台湾の鉄道旅行のお供といえば「台鐵便當(台鉄弁当)」!
台湾らしい旅情を味わうのにぴったりの存在です。

台湾では便當は「Biandang」ではなく日本式に「Bento」って呼ぶんですね。なんだか親近感が湧きます。
台北駅には複数の直営店があり、定番の排骨弁当から鮭弁当、ベジタリアン向けまで種類も豊富。
今回筆者は鉄道旅の予定こそありませんでしたが、せっかくなのでいくつか実食してきました。
この記事では、台北駅で実際に購入した台鐵便當を写真付きで紹介します。
購入場所や支払い方法など、旅行者目線での実用情報もまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
台鐵便當とは?台北駅で買える「台湾の駅弁文化」
台北駅の中央ロビーは、天井まで吹き抜けになった開放的な空間。
その一角にある「台鐵便當本舖」は、地元の人にも観光客にも人気の駅弁ブランドです。
ここで販売される弁当は、いわば台湾の旅の味そのもの。
鉄道に乗らなくてもちょっとした鉄道旅行気分を味わえます。

台湾駅弁の概要
台湾の駅弁はお昼の時間から少し温かい状態で販売。
毎日10時くらいには、弁当が売り場まで運ばれる様子を見ることができます。
駅弁の内容は骨付きの豚肉(排骨)や焼き魚をメインに、さつま揚げや野菜といった副菜があり、その下にご飯、という構成が定番。台鉄公司が展開する公式ブランド台鐵便當(TR Bento)は、その代表格です。
鉄道利用者でなくても購入可能で、実際に台北駅では改札外でも買える店舗が複数あります。
台鐵便當以外にも様々なブランドがあり、内容や価格も様々なので、好みや気分に応じて選べるのが嬉しいところ。
駅弁という名称ですが普通にランチで食べる目的で買う人も多く、専用のイートインコーナーはありませんが、駅構内のベンチなどで食べている人を結構見かけます。
人気の駅弁はすぐに売り切れてしまうので、お目当てがある場合は早めに確保しないといけません。
台北駅構内の販売店
台北駅には公式直営の「台鐵便當本舖」が1号店〜5号店まで計5店舗あります。
他に地下1階の通路や1階にもお店やスタンドが多数あり、そちらでも弁当を買うことができます。

そのうち特にアクセスしやすいのが1階にある1号店と地下1階にある2号店。
それぞれ台鉄グッズも販売しているので、ついでに買っても良いかも。


台鐵便當本舖の駅弁の種類
台鐵便當本舖では、常時7〜8種類ほどの弁当が販売されています。
基本は肉系ですが、魚系やベジ系もバランスよく揃っています。
昼前の時間帯にはすでに行列ができており、人気メニューは早めに売り切れてしまうことも。

代表的なメニューは以下の通りです。
一部は車内限定販売ですが、台北駅の店舗でも多くの種類を購入できます。
| 弁当 | 価格 | 説明 |
|---|---|---|
| 懷舊排骨菜飯 | 100NTD | 素朴な味わいが人気のクラシック排骨弁当。 |
| 排骨經典便當 | 100NTD | 台湾駅弁の定番メニュー。 |
| 鮭魚元寶便當 | 150NTD | 焼き鮭弁当。魚派にもおすすめ。 |
| 素食便當 | 100NTD | 野菜中心のシンプルな弁当。ベジタリアン向け。 |
| 蔥油鹹水雞便當 | 120NTD | 鶏むね肉を葱油ソースで味付けしたあっさり系。 |
| 植物肉蔬食便當(蛋素) | 100NTD | 植物由来の擬肉を使ったベジ弁当。 |
| 五行素便當(紫米飯) | 120NTD | 紫米ご飯と彩り野菜が映えるヘルシー弁当。 |
駅弁は100NTD(約500円)からと、結構リーズナブル。
列車に乗らずに駅構内で食べても旅気分が味わえるのが楽しいです。
次からは食べた弁当の感想をご紹介。
その1:排骨經典便當
台鐵便當の人気メニューのひとつがこの「排骨經典便當」。
定番中の定番メニューです。
公式サイトによると、白ごはんの上に台湾産の排骨(豚の一枚肉)、豆包(遺伝子組み換え大豆非使用)、煮卵、そして日替わりの副菜がのった弁当とのこと。「毎日・昼夜限定での数量販売」で、現地では予約注文も可能だそうです。
筆者は台北駅構内の台鐵便當本舖1号店で購入しました。時間は11時半くらい。
ランチタイムより少し早めの時間帯に行ったのですが、既に軽い行列ができていました。


