フランス第二の都市・リヨン。首都パリと比較すると日本ではちょっとマイナーなので、訪問するにしてもあまり時間をかけずに観光や食を楽しみたい方が多いのではないでしょうか。
リヨンはそこそこの規模を誇る都市ではありますが、意外とサクッと楽しめる要素が色々あります。リヨンの観光名所の記事ではみどころが集中していると書きましたが、今回は名物料理と定番のお土産をご紹介します。
特にリヨンは「美食の街」と言われるほど、食べ物系の名物に事欠かない街。食べずに帰れない名物料理や美味しいお土産がパリに負けず劣らずたーくさんあります!
リヨン以外では入手しづかったり、かなりお値段がはる物もあるので、この機会にぜひリヨンで楽しんでください!
とりあえずリヨンで「これ食っとけば(&買っとけば)間違いない!」という代表的な食べ物&お土産の情報を集めました!
リヨン市街地の回り方については公共交通機関の使い方に関する記事も合わせてどうぞ。
リヨンの必食名物料理!
リヨンの名物料理って?
前述のとおり、リヨンには名物料理がたくさんあります。代表的なものは以下のとおりです。
食事系の名物を味わうなら、リヨンの伝統的な食堂であるブションbouchonを試したいところ。
- ソーセージ Saucisson:いわゆるソーセージですが、かなり太くて食べ応えがあります。
- ソーセージのブリオッシュ包み Saucisson brioché:名前のとおり。
- パテのパイ包み Pâté en croute:こちらも名前のとおり。
- クネル Quenelle Lyonnaise:白身魚のすり身を小麦粉や牛乳などと混ぜてオーブンで焼いたもの。
- リヨン風サラダ Salade Lyonnaise:卵、ベーコン、レタスのサラダ。
- セルヴェル・ド・カニュ Cervelles de canut:チーズを主体にしたパンと一緒に食べるペースト。
- アンドゥイエットAndouillette:香辛料に漬け込んだ豚の内臓を豚の腸に詰めた料理。クセあり注意
内臓系の料理も多いので知らない料理は注文前に必ず確認しましょう。ちなみに筆者はアンドゥイエットを試してみましたがダメでした…。
ここからは参考までにいくつか画像を貼っておきます。
リヨンの名物料理を食べるならブションへ
リヨンの食堂・ブションは、19世紀に地元女性が始めた大衆向けの食堂を起源とするレストランのこと。大衆食堂なので、量が多くお値段が良心的なのが魅力的です。
狭いスペースを有効活用するためなのか、席間がかなり詰まっているのも特徴です。
ブションが多い通りはいくつかありますが、筆者が訪問したのは旧市街に位置しながら比較的安価で味も定評のあるル・ローランサンLe Laurencin。2品のコースとワインで20ユーロ前後なのは破格のお値段。
多くのブションが昼休憩を取る中こちらはノンストップ営業なので、観光のスケジュールに合わせて遅め・早めの食事に利用することも可能です。曜日によっては23時を回っても営業している点も重宝します。
リヨン市内にたくさんあるブション。
客の入りや雰囲気で決めるのも手ですが、リヨン市商工会議所とリヨン・ツーリズムが共同で作成した以下のようなラベルが付いているお店であれば少なくとも品質はお墨付きです。
認定店の一覧はこちらのウェブサイトから!
ブションが多いエリアはこのあたり
お目当ての店に直行するよりもいくつか覗いてから決めたい場合は、ブションが集中している通りを重点的に回るのがおすすめ。
今回は筆者が実際に歩いてみてブションが多いと感じた通りを3つご紹介します。
ル・ローランサンも立地する旧市街のサン=ジャン通りRue Saint-Jeanには、観光客向けのブションがたくさんあります。お値段も観光地プライスになりがちですが、旅行者が取っつきやすいのはこのエリア。
中州のメルシエール通りRue Mercièreにもブションが軒を連ねています。こちらは旧市街より落ち着いた雰囲気。
ベルクール広場東側のマロニエ通りRue des Marronniersにもブションが多く立地しています。
中央市場(ポール・ボキューズ市場)も有力な候補
リヨンの胃袋・ポール・ボキューズ市場Les Halles de Lyon Paul Bocuseも腹ごしらえの有力候補。
知名度が高く観光客も多く訪れる場所ではありますが、地元民にそっぽを向かれてはビジネスが成り立たないため食材の品質には妥協がありません!
