セーヌ川沿いの散歩、カフェテラスでのんびり過ごす午後―。
多くの人が思い描く「パリの夏」は、まるで映画のワンシーンのようです。
夏休みを取って念願のパリ旅行!という方も多いのではないでしょうか。
しかし観光という視点で見ると、真夏のパリ(7〜8月)は想像以上に厳しい季節です。
もちろん真夏ならではの魅力もありますが、この時期特有の事情を知らないと、体力も時間も思わぬ形で削られてしまうかもしれません。
そこで本記事では、
- 真夏のパリ旅行をおすすめしない4つの理由
- それでも行くなら必ず押さえておきたい6つの対策
を、現地での実体験とともに詳しくご紹介します。
これから真夏にパリ旅行を計画している方は、ぜひ最後まで読んで、後悔のない旅の準備に役立ててください。
なぜ「真夏のパリ」はおすすめできないのか?
パリは一年を通して多彩な魅力を持つ都市ですが、真夏(7〜8月)は他の季節とは少し違う顔を見せます。
華やかさの裏側には旅行者にとって思わぬ落とし穴が潜んでおり、計画や過ごし方を誤ると、せっかくの旅が台無しになってしまうことも。
ここからは、その中でも特に影響が大きい4つの理由をご紹介します。
まずは、旅行計画の段階から直撃する「お金」の問題です。
旅行コストが高騰する
真夏のパリはヨーロッパ全体のバカンスシーズンと重なるため、航空券や宿泊費が大幅に値上がりします。
特にパリ市内の宿泊施設は、オフシーズンに比べて1.5〜2倍の価格になることも珍しくありません。
ラグジュアリーホテルを例にとると、7月〜8月に宿泊する場合、前後の時期と比べて30%ほど値上がりするケースもあります。
パリはもともと住宅事情が厳しく、値段が高い=質が高いとは限らない街であることも影響して「1泊3万円以上払ったのに、エアコンなし・通りに面して騒音あり」という部屋も普通に存在します。
満足度を下げないためには、早めの予約やホテル会員制度の活用といった戦略が必須です。そうしないと、満足度は上がらないのに費用だけがうなぎ上りになります。
さらに、混雑でレストランや美術館の予約難易度が跳ね上がり、行列を避けるために割高なチケットを買ったり、暑さを避けるためにカフェに避難したり…。
こうした細かい出費が積み重なって、気づけば予算が数万円単位で膨らむこともあります。
「せっかく来たのだから」と少しだけ贅沢をしたつもりが、つもりに積もって予算オーバーに…真夏のパリでは、そんな落とし穴が待っています。
観光客だらけ&お店はバカンス
真夏のパリは、まさにピークシーズン。世界中からの観光客であふれかえります。
主要な観光スポットは早朝から行列ができ、人気の美術館や展望台では入場まで1〜2時間待ちになることも珍しくありません。ルーヴル美術館やエッフェル塔などは、事前予約をしていても入場までに時間がかかる場合があります。
しかも待機列が日陰にあるとは限らず、時間と体力がじわじわ削られることになります。


さらにやっかいなのが、パリ市民のバカンス文化。
7月中旬から8月にかけては、地元の人たちが南仏や海外へ長期休暇に出かけるため、個人経営のカフェやレストラン、ブティックが長期休業してしまいます。
「行きたかったあの店が閉まっていた」というのは、真夏のパリあるあるです。
観光客は増えるのに営業している店は減る…
つまり、少ない営業店舗に人が集中してさらに混むという悪循環が起こります。
特に人気エリアの飲食店は昼食や夕食の時間帯になると長蛇の列になり、入れなければ次の候補を探すだけで時間が過ぎてしまうことも。
こうした状況を避けるには、事前に営業日を調べておくこと、そして予約できる店は早めに押さえておくことが必須です。特に行きたいお店がある場合はこの手間を惜しむと取り返しがつかないこともあります。
そうでなくても、思い付きで入ったカフェが閉まっていたり、観光客であふれて店員さんがぶっきらぼうだったり…。