排骨は台湾らしい八角が香る感じですが、そこまでどぎつい感じでもなく。脂っこさもなく甘辛い感じの味付け。しっとりとした食感で、噛むほどにうま味が広がります。
あっさりとした副菜の豆包(厚揚げ風)や野菜炒めが排骨のスパイスを中和しており、エスニックすぎないちょうどいいバランス。どの具材もごはんとよく合います。
総じて、派手さはないけれど食べ終わったあとにちゃんと満足感が残る一品。
味・量・価格のバランスが良く、初めて台鐵便當を試すならこれがおすすめ。
その2:鮭魚元寶便當
「鮭魚元寶便當」は、肉料理が中心の台鐵便當のなかでは珍しい魚メインの弁当。
いわゆるシャケ弁の台湾バージョンといったところで日本人にも取っつきやすく、野菜も入っているので栄養バランスが良いです。鮭に小骨があることがあるので食べるときは要注意。
公式サイトでは「白ごはんの上に焼き鮭、卵餃(肉入り卵包み)、韭黄炒豆干(ニラと豆腐干の炒め物)などを添えたバランス弁当」と紹介されています。
こちらの弁当については、筆者は台北駅構内の台鐵便當本舖2号店で購入。
1号店よりも落ち着いた雰囲気で、グッズショップやパン屋も併設されていました。

内容は、焼き鮭(皮付き)、卵餃(中に肉とスープが入ったオムレツ風)、韭黄炒豆干(ニラと豆腐干の炒め物)、青菜のおひたし、白ごはん。
魚がメインでありつつも肉も入っており、色合いも鮮やか。見た目にも満足感があり、「おかずの多い幕の内弁当」に近い印象です。
そんななかでも驚いたのは卵餃(オムレツのような卵包み)。一口かじると中からスープがじゅわっと出てきて、台湾名物の小籠包のよう。弁当用の具入りオムレツ自体は日本でも見かけますが、スープが入っていることはないので新鮮でした。
鮭は塩分控えめで、スパイスの香りは特にしません。魚・肉・野菜のバランスが絶妙で、全体に上品な印象。
さらに副菜の豆干炒めもさっぱり目だったりと、全体的に日本人好みかもしれませんね。
150NTD(約750円)と他の弁当と比べてやや高めですが、食べごたえと彩りの良さを考えると十分納得のクオリティです。
その3:懷舊排骨菜飯
「懷舊排骨菜飯」は、その名のとおり「懐かしの味」を再現した台鐵弁当。
炒飯のような香りをまとったごはんと、柔らかい排骨の組み合わせが特徴です。
公式サイトによると、米飯には干しエビ(蝦米)や揚げエシャロット(油蔥酥)を混ぜ込み、約30分かけて丁寧に炊き上げているとのこと。排骨は台湾産の肉のなかでも前端の柔らかい部位を使用し、手作業でたたいてから特製タレに漬け込み、揚げてから煮込独自の調理法(炸滷)で仕上げているそうです。

筆者は食べられましたが、重度の甲殻類アレルギー持ちは要注意。
筆者は台北駅構内の台鐵便當本舖1号店で購入。
昼過ぎには売り切れていることが多く、非常に人気が高いことが伺えます。

内容は、排骨(醤油ベースで味付けされた豚肉)、滷蛋(煮卵)、青菜、炒めキャベツなどの副菜、特製菜飯(蝦米と油蔥酥入り)。
全体的に色味は落ち着いていますが、香りがよく、食欲をそそります。ごはんにしっかり味がついているので、単品でもおかず感があります。
一見すると他の排骨弁当と似ていますが、実際にはまったく別物。排骨自体はいわゆる普通の排骨ですが、ごはんにはエビとエシャロットの香りがほんのり移っていて、シンプルながらも味に奥行きがあります。副菜はさっぱりしており、全体としてバランスの取れた構成でした。
100NTD(約500円)という価格も良心的で、肉系弁当のなかでは具材とご飯の総合的な満足度が高い一品です。
支払い方法と注意点
台湾の駅弁を購入するときに知っておきたい点をまとめました。
支払い手段
台鐵便當本舖では、現金・悠遊卡(EasyCard)・クレジットカードの3種類が利用可能です。
筆者が実際に1号店でクレジットカード決済を利用した際もスムーズに処理され、海外発行カードでも問題なく支払えました。ただし、通信状況や機器トラブルによっては利用できないこともあるため、念のため少額の現金を持っておくと安心です。
購入タイミング
台北駅で駅弁を販売している場所はいくつもありますが、やっぱり台鐵便當本舖は安定した人気があります。
11時30分頃になると行列ができはじめ、人気の排骨弁当などはかなり早い時間帯に売り切れてしまうことも。
売り切れた弁当には「售完」(売り切れ)と表示されます。

