エジプト航空のホーム空港といえばカイロ国際空港。
今回カイロ国際空港のトランジットエリアで4時間半ほど過ごす機会があったので、カイロ国際空港の物価やお店の種類などを調べてみました。
この記事では、その結果を踏まえて具体的な施設の情報や暇つぶしの方法を紹介します。
カイロ国際空港でトランジット予定のある方の参考になれば幸いです。
着陸~トランジットエリアに入るまで&空港内の雰囲気
まずはトランジットエリアに入るまでの所要時間と雰囲気をご紹介。
着陸からトランジットエリアまでは20分ほど
トランジットエリアには、降機後に international transfer 用のチケットチェックを受けてから入ることができます。
今回は 20:10に着陸し、20:30にはトランジットエリアに到着 できました。所要時間は約20分とスムーズ。
チケットチェックは係員が1人いるだけの簡素なもの。夜間だったためか、混雑はほとんどなくスムーズに通過できました。
トランジットエリアの雰囲気
トランジットエリアは夜間でも人が多く、想像以上に賑わっていました。
店舗数は「必要十分」といった印象で、カフェ、ファストフード、土産物店、免税店などが一通り揃っています。
ただし 休憩用のベンチは少なめ。座って休憩するには店舗の椅子を使うことが多くなりそうです。注文しないと座れない雰囲気かと思いきや、実際にはかなり緩めで、空席があれば自由に使える印象でした。
次の項目では、飲食店のラインナップと物価を紹介します。
飲食店とカフェ事情
トランジットエリアには、いくつかのカフェやレストラン、ファストフード店があります。品揃えとしては必要十分ですが、物価や価格表示には独特のクセがあるのが印象的でした。ここでは実際に調査した内容を紹介します。

洋食系のレストランとファストフードが中心
空港内で目立つのは、セガフレードなどのカフェや、バーガーキングなどのファストフード店。ほかにピザやパスタを扱う洋食系レストランもあり、ステーキやハンバーガーなどがメニューに並んでいます。
パブのようにアルコール類を提供するお店もありました。
一方で、コシャリやファラフェルといったいわゆるエジプト料理やアラブ料理を提供する飲食店は残念ながら見当たりませんでした。短時間のトランジットで「本場の味」を期待すると肩透かしになるかもしれません。
なお一部の飲食店ではアメリカドルやユーロといった外貨による決済も可能な様子でした。

こういう場所にはマクドナルドも出店していそうですが、ありませんでした。
価格帯はかなり高め&不明瞭
全体的に価格はエジプト市内の相場と比べて桁違いに高く、ヨーロッパの空港と同等かやや安い程度です。


実際の値付けを基にした参考価格は以下の通りです(参考レートは1EGP≒3.05円)。
- セガフレード:クロワッサン 179 EGP、アイスアメリカーノ 249 EGP
- 軽食:ピザ 330 EGP、サンド 315 EGP、サラダ 220 EGP、ケーキ 220 EGP
- バーガーキング:ワッパーセット 470 EGP
- レストラン系:ステーキ 1000 EGP前後、パスタ 400 EGP前後、ハンバーガー 500 EGP前後
- ドリンク:水 40 EGP、エビアン 205 EGP、レッドブル 195 EGP、ビール 350 EGP
ちなみに市内価格(参考)はこちら。もちろん店舗による価格差はあるものの、一見して空港が非常に割高であることが分かります。
- クロワッサン:21-45 EGP
- 軽食・サンドイッチ:50-120 EGP
- 飲料水(普通のペットボトル):10-30 EGP
- コーヒー / カフェのドリンク:30-80 EGP(※スタバや高級チェーンだともっと高くなる)
また、全体的に価格表示が諸外国と比較して分かりにくく(商品に価格表示がない、価格表が準備されていない)、また値段が不透明(店員が口頭で誤った金額を伝えるなど)な場面も多くありました。最終的な金額はレジで確定するため、価格が明示されていない商品を購入するときに注意が必要です。

注文を受けて準備するような商品を購入する場合は価格が判明するタイミングではもう返品できない状況であることも考えられるので、十分な現金かカードを準備しておくことが必須です。