そんな小さなストレスも、積み重なれば旅全体の印象を大きく左右します。
街じゅうで工事ラッシュ
パリでは大規模な工事が行われるのは、決まって夏。
歴史的なモニュメントも夏の期間を狙って長期間の改修工事に入ることがあり、美しい外観がパネルに覆われたり、美術館の一部のセクションが立ち入り禁止になることも。
それだけなら「旅のちょっとしたガッカリ」で済みますが、問題は交通機関。
地下鉄・RERの線路更新など、インフラ整備の多くも利用者の少ない夏に集中するのが慣例です。

日本では公共工事を夜間や早朝に行うことが多いですが、パリではそのような配慮はほとんどありません。
通りの封鎖によって路線バスが迂回・運休になったり、メトロやRERの一部区間、場合によっては全区間が長期間運休になることもあります。
その結果、いつもなら1本で行ける場所に何倍もの時間をかけて行く羽目になることもしばしばです。

こうした工事は通常数週間は続くため、影響を受ける場所に宿を取ってしまったら、よほどの長期滞在でない限り滞在中ずっと影響を受けることになります。事前に交通局(RATPやSNCF)のサイトで運休情報を確認し、影響を受けない路線を選んで宿を取る・移動計画を立てることが重要です。
なお、Googleマップはルート変更や運休の反映が遅れることがあり、使えない路線を提案してくる場合があります。公式アプリも微妙なので、ネット情報だけを過信せず、メトロやバス停の表示を注意深くチェックしましょう。
増える猛暑日と足りない冷房設備
日差しこそ強くても空気は乾いており日陰に入れば快適に過ごせる日も多い、爽やかな夏のパリ。
日本のような高温多湿で不快な夏は少なく、カフェやレストランのテラスでのんびり過ごすには最高の気候です。
しかし近年、気候変動の影響で真夏の暑さは一変。
40℃近い猛暑や数日間続く熱波が珍しくなくなり、日陰でも暑さを完全にしのげない日が増えてきました。
これまで「必要ない」とされてきた冷房の欠如が、観光客にとって深刻な問題になっています。

パリにエアコンがない背景には「これまで不要だった」以外にも様々な要因があるものの、それを理解しても暑さが和らぐわけでもなく…短期滞在の観光客にとっては「休めない」「涼めない」という切実な問題です。
エアコンのない宿では、夜になっても室内の熱気が抜けず、扇風機だけでは眠れないほどの蒸し暑さが続きます。
日中の観光でも、涼しいはずのカフェや美術館がほとんど冷房なしということも多く、少し歩くだけで体力が削られます。
おまけにメトロやバスも一部を除き基本的に冷房なし。窓を開ければ今度は外気汚染が気になります。
そこに来て前述の公共交通機関の工事が行く手を阻みます。
結果として行動範囲を狭めざるを得ず、訪れる予定だったスポットを諦めざるを得なくなることも…。
さらに、エアコン付きの宿は基本的に3つ星以上で価格も高め。
気象予報を見てから決める方法もありますが、直前に熱波予報が出ることもあり、完璧な判断は難しいのが現実です。
結局のところ、事前にエアコン付きの宿を確保し、涼めるスポットを把握しておくことが、真夏のパリを快適に過ごすための必須条件です。
この項目では猛暑によって滞在体験が過酷になる旨を説明しましたが、フランスではインフラそのものにも影響が出る例も相次いでいます。
例えば、2025年8月10日には猛暑の影響でSNCFが南部方面の一部列車を運休しました。
高温による線路や設備へのダメージを避けるための措置ですが、旅行者にとっては「行きたい場所にたどり着けない」事態になりかねません。エアコンのない車両や駅構内での待機も体力を奪われるため、猛暑期の移動は計画段階から余裕を持たせることが重要です。
参考記事:SNCF : quels sont les trains supprimés à cause des fortes chaleurs ?
