ブルジュ・ハリファをはじめとするさまざまな世界一を有するドバイとルーブル美術館の分館やフェラーリの遊園地などで有名なアブダビは、アラブ首長国連邦で一、二を争う日本人旅行者に人気の都市です。
どちらか片方をメインで訪れて、ついでにもう一方を観光というプランを組む方も多いのではないでしょうか。
馴染みのない場所だと距離感が掴みづらいですが、両都市は150km弱(東京・那須塩原間の距離に相当)離れています。車であればノンストップで走って1時間20分程度。
両都市の移動についてはタクシーの利用も可能ですが、150kmも離れているとさすがに高くつきます。
そこで登場するのが、RTA(ドバイ道路交通局)が運行しているバス。ドバイ・アブダビ間を格安で移動する手段として、旅行者や移民労働者に大人気です!
今回はそんなバスを使った移動の方法について、「ドバイからアブダビ」と「アブダビからドバイ」のそれぞれの場合に分けてご紹介します。
ドバイからアブダビへのバスの乗り方(E101)
まずはドバイからアブダビへのバスに乗る方法について解説します。
乗車場所(ドバイ)
外国人旅行者が利用しやすいドバイからアブダビへのバスの乗車場所は、主に2つ。
まずは市内中心部でドバイメトロ(グリーンライン)Al Ghubaiba駅直結のアル・グバイバ・バスステーション(Al Ghubaiba Bus Station)。こちらはドバイ・クリーク(運河)や各種スーク、ドバイ博物館といった観光スポットにほど近い点がメリット。周辺のホテルに宿泊していたり、周辺を観光してからシームレスに移動したい場合に便利。
半面、アブダビと結ぶ路線は必然的にドバイの市内中心部を通過することになるため、ドバイのラッシュアワー時間帯(朝夕)は交通渋滞に巻き込まれる可能性があります。
ラッシュアワーにぶつかると通常の1.5倍以上の時間がかかることもあるので、この時間帯にアブダビに移動したい場合は、後述のイブン・バットゥータバス停まで移動してからバスに乗ったほうが良いです。
続いてイブン・バットゥータモールに隣接するイブン・バットゥータバス停(Ibn Battuta Abu Dhabi Bus Stop)。世界一美しいスタバで有名なイブン・バットゥータ・モールに隣接しており、ドバイメトロに直結している点が利便性が高いです。
モールは市内中心部から離れているため多少の移動が必要ですが、アブダビ行きのバスはドバイの市内中心部を通らないため時間が読みやすいというメリットがあります。
運行間隔
ドバイからアブダビへのバスは時間帯により20分~35分間隔で運行しています(イブン・バットゥータバス停発の場合)。
後述のとおり発車時間よりも早めに到着しておく必要はあるものの、一本逃しても次が割とすぐに来るので、あまり神経質にならなくても大丈夫。
降車場所(アブダビ)
どちらの乗車場所から乗車した場合も、アブダビ側の降車地点はアブダビメインバスターミナルです。
所在地はこちら。
なおこの先の移動にはノル・カードは使用できない(ドバイではないため)ので、バスターミナルでアブダビ市内交通用の交通カード(Hafilatカード)を購入してバスを利用するか、タクシーを利用することになります(Uberのような配車アプリも利用できます)。
アブダビ市内のバスの乗り方についてはこちらの記事でまとめています。
アブダビからドバイへのバスの乗り方(E100またはE101)
続いてアブダビからドバイへ向かうバスの利用方法について。アブダビからドバイへ向かうバスはバスターミナルから出発します。行き先が複数あるので使い分けを。
乗車場所(アブダビ)
ドバイ行きのバスにはアブダビメインバスターミナルから乗車できます。
乗車に際しドバイの公共交通機関で使えるノル・カードの購入や必要額のチャージが必要になりますが、そちらは建物内のカウンターで可能です。
ノル・カードを持っていない場合は、必要額がチャージされたノル・カード(シルバー)を40AED(約1,600円)で購入することになります。
バスは行き先により、アル・グバイバ・バスステーション(Al Ghubaiba Bus Station)行きのE100とイブン・バットゥータバス停(Ibn Battuta Abu Dhabi Bus Stop)行きのE101に分かれています。バスにそれぞれの路線番号と行き先が表示されるので、間違えないように注意しましょう。
それぞれの行き先の特徴についてはドバイからアブダビの項でも触れましたが、念のため改めて簡単に説明します。
アル・グバイバ・バスステーション(Al Ghubaiba Bus Station)の場所はこちら。ドバイメトロ(グリーンライン)のAl Ghubaiba駅直結。オールドスークをはじめとする各種の観光名所が集まるエリアにあります。
イブン・バットゥータバス停(Ibn Battuta Abu Dhabi Bus Stop)の場所はこちら。ドバイメトロ(レッドライン)のIbn Battuta駅直結。中心街から南西に離れた場所ですが、ドバイメトロがあるので繁華街へのアクセスは簡単。
どちらの路線を選ぶべき?
