筆者は以前シンガポールに駐在していました。
時期は折しもコロナ禍真っ只中。シンガポール生活は、ある意味ロックイン状態でした。
国際線はほとんど飛ばず、長距離旅行はできません。陸路の国境も閉鎖され、気軽にマレーシアへ足を延ばすことすら叶わない…。ストレスの多い日々ではありましたが、その一方で、シンガポールという街そのものをじっくり眺め、歩き、暮らす時間を得られたとも感じています。
あれから数年が経ち、少しずつ薄れつつある当時の記憶。
それでも、集中的にシンガポールで暮らした経験が身体に残っているのか、東京近郊を歩いていると、ふと「あれ、なんだかシンガポールっぽいな」と感じる瞬間があります。
この記事では、そんな「東京近郊でシンガポールを思い出した場所」をまとめてみました。
非常に主観的な内容なので、「全然違うよ…」と思われることも多々あるかと思いますが、寛大な心で読んでいただけると(そして少しでも共感していただけると)とても嬉しいです。
天王洲アイル【CBDあたりのシンガポール川河口】

東京近郊で最初に「あ、シンガポールっぽい」と感じたのが、この天王洲アイル。
都会の風景と静かな水辺。よく歩いたシンガポール川の風景を思い出しました。
天王洲アイルの周辺は海にも近くオシャレなスポットが多いので、シンガポール川の中でもCBDに近い河口付近の雰囲気に近いかな。
緑の多くてちょっと暗い感じが、特にラッフルズプレイス寄りのボート・キーからビクトリアコンサートホール方面を見たときの感じにそっくり(な気がする)。

昼間はそこまで似ているとは感じませんでしたが、日が落ちると印象が一変。ジョギングを楽しむ人や、運河沿いに腰掛けてゆっくり過ごす人が増え、シンガポール川沿いを散歩していた頃の記憶が自然とよみがえりました。
これから本格的に夏になったら、より一層それっぽい雰囲気になりそうです。
イクスピアリ【ハーバーフロント~セントーサ島】

続いては舞浜。
言わずと知れた東京ディズニーリゾートの玄関口ですね。
最初、東京ディズニーリゾートとディズニーリゾートラインという組み合わせから、セントーサ島(特にユニバーサルスタジオ・シンガポールのあるリゾート・ワールド・セントーサ駅のあたり)に似ているような感覚がありました。
もちろん、広々とした南国リゾートの雰囲気を持つセントーサ島と、テーマパークを中心に発展した舞浜では違いもあります。
ただ、イクスピアリのテーマパーク的な雰囲気と生活感のあるお店ラインナップのミックスを眺めるうちに、むしろフェアプライスエクストラやフードコートなど日常使いのお店も多く入居しているビボシティの方も思い出してしまい…。
イクスピアリで少し休憩してから「そろそろ帰ろうかな」という気分になったときに、気づけば頭の中では京葉線ではなく二階建てバスで家に帰るイメージが浮かんでいました笑
記憶って恐ろしい…。
高輪ゲートウェイの無印良品【ジュエル・チャンギエアポート】

ジュエル・チャンギエアポートにある無印良品は二階建て。店内の階段で行き来します。
二階からは出入りが出来ない構造で、正直ちょっと面倒。
同じ構造の無印良品を、高輪ゲートウェイで見つけました。一階部分で衣類を扱っている点まで共通しています。
こちらも二階部分からは出入りできませんが、三階部分と繋がっている点が大きく異なります。
また、ジュエルの店舗は構造上内側(円の中心部分)に向かって開いているのに対し、高輪ゲートウェイの店舗は外側に向かって窓が設置されているので、内部の光の印象は結構違うかも。
なお、商品ラインナップに関しては、少なくとも私が訪れた当時は日本とほぼ変わらず、現地生活でもかなり重宝しました(風呂おけや風呂用の椅子など)。
京浜運河沿い【サイクリングロード(PCN)とHDBの風景】

シンガポールに張り巡らされた自転車用の道、パーク・コネクター・ネットワーク(PCN)を思い出した風景です。
東京にも、シンガポールと同じように水辺を快適にサイクリングできる場所がいくつもあります。特に京浜運河とその周辺の緑地は、カラン川沿いのPCNを彷彿とさせる風景。さらに、都営住宅が密集するエリアを走行していたときは、まるでHDB群の近くを走っているような気分になりました。
両方の場所において水辺の公園がきちんと整備されているのも、似た雰囲気になっている要因かもしれません。
首都高を跨ぐ歩道橋についても、シンガポールのPCNに似たような構造のルートが結構あるので、通るたびにちょっと懐かしい気持ちになります。