それでも真夏にパリに行くなら?最低限知っておくべき対策6選
ここまでご紹介したように、真夏のパリは気候や環境、混雑や工事など、観光客にとって厳しい条件が重なります。
とはいえ、学校や仕事の都合で「どうしてもこの時期しか行けない」という方も少なくないはず。
真夏のパリを快適に過ごすカギは、「事前準備」と「現地での立ち回り」です。
ちょっとした工夫や計画の差が、旅の満足度を大きく左右します。
ここからは、私が実際に滞在して効果があった対策や、同じ失敗を繰り返さないためのポイントを6つご紹介します。
まずは、旅の快適さを左右する最大の要素―宿選びからです。
宿選びは「エアコン・レビュー・立地」の三拍子
真夏のパリで快適に過ごせるかどうかは、宿選びにかかっています。
特に重要なのはエアコンの有無、宿泊者レビュー、立地の3つです。
エアコン付きの宿は数が限られ、特に3つ星以上のホテルや高級アパートメントに偏っています。
早めに予約しないと、選択肢がほとんど残っていない状態になることもあります。
予約サイトで「air conditioning(エアコン)」にチェックを入れるだけで候補が激減することからも、その希少性が分かります。
レビューは必ず複数チェックしましょう。
エアコンが「ある」と書かれていても、日本のような壁掛け型ではなく、室外機が設置できないための屋内タイプや、弱すぎて効かないポータブル型も多くあります。中には故障していて使えないまま放置されているケースも珍しくありません。
特に熱波が予報されている時期は、この点が快適さを大きく左右します。
重要なのは、「良いレビュー」だけでなく「悪いレビュー」にも気を配ること。
エアコンに関する不満が複数書かれている宿は、たとえ立地や価格が魅力的でも、避けた方が無難です。
私自身この点を軽く見てしまい、Airbnbでかなり大変な思いをした経験があります。
詳細は別記事で紹介していますが、同じ失敗を繰り返さないためにも、このチェックは欠かさないでください。
立地も重要です。
日中の暑さで体力を消耗するため、観光エリアや主要交通機関へのアクセスが良い場所に宿を取れば、無駄な移動を減らせます。
ただし、メトロ駅が近くても、その路線が工事で運休していれば意味がないため、運行情報の事前確認は必須です。
さらに、近くにスーパーやカフェがあれば、水分補給や休憩もスムーズです。
ただし個人商店の多いエリアでは、バカンス期間に休業する店も多いため要注意。
観光客向けの店舗が多いエリアであれば、その点は比較的安心です。
詰め込みすぎNG!“長めの旅程”で余裕ある動きを
前述の通り、真夏のパリは、計画通りに動くこと自体が難しい街になります。
観光客であふれる人気スポット、長蛇の列、突然の交通工事、そして行きたかったお店の長期休業…。
これらが重なると、分単位で組んだスケジュールはすぐに破綻してしまいます。
そこでおすすめしたいのが、とにかく「予定を詰め込みすぎない」こと。
日数に余裕を持たせるか、あるいは一日の観光予定をあえて少なめ(一日に2か所程度が目安)に設定し、思いがけないトラブルや行列の待ち時間に対応できる“余白”を作っておくのです。
例えば、主要スポットを一気に回るのではなく、エリアごとに分けて訪れる。午前中だけ観光して午後はカフェや公園で過ごす日を作る。時間が足りなくなりそうなら、思い切って別日に回すか次回のパリ訪問時のために取っておく。
こうした工夫をするだけで、慌ただしさから解放され、パリの空気をじっくり味わう時間が生まれます。
余裕のあるスケジュールは、暑さによる疲労やイライラを軽減し、結果的に旅の満足度を大きく高めてくれます。
また、移動の負担を減らす工夫も有効です。特に滞在期間が短く効率的に動く必要がある場合は、次に紹介する観光バスを活用するのが便利です。

疲れや焦りが顔に出ていると、スリのような犯罪を招き寄せてしまうおそれもあります。防犯の観点からも日程には余裕を持ちましょう!
