こちらの記事でも書きましたが、筆者はスイス留学前にそこそこの期間(と費用)をかけてフランス語を学習しDELF B2までの資格を取得していました。
何だかんだ日本での職歴も10年を超え、もうそろそろフランス語圏に留学を…と考えていた矢先に突然シンガポール行きの話が降ってきたときは、喜びとともに「フランス語の学習が中断するのでは?」という不安に襲われたものです。
結果として渡星数か月後にNewtonにあるAlliance Françaiseでフランス語を再開することにしました。
この記事では、筆者がシンガポールでフランス語学習に取り組んでいたときの生活やコスモポリタンなシンガポールにおける諸外国の文化活動についてフランス語を中心にご紹介します。
回想がメインなので情報量は薄めです。それでも良いよ!という方はお付き合いください。
フランス語学校を探す
日仏の関係と星仏の関係の違いが影響?
フランス語を勉強しよう!と思い立ったときに考えたのが、日本にいたときと同じように語学学校に通うこと。
まず予想外だったのが、シンガポールにはアンスティチュフランセがないこと。シンガポールは外国人が非常に多いためきっとフランス語を学習するニーズも結構あるだろうと踏んでいましたが、当てが外れました。
代わりに見つけたのがアリアンスフランセーズAlliance Française de Singapourです。
ドイツの公的国際文化交流機関であるゲーテインスティテュートはシンガポールにあるので、国同士の関係性によるものなのかも。
アンスティチュフランセもアリアンスフランセーズもある日本はフランスとの結びつきが相当強いみたいですね。
最寄り駅はNewton。駅直結ではないのでスコールに降られると非常に困ります。
Alliance Française de Singapourでコースを探す
Alliance Française de Singapourはフランス語とフランス文化の教育を行う非営利団体であるアリアンスフランセーズのシンガポール支部で、様々な年代のシンガポール人やシンガポール居住者に向けてフランス語とフランス文化の普及を図っています。
支部によってかなり特色が異なるようで、シンガポールでは中国語のコースも開設されています。アリアンスフランセーズは現在5大陸137カ国に支部があるようです。
筆者が日本で通っていた日仏学院(Institut Français)もアリアンスフランセーズのようにフランス語を教えたり文化イベントを開催していたりするため両者は非常に似ている印象を受けますが、実は設立目的や沿革が全く異なる別団体です(Institut Françaisはフランスの公的機関、Alliance Françaiseは非営利団体)。
正直調べるまではAlliance FrançaiseはInstitut Françaisの縮小版かと思っていました…。
1階にカフェが併設されており、平日と日曜日は9:00から、土曜日は8:30からオープンしています。朝9:00からのコースを受講していたときはよくこのカフェで朝食を取っていました。
オンラインでグループレッスンを申し込む
講座の申込みはいたってシンプルで、公式ウェブサイトからリンクから簡単に申し込むことが出来ます。筆者はまず土曜日午前開始のB2コースを申し込みました。
申込と同時にアカウントが作成され、スケジュールを確認することが出来ました。
私が受講したのは土曜日の9時から13時まで4時間集中の総合フランス語コース。
コロナ禍ということもありオンライン参加者も多く、国籍もバラエティーに富んでいました。かなりの時差があるにも関わらずヨーロッパから出席する参加者もいて、コスモポリタンなシンガポールらしく様々な時事ネタが飛び交う楽しいコースでした(でも参加者のフランス語力が足りず結局英語になったりもしました)。
宿題が毎回出るので、課題をこなしたうえで授業に出席していました。WhatsAppのグループもあったので授業に関する質問をしたり、課題の添削を先生にお願いしたりして学習しました。
個人レッスン
グループレッスンだけではDALF C1の試験対策は不十分な感じがしたので、本格的に試験対策を行うために個人レッスンを受けることにしました。
ただ結論から申し上げると、この試みは成功しませんでした。理由は受講のモチベーションです。
ひとまず大学院留学を掲げたものの、DALF C1は特段求められておらずB2の次に行きたい程度の動機しかありませんでした。しかもIELTSの勉強にも意識を取られていたため、結果として課題の作文はB2レベルよりも下がってしまっていました。
それでもしばらく続けていましたが、購入した時間分を使い切ったタイミングで継続しないことに決めました。
DALF C1に再挑戦!
