留学・就労を行う際に必要となる英語力を測定するテストで、目的に応じてアカデミック・モジュールジェネラル・トレーニング・モジュールに分かれています。なおイギリスビザ申請に使用するためのIELTS for UKVIというテストもあります。

各モジュールの概要は以下のとおりです。

項目アカデミック・モジュールジェネラル・トレーニング・モジュール
用途学部生・大学院生として留学を目指す人英語圏の国への移住を目指す人
試験科目リスニング
リーディング(アカデミック)
ライティング(アカデミック)
スピーキング
リスニング
リーディング(ジェネラル)
ライティング(ジェネラル)
スピーキング
試験形式ペーパー版(会場)、コンピューター版(会場)、オンライン版(自宅)
開催都市日本では10都市で受験可能(東京、大阪、京都、札幌、仙台、福岡、那覇、名古屋、岡山、浜松)
開催頻度日本ではペーパー版は概ね週1回、コンピューター版はほぼ毎日
主催団体日本ではIDPおよびJSAF
受験料日本では27,500円(ペーパー版、コンピューター版)、25,380円(JSAFが実施するペーパー形式)
試験結果オンライン閲覧:(コンピューター)試験日から3~5営業日後、(ペーパー)試験日から13日後
成績証明書:閲覧開始日から1~3営業日後
出典:IELTSバンドスコア・採点方法|英語検定・試験のIELTS公式サイト (ieltsjp.com)

それぞれリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4科目で構成され、正答数に応じて1.0から9.0まで0.5刻みで各科目及び平均(Overall)スコアが出ます。

またテスト形式はペーパー形式(印刷された問題冊子を用いて解答用紙に鉛筆で回答を記入する)とコンピューター形式(画面上に表示される問題を選択肢を選択して回答する)から選択します。自宅で受験が可能なオンライン形式も選択が可能になりましたが、出願先機関が認めているかは確認が必要です。

各バンドスコアのレベル感はこんな感じです。

大学院によって要求水準は異なりますが、6.0(中堅)~7.0(名門)あたりがボリュームゾーンだと思います。

バンドスコア評点説明
9エキスパートユーザー英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8非常に優秀なユーザー不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7優秀なユーザー不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6有能なユーザー不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5中程度のユーザー不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
4限定的なユーザー慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3非常に限定的なユーザー非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2散発的ユーザー慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1非ユーザー単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
0試験放棄必要情報が提供されていない。
出典:IELTSバンドスコア・採点方法|英語検定・試験のIELTS公式サイト (ieltsjp.com)

正答数とスコアの関係や採点基準については公式ウェブサイトに掲載されているので、これらの点を踏まえると効率良く対策を行うことが出来ます。

参考:IELTSバンドスコア・採点方法|英語検定・試験のIELTS公式サイト (ieltsjp.com)

私の英語学習歴

私は海外大学院受験を決める前から将来的に海外でキャリアを築きたいと考えてTOEIC対策をメインに英語を学習していました。

リーディング・リスニングテストのスコアが900点を超えた後、海外関係部署に異動したこともあり、海外での通用度が高いIELTSにターゲットを切り替えることに。

その後海外大学院を検討した際にTOEFLも選択肢として検討しましたが、元々ヨーロッパに住んでみたいと考えていたこともあり、やはりイギリス英語を主体とするIELTSを選択することにしました

(通常は両方受けてみて肌が合う方を選ぶと思うので、受験戦略としてはおすすめできません…。)

私のIELTS遍歴と試験対策

必要スコアの把握

必要となるIELTSスコアはコースにより異なりますが、私の出願した大学院では、2023年秋入学の要件として全てのコースでOverall7.0が課されていました。

更にパリ政治学院以外はOverall以外に各科目のスコアも設定されており、概ね全4科目で6.5以上を取得する必要がありました。

スコア推移

私の場合、OA7.0は比較的苦労せずに取得できたものの、OAと各科目のスコアをバランス良く達成することに非常に苦労しました。結局全体で2年程度はかかったと思います。

