【文系社会人留学】第2セメスターの総括振り返りとIHEIDの交換留学制度について

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筆者は現在スイス・ジュネーブのIHEID(国際・開発研究大学院)の修士課程で学んでいます。先日第2セメスターの成績が出ましたので、このあたりで第2セメスターの振り返りをしたいと思います。

また第1セメスターと第2セメスターの間に交換留学の選考と結果発表もありましたので、そのあたりについてもご紹介したいと思います。

IHEIDの概要についてはこちらの記事をどうぞ。

第1セメスターの中間振り返りはこちら。

第1セメスターの総括振り返りはこちら。

目次

第2セメスターの振り返り(総括)

まずはセメスター全体の振り返りから。

リーディング・課題の量は相変わらず多い

これは第1セメスターから変わらないので、そういうものだと受け入れられるようになりました。

授業によってはリーディングの内容が特段問われなかったり、教授がスライドでまとめてくれていたりするので、適度にスキップしたりしてオーバーフローが起きないようにしていました。

第1セメスターと比較するとリーディングの内容そのものがしっかりと問われるような授業は少なかったかもしれません。

また今回は他学科の授業も履修していたため、そちらの課題がちょっとした気分転換になってもいました。

グループワークが比較的多かった

たまたまですが、選択した授業では他の学生とチームを組んで課題をこなす機会が多くありました。しかもそのほとんどが自分でチームメイトを探さなければならない形態。

(特に他学科の授業では)既にグループができていて入りづらいこともありましたが、能動的に動けば何とかなることも学べました。

バックグラウンドがここまで違う人と一緒に何かに取り組んだのは初めてかもしれません。取り組んでいる途中は進め方や成果物の捉え方に差があったりして不安があったものの、蓋を開けてみると意外と高評価だったり。

フィールドワークも多かった

詳しくは後ほどご紹介しますが、特定のテーマに基づいてジュネーブの歴史を調べたり、世界保健総会(World Health Assembly)のイベントに参加して専門家の話を聞いたりと、「これはジュネーブでしかできない!」と言える経験をすることができました。

筆者の受講した授業の内容をご紹介

次に筆者が実際に受講した授業をご紹介します。

Research Design & Methods in International Relations

今セメスターのIRPS必修授業。通常教授は一人ですがこの授業は担当教授が二名。

この授業は課題が多め。3つのペーパー課題とプレゼン&インタビュー課題を通じて、社会科学分野のリサーチ手法と修士論文の具体的な執筆方法について学びます。

各リサーチ手法の具体的な実施方法から使える場面・注意すべき事項などについて理解を深めることが出来ましたし、内容がスライドにまとめられているため後から非常に参照しやすいのも良かったです。

評価方法が割と曖昧だったり、採点する教授によってコメント量に幅がある点が若干不評だったという一面も。

Global Governance and Health Problems, Politics and Policies

IRPSの選択授業であり、MINTとの合同授業。

健康分野が国際的な枠組みにおいてどのように取り扱われているか、その現状や問題点について学びます。

一言で「健康分野」と言っても本当に色々な領域をカバーしており、初学者でもすぐに思いつきそうな医療技術だけでなく、公共財や環境問題のような一見関係なさそうな分野も取り扱われていたのが印象的です。

毎回授業前に課されるリーディングは主に理論とケーススタディーで構成されており、コロナ禍を経て変わった点も多くみられました。

最終課題では世界保健総会のイベントに参加して授業で学んだ内容との関わりについて論述するという内容も出され、実践的な知識の習得の重要性が感じられました。

Statistics for International Relations Research II

IRPSの選択授業。第1セメスターで履修したStatisticsの続きです。

今回は基礎的な数学事項を扱っていた前期の授業よりもより実践的な内容で、パネル調査やInstrumental Variable(操作変数法)などを具体例を用いて学びました。

正直前期のリーディングはそこまで必須という感じではありませんでしたが、今期は具体例とリーディングの内容が密接にリンクしているのでかなり重要。最終試験ではリーディングの内容を再現しつつ独自の内容を加えて分析するという課題が出されました。

またRの使い方に関するセッションも前期と同様にありました。回数は減りましたが有用性は変わらず。

Power of the Past History, Politics and Policymaking

他学科(International History and Politics)設置の授業。

歴史が政策形成や政治に関連してどのように利用されてきたか、様々な切り口から学びます。歴史を中心に扱う学科の授業だからか非常に積極的な学生が多く毎回白熱した議論が繰り広げられていました。

この授業は課題が特徴的。リーディングの内容に関するショートペーパー執筆&プレゼンをしたり、ジュネーブ市内にあるモニュメントについてその歴史的背景やジュネーブとの関係をチームでプレゼンをしました。

他の授業と毛色が違い面白い授業でしたが、ショートペーパーを書くためのリーディングやモニュメントに関するプレゼンのチーム分けが早い者勝ちだったので、とにかく先手先手で動かないときつくなるのがちょっと辛かったかも。

IHEIDからの交換留学

ここでは交換留学のシステムについて簡単に触れます。

IHEIDの交換留学の概要

2年制の修士課程に在籍している学生は、第3セメスターに提携校に交換留学するチャンスがあります。

公式ウェブサイトからも分かるとおり、IHEIDの交換留学先はかなり多彩。各交換留学先の倍率は公表されていませんが、名門揃いのラインナップなので基本的に競争率は高めだと思います。

ハーバードロースクールのように特定学科の学生のみ出願可能な交換留学先もあります。

なお学生に新しい経験を積んでほしいという学校の方針から、留学していたり居住していたことのない地域の交換留学先への出願を推奨しています。

つまり、以前経験のある地域の交換留学先に出願する場合、他の学生との兼合いで合格可能性が下がるかもしれません。

筆者はシンガポール駐在経験があるので、シンガポール国立大学には合格しづらい(かもしれない)ということですね。

出願要件

第1セメスターでGPA5.0(最大6.0)を取得し、かつ第2セメスター終了までに60ECTS分の単位を取得すること。

第1セメスターの成績発表の前後(1月)に応募受付があり、修士課程の場合は、専用のフォームに希望する交換留学先と志望動機を入力することで出願が完了します。交換留学先は2つまで選択が可能。

枠が余っている交換留学先がある場合、二次募集がかけられることもあります(個別に連絡が来る)。この場合は一次募集よりも短い志望動機を書くだけで出願ができます。

人気の学校はどこ?

人気の学校は、イエール大学、パリ政治学院、シンガポール国立大学あたり。納得のラインナップといったところでしょうか。

なお日本の大学(早稲田大学や上智大学)も一定の人気があるようです。

まとめ

第2セメスターも色々とありましたが、慣れてくるとあっという間に終わってしまったような感覚です。

実は第3セメスターは交換留学に行くことになったので、いずれそのあたりも記事にする予定。また新しい環境に飛び込むことになるので、楽しみつつ頑張りたいと思います。

以上です。

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