そして2022年6月にDALF C1を受検しました。
結果は40.5点。合格まであと9.5点でした(前回は36.5点だったので少しだけ成長)。科目別の結果は、リーディングが大健闘、リスニングはまあまあ、文書作成と口頭表現がボロボロというもの。
このあたりはヨーロッパのフランス語圏で頑張ります…。
シンガポールでフランス語の参考書を入手する
東京ならフランス語書籍専門の書店があったり外国書籍を扱う書店にフランス語コーナーがあったりしましたが、シンガポールは書店自体が少なく、本の価格も非常に高価です。
フランス語学習本を入手するために筆者がたどりついた方法は、シンガポールで最大規模の書店Books Kinokuniyaで買う方法と前述のAlliance Françaiseで入手するというもの。
Books Kinokuniya
シンガポールで書店を言えば紀伊國屋書店。書店形態の店舗はオーチャードとブギスにあり、高島屋の上階に入っているオーチャード店が最大です。
他にもローカルの書店はありますが、学生向けの参考書や読み物がメインの小規模なものが多く、フランス語を始めとする外国語の参考書はほぼ紀伊國屋書店かオンラインでしか入手できません。
私は元々書店巡りが好きでしたし、何より本は中身をしっかり確認してから購入したかったということもあり、よく足を運んでいました。
日本語で書かれた外国語学習本も充実しているのでかなり重宝します。
Alliance Françaiseで入手する
Alliance Françaiseには図書館があり、図書やCD、DVDを借りることができます。
語学の参考書やレベル別の読み物も貸し出していたので利用していました。「入手」というタイトルにしたのは、入り口前に設置した本棚で古くなった貸出用の本を無償で提供しているからです。
前述の個人レッスンではそうして入手した図書を教材として利用した(正確にはしようとした)ことがあります。
結局こちらのレベルが低すぎて活用できませんでしたが…。
シンガポールでフランスを探す
シンガポール在住のフランス人コミュニティーやフランスっぽい場所を探して歩いたりもしていました。
Voilah!
シンガポールでは年に1度、在シンガポールフランス大使館主催でフランス・シンガポールフェスティバルが開催されます。
タイトルはおそらくフランス語のVoilaとシングリッシュのLahから。
文化、教育、科学、ライフスタイルといった多岐にわたるジャンルのフランス関連イベントがシンガポールの色々なところで開催され、広告も主要な街頭やバス停で大々的に展開される、多分シンガポールで一番フランスを感じられる行事です。
筆者はSOTA(School of the Arts, Singapore)で開催されたクラシックコンサートやAlliance Françaiseで実施された展覧会を観に行きました。
フランス発のパン屋
日本に比べるとフランス関係の飲食店が進出している印象の薄いシンガポール。それでもPAULやメゾンカイザーは比較的どこにでもあります(それでも確か日本で人気のラデュレは無い)。
お値段は張りますが、クロワッサンやバゲットといった種類のパンはローカルパン屋よりもおいしいと思いました。
シンガポールのローカルパン屋は、クロワッサンよりもパイナップルパンやエッグタルトのほうが安くて美味しくておすすめです。
シンガポール発だけどフランスっぽいお店
チョンバル・ベーカリー
いわずと知れたフランスの有名パン職人ゴントラン・シェリエ氏のプロデュースの有名パン屋。
評判なだけあってクロワッサンやクイニーアマンは確かに美味しいです(高いけど)。筆者のお気に入りはCity Hall駅直結のFunan店です。
MERCI MARCEL
チョンバルにフランス人カップルがオープンしたフレンチカフェ・ビストロです。
シンガポールに複数店舗あり、ガレットをメインに据えた店舗FRENCH FOLDも2か所で展開。Telok Ayerの店舗を数度友人と利用しただけでしたが、雰囲気が良かった印象があります。
まとめ
シンガポールは非常にコスモポリタンですが、メインとなる言語はやはり英語や中国語ですし、欧米系の外国人が多いと言ってもベースは欧米というよりもアジア。
文化的な差異や日本人駐在員との給与格差が原因で欧米コミュニティーにたどり着くのは厳しかったです…泣
シンガポールは元イギリス領ということもあってかイギリスっぽいものを探すのには苦労しません。しかしフランスっぽいものを探すのは日本と同じかそれ以上にコスパが悪いです。これは言語学習にも当てはまります。
これは他のヨーロッパ言語にも言えそう。
ただシンガポールでも東アジア的なヨーロッパ文化への憧れを垣間見ることができたので、非常に面白い経験にはなりました。
以上です。
コメント