気軽な旅行先として人気の台湾。
ネット通信環境の整備については、ahamoや楽天モバイルの契約者であれば短期旅行はまるまるカバーできるので便利ですが、そうでない場合は現地SIMの購入も選択肢に入ってきます。
現地SIMは通常空港よりも市内の方が安いことが多いですが、台湾の場合、結局どこで買うのが一番お得なんでしょうか?
実際に台北で調べてみたところ、どの通信会社を回ってもプラン内容も料金も空港と市内でほぼ同じであることが分かりました。ちょっと意外ですが、これならむしろ空港で買ったほうが早くてラク。
しかしいろいろ検討した結果、最終的に選んだのはairaloのeSIM無制限プラン。
決め手になったのは、台湾現地SIMで必須の実名認証とテザリング容量制限でした。
この記事では、台湾現地SIMの比較とeSIMの使い勝手を写真付きで紹介します。
台湾でSIMを購入予定の方、通信手段を迷っている方の参考になれば嬉しいです。
台湾桃園国際空港で買える現地SIM
台湾桃園国際空港ではどこで買える?
台湾の玄関口・台湾桃園国際空港では、入国審査後の手荷物受取ゾーンと到着ロビーに複数の通信会社のカウンターが並んでおり、現地SIMが購入できます。ここではターミナル1を例にラインナップをご紹介。
まず手荷物受取ゾーンに中華電信と遊客邦のブースがあります。


到着ロビーには同じく中華電信と遊客邦のブースが、

少し離れて台灣大哥大と中華電信のカウンターがあります。
事業者によっては交通カードも販売しているので、もし持っていなければ現地SIMと一緒に購入してもいいかも。



どのカウンターでもパスポートを提示すればすぐ購入・開通が可能です。
営業時間はいずれも早朝〜深夜(おおむね7:00〜0:00ごろ)まで。
深夜到着便の場合は営業が終了していることもあるため、夜着の方はあらかじめ台湾で使えるSIMカードを購入する、eSIMを事前に用意しておくなどの対策をとっておくと安心です。
空港で販売されていた現地SIMの比較
さて、空港では複数の通信会社が現地SIMプランを販売していますが、比較してみるとほぼ…というか全く同じ内容で横並びです。
試しに最短(3日間)から一ヵ月(30日間)有効なデータ無制限の5Gプランを比較してみるとこんな感じ。
| 日数 | 中華電信 5Gプラン | 台灣大哥大 5Gプラン | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| 3日 | NT$500(データ無制限/テザリング3GB) | NT$500(データ無制限/テザリング3GB) | 2,500円 |
| 5日 | NT$600(テザリング5GB) | NT$600(テザリング5GB) | 3,000円 |
| 7日 | NT$800(テザリング7GB) | NT$800(テザリング7GB) | 4,000円 |
| 10日 | NT$1,000(テザリング10GB) | NT$1,000(テザリング10GB) | 5,000円 |
| 15日 | NT$1,200(テザリング15GB) | NT$1,200(テザリング15GB) | 6,000円 |
| 30日 | NT$1,600(テザリング30GB) | NT$1,600(テザリング30GB) | 8,000円 |
2025年10月現在のレートは1NT$=約5円なので、3日間のプランは約2,500円(一日当たり約840円)、10日間のプランは約5,000円(同約500円)。30日間のプランになると約8,000円(同約270円)になる計算です。
市内で買える現地SIM
市内で現地SIMが買える場所
台湾の通信会社は市内にも多くの直営ショップを設けています。
中華電信や台湾大哥大などはMRT主要駅の周辺(中山駅・台北駅・忠孝復興駅など)に必ずといっていいほど店舗があり、旅行者でもパスポートを提示すればSIMを購入可能です。

さて、空港よりも安いのか…?
市内で買える現地SIMの金額
筆者も実際に中山駅近くの台灣大哥大の店舗を訪ねてみましたが、提示された料金表は空港と全く同じでした。

つまり、台北では少なくとも空港と市内で料金・プラン内容に差はありません。
もちろん通信会社や支店によって取り扱いが異なる可能性は否定できませんが、そこまで大きな差がないことは確実でしょう。
英語対応がスムーズ&混雑していなければその場で10分ほどで開通まで完了することを考えると、市内で現地SIMを探し回るよりも空港で購入するほうが合理的です。

プラン内容を聞きに行った際、市内のショップでは英語が通じづらいことが多くて困りました。
長期滞在者向けの月額プランや契約型SIMは通信会社によって特徴がありそうですが、少なくとも旅行者が使うプリペイドSIMに関してはどこで買っても同じであることが分かりました。
旅行者であれば空港でサッと買ってしまうのが最適解かもしれません。
eSIMが便利だった
そこまで情報収集をした後で筆者が選んだのはairaloのeSIMでした。理由は以下の2つです。
実名認証が不要
台湾の通信会社でSIMを買う場合、必ず実名認証が必要です。
これは台湾の法律で定められているルールで、手続き自体は難しくないものの、空港や市内のカウンターで作業時間が取られることになります。