さてどちらの路線を選んだほうが良いかですが、基本的には滞在地や荷物の量と相談して決めるのがおすすめです。
アブダビを出発して1時間~1時間半程度でドバイの市街地に入るので、乗車時間から計算してそのタイミングでドバイのラッシュアワーにぶつかりそうな場合は、大荷物を持っている場合でない限りイブン・バットゥータバス停行き(E101)のほうが時間の節約になります。
路線 | メリット | デメリット | 所要時間(目安) |
---|---|---|---|
アル・グバイバ・バスステーション行き(E100) | 市内中心部・クリーク周辺の観光スポットへのアクセスが便利 | 市内中心部を通るため時間がかかる | 2時間~3時間 |
イブン・バットゥータバス停行き(E101) | 市内中心部の渋滞を避けられる イブン・バットゥータモールへのアクセスが便利 | 市内中心部から若干遠い | 1時間半~2時間 |
運行間隔
アブダビからドバイへのバスは時間帯により20分~45分間隔で運行しています。
前述のとおりドバイ市街地を通るかどうかによって所要時間がかなり変わるので、バス利用後に予定がある場合は逆算して乗車時間を決めておく必要があります。
運賃・乗車&降車方法、所要時間の目安
アブダビ行き・ドバイ行きに共通する要素(運賃や乗車方法等)について説明します。
運賃と乗車&降車方法
運賃は片道25AED(約1,000円)。バスに備え付けられている機械にタッチして乗車します。
バスの運賃はドバイの公共交通機関で使えるノル・カードで支払う必要があり、現金やカードによる支払いは受け付けてもらえません。バスでのチャージは不可なので、乗車前にあらかじめ必要額をチャージしておく必要があります。
ノル・カードの購入・チャージはドバイ・アブダビそれぞれの乗車場所にある窓口やドバイメトロの駅で可能。種別は色々ありますが、とりあえずシルバーを買っておけば確実にバス乗車に使えます。
降車時にも備え付けの機械にタッチする必要がある点は注意。
ノル・カードについてはこちらの記事も合わせてご確認ください。
所要時間の目安
ドバイ・アブダビ間のバスの所要時間(目安)は2時間程度です。ただしラッシュアワー時間帯にぶつかると3時間程度かかる場合も。
前述のとおり、ドバイ市街地を通過するバスを利用する場合は時間に余裕を持つことをおすすめします!
バスの設備
続いてドバイ・アブダビ間を運行しているバスの設備についてご紹介します。
行き先表示があって便利&スーツケース等収納可
バス車内には所要時間や次のバス停を表示するパネルがあるので、乗り過ごしの心配がありません。
またドバイとアブダビを結ぶバスは大型なので、スーツケースなどの大型の荷物を運ぶことが可能。
USB給電あり(USB-AとUSB-Cの両方)
バスの車内にはUSBの(Aタイプ・Cタイプ)の給電設備もあるので、スマートフォンの充電もできます。ケーブルをお忘れなく!
注意点
最後に長距離バスを利用する際の注意点を2点ご紹介します。
ノル・カードの残高&期限に注意
アブダビでバス乗車のためにノル・カードを新しく購入する場合は問題にならないと思いますが、既に利用しているノル・カードを使ってバスに乗車する場合は残高に注意が必要です。また長らく使用していないノル・カードを利用する際はカードの期限切れの可能性にも留意を。
バスではノル・カードのチャージや購入ができないので、ノル・カードの残高が足りなかったりうまく反応しない場合は乗車の順番が後回しに。後述のとおり人気の路線のため、ほぼ確実に次発以降のバスを利用することになります。チャージ完了や新しいカードの購入まで待ってもらえることはまずありません。
上述のとおり時刻表はあるものの、100%定時運行を期待するのは危険です。
いずれにしても時間を大きくロスすることになるので、事前に残高確認やカードの有効期限の確認を行い、スムーズに乗車できるようにしましょう!
筆者は過去に購入したノル・カード(シルバー)が使用不可であることが窓口で判明しました(理由は不明)。そのままバスに向かっていたら乗れないところだったので、危なかったです。
乗車場所には早めに到着を
ドバイとアブダビを結ぶ路線は旅行者だけでなく現地の移民労働者にとっても重要な路線。利用者は非常に多く、乗車にはほぼ必ず長い列に並ぶ必要があります。
そのため、乗車したい時間の直前に乗車場所に行ってもまずそのバスには乗れないということになります。
またそれぞれのバスには定員があり、立ち乗りは認められていません。満員になってしまうと次のバスを待つことになるので、確実に乗りたい場合は乗車予定時間よりも早く乗車地点に到着しておく必要があります。
まとめ
本記事では、ドバイ・アブダビ間で運行されているバスについて、ドバイからアブダビに移動する場合とアブダビからドバイに移動する場合に分けてご紹介しました。
支払方法がノル・カードのみなのが難点ではありますが、実際に使ってみると意外と快適でしたし、便利だと感じました。
繰り返しになりますが、バスは交通状況によっては大きく遅れるので、くれぐれも時間に余裕を持って利用してください!
本記事の内容が参考になれば幸いです。以上です。
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