パリからの日帰り旅行やノルマンディー滞在で人気のオンフルール(Honfleur)。
ウジェーヌ・ブーダンを始めとする多くの画家に愛された絵のように美しい港町ですが、意外とアクセス情報が少ないのが実情です。
今回は、特にル・アーヴル(Le Havre)からバスで行きたい人向けに、実際の体験をもとに詳しく解説します。
オンフルールへのアクセス事情

オンフルールには鉄道駅がありません。そのため、バスが唯一の公共交通手段になります。
パリからアクセスする場合の方法は以下のとおり。
- Flixbusでパリからオンフルールへ直接アクセス。
- FlixbusもしくはBlabla Car Busでパリからル・アーヴルかドーヴィル辺りまで行き、バスに乗り換える。
- 国鉄でル・アーヴルかドーヴィル(駅名はTrouville – Deauville)に行き、バスに乗り換える。
国鉄とバスを乗り継ぐ場合、ル・アーヴル(Le Havre)やドーヴィル(Deauville)からのバス路線が主なルート。ル・アーヴルとドーヴィルにはそれぞれ国鉄駅があるので、パリからであればまずそれらの駅に到着し、そこからバスに乗り換えることになります。
特にル・アーヴルからのバス移動は所要40分程度で便利。セーヌ河口に架かる「ポン・ド・ノルマンディー」を越えるダイナミックなルートです。
本記事ではこのバス路線の利用方法をご紹介します。
利用するバス会社:Nomad Normandie(旧 Bus Verts)
オンフルールに行くバス路線はNomad Normandieが運行しています。ここからはル・アーヴルからオンフルール行きのバスの乗り方をご紹介します。

基本情報
ル・アーヴルとオンフルールを結ぶバス路線は122番と123番の2つ(2025年7月現在)。
項目 | 122番 | 123番 |
---|---|---|
路線名 | LE HAVRE – CAEN EXPRESS | LE HAVRE – LISIEUX |
区間 | Le Havre – Sandouville – Honfleur – Caen | Le Havre – Honfleur – Lisieux |
所要時間 | 約30分(交通状況により前後) | 約30分(交通状況により前後) |
運賃 | 2.90ユーロ | 2.90ユーロ |
運行頻度 | 平日はおよそ1時間半から3時間に1本 土日は減便あり | 平日はおよそ1時間に1本 土日は減便あり |
備考 | Caen–Le Havre間の「エクスプレス」路線。停車する停留所は少なめ。急いでいる人におすすめ。 | Calvados県のゾーン線。停車する停留所は多め。時間に余裕のある人におすすめ。 |
公式 | Ligne 122 | NOMAD | Ligne 123 | NOMAD |
乗車券は乗車時に運転手から購入可能。現金もカードも使えます。

時刻表
各バス路線の時刻表を念のためこちらに掲載します。
まずは122番。

次に123番(ル・アーヴル発)。

最後に123番(リジュー発)。


よくある質問
ここでいくつか注意点をQ&A形式でご紹介。
- SNCFのサイトでNomad Normandieのバス乗車券の予約・購入はできますか?
-
Nomad Normandie路線単体の予約・購入はできません(路線自体は表示されるもののfully booked表示)。なおパリからオンフルールの路線の乗車券(国鉄&バス)は購入でき、その場合はNomad Normandieの乗車券がセットになります。
- 支払い方法は選べる?
-
現金とカードが選べます。
- 乗車時刻ギリギリに行っても乗車できる?
-
夏のバカンスシーズンなどはかなり込み合うこともありますが、筆者の感覚ではそこまで満員にはならないです。基本的に早い者勝ちなので、不安なら発車時刻15分前に行っておけば確実。
- 英語は通じる?
-
観光客の利用が多い路線なので、ある程度であれば通じそうです。
ル・アーヴルからバスに乗る
次に実際にバスを利用する方法をご紹介します。
ル・アーヴルの乗車場所
オンフルール行きのバスは、ルアーヴル国鉄駅(Gare du Havre)前のバスターミナル(Gare Routière)が出発地点です。鉄道駅から徒歩1〜2分の場所にあります。
バスターミナルにはいくつかのバス停が並んでいますが、「Honfleur」の表示のあるバス停に行きましょう。

なお発車数分前までバスは来ない場合もよくあります。焦らず待機しましょう。
乗車方法とチケット購入の流れ
乗車も非常に簡単です。
バスに乗るときは、運転手さんに「オンフルールまでお願いします」と伝えましょう。
フランス語ではこう言います:
Je vais à Honfleur, s’il vous plaît.(ジュ・ヴェ・ア・オンフルール、スィル・ヴ・プレ)
※英語でも割と通じます。
続いて乗車区間に応じた運賃を支払い、領収証を受け取ります。現金かカードのご用意を。

大きなスーツケースを持っている場合は、バスの下の収納スペースに入れます。後ろには自転車をセットするホルダーもあるので、サイクリストも安心。

機内持ち込みサイズのスーツケースはそのまま持ち込めます。
バスが動き出したらリラックスタイム。ル・アーヴルの工業地帯や「ポン・ド・ノルマンディー」の眺望を楽しんで!座席によってはUSBで充電もできます。
オンフルールでバスを降りる
オンフルールの終点はオンフルールバスターミナル(Honfleur Gare Routière)。中心市街地のやや東に位置しており、旧港(Vieux Bassin)エリアまでは徒歩5分ほどです。

バスターミナルの近くにはスーパーマーケットCasino Shopがあります。到着直後や出発直前の補給にどうぞ。
まとめ
ル・アーヴルとオンフルール間はたった30分ほどの距離ですが、インダストリアルな街並みの近代都市と印象派の巨匠に愛された風情ある港町という全く異なるフランスの表情を我々に見せてくれます。
特にオンフルールはまさに「絵になる場所」。モネ、ブーダン、デュフィ、そしてエリック・サティの名前にピンとくる方なら、きっと心に残る風景に出会えるはずです。
鉄道で直接アクセスできないということでハードルが高く感じられますが、バス旅も風情があって良いものです。フランスに行く際にはぜひ旅程に加えてみてください。
以上です。
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