【大学院留学をするなら押さえておきたい】文系大学院留学のリスク5選

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筆者は2023年9月からジュネーブの大学院に留学中です。

筆者は以前記事にしたように留学から得られる様々なメリットを享受するため留学を決めたわけですが、一方で、留学にはリスク失われるものがあるのもまた事実。

留学を成功させるためには、そういった負の部分をあらかじめ認識し、うまく対応していくことがとても重要だと思います。

今回の記事では、そんな文系大学院留学のリスクを5点ご紹介します。

この記事における「文系」は、人文科学分野と社会科学分野を指す用語としてご理解ください。

文系大学院留学を検討中の方に参考にしていただければ幸いです。

対策しても避けられないマイナス点は厳密には「リスク」ではなく「デメリット」に分類されるものですが、この記事では分かりやすさを重視し全て「リスク」に統一してお話します。

目次

語学力は期待したほど向上しない可能性がある

大学院留学の目的は、英語もしくは現地語で学習や研究活動を行い、学位を取得することです。

留学先では外国語の論文を読んだり外国語でディスカッションをしたりする関係で、確かに外国語能力は向上しますが、ただそれはあくまで専門分野内の話。そもそも一定の外国語能力(特に英語力)がないと出願要件を満たさないため、スタート地点にも立てません。

なので、「留学をすれば英語(もしくは現地語)がペラペラになる」という考えは、目的と手段を取り違えていると言わざるを得ません。(外国語能力の向上だけを目指すのであれば、それは語学留学になってしまいます。)

もし現地語以外の外国語能力を伸ばしたい場合は、大学院付属の言語センター等に相談してみるのが良いでしょう。

いずれにしても、学位取得留学の場合はゴールに語学力の向上を含めないのが賢明です。

また論文の執筆に必要な語学力は日常会話の数レベル上のため、かなりの訓練が必要。そして最近は翻訳や校閲に使える便利なツールも色々あるため、ツールに頼ることで語学力の不足を補うことも可能。その意味でも語学力は期待しているほどには伸びないかもしれません。

高額な費用がかかる

大学院の場所やプログラムにもよりますが、生活費を含めて年間1,000万円以上かかるケースもザラにあります。(しかも学費は毎年上がっていく)

特に欧米への留学の場合、学費が安い国は簡単に見つかっても、生活費が安い国を探すのは難しいと思います。

ただ、学位(学部・修士・博士)留学に対応する奨学金はかなり充実しているため、それらを活用できれば留学は不可能ではありません。

しかも、近年は便利なデータベースがいくつもあります。筆者が参考になると思ったのは以下のサイト。対象国や年齢等の条件で絞り込んでいけば、受給可能性のある奨学金が分かります。

ただし、奨学金(特に給付型奨学金)の受給は容易ではありません。あくまで確率論ですが、大学院に合格するよりも難しいという話すら聞くレベル。

また奨学金によっては受給条件(卒業後の日本帰国義務や現地での就労義務等)が課せられていたり、貸与型であれば返済義務が生じる場合もあります。

出願時によく条件を確かめ、キャリアプランに合う奨学金に出願することが肝要です。

なお、そのように高額な費用を支払って留学したとしても文系大学院の学位は仕事に直結することが少なく、ペイする保証はどこにもありません。(詳しくは後述します。)

なお学費の面だけでいえばスイスはかなり割安です。

イメージしていたような学生生活が送れないかもしれない

プログラムの規模やカリキュラムにもよると思いますが、実際に入学してプログラムが開始してみないと、本当に自分に合うか分からない要素も多いです。

周りの学生の年齢やバックグラウンドにも、少なからず影響を受けることになります。

思ったよりも若い学生が多かったり、特定の国籍に偏っていることもあるかもしれません。大学ごとの独特な文化に馴染めない可能性もあります。

これは相性であったり自分の考え方の問題でもあるので、大学の説明会に参加したりOBOG訪問を行っても、全てがクリアになることはおそらくないでしょう。

またプログラムによっては要求される水準が非常に高かったり、課題が大量かつ過酷なこともあります。このあたりは前評判である程度わかるかもしれませんが、実際に自分がついていけるかは別。

授業についていけるのが不安であれば、MOOCsで試しに講義を受けてみるのも手です。

いずれにしても、何か上手くいかないことに直面したとき、自分で自分を納得させつつ、環境に適応していく気持ちがないと辛いです。

ある程度の年齢に達してから留学する場合、他の(若い)学生の輪に入りづらかったり、色々と違う生活を送る可能性もあります。

キャリアに直結するとは限らない

日本と異なり、海外では学位を持っているとキャリア上であると聞いたことがあるかと思います。

それは事実のようですが、実際に企業や国際機関に就職するときに重要なのは、学位そのものではなく、その学びを活かして何が出来るかであったり、これまでにどのような実績を積んでいるかといった要素です。

つまり、学位を取ったからと言って希望するキャリアや年収に到達できる保証はないということです。

特に文系の場合は専攻内容や学位がアドバンテージになることはほぼないので、出口戦略念頭に、能動的に動くことが肝です。

実際、日本ではこの点が大きなマイナスになるため文系大学院への進学をためらう人が多いようです。

さらに、年齢の壁も依然として存在します。特に2年以上の留学の場合、卒業時の年齢留学によりキャリアにブランクができることが、就職にマイナスに働く可能性があることを自覚しておく必要があるかもしれません。

大切な人と頻繁に会えなくなる

留学中は日本で生活していたときに比べると家族や友人、恋人と頻繁に会いづらくなります。

幸い現代ではインターネットがあるので、連絡を取り合うこと自体はすぐにできます。アプリを活用すれば費用も国際電話と比較して安価に済むことが多いでしょう。この点は、ホームシックになってしまっても安心できる点です。

しかし、特に欧米だと物理的な距離はとても遠いため、家族に何かあったとしても、すぐに駆け付けることはできません

もしものときのために、多少の準備や心づもりはしておいた方が安心かもしれません。

この点やアジアやオセアニアへの留学だとあまり考えなくても良いかもしれませんね。

まとめ

今回は文系大学院留学で想定される5つのデメリットを以下のとおりご紹介しました。

  • 思ったよりも外国語能力が向上しないかもしれない
  • 高額な費用がかかる
  • 思っていたような学生生活が送れないかもしれない
  • キャリアに直結するとは限らない
  • 大切な人と頻繁に会えなくなる

これらのリスクはどれも簡単に避けられるようなものではありませんが、個人の対策やマインドセット次第でプラスに変えられる可能性がありますし、知っておくことで留学をより意味のあるものにできると思います。

実際に留学すると分かる点も多いと思うので、また新しい発見があったら記事にしたいと思います。

以上です。

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