店頭で飲み物の価格表示がされていなかったセガフレードで「なぜ価格表示がないのか?」と尋ねたところ、エジプトポンドの為替の関係でたまたまその日に価格改定があり、価格表を作り直している途中だという回答でした。じゃあどうしてフードの価格表示はちゃんとあるの?というツッコミはしないでおきましたが、やっぱりモヤモヤしました。
充電ができる場所は少ない
最近は羽田空港をはじめとする多くの空港で搭乗口前の座席に充電設備が備えられていることが多いですが、カイロ国際空港ではそのような設備はありません。
また電源が設置されている店舗も少なく、筆者が電源設備を確認できたのはセガフレードのみ。
作業や長時間の滞在を考えている方は、この店舗を拠点にすると安心です。
ただし空港Wi-FiはSMS認証必須のため、SMSを受け取れない場合はネット環境を事前に用意しておく必要があります(詳しくは後ほどご紹介します)。
土産物屋と価格体系
トランジットエリアには、いわゆる「定番エジプト土産」を扱う店舗が並んでいます。
パピルスの絵や小物、香り付きの石鹸、置物など、お土産としてイメージしやすい商品は一通り揃っています。
しかし、価格表示はほぼすべてアメリカドル建て。例えば石鹸が11.5USD、小物が6USDといった具合です。
市内であれば数百円程度で買えるような品も、空港では数倍から十倍近い価格になっていました。


結論としてお土産は市内で買うのが圧倒的にお得。
カイロ空港の土産物店はどうしても「買い忘れたものを駆け込みで買う場所」と割り切るのが良さそうです。
Wi-Fi・通信環境
カイロ国際空港には無料Wi-Fiが用意されていますが、SMS認証が必須です。
そのため、SMSが受信できないデータ専用SIMでは空港でWi-Fiに接続することができません(店舗独自のWi-Fiの提供はないため他の選択肢はありません)。
筆者はあらかじめその情報を得ていたため、空港Wi-Fiが利用できないことを前提にeSIMのairaloを利用しました。予想通り空港Wi-Fiは使えませんでしたが、事前にデータ容量を少し多め(3GB)に買っておいたため、テザリングを利用してパソコン作業を行うことができました。
筆者が見た限り、トランジットエリアでは現地SIMを購入できる場所はなかったように記憶しています。
以上の情報を踏まえると、SMS認証ができない場合、カイロ空港ではWi-Fiは実質使用不可。エジプトでSMS受取不可&通信環境が必要な場合は、短時間のトランジットであってもeSIMをインストールしておくなどしてモバイルデータの準備をしておくと安心です。
何時間くらいなら耐えられそう?
カイロ国際空港のトランジットエリアは非常に簡素&割高なので、通信環境の有無で快適さが大きく変わります。
データ通信が使えなくても搭乗手続きや乗り継ぎといったことに支障が出るわけではないものの、Wi-Fiが使えない場合、絶望的に手持ち無沙汰になる可能性が高い…というのが個人的な感想。モバイルデータを準備しておけばパソコン作業などで十分に時間をつぶせます。
なお、空港内のエンタメ施設はほとんどありません。唯一見かけたのはパピルスに自分の名前をヒエログリフで刻んでくれるコーナーくらいでした。

また飲食店を除き座席は少なめで、椅子は硬いものが多いです。
長時間座っていると快適とは言いがたい環境…。
飲食もバリエーションが限られているため食事を取りながら数時間は過ごせるものの、5時間を超えるような長時間滞在になると結構キツイのでは?というのが率直な感想です。
今回筆者は4時間半滞在することになりましたが、パソコン作業をしたりスマホゲームをしたりして時間を潰すことができたので何とかなった、というのが正直なところ。
トランジットエリアはとにかく娯楽性が乏しく、飲食物も日本と同じかそれ以上の値付け(大体1-1.5倍くらいはする)なのに味や品質がとにかく微妙という有様…。また電源が使える場所もセガフレードなどごく限られているため、通信環境+電源の確保が快適度を大きく左右します。
空港はあくまで「ちょっとした休憩と栄養摂取の場」と割り切るのが現実的だと感じました。
まとめ:カイロ空港トランジットの実態
カイロ国際空港のトランジットエリアは、夜でも人が多く活気がありますが、施設自体は簡素で物価は割高です。
飲食は洋食系レストランやファストフードが中心で、エジプトやアラブ文化圏らしい料理は見当たりません。価格帯は日本と同等かそれ以上で、味や品質は正直そこまで期待できません。お土産もアメリカドル建ての値付けで、市内の数倍以上と割高です。
娯楽施設はほぼなく、せいぜい「パピルスに名前を刻んでくれるコーナー」がある程度。さらに座席も限られているため、4〜5時間程度なら耐えられるが、それ以上は厳しいというのが実感でした。
また、快適度を大きく左右するのは通信環境と電源。空港Wi-FiはSMS認証必須のため、事前にeSIMなどでモバイルデータを準備しておけば、パソコン作業やスマホゲームで時間をつぶすことが可能です。
結論として、カイロ空港は長時間のトランジットやショッピングには不向き。エジプト旅行でカイロ国際空港を利用する場合、「エジプト感」を味わうのは空港に来る前に済ませておくのがおすすめです。
以上です。
-1.png)


コメント