観光バスを活用する
普段のパリ観光であれば、路線バスやメトロを使えば十分に移動できます。
費用も安く、地元の生活感を感じられるのが魅力です。
路線も多いので行きたい場所に簡単に行けますし、観光バス並みの美しい車窓風景を眺められる路線もあります。
しかし、真夏は状況が一変します。
前述の通り、この時期は地下鉄・RER・路線バスが大規模工事やルート変更に巻き込まれやすく、とにかく思い通りに移動できません。
メトロの運休区間には代替のバス路線が用意されていたりもしますが、そういう場合は大抵Google Mapsなどでカバーしていなかったり、案内がフランス語のみだったりと、あくまで地元民向けです。旅行者が同じ感覚で利用するのはかなりハードルが高い…というのが正直なところ。
それでいて、Googleマップの案内どおりに向かったら運休中だった、というのも珍しくありません。
そのような状況で公共交通機関にこだわるのは、貴重な時間をどぶに捨てるようなもの。
こうした「移動の読みづらさ」を解消する手段として利用価値が高いのが、Big Busのような観光スポットを周回するバス。Hop-on Hop-off型の観光バスなら、主要な観光スポットをカバーしつつ定時運行されるため、運休や大幅な遅延のリスクが少なく、移動と観光を同時にこなせます。
ルートが固定されているので、工事による大幅な迂回や乗り換え地獄からもある程度解放されます。
観光スポットの近くに宿を取っているなら、そのまま便利な移動手段としても利用できますね。

もちろん料金は公共交通より割高ですが、真夏に限っては「移動がストレスなくできる」という安心感が大きな価値になります。短期間の滞在や、家族連れ・高齢の同行者がいる場合は特に検討する価値があります。
なお、パリ滞在を短く区切って近郊や地方都市に足を伸ばすという選択肢も、人混みや移動のストレスから解放されるための手段の一つです。
地方都市と組み合わせて“涼と癒やし”を手に入れる
フランスでの滞在日数が長い場合、思い切って近郊や地方都市に足を伸ばすのも賢い選択です。
混雑した大都市を離れることで、人混みや交通工事によるストレスから解放され、旅にメリハリが生まれます。
地域によってはパリよりも数度気温が低く、パリの暑さから解放されたい場合にもピッタリ。
例えばノルマンディー地方は、海沿いの港町や中世の街並み、美しい田園風景がコンパクトにまとまっており、パリから鉄道やバスで比較的簡単にアクセスが可能です。

海風が心地よく、夏でも過ごしやすい日が多いため、避暑を兼ねた小旅行にぴったりです。

ほかにも、ワインの名産地ブルゴーニュや、古城巡りが楽しめるロワール地方など、パリから日帰り〜1泊で行ける場所は多数あります。
いずれもパリとは違った表情のフランスを体験でき、旅全体の満足度を大きく高めてくれます。
なお南仏や内陸部も人気の旅行先ではありますが、(先述のとおり)近年は猛暑の影響で鉄道が運休する事例もあり、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
特に旅行期間が短い場合やフライトスケジュールなど予定の変更が難しい場合は、パリに留まるか、なるべく涼しい北方面の地方都市を組み合わせるのが安心です。その意味でも、前述のノルマンディーやブルターニュは夏におすすめの旅行先といえるでしょう。
“文化施設とデパート”で暑さを乗り切る!