ただし、東京の道は必ずしもPCNのようにサイクリング用途に整備されているわけではない(自転車は原則として車道を走る)ので、シンガポールとは違って歩行者や車両など多方面に気を配る必要はあります。
もっとも、ヨーロッパの大都市では一方通行の規制が細かく設定されていることも多く、その点では東京は意外と自転車で走りやすい街だと感じています。

色々と思い出しながらサイクリングしていると、この風景も、いつしかイーストコーストパークを走っていた頃の記憶と重なって見えてきます。
景色そのものは全然違うはずなのに、不思議なものです。
次点(ちょっとだけそれっぽい枠)
続いて「似てるかもと思ってたけど、実際に訪問してみたらなんか違った」場所をいくつかご紹介。
東京都庁第一本庁舎【UOBプラザ?】

ラッフルズプレイス駅近くにあるUOBプラザは、世界的な建築家である丹下健三氏が設計を手がけました。
UOBプラザの持つ立方体が組み合わさったツインタワーの造形は、同氏が同時期に手掛けていた東京都庁第一本庁舎にそっくり!地上部分に広い空間がある点も似ています。
シンガポールで働いていたときはUOBプラザを遠目に見るたびに「都庁っぽいな…」と思っていた筆者でしたが、では逆に都庁を見てUOBプラザを思い出すかと言うと…。うーん。周囲の雰囲気が違いすぎる。
もうちょっと海に近かったらかなりそれっぽかったかも、とは思います。
結局ここでシンガポールを思い出すことはあんまりないかな。ということで、次点です。
東京ジャーミィ【アラブストリートとサルタンモスク?】
シンガポール観光の定番スポットといえば、アラブストリートとサルタンモスク。
東京(代々木上原)にも美しいモスク建築で知られる「東京ジャーミィ」があります。
サルタンモスクの金色のゴージャスな感じを思い出すと、どうしても屋根の色やたたずまいの違いを考えてしまいますが、外見よりも、シンガポールのアラブストリートも東京ジャーミィもトルコ系商品がかなり充実しているのがポイント。東京ジャーミィにはトルコ文化会館が併設されているので、こちらのほうがむしろ本場な感じすらあります。
というか、シンガポールのアラブストリート自体がそもそもトルコ雑貨まみれなのが個人的に謎だったりします。
アラブとは…?
さらに、東京ジャーミィはモスク部分もイスラム教徒以外に開放している(礼拝時間を除く)ので、ショッピングだけでなく、サルタンモスクを訪問したときのような雰囲気を感じることもできます。
このようにそこそこ関連する要素はあるのですが、あくまで要素だけ。
シンガポールと言うよりは、イスタンブールを思い出します…。ということで次点。
三井エアポートガーデン【ジュエル・チャンギエアポート?】

個人的にちょっと期待していたのが、三井エアポートガーデンとジュエル・チャンギエアポートのシンクロ度合。
両方とも空港直結のショッピングモールやアミューズメント施設が複合した施設、かつ中心に吹き抜けがあるという構造。似たような雰囲気を持っていても不思議ではありません。
ですが、行ってみた感想としては、やっぱり似ても似つかないな…。と率直に思いました。
規模・客足・雰囲気、様々な要素を考えてみたものの、正直比較になりません。ジュエルには非常に多くの人がいて活気がありましたが、三井エアポートガーデンは店舗も比較的少なく、あまりお客さんも入っていません。
中央にある舞台に関しても、ジュエルの滝を思い出す程ではないにしてもシンクロ度合を高まる感じかと思っていましたが、実際に見ると、もっと根本的に違う感じがします。
三井エアポートガーデンの客足がここまで少ない要因として想定できる点は、ジュエルがほぼ全ターミナルから直結なのに対し三井エアポートガーデンは第3ターミナルのみだったり、旅客の動線と逆方向だったり、といったところでしょうか。
まとめ
今回は東京近郊で「ここ、シンガポールっぽいかも!」と感じた場所をご紹介しました。
改めてラインナップを眺めてみると、「風景そのものが似ている場所」から、「風景自体はそこまで似ていないけれど、なぜか雰囲気が似ていると感じた場所」までバリエーションがあって面白いな、というのがこの記事を書いてみた率直な感想です。
もちろん、人によって経験や感覚は様々なので、共感できる場所・できない場所もあると思います。
シンガポール在住経験があっても、記憶に残っている風景や感情のトリガーは人それぞれ。
その違いもまた面白いものですね。
なお、お気づきかもしれませんが、今回は「ヤクンカヤトースト」や「威南記海南鶏飯」のような「シンガポールそのもの」のお店はあえて外しています。その辺りは、また別の記事でご紹介できたらと思っています。
以上です!
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