東京でいえばさながらアメ横や築地のような雰囲気(掛け声はありませんが…)。
食堂は外周の通路に固まっており、常に人がいっぱい!リヨン料理のほかにも海鮮系の屋台や肉料理のお店などがあり、バラエティー豊かです。
場所はこちら。
営業時間等の詳細については、観光名所の括りでこちらの記事でもご紹介しています。
節約志向なら、日本にはないバーガーショップや海外限定メニューはいかが?
名物料理を食べるなら、どうしても20ユーロくらいはかかってくるもの。持ち帰りにしてもそこそこのお値段になってしまうのは避けられません。
予算に限りがあるのはどうしようもない!でも日本で食べられないものが食べたい!
そんなときはファストフード店を利用するのも手です。
例えばフランス語圏(ヨーロッパ&北アフリカ)に進出しているQuickというファストフード店なら、10ユーロもいかずにサクッと食事できます。
マクドナルドにも(フランス限定かはともかく)日本では売られていないメニューが!
奥の手?ラーメンも悪くない
基本こってりのフランス料理に飽きてしまったら、もしくは好奇心が強い方にはラーメンはいかがでしょう。
写真は筆者が訪問したNishiki Ramenです。店内は中国語が飛び交っているので一抹の不安を覚えましたが、出てきたラーメンはちゃんと日本の味でした。
日本ファンが集まるお店なのか?隣の父娘(おそらくフランス人)がたどたどしく「いただきます」「ごちそうさま」を言っているのを聞いてちょっと嬉しくなりました。
ランチならこれにサイドメニュー(餃子や唐揚げ)とデザート(コーヒーか小さなデザート)が付いて17ユーロ前後で食べられます。日本のラーメンの値段を考えるとやはり高いですが、他のフランス料理と比較すると良心的なお値段だと思います。
スイスならこのラーメンだけで確実に20フラン(21ユーロくらい)はします…泣
遅めのランチタイムで立ち寄ったところ満席で入れなかった経験があるので、確実に食べたいなら早めの時間帯がおすすめです!
場所はこちら。ベルクール広場のそばにあります。
他にも市内には結構ラーメン屋さんが展開しているので、色々試しても面白いかもしれません!
リヨンの定番お土産
リヨンの定番お土産といえば、クッサン・ド・リヨンとプラリネが二大巨頭です。
それぞれの簡単な説明は以下のとおり。
- クッサン・ド・リヨン Coussin de Lyon:クッション型のお菓子。
- プラリネ Praline:アーモンドなどのナッツ類を砂糖でコーティングしたお菓子。リヨンでは赤色(とピンク色)が多い。
名物はクッサン・ド・リヨンCoussin de Lyon
クッサン・ド・リヨンはキュラソーのきいたガナッシュをマジパンで包んだお菓子です。緑色のシルクのクッションを模した形が特徴的です。発祥はリヨンのショコラティエ・ヴォワザンviosin。
緑色以外にも様々な色のクッサン・ド・リヨンが販売されています。
必要に応じてクッサン・ド・リヨンの由来を記した案内も入れてくれます(こちらもクッション型!)。
案内に記載の内容+ウィキペディアなどの内容を踏まえると…
”リヨンでペストが流行していた1643年、リヨンの議員たちが3キログラムのろうそくとシルクのクッションの上にソブリン金貨を乗せたものをフルヴィエールの教会(当時既に聖母信仰の場となっていた)に捧げたところペストの流行が収まり、以後毎年リヨンの議員たちはフルヴィエールの丘に上り誓いを新たにしている。”
1960年、前述の伝説にあるシルクのクッションに着想を得たリヨンの絹織物メーカーがクッション型の箱を、当時リヨンに拠点を置いていたショコラティエのヴォワザンがクッション型のチョコレート菓子を、それぞれ考案したことが今日のクッサン・ド・リヨンというお菓子の始まりとなった。
伝説自体は17世紀のものですが、お菓子自体の歴史は60年くらいで比較的新しいみたいです。
筆者は色々な味を少しずつ試してみましたが、一番スタンダードな緑がお気に入りです。爽やかなオレンジキュラソーとチョコレートの相性が抜群で、少量しか買わなかったことを少し後悔しました。
プラリネブリオッシュで有名なプラリュPralusもリヨンに
リヨンでは赤いプラリネのお菓子もよく見ます。パンに混ぜたりタルトにしたりとかなり用途は多いらしい。
