日本からバンコクなどの東南アジアの主要都市行きの航空券を検索すると、中国系航空会社の航空券(中国経由のルート)が結構ヒットします。
なかには上海で空港間移動が必要になる場合も。
今回筆者は試しに上海の虹橋国際空港から浦東国際空港へ移動する旅程を選択してみました。ちょっとした苦労もありましたので、空港間移動の方法をご紹介しつつそのときの体験談と筆者が感じた注意点をシェアします。
同じような旅程で移動する方の参考になれば幸いです。

短時間でも中国に入国することになるので、利用可能な交通手段以外に決済手段など中国独自の制度についても考えておく必要があると感じました!
虹橋国際空港と浦東国際空港間の移動手段は?
両空港の位置関係
虹橋国際空港と浦東国際空港は上海の市街地を隔てて東(浦東国際空港)と西(虹橋国際空港)に分かれており、公共交通機関や自動車で約1時間の距離にあります。


なお虹橋国際空港はターミナル間移動に上海地下鉄10号線を一駅分利用する必要があります(後述)。
利用可能な交通手段
2025年3月現在の上海地下鉄の路線図は以下のとおり。空港間移動に使える路線に色を付けています。


そのうえで、両空港を移動する際に利用できる交通手段は以下のとおりです。
2024年に開通した上海軌道交通市域線機場連絡線(上海轨道交通市域线机场联络线)を利用する方法。
【参考】虹橋国際空港T2・浦東国際元空港間:所要50分、運賃26元
上海地下鉄2号線と10号線(虹橋国際空港T1利用の場合)を利用する方法。
【参考】虹橋国際空港T2・浦東国際元空港間:所要1時間50分、運賃8元
上海地下鉄2号線とリニアモーターカー(磁悬浮)を乗り継ぐ方法。
【参考】虹橋国際空港T2・浦東国際元空港間:所要1時間20分、運賃8元+50元
空港シャトルバス(机场大巴)も運行しています。
【参考】虹橋国際空港T2・浦東国際元空港間:所要1時間15~30分、運賃30~35元
参考までに各公共交通機関の運行開始と運行終了の時間を掲載しておきます。概ね6時から23時くらいといったところでしょうか。
交通機関名 | 運行開始時間 | 運行終了時間 | 参考ウェブサイト |
---|---|---|---|
上海軌道交通市域線機場連絡線 | 6:00 | 22:39(到着) | 上海轨道交通市域线机场联络线_百度百科 |
上海地下鉄2号線 | 5:28 | 00:22 | 上海地铁2号线_百度百科 |
上海地下鉄10号線 | 5:25 | 23:43 | 上海地铁10号线_百度百科 |
虹橋国際空港のターミナル間移動方法について
虹橋国際空港にはターミナルが2つあり、日本からの国際線は第1ターミナルを利用します。
利用可能な公共交通機関
- 上海軌道交通10号線
主な就航航空会社
- 中国東方航空
- 上海航空
- 日本航空(JAL)
- 全日本空輸(ANA)
一方公共交通機関が充実しているターミナル2は国内線用。
利用可能な公共交通機関
- 上海軌道交通10号線、2号線
- 市域機場線
主な就航航空会社
- 中国国際航空
- 中国南方航空
- 春秋航空
虹橋国際空港と浦東国際空港を直接結ぶ市域機場線は第2ターミナルからしか利用できないので、第1ターミナルを利用する場合は上海軌道交通10号線を利用したターミナル間移動が必要になります。
なお2025年3月現在、上海地下鉄の乗車券はアリペイやウィーチャットペイのような中国の決済方法か中国元現金でないと購入できません(後述)。国際クレジットカードやデビットカードは利用できないので注意が必要です。



地下鉄構内に窓口がある場合であっても、そこで乗車券を購入できるとは限りません。中国の決済方法か中国元現金を準備しておきましょう。
中国渡航前に入れておくと役立つアプリ
中国では当局による制限のため、グーグル関係のアプリが利用できなかったりします。使うかどうかは別にしても、中国国内で経路検索ができるアプリや翻訳アプリをいれておくといざというときに役立ちます。