真夏のパリ観光で頼りになるのが、冷房が効いた文化施設や大型デパート。
外を長時間歩くのがつらい日でも、ここなら快適に過ごしながら観光や買い物を楽しめます。
文化施設(美術館や博物館など)は、展示をじっくり鑑賞しながら休憩できる“涼しい避難所”です。
例えば、ルーヴル美術館は館内が広く冷房も完備。ただし混雑するので、朝一番か夕方の入館がおすすめです。オルセー美術館は展示室ごとに空調が効いており、美しいガラス屋根の下でも快適(ただし人混みによる熱気だけはどうしようもできません…)。
フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France, BnF)も美しい建築を愛でながらのんびりしたり作業したりする場所としておすすめ。
大型デパートや商業施設も強い味方です。
ギャラリー・ラファイエットやプランタン(どちらもオペラ地区)は冷房完備で、買い物やカフェ休憩も可能。ラファイエットには屋上テラスがあり、夕方は涼しい風と絶景を同時に楽しめます。他にはサマリテーヌ(ポンヌフ近く)は全面改装され、空調も快適。セーヌ川沿いの散策の合間に立ち寄るのもおすすめです。

さらに、フォーラム・デ・アルのような地下型ショッピングモールは外気温の影響が少なく、昼間の避暑地として優秀です。お店のラインナップが庶民派寄りで日本でもおなじみのチェーン店が入っていたりするので、気軽に休憩できます。
旅行時期がちょうど暑さの厳しい期間に当たってしまった場合でも、こうしたスポットを旅程に織り込んでおけば、体力を回復しながらパリ観光を満喫できます。
水と帽子は命綱!熱中症対策を本気で
真夏のパリでは、こまめな水分補給が必須!ペットボトルの水は観光地周辺だと1本3〜5ユーロすることもあるので、スーパーや地元のパン屋などで事前に購入し、常に持ち歩きましょう。
また、マイボトルの持ち歩きもおすすめです。市内各所にある無料の水飲み場(fontaine à eau)も活用できますが、場所によっては見つけにくいのでGoogleマップで事前チェックを。最近はメトロやRERの駅にも給水所が設けられていることも多く、手元にマイボトルがあれば無料で水分を確保することができます。
なおカフェは至る所にありますが、基本的にくつろぐ場所。
さっと水分補給するという用途に使うのは厳しいです。
また、日差し対策として帽子はマストアイテム。パリは日差しが強く、曇りでも紫外線量は高め。つば広の帽子やキャップは熱中症だけでなく日焼け防止にも役立ちます。特に観光地では木陰が少ない場所も多く、帽子があるだけで体感温度が変わります。
加えて、軽くて折りたためる扇子やハンディファンもおすすめ。パリ市内でも使っている人をよく見かけますし、日本製は性能が良くファッション性も高いので、旅のアクセントにもなります。ひとつ買って鞄に忍ばせておきましょう。
最後に、涼しい室内で休憩するタイミングを意識的に確保しましょう。博物館やカフェ、大型商業施設などを「避難所」として旅程に組み込み、炎天下を長時間歩き続けることは避けるのが賢明です。
真夏のパリを生き抜く!日本から持って行くべき必須アイテム
真夏のパリは想像以上に過酷。日差しの強さ、冷房の少なさ、そして移動や観光時の体力消耗…これらを乗り切るためには、快適で安心なアイテムに頼るのがベスト!
