【8.5超えを狙う!】IELTSアカデミックリーディングの必須スキル4選と鍛え方

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IELTSのリーディングテストは、読み書きの得意な傾向の強い日本人にとって得点源になりうるセクション。

実際、日本人のセクションごとの平均スコアを見ても、リーディングが一番高いです。

2022年の日本人受験者の平均スコアはリーディングが6.10と最も高く、他はリスニングが6.0、ライティングが5.70、スピーキングが5.50でした。

日本人はもともと学校の授業で文法・語法を集中的に学習しているので、解法さえ習得してしまえばオーバーオールスコアを引き上げるくらいのスコアを安定的に狙うことができます。

この記事では、IELTSアカデミックリーディングでハイスコアを取得するために必要なスキルと鍛え方をご紹介します。

この記事のねらい
  • IELTSアカデミックリーディングの必須スキルが分かる
  • IELTSアカデミックリーディングの必須スキルの鍛え方が分かる

筆者は大学院留学のためにIELTSを受験し、アカデミックリーディングでは最高8.5を取りました。

IELTSリーディングは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」で出題内容が異なります。

本内容は大学・大学院出願用のアカデミック・モジュールに対応する内容ですので、ジェネラル・トレーニング・モジュールには必ずしも対応しない部分もあります。

目次

文法・語法

IELTSアカデミックリーディングでは、論文や学術雑誌といった硬めの英文を正確に読み解く能力が問われます。複雑な英文を正しく解釈するには、文法・語法の知識を使って文構造やロジックを分析する能力が欠かせません。

IELTSではTOEICや大学入試のように文法・語法の知識だけで得点できる設問がないことから、文法・語法の勉強は後回しになりがちかもしれません。しかし英語圏で学習や生活を行う能力を測る目的から、文章を正確に読みこなせないと正答にたどり着けないよう工夫されているため、文法・語法の学習の不足はスコアの伸び悩みにつながります。

決して気を抜かず、地道に対策を取っていきましょう。

文法・語法の鍛え方

IELTSアカデミックリーディング用に文法・語法を鍛えるなら、専門の対策本の使用がおすすめ。IELTSテスト対策に特化しているので無駄なく知識を習得することができます。

筆者が実際に使用していたのはCambridge Grammar for IELTS Student’s Book with Answers and Audio CDという参考書です。

IELTSで出題される文法事項を集中的に鍛える内容なので、試験対策という意味ではおそらく一番の近道だと思います。IELTSの実施元が発行しているという点でも内容に信頼が置けます。

英語で書かれているので若干取っつきづらい印象があると思いますが、内容はそこまで高度ではないのでご安心を。

最初から順番に解いていくだけでもかなり力が付くとは思いますが、冒頭の理解度チェック問題で間違いの多かったセクションから取り組んでいくと効率的に弱点を潰すことができます。

ボキャブラリー・イディオム

学術論文などのレベルの高い英文では、多彩な構文や表現が使われます。同じ表現を多様した文章は稚拙な印象を与えるためです。

IELTSアカデミックリーディングは高等教育機関に進学するためのテストですので、受験生は将来的に学術的な文章を読み解いたり自ら執筆するための素地として、ボキャブラリーやイディオムの豊富な知識と高い運用能力が問われることになります。

テスト戦略上でも言い換えが正答を導くためのヒントになるパターンが多いため、それに気づかなければハイスコアの達成は厳しいです。

また、極端に専門的な語彙についてはその単語の意味が分からなくても周辺の文脈が読めれば正答にたどり着ける仕組みになっていることがあります。必要な語彙や表現が頭に入っていれば、「知っていることが前提の表現」「知らなくても問題ない表現」が分かるようになり、対策もしやすくなります

ボキャブラリー・イディオムの鍛え方

IELTSアカデミックリーディング用にボキャブラリーとイディオムを鍛えるなら、専門の参考書と英語ニュースの併用がおすすめ。分野ごとのIELTSの必須単語と時事英語の表現を学ぶことで、相乗効果が期待できます。

なお単語集を利用する場合もあると思いますが、筆者はあまりおすすめしません。理由としては、英語と日本語は構造が異なるため英単語に和訳を付けること自体に無理があること、日本語を介して学習することで英語本来の意味が入ってきづらくなることが挙げられます。

英語のみで構成される教材や一般的に使用されている活きた英語から学ぶのが、結果的には一番の近道です。

参考書の問題を解く

筆者はIELTSのボキャブラリーに特化した参考書であるCambridge Vocabulary for IELTS Advanced with Answers and Audio CDを使用していました。

この本では、頻出分野(人の性質、環境、都市etc.)ごとに知っておくべき語彙を学ぶことができます。筆者の場合は日常的に使う単語の語彙力にはそこそこ自信があったものの、科学分野では思ったよりも知らない単語が多かったので、そのあたりを中心に攻めました。

ある程度学習が進んでIELTSで必要な語彙力が身についてくると、本番に「受験生が知っている想定の語彙」と「そうでない語彙」を判断できるようになります

ちょっと乱暴ですが、オフィシャルの単語集に載っていない単語や表現は「IELTS受験生が知っていることを想定していないレベル」と判断しても良いかもしれません。

時事英語に触れる

IELTSで使用される表現は実践的なものが多いので、文学作品よりはニュースのような時事英語に慣れておくことをおすすめします。

オンラインの記事であればそこまで長文でもないですし、日本語のニュースを介して知識がある場合もあるので内容が頭に入ってきやすいと思います。

IELTSの基礎対策用としておすすめなのはBBCです。

精読力

IELTSアカデミックリーディングでは、パラグラフや文章全体の論旨について問う問題が多く出題されます。

専門的で抽象度の高い題材が使用されることも多く、その分野の専門ではない受験生が正確に筆者の主張や論理の流れを把握するためには、文章の構造を自分で分析しながら読み解いていくスキルが必要です。