ただし、それはノウハウをあまり意識せずに試験を受けていたから。ここに紹介した教材を使用して真剣に弱点克服に取り組んでからは、半年程度で目標点に達することができました。

なお私は当初からアカデミック・モジュールで受検しており、ジェネラル・トレーニング・モジュールは未経験。

IELTSは主催者が複数ありテスト日程や申込方法、受検結果の発表日程が異なります。試験の内容は実全ての実施団体で同じです。私はスケジュールの都合でBritish Councilとidp主催の試験を受けていました。

要求スコアのうち一番高かったのがLSEの「OA7.0かつ科目別スコアがリーディング7.0以上、他6.5以上」で、8回目でOA7.5(リスニング8.5、リーディング7.5、ライティング6.5、スピーキング7.5)を取得し全てのコースの条件を達成することができました。

筆者が実際に使用したおすすめ教材

IELTS 16 Academic Student’s Book with Answers with Audio with Resource Bank

まずは公式問題集(2023年4月現在、最新は17)。所要時間や問題数といったIELTSの形式を知るために必須です。

リスニング、リーディング、ライティングの問題と解答(ライティングは模範解答とバンドスコア)が数回分掲載されています。ライティングスコア7.0~を目指す場合は掲載されている模範解答が6.0程度なので、スピーキングと共に別途対策が必要だと思います。

公式問題集は版ごとの使い方がさほど変わるわけではないので、直近のものから2~3冊程度購入してまわすのがおすすめ。

Cambridge Grammar for IELTS Student’s Book with Answers and Audio CD

次は文法です。IELTSでは直接文法知識を問う問題は出題されないものの、文法力が低いとインプット系科目(リスニング・リーディング)で誤答の危険を高めますし、アウトプット系科目(ライティング・スピーキング)では直接失点につながります。

全て英語で書かれた本なので文法事項の英語名に慣れる必要がありますが、既に知っている文法事項を英語で改めて確認することで知識の基礎固めができます。

Cambridge Vocabulary for IELTS Advanced with Answers and Audio CD

IELTSで出題されやすい分野毎に必要なボキャブラリーを学ぶことができます。

IELTSでは類義語の言い換えが多用されるので、一つの事項についてより多くの語彙や文型を使用して説明できる力を鍛えておくことで、全セクションの底上げが期待できます。こちらはバンドスコア6.5以上を目指す教材。

なお、基礎固め用のCambridge Vocabulary For Ielts Book With Answers And Audioもあるので、最初からAdvancedに入るのが不安な場合はこちらからスタートするのもアリ。

Collins English for IELTS – Ielts Speaking

スピーキングのスコアが伸び悩んだときに利用した本です。

IELTSスピーキングテストで採点基準を満たしてハイスコアを取るための回答方法や必要な語彙が基礎から学習できます。オーディオ資料が豊富で模範解答も大変参考になります。

筆者はほぼこちらのトレーニングだけで7.5まで伸びたのでかなりおすすめできます。

IELTS Academic Writing 8+

ライティングの模範解答(特にハイスコアのもの)のバリエーションが欲しかったため参考になると思い購入しました。

特にタスク1の例題が本番よりも複雑な内容だったので、論の運び方が大変勉強になりました。

Target Band 7: IELTS Academic Module – How to Maximize Your Score

バンドスコア7を超えるために必須のテクニックがまとめられた参考書。各セクションの対策法が簡潔にまとめられているので、試験形式を把握して学習のベースを組み立てるのに大変役立ちます。

英語版は第4版まで出ているようです。

日本語版もあります。とっつきやすさを重視すれば日本語版でも問題なし。

利用した語学学校プログラム

ブリティッシュカウンシルIELTS対策コース(オフライン)