なかにはフランスで似たようなものが入手可能なこともありますが、やっぱり品質面、価格面、購入のしやすさ(お店探しの手間や言語的なハードル)などを考慮すると、結局は日本で買って持参するのが一番です。
ここでは、筆者が実際に役立ったと感じた「真夏のパリ必携グッズ」をご紹介します。
旅行前に揃えておけば現地での時間と体力の節約にもつながります。
扇子
真夏のパリで想像以上に役立つのが、日本の扇子。軽くて場所を取らず、開けばすぐ涼しい風を起こせます。
最近は現地でも扇子を使っている人は多く、特にエアコンのない路線バス内や日陰の少ない観光地で活躍します。日本製ならデザインも豊富で丈夫、旅のファッションアイテムとしても映えます。
ハンディファン(USB充電式)
長時間の屋外観光や列待ちの必須アイテム。
USB充電式ならホテルやカフェで簡単に充電でき、モバイルバッテリーとも相性抜群。風量調整ができるモデルを選べば、炎天下だけでなく美術館やカフェの中でも快適に使えます。立てて置けるタイプであればエアコンのない宿でも涼を取ることができます。
コンパクトで持ち歩きやすいタイプを選ぶと荷物になりません。
Airism等の速乾インナー
高温多湿の日本ほどではないものの、真夏のパリでも汗はかきます(熱波が来たら日本と同じように汗だくになります)。速乾性インナーは肌離れが良くベタつきや冷えを防ぐため、観光中の快適さが格段に違います。
なおパリにもユニクロがあるので一応現地調達もできますが、日本で購入する場合よりも非常に割高なので、日本から持参するのが断然おすすめ。
サングラス(UVカット)
パリは緯度が高く、曇りでも紫外線量は日本より高め。目からの紫外線対策は必須です。
もちろん現地でも調達できますが、取り扱いサイズやデザインがアジア人に合うか分からないという問題があります。
UVカット機能付きサングラスは、目の疲れや日焼けを防ぎつつ、旅行コーデのアクセントにもなります。現地のカフェテラスやセーヌ川沿いの散歩にぴったり。
マイボトル
市内各所にある無料の水飲み場(fontaine à eau)を利用すれば、水分補給代を節約可能。マイボトルがあれば、冷たい水を持ち歩けます。
保冷機能付きのものを選べば、炎天下でも長時間冷たさをキープできます。
汗拭きシート
メトロや観光地の混雑で汗ばんだときに、さっと使える便利アイテム。
現地でもウェットティッシュは買えますが、メントール入りや香り付きの日本製は種類豊富で使い心地も抜群。観光中のリフレッシュに最適です。
日焼け止め(高SPF/PA)
特に屋外観光や川沿いの散歩では、肌の紫外線対策が必須。高SPF・PA値の日焼け止めを選び、こまめに塗り直しましょう。日本製は塗り心地が軽く、白浮きしにくいのが魅力。
使い慣れたものを持参すれば、肌トラブルを心配する必要もありませんね。
帽子(つば広 or キャップ)
日差しの強い時間帯に外を歩くなら必携。つば広タイプは顔全体をカバーでき、キャップはカジュアルに合わせやすいのが魅力。
観光地は木陰が少ない場所も多いので、帽子があるだけで体感温度がかなり違います。
折りたたみ傘(日傘兼用)
パリの天気は変わりやすく、突然のにわか雨も珍しくありません。
UVカット機能付きなら日傘としても使え、日差しの強い時間帯の観光も快適になります。
ただしちょっとした問題点もあります。
現地で日傘を使っている人がほぼいないので目立つのです(雨傘も使わない人が多いですが)。
日傘を持っていく場合は周囲に気を付けて使いましょう!
虫よけスプレー
もしエアコンのない宿泊先を選ぶ場合、夜間暑さをしのぐためには窓を開けることになります。
フランスでは基本的に網戸は設置されていないので、よほどの高層階でもない限り虫が入り放題に…。
こういうときのために虫よけスプレーを持参しておくと役立ちます。
まとめ:「真夏のパリ」を楽しむには覚悟と少しの工夫が必要
真夏のパリは、観光客にとってはちょっと厳しい時期。
しかし、あらかじめ心構えとちょっとした工夫をしておけば、そんな環境も旅の一部として楽しむことができます。
予定を詰め込みすぎず、涼しいスポットや地方都市を組み合わせ、体力を回復できる時間を確保する。
そして、自分に合った暑さ対策アイテムを用意しておくことで、余裕を持って街の空気や日常の風景に触れられるはずです。
“完璧な計画”よりも、“柔軟に楽しむ余白”を大切に―。
それが、真夏のパリを最後まで心地よく味わうための最大のコツです。
お気に入りの場所を見つけられたら、もっとパリやフランスが好きになるかも。
以上です!
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