プラリネタルトはレストランで食べられる他、ポールボキューズ市場や色々な場所でも買えます。タルトは取り扱いに注意が必要かつあまり日持ちしないので、お土産にするならプラリネが入ったパンがおすすめ。
有名どころは、リヨン近郊の街Roanneで創業し現在ではプラリネを練りこんだ大きなブリオッシュ・プラリュリーヌPralulineが代名詞となったプラリュPralus。観光客はほぼ必ずここの紙袋を持っているのでは?と思うくらいのド定番です。
市内に何店舗かありますが、観光のついでに寄りやすそうなのはここでしょうか。
旧市街の人の波に沿って進んでいけば、難なくたどり着ける場所です。
チョコレートの名店ベルナシオンBernachonもリヨン発
クッサン・ド・リヨンやプラリネと比較すると「名物」感は多少薄れますが、リヨンには有名なショコラトリーがいくつかあります。その筆頭がベルナシオンBernachon。
1953年にリヨンで創業し、現在展開している本店以外の店舗はパリのみというこだわりのお店で、プラリュ創業者の息子であるフランソワ・プラリュFrançois Pralus氏もベルナシオンで修行したそうです。
お土産の定番はパレ・ドールPalet d’orという平たいチョコレートです。
またせっかくリヨンの本店を訪れるなら、この場でしか味わえない体験を試したいもの!併設のティーサロンではチョコレートを使用したデザートが楽しめます。
特に名物プレジダンPrésidentは試すべき逸品!
「プレジダン」はフランス大統領の意で、1975年に料理人ポール・ボキューズがレジオンドヌール勲章オフィシエを受勲することになった際に開催されたエリゼ宮殿でのパーティーのためにベルナシオンのオーナーパティシエ・モーリス・ベルナシオンが考案したものである。なお、当時のフランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンに敬意を表しての命名である。
ガトー・デュ・プレジダン – Wikipedia
上のチョコレートのヒラヒラが壊れやすくお土産には向かないので、訪問時にぜひどうぞ。
一つ10ユーロしますが、一人用サイズがあるのも嬉しい!(以前はホールサイズしか買えなかったようです)
チョコレートやガナッシュも美味しいですが、洋酒漬けのチェリーが良いアクセント。
お茶の種類が分からなかったので店員さんに聞いたところ茶葉の香りを嗅がせてくれたり、サービスは気さくな感じ。超有名店&高級店ということで勝手に敷居が高いイメージを持っていましたが、良い意味で裏切られました。
場所はこちら。最寄りはメトロA線のFoch駅です。
リヨンのお土産はどこで買える?
駅前のショッピングモールWestfield La Part-Dieuが便利
一通り食べるべき&買うべきものをご紹介してきましたが、最後に便利なショッピングモールWestfield La Part-Dieuをご紹介します。リヨンの玄関口(陸路)であるLyon Part Dieu駅の西側の出口を出てすぐのところにあるので、非常に分かりやすい立地。
記事中で紹介したヴォワザンが入居している他、カルフールのようなハイパーマーケットもあるのでフランスのばらまき土産を探すのにももってこい。
またユニクロや無印良品のような日本発のブランドの店舗もあるので、滞在中の買い足しにも役立ちます。(ジュネーブの最寄りのユニクロはおそらくココ)
場所はこちら。
地産地消!地元密着のスーパーマーケットもおすすめ
リヨンの代表的なお土産を購入するのであればショッピングモールが一番簡単ですが、そこは食材も豊富なリヨン。この土地ならではの美味しい物を探すなら地元密着のスーパーマーケットもおすすめ。
お土産としての派手さは正直ありませんが、美食の首都リヨンを堪能できるはず!
例えば以下のようなスーパーマーケットではリヨンの産品を中心に取り扱っています。
- Terres LYONNAISES(リヨン市内の各エリアに点在)
- Cerise et Potiron(ポールボキューズ市場他店舗リヨン市内に多数あり)
まとめ
本記事ではリヨンの食べ物とお土産をご紹介しました。種類を絞ったので、時間の有効活用に役立てていただければ幸いです。
リヨンの観光地に関する情報もまとめているので、よろしければどうぞ。
以上です!
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