13時台にはかなり選択肢が少なくなってくるので、確実に食べたい場合は11時頃には台北駅へ行くのがベスト。
この時間帯ならまだ全メニューが揃っています。
袋は有料
割り箸は無料もらえますが、袋は有料(1NTD)です。
買った弁当をどこで食べるか
台北駅構内はかなり広いですが、買った弁当を座って食べられる場所はそこまで多くありません。
定番は待ち合いエリア
具体的な場所としてまず挙げられるのが、ベンチが並ぶ待ち合いエリア。
観光客や地元の人がここで軽食を取っている光景もよく見かけます。
写真のように改札外にあるため、列車に乗らない人でも気軽に利用可能。
ただし席数がかなり限られており、昼過ぎにはほぼ満員状態になります。利用する場合は、早めの時間帯にサッと食べて席を譲るのがスマートです。
また、週末は外国人労働者の利用が非常に多く、混雑が一層激しくなるため、静かに食べたい場合は平日の午前が狙い目です。

フードコートは微妙
2階にあるフードコート「台湾夜市」で台鐵便當を食べている人も割と見かけます。
ただし、本来ここは外部からの飲食物持ち込みが禁止されているスペース。
つまり、実際には「黙認されている」状態に近いのが現状です。
堂々と弁当を広げて食べるのはおすすめできません。
とはいえ、座って食事ができるオープンスペースが非常に少ない台北駅では貴重な存在であることも確か。
やむをえず利用する場合は、
- フードコート内で販売されているドリンクや軽食を一緒に購入する
- 混雑時間帯(昼12時前後)を避ける
- 食後は速やかに片づける
といった配慮を心がけると良いでしょう。

吹き抜けロビーなどは非推奨
台北駅の吹き抜けロビーは写真映えする名所ですが、食事を取る場所としてはあまりおすすめできません。
特に休日になると写真のように多くの人(多くは外国人労働者)が床に座って休憩したり、持ち寄りの食事を広げたりしており、一見「ピクニック」のような光景に。旅行者がそこで弁当を食べるのは場違いな印象を与えます。

また、ロビーの一部には長時間滞在する人や大荷物を抱えた人が常時いる場所もあり、衛生面・治安面の観点からも落ち着いて食事をするには不向きです。
どうしても駅構内で食べる場所が見つからないなら、持ち帰ってホテルの部屋で食べるのも手です。
番外編:コンビニで買える駅弁
台鐵便當とは違いますが、台湾の有名駅弁(に近い物)がコンビニでも買えることがあります。

セブンイレブンやファミリーマートといった大手チェーンでは人気ブランドとコラボした弁当が常時店頭に並んでおり、タイミングによってはその中に有名な駅弁ブランドがラインナップされていることも。
写真は、台湾の大人気駅弁の販売元である奮起湖大飯店が監修した「奮起湖秘製滷排飯」。
コンビニご飯なので味はもちろん本場と完璧に一緒とはいかないと思いますが、台北から行くにはちょっと遠い奮起湖大飯店に行った気分が味わえるので得をした気分になれます。
台北駅までわざわざ行く気にはなれないけれど、「それっぽいもの」を味わいたい人や、できたて熱々の駅弁を食べたい人にはうってつけ。気軽に台湾らしさを感じられる、ちょっとした旅の味です。
まとめ
今回は初めて台湾に(自分としては)長く滞在したので、台北駅で販売されている駅弁にトライしてみました。
100NTDからと比較的リーズナブルながら満足度が高いと感じました。
ただ一点気になったのが、アレルゲン表示が初見だと分かりづらいと感じたこと。
アレルゲンについては購入時にスタッフに確認するのが確実だとは思いますが、大勢が殺到するピークタイムは正直そういったやり取りがしづらい雰囲気。そもそも英語や日本語が通じるかも分かりません。
アレルゲンが気になる方は、あらかじめ公式ウェブサイトのアレルゲン情報をチェックしておくのが安全です。
今回は台北駅で3種類を実食しましたが、まだ蔥油鹹水雞便當など気になるメニューが残っています。
次回はそれらも含めて、よりディープな台鐵便當の世界を探ってみたいと思います。
以上です!
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