【10年経っても中級】外国語をゼロから身につけるのにかかる時間は?筆者のフランス語遍歴を基に考察してみた

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他の記事でもフランス語を学ぶきっかけになった出来事やフランス語の学習方法について触れていますが、実際筆者のフランス語力はあまり高いとは言えません…外国語ってやっぱり難しい。

この記事ではこれまで学習に掛けた時間とそのときにやっていたこと、レベルが上がる(上の級の試験に合格する)までの過程をまとめたいと思います。

記事の内容はフランス語に関するものですが他の外国語習得にも当てはまる部分が多いので、特にヨーロッパ諸語を学習している方の参考になれば幸いです。

なお、本記事では外国語の運用能力を測るための国際基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を基にレベル感を説明しています。各レベルで出来ることは以下の表のとおりです。

スクロールできます
段階CEFR能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧
熟達した言語使用者C2聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
自立した言語使用者B2自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
B1仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の言語使用者A2ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。
出典:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル (britishcouncil.jp)

なお表にはありませんが、全くの初学者を指すA0レベルも存在します。

目次

A0~A1レベル

第二外国語でフランス語に出会い、学習を始める

筆者が初めてフランス語に触れたのは大学学部時代の第二外国語の授業でした。

フランス語を選んだ理由は以下のようなもの。

  • 国際キャリアを目指すうえで有利そう。国連で働くのに有利らしい。
  • オシャレで華やかな言語。(←直前に観たフランス映画「アメリ」に影響された)
  • 最初に選択しようとしていた中国語のオリエンテーションで教授に悪い印象を持った…。

元々国際関係法学部を志望していたほど海外への意識が高く、学部では語学を頑張るぞ!と鼻息荒く授業に臨んだ筆者でしたが、入学した法学部では法曹や公務員の志望者が多かったため、どこで役に立つかイメージの湧かない第二外国語に対するモチベーションは総じて高くなく浮きまくる結果に。

更に授業中に実施された小試験では、名詞の性(男性名詞と女性名詞)や順序(名詞→形容詞。例外有)への理解が壊滅的で0点をとってしまう等なかなかに前途多難でした。

外国語をゼロから始めると、基本的な考え方を身につけるだけでも大変です…

授業だけでは足りなかった!

フランス語の授業は週2回程度あったものの、実際のフランス語に触れてみるとそれだけでは足りないことが明白でした。

そこで、自分でテキストを基にオリジナルの文法事項まとめを作成したり、NHKで放送しているフランス語講座を視聴したりして自学自習に励みました。

文法事項はかなり網羅した気でいましたが、新聞やテレビは辞書を引いても理解するのに時間がかかる(時間をかけても理解できないこともある)レベルでした。

週2回程度の授業+自力で文法のまとめをコツコツ作成し、ここまでで2年。

A2レベル

仏検準2級に合格

力試しとして仏検準2級に挑戦しました。

面接もありましたが、自学自習の甲斐あってか合格。これでひとまずA2レベルに到達したことになります。

ここまでで3年。

やっぱり授業だけでは足りなかった!

学年が上がり、フランス語の授業が選択制に。折角フランス語を学んだのだから…と「上級」と銘打った授業を取り、学習を継続します。

それまでの自学自習も就活などのイベントの合間を縫って、途切れ途切れ続けました。

が、普段使うことの無いフランス語。ここで一気に上達する…ことは残念ながらありませんでした。

実際の使用場面を体験する重要性に気づく

初めて実生活(?)でフランス語を使用したのが、パリへの卒業旅行でした。

フランス語という意味では撃沈状態だったものの、モチベーションを上げるには大いに役立った旅行でした。

しかしその後フランス語とは全く関係のない業種に就職したため、しばらくフランス語からは遠ざかることに…

B1レベル

語学学校に通ってみた

就職してからもこまごまとフランス語学習を継続していた筆者。

就職してから6年ほどが経ち時間と心に多少の余裕が出来たタイミングで、フランス語を体系的に勉強するため専門の教育機関に頼ることに。

東京エリアでは日仏学院アテネフランセが有名という情報をキャッチした筆者は、フランス政府公式の語学センターであり、立地も(当時の私にとっては)便利だったので、日仏学院にしました。