特に選択問題では正解の選択肢さえ選べれば良いと考えがちですが、精読力が上がると根拠とセットで考えられるようになるのでスコアを高く安定させることができます。

精読力の鍛え方

精読力は文章の分析力と同義です。文章の構造を理解することで、返り読みをしなくても意味を取れる素地が出来上がります。

カラーマーカー等を使いSVOや関係代名詞といった事項をチェックしていくのがスタンダードなやり方です。

精読の良い材料となるのは、やはり公式問題集。可能であれば最新のものから2~3冊ほど揃えると十分な練習量をこなせるでしょう。

本に直接分析を書き込むかどうかは個人によって合う・合わないがあると思いますのでお好みで。例えばコピーをとれば同じ問題を繰り返し解くことが可能ですし、本をきれいに使えます。

一方で本に直接書き込めば、常に分析結果やオリジナルの単語帳を持ち歩くような形にできます。

2024年5月現在、IELTSアカデミック・モジュールの公式問題集は18まで出ています。16、17、18あたりを周回すれば最新の傾向を掴みつつ十分な練習ができるでしょう。

速読力

精読がある程度できるようになったら、時間内にまとまった英文を読みこなすトレーニングをします。

IELTSアカデミックリーディングでは、60分で3本の硬めの長文パッセージを読みこなすことが求められるので、ある程度のスピードで読まなければ時間が足りなくなります。

IELTSアカデミックリーディングで出題される長文は、自然科学・社会科学・人文科学といった学問領域全般から選ばれます。既に知識のある分野であれば難なく読めるかもしれませんが、3パッセージの内容全てに詳しい受験生はあまりいないでしょう。必然的に、知らない単語や表現を自分なりに解釈したりスキップしながら読み進めることになります。

そのような条件下でハイスコアを取得するためには、知らない単語を適度に飛ばしつつ返り読みをせずに英文を読むスキルが必須です。

速読力の鍛え方

IELTSアカデミックリーディングで使用されるような英文の場合、一つのパラグラフに必ず一つのトピックセンテンス(筆者の言いたいことや要点)があります。まずはこのトピックセンテンスをすぐに見つけられるようにしましょう。

具体的には、問題文にざっと目を通して要点が把握できるように努めます。難しければ重要そうな単語だけでも拾います。

また読むスピードがまだ速くない段階では、とにかく返り読みをしないクセをつけましょう。精読トレーニングで文のかたまりが把握できるようになっていると思いますので、それを意識しながら前から順に読んでいきます。

ある程度速く読めるもの内容が全く頭に入っていない場合は、理解力が読むスピードに追い付いていない可能性があります。その場合は指でなぞりながら読み進めていくと、返り読みの頻度を減らせます。文章を読む速度と理解度が釣り合ってきたら指でなぞらなくてもOK。

なお音読や黙読は、読む速度が音読・黙読のペースに引っ張られて遅くなるので、やらないほうがいいです。

参考書の問題を解く

前述の公式問題集IELTS 18 Academic Student’s Book with Answers with Audio with Resource Bankはここでも役立ちます。リーディングの過去問は3題程度収録。

速読力を鍛えるには、なんといっても公式問題集に取り組んでみることです。時間を測りながら問題を解くことで、必要なスピード感を身につけることができます。

最終的に一つの大問を1題20分以内に解けるようにトレーニングを行いましょう。

英字新聞と洋書を多読する

英字新聞や洋書を習慣的に読むのも速読力を鍛えるうえで有用です。

洋書であれば、筆者はベストセラーになったビジネス書や自己啓発本をおすすめします。他のジャンルの本と違い、書かれている内容がそこまで突飛ではなく、飛ばし読みをしても文脈を全く取れなくなるということが起きづらいからです。

また著名なビジネス本や自己啓発本のメリットとして、日本語で事前情報を入れることでハードルを下げられるという点もあります。

有名な本であれば大抵日本語に翻訳されていますし、最近ではYouTubeで解説動画が上がっていることも多いので、そちらをチェックしてから原著を読むと理解が早く、つまらなくなって途中で挫折する確率を減らすことができます。

例えば以下のような感じ。

まずは洋書(原著)「Essentialism: The Disciplined Pursuit of Less」を読んでみたいとします。

原著から入るのはハードルが高いという場合は、日本語版の「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」をまず読んでみる。面白そうだと思ったら原著へ。

もしくは、フェルミ漫画大学中田敦彦のYouTube大学のような解説動画を見て、興味が湧いたらそのまま原著にチャレンジするか、日本語版を読んでから原著に触れてみる。

この方法では、原著を読むときの新鮮な感覚が失われてしまう、原著に書かれていることを英語よりも日本語の発想で処理してしまう可能性があるというデメリットがあることは否定できません。

ただ、日本語版や解説動画の情報を先に入れることで、少なくとも「内容が全く分からなくてこれ以上読めない」ということはある程度防げます。少しでも面白いと思えたらこっちのもの!

逆に全く興味が湧かない場合は読む本を変えましょう。

他にも日本で人気の有名なビジネス書としては「7つの習慣」がおすすめです。まずは通常版。

この本の原書はこちら。30周年版ですが、日本語の通常版と同じような金額で買えます。

ちなみに日本語版の30周年版は日本語の通常版の数倍のお値段がします。英語で読めばかなりお得!

まとめ

今回はIELTSアカデミックリーディングの必須スキルを以下のとおり4つ取り上げました。

  • 文法・語法
  • ボキャブラリー・イディオム
  • 精読力
  • 速読力

これらのスキルを鍛えればハイスコアが望めます。焦らず確実にこなしていきましょう!

以上、参考になれば幸いです。

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