VPNを利用しない限り、中国国内で利用できるアプリを予めダウンロードしておくのがおすすめ。
中国の地図アプリのメジャーどころと言えば「百度地図」。
また日本の総務省の国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した翻訳アプリ「VoiceTra」あたりはグーグル翻訳の代わりに使えます。
実際の体験談
ここでは実際に虹橋国際空港(ターミナル1)から浦東国際空港に移動した筆者の体験談を画像を交えつつご紹介します。
上海地下鉄10号線の駅に向かう
ターミナル1から地下鉄10号線の駅に向かって歩きます。


ターミナル1を出たら10号線の表示に向かってひたすら歩いていきます。エレベーター&エスカレーターのある場所は非常に遠く、結構な距離を歩くことになります。


乗車券が買えない!
やっと駅に着いたので、券売機で乗車券を購入します。


券売機はキャッシュレス決済が可能な端末と現金専用端末の2種類が設置されています。中国元現金は手元にないので、クレジットカード決済をするためにキャッシュレス決済用の端末へ。


カードを購入します。普通カードで良いかな、と思った矢先…。


手持ちのクレジットカードやデビットカードが全て使えないことが判明。アリペイ(Alipay)、ウィーチャットペイ(WeChat Pay)、銀聯(ぎんれん)カードなどの中国系決済手段しか受け付けない端末でした。
仕方ないのでターミナル1に戻り現金を調達することに。



airaloの通信は使える状態だったので、その場で中国系決済アプリをインストールすることも考えましたが、中国には数時間しか居ないのにそこまでする気になれず。
現金を調達する
空港のターミナルに入るためにはセキュリティーチェックがあるので、受けます。ただでさえターミナル1に戻るという時間の無駄が発生している状態なのに、さらに時間をロスするのがちょっと嫌な気分ですが、致し方なし。



中国では公共施設に入るときのチェックが厳しいですね。
なるべく手数料を払いたくないのでターミナル1でATMを探しますが、なかなか見つかりません。結局手元の日本円を両替カウンターで両替することにしました。


無事に上海地下鉄10号線に乗車
中国元現金を入手したので、再び地下鉄駅へ。今度は現金用の端末を使って乗車券の購入を試みます。


市域機場線に乗り換えて浦東国際空港まで行く乗車券を購入したいところでしたが、市域機場線の表示があるものの選択できないという状況に(何で?)。
仕方ないので虹橋国際空港第2ターミナルまでの切符を購入します。


ターミナル1で市域機場線に乗換
再びセキュリティーチェックを受けて地下鉄構内へ。
第2ターミナル方面のホームで電車を待ちます。
第2ターミナル駅に着いたら、「市域鉄」と書かれたオレンジ色の表示を目指してズンズン進んでいきます。かなり距離があるので、乗り換え時間には余裕を持っておく方が良さそうです。


市域線機場連絡線の駅に着きました。10分くらいは歩いた気がする。


ここで改めて乗車券を購入します。


乗車券が買えました。今度はQRコードを改札で読み取らせる方式のチケットです。


市域機場線構内はこちらも非常に清潔で、方面表示も分かりやすかったです。


車内はかなり込み合っており、ターミナル2から乗った時点でほぼ満席という状況でした。
浦東国際空港に到着!
そうこうしているうちに浦東国際空港に到着。浦東国際空港もターミナル1とターミナル2に分かれていますが、虹橋のように離れているわけではないのでターミナル間移動の心配は不要です。
結局かかった時間は、虹橋国際空港ターミナル1から同ターミナル2まで50分くらい(現金調達のために一旦ターミナル1に戻った時間を含む)、ターミナル2から浦東国際空港まで約1時間でした。合計2時間弱。
まとめ
本記事では上海での空港間移動の方法と、空港間移動を伴うトランジットを実際に行った筆者の体験談をご紹介しました。
空港間移動には以前はかなり時間がかかっていたようですが、2024年に開通した市域線機場連絡線のおかげでかなり簡単に移動できるようになりました。
中国用の決済方法を準備したり中国元の現金を用意しておかなければならない点は多少手間ではありますが、航空券代の節約のために上海経由の旅程を選ぶのも意外とアリかもしれません。



折角上海市内を移動するので、トランジットの時間が長ければ途中で焼き小籠包のような上海グルメを試してみるのも一案。
以上です。本記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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