教育番組や動画サイトでも勉強していた

日常的に勉強が出来てお金がかからない方法として、テレビの教育番組や動画サイトが筆頭に挙がると思います。

私は「テレビでフランス語」(現「旅するためのフランス語」)を視聴していました。

手軽に外国語に触れられるのは素晴らしいですが、残念なのは、1年間もしくは半年で番組が入れ替わり、学習レベルがゼロからになってしまうこと。

DELF B1を受ける

語学学習のモチベーションを高めるために何か指標が必要と思い、当時通っていた日仏学院で知ったDELF/DALFに挑戦することにしました。

ここで仏検ではなくDELF/DALFを選んだのは以下の点に惹かれたからです。

  • 語学力の正式な証明としてフランスを含め世界で認められる。
  • 一度取得してしまえば生涯有効。
  • 実際にフランスで通用する語学力レベルが測れる(日本人向けの試験ではない)。

その時はちょうどDELF B1対策講座が開講していたのでそこで対策を行い、無事合格。

ここまでで10年近く学習していることになります。

B2レベル

DELF B2を受ける

DELF B1に合格してからは、日仏学院のB2レベルのクラス(フランス語総合やスピーキング)を受講しました。

その途上で今度はDELF B2の受験を決心。日常のクラスに合わせて試験対策のクラスを受講し、無事合格。

晴れてB2レベルに到達したと言えるようになりました。

ここまでで11年近く

もっと上へ…

その後2度さらに上の級であるDALF C1を2度受験するも、撃沈。

現在もB2どまりです。

もっとこうすれば…と思うこと

明確な目標設定をすればよかった

ここまで時間がかかった要因として大きいと思うのが、終始目的が曖昧だったことです。

例えば、目標に応じた到達目標レベルは以下のような感じ。

  • 大学院留学→C1(文系)、B2(理系) ※必要最低レベル
  • 海外就職→C1~ ※分野による
  • 日常会話→B1~B2 ※旅行ならA2で十分な場合も

大学学部は第二外国語が必修なことも多いので単位取得も主目的になり得ますが、言語レベルとはベクトルが違うので、もし外国語をどこかの場面で使いたいという想いがあるのなら、やはりゴールを決めておくのが重要だと思います。

フランス語を集中的に勉強する機会を作ればよかった

就職で学習期間が空いてしまったため、結果として外国語学習者によくある、なかなか実力が上がらない期間が長くなってしまったこともありました。

自学自習には細々と取り組んでいたものの、気合いや努力に頼るのは効率が悪くなる大きな原因です。

またインプット中心の学習法だと忘れやすくなりますし、アウトプットで使えるレベルまで至るのは至難の業です。

そう考えると、ただフランスに旅行するよりも、夏休み期間などを利用して語学留学をするという手もあったかもしれません(費用がネックですが…)。

まとめ

筆者の場合、フランス語を始めてからB2レベルに到達するまで約11年かかったことになります。

原因として考えられるのは以下の3点。

  • 途切れ途切れの学習だったこと
  • 到達したい目標をはっきりと決めていなかったこと
  • インプット偏重・アウトプット量の不足

これらの対策法としては、以下の方法が考えられます。

  • 短時間でも良いから継続する→アプリや動画サイトを活用
  • 目標を明確に定める→将来的なビジョンをイメージして学習に取り組む
  • プロの手を借りる・アウトプットを習慣化する→語学学校に通う

これらの内容を頭に置いて学習すれば、必要以上に遠回りをしなくて済むかもしれません。

ただ一方で、外国語は常に必要に駆られて学ぶものではありません。考えすぎて嫌いになってしまっては元も子もないので、ブランクが空く可能性も考慮に入れておくと着実にレベルを上げられると思います。

以上です。

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