ちなみに香港も同じように実名認証が必要です。それだけネット犯罪が増えているんでしょうね…。
一方、airaloなどのeSIMは専用アプリでプランを購入してインストールすれば、即ネット通信が利用できます。
台湾で使えるeSIMであっても実名認証が不要であり、到着前に日本でインストールしておけば台湾に着いた瞬間からインターネットに接続することが可能。
テザリングも無制限
もう一つの決め手は、台湾現地SIMにはテザリングの容量制限がある点。
台湾の現地SIMは基本的にデータ容量無制限で回線を5Gか4Gかを選ぶ形式ですが、テザリングは無制限の対象にはならず、5日プランには5GBまで、という風に別途容量制限が設けられています。
その点、例えばairaloの台湾用データプラン「Xie Xie」ではこのテザリング容量の制限がないため、有効期間内であれば好きなだけテザリングを利用できます。
また利用回線は大手通信会社の中華電信のため、通信品質も問題なし。速度面でも特段不便を感じることはありませんでした。
実際にairaloを使って滞在中にブログ執筆や更新を行っていましたが、Wi-Fiのない場所でも作業ができるのは本当に便利。
なお当初は「なるべくホテルやカフェのWi-Fiを利用して、必要に迫られれば楽天モバイルの海外ローミング(2GB)でなんとかする」作戦を考えていたのですが、最初のホテルで早速Wi-Fiが不安定で使い物にならなかったため、結局airaloに切り替えることになった…というちょっと残念な経緯があります。

楽天モバイルの海外ローミング2GBがなかったらairaloへの切替もスムーズにできませんでした。楽天モバイル最高!
とはいえ滞在の初期にストレスのない通信環境が確保できたことで通信関係の悩みからは完全に解放され、旅の機動力が上がりました。
ホテルWi-Fi頼みのリスクを痛感した台北滞在でした。
eSIMの唯一残念な点
airaloのデータ無制限eSIMを使っていて唯一残念だったのが、台北のシェアサイクル「YouBike」が使えなかったこと。現地の電話番号がないと登録できない仕様なんですね…。
雙十節の花火を見に行く際に友人のカードを借りて利用したのですが、台北市内を自転車で疾走するのは非常に爽快でした。
次に台北を訪問する際はYouBikeを使うために短期間の現地SIMを購入してみたいと思います。
結局何がおすすめなの?
さて、結局どの通信手段を選ぶのが正解なのか?
旅行スタイルや通信の使い方別に整理すると、次の3タイプに分かれます。
現地SIMがおすすめな人
台湾で現地SIMを購入すべき人は、以下のような利用スタイルの人。
- YouBikeのような台湾の電話番号が必須のサービスを使いたい
- スマホのみでインターネットを利用する
- 大容量のデータ通信が必要なサービス(テザリングを除く)を気兼ねなく使いたい
現地SIMには台湾の電話番号がついてくるので、SMS認証が必要な人には必須。
またデータ使用量無制限のプランが基本になるので、AIによる文章生成や高画質の動画視聴を頻繁にしたい人にも向いています。ただしテザリングの容量制限がある点には注意が必要。
eSIMがおすすめな人
eSIMの利用が最適な人は、以下のようなニーズのある人。
- 外出先でもパソコンを使って作業がしたい(する必要がある)
- 本人認証の手間を避けたい
- 短期滞在
- 物理SIMを増やしたくない
eSIMはデータ通信容量とテザリング容量を分けて考える必要がないので、Wi-Fiのない屋外などでテザリングを利用しながらパソコン作業をしたい人に最適です。
また台湾の現地SIMの利用に必要な本人認証が不要なため、すぐにネット通信を利用することができる点もメリット。手軽にプラン購入や容量の追加ができるので、短期滞在の人の気軽な選択肢としても有用です。
現地SIMもeSIMも不要な人
一方でSIMの追加購入が不要なパターンもあります。
- 楽天モバイル/ahamo/povoなど海外ローミング対応プランを契約中
- ホテルやカフェのWi-Fiで足りる
- モバイルWi-Fiをレンタルする
このパターンの人は総じてデータ使用量がそこまで多くない人が該当します。
まずは、最近増えてきた海外対応の国内キャリアの利用者。海外で利用する際の条件を事前に確認しておく必要はありますが、短期滞在であれば問題なくカバーできることも多いです。ホテルやカフェのWi-Fiで用が足せる人も無理にSIMを購入する必要はないかも。
その他にモバイルWi-Fiをレンタルする場合も不要ですね(これは当たり前かも?)。
利用スタイルごとのおすすめ選択肢
これまでの内容をまとめると、以下のような表になります。
| 利用スタイル | おすすめ | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 短期滞在 観光メイン | 現地SIM | 空港で即購入・設定サポートあり | 本人認証が必要 |
| ノマド作業 リモートワーク | eSIM | テザリング無制限・即時開通 | プラン購入にはネット環境が必須 自力で設定が必要 |
| 軽めの利用 海外対応プラン契約中 | 既存プランでOK | 追加の手続きが不要 | プランによって内容が異なるので要確認 |
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の滞在目的と通信スタイルに合わせて選ぶのがベスト。
筆者のようにテザリングを多用しながらノマド作業をする人にはeSIMが断然おすすめですが、台湾であれば空港で簡単に現地SIMを購入することもできます。
まとめ
台湾では空港でも市内でも現地SIMを簡単に購入でき、料金やプラン内容にもほとんど差がありません。
現地SIMを購入するつもりなら、空港でそのまま購入するのが最も手軽で確実です。
一方でノマド作業やテザリングを多用する人にとっては、現地SIMのテザリング容量制限は大きなデメリットになりえます。快適な作業環境が欲しいなら、テザリングの制限がなく本人認証も不要のairaloなどのeSIMがおすすめ。
ご自身のスタイルに合わせて最適解を見つけてみてください。
以上です!
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