IELTSの主催団体であるブリティッシュカウンシルではレベル別のIELTSの対策コースが開講されています。

主催団体ということでノウハウの蓄積があり効率よく試験対策ができそうだったため受講しました。

個人的に有用と感じた点は、ライティング課題の添削を受けられたり、他の受講者と情報交換を行ったりする機会が得られたことです。

British Council IELTS Coach(オンライン)

ブリティッシュカウンシル運営のIELTS対策オンラインコース。

最初にクレジットを購入し、初回カウンセリングや個人レッスン、グループレッスンをクレジットを消費して受講します。

4技能からトピックを選んで受講できるスタイルのため、苦手に感じる部分を重点的に鍛えることができました。個人的にはスピーキングの模擬テストが大変役立ちました。

活用したウェブサイト・動画

IELTS Liz

IELTSのテスト形式やそれぞれの科目でのハイスコアの取り方からマインドセットまで、IELTSに関するあらゆるノウハウが説明されているLiz氏のウェブサイト。

これだけの情報量に無料でアクセスできるのはすごいと思います。

YouTubeチャンネルもあります。

English Speaking Success

Keith Speaking AcademyのKeith氏が運営するスピーキングに特化したYouTubeチャンネルです。

スピーキングテストでハイスコアを取れる言い回しやスピーキング全般の学習法等、IELTSに限らずスピーキング全体をカバーしており、テスト以外にも役立つ内容です。

各教材を使ったIELTS各科目の勉強方法

リスニング

ブリティッシュカウンシルのIELTS対策コースでリスニングセクションの解き方を学習しつつ、公式問題集を繰り返し解きました。

リスニングに関連する記事はこちら。

(アカデミック)リーディング

ブリティッシュカウンシルのIELTS対策コースでリーディングセクションの解き方を学習しつつ、公式問題集を解きました。

リーディングに関連する記事はこちら。

(アカデミック)ライティング

ブリティッシュカウンシルのIELTS対策コースで各パートでハイスコアを取るための文章構成や評価基準を学び、ライティング課題をこなしました。

コース終了後はIELTS Coachで添削を依頼したり、実際にテストを受けるなかで徐々に自分の中にテンプレートを蓄積していきました。それ以外には、参考書等に掲載されている模範解答を書き写し、構成や使用されている語彙、言い換えについて分析を行いました。

ライティングに関連する記事はこちら。

スピーキング

ブリティッシュカウンシルのIELTS対策コースで回答の型を学習し、グループ練習での練習を行いましたが、更にトレーニングが必要と考え、IELTS Coachのスピーキングクラスや模擬テストを受講してフィードバックを貰いました。

またスピーキング用参考書を使用する際には自分の声を録音し、聞き取りづらい部分や改善点について分析を行いました。

スピーキングに関連する記事はこちら。

スコアに納得できないときは再採点(EOR)依頼が可能

受検日から6週間以内であれば、手数料を支払って再採点(Enquiry On Results)を依頼することが出来ます。

手続きは実施団体によって異なりますが、客観式のリーディングやリスニングよりも、ライティングやスピーキングのほうがスコアが上がりやすいようです。

筆者は何度か試しましたが、1セクションで0.5上がるのが最大でした。

自分の手ごたえとスコアに明らかな乖離がある場合や、取得済みスコアが達成目標スコアに0.5足りないが再受検するほど時間的な余裕がないような場合には試してみる価値があるかもしれません。

まとめ

IELTSはいわゆる試験ですので他の資格試験と同様に出題傾向を分析してしっかり準備すればある程度のスコアを取得することは可能ですが、留学を始め滞在資格に関わる重要な場面に用いられる指標ですので、単にテクニックを身に着けるだけではハイスコアを取得することは難しく、よく練られた内容だという印象を受けました。

大学院の課す語学要件はあくまでも最低限の足切り要素でしかありませんので、必要なスコアを取れてもいずれ更に高度な英語力が必要になるのは自明ですが、その勉強の過程で英語で学ぶ基礎は身についているのではないかと思います。

以上です。参考にしていただけると嬉しいです。

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