日本人に大人気の旅行先といえばやっぱり台湾!
台湾入国には以前から入国カードの記入が必要でしたが、移行期間を経て2025年10月から完全に電子化されました。
これまで空港で記入していた紙の入国カードは廃止され、すべてオンラインでの事前登録に統一されています。
この記事では、実際に筆者がスマートフォンから電子入国カード(TWAC Taiwan Arrival Card)を申請した手順を、
画面のスクリーンショットとともに詳しく解説します。
入力時に迷いやすいポイントや選択肢の選び方など、実際に使って分かった注意点と落とし穴もあわせてご紹介。
入国カードの申請を旅行前にサクッと済ませて、台湾滞在を楽しみましょう!
台湾の入国カードが完全電子化!いつから?なぜ?
2025年10月から、台湾の入国カードは完全に電子化されました。
現在では紙のカードとオンライン登録の併用期間を経て、現在は電子入国カード(Taiwan Arrival Card/TWAC)への一本化が完了しています。この制度変更は、台湾がここ数年進めてきた入国手続きのデジタル化・効率化政策の一環です。
もともと台湾では2015年から試験的にオンライン登録フォームが提供されていましたが、新型コロナ以降、外国人の入国データを迅速に収集・共有する必要性が高まり、政府が本格的な電子化に舵を切った形です。
制度移行のタイムライン(概要)
電子入国カード導入までのタイムライン(概要)は以下の通りです。
年月 | 主な動き |
---|---|
2015年 | 台湾移民署(NIA)が電子入国カードの試験運用を開始 |
2018年 | 外国人旅行者向けに正式公開(紙カードとの併用開始) |
2020〜2022年 | 新型コロナ対応により電子登録が一時必須化(隔離・追跡目的) |
2023〜2024年 | 紙カードと電子登録の並行運用が継続 |
2025年10月 | 紙カード廃止、電子入国カードへの完全移行 |
なぜ電子化されたのか?
入国カード電子化の背景にはいくつかの要素が絡んでいます。
- 入国審査の効率化
紙の入国カードは入力ミスや記入漏れが多く、処理に時間がかかっていました。電子化により事前データ入力が可能となり、空港での待ち時間を短縮。 - データの即時共有
移民署・税関・衛生当局などが同一データベースで情報を共有できるようになり、感染症対応や観光統計などの分析にも活用可能に。 - 環境負荷の軽減
年間数百万枚に及ぶ紙カードの印刷・廃棄コストを削減。台湾政府の「ペーパーレス行政」推進方針にも合致。
このように、台湾の入国カード電子化は単なる利便性向上ではなく、行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の一部として進められたものです。旅行者にとっても、スマホで完結できる便利な仕組みに生まれ変わりました。

行政のDX戦略は世界中で施行されていますが、特に台湾のデジタル政策は日本でも注目されていますね。
スマホを使って申請するメリット
電子入国カードはスマートフォン・タブレット・パソコンのいずれからでも申請可能です。
ただし、操作性という点ではスマホを利用するのがおすすめです。
スマホを使うメリットはいくつかありますが、カメラ機能を使ってパスポートの読み取りができる点が特に便利。氏名や旅券番号を手入力する手間を省くことができます。画面サイズもちゃんとスマホに最適化されているため、すき間時間や移動中の時間を使ってサクッと申請手続きを行うことができます。
もちろんパソコンのブラウザからでも問題なく申請できますが、手軽さという点ではスマホに軍配が上がるといえるでしょう。
電子入国カードの申請手順【画像で解説】
ここからは、実際に筆者がスマートフォンから電子入国カード(TWAC)を申請した際の流れを、スクリーンショット付きで解説します。各選択肢の内容を含め、実際に操作して分かった点をまとめました。
対象者と申請可能期間
外国人が台湾に入国しようとする場合、居留ビザ、居留証、外交吏員証の保有者を除く台湾に入国するすべての人が入国カードを申請する必要があります。この範囲にはビザなしで滞在できる日本人も含みます。
また、台湾入国カードは入国3日前(入国日を含む)から当日まで申請可能で、それ以前は申請手続きを行うことができません。なおタイムリミットは入国直前までですが、通信が安定しない可能性を考慮すると台湾行きの便に搭乗する前に完了させておくことを強くおすすめします。

例えば10月10日入国予定の場合、10月8日の0時から申請が可能になります。
登録はこちらの公式サイトから。
ここからは実際の画面を使って解説します。
言語設定を変更する
電子入国カードの公式サイトは最初英語で表示されますが、日本語を含む多言語に対応しています。
日本語にしたい場合は、画面上部のENGLISHをタップして日本語を選択します。

画面が日本語表示に切り替わりました。
次に「入国カードを登録」をタップして登録手続きに進みます。

メール認証を行う
最初にメールアドレスを使って認証を行います。
まず「登録するときの注意点」が表示されるので、理解したうえでSTARTをタップ。メールアドレスを入力する画面が表示されます。

登録したメールアドレスに確認コード(Verification Code)が届くので、先ほどのフォームの入力欄に入力します。
確認コードの有効時間は10分です。

メール認証が完了すると旅行者情報の入力画面に移ります。
旅行者情報を入力する
次に旅行者の基本情報を登録していきます。
Excelファイルをアップロードすることでグループ(最大16人まで)の登録が可能です。

次に画面の案内に従ってパスポート画像を読み込みます。
「パスポートをアップロード」をタップするとスマホのカメラが起動するので、パスポートの該当ページの写真を撮影します。

パスポート情報を上手く読み込めたら、次に入国予定日を選択します。
申請日を含め向こう3日間の日付が表示されているので、入国予定日をタップ。

その後の氏名やパスポート番号といった個人情報を適宜埋めていきます。
ビザの有無を選択する
旅行者情報入力の途中にはビザの有無を選択する欄があります。
ノービザ入国の場合は、「ビザを持っていません」→「免簽證 Visa Exempt(ビザ免除)」を選択すればOK。

職業を選択する
次に渡航者の職業をプルダウンから選びます。

各選択肢の意味と該当例の判断に迷う方はこちらの一覧も参考にどうぞ(長いのでアコーディオンにしています)。
各選択肢の意味と該当例
表示(繁体字+英語) | 日本語の意味・該当例 |
---|---|
會計員 / ACCOUNTANT / CPA | 会計士、公認会計士 |
演藝人員 / ACTOR / ENTERTAINER | 俳優・タレント・エンタメ関係 |
軍人 / ARMY / NAVY | 軍人、自衛官など |
藝術家 / ARTIST | 芸術家、デザイナー、画家など |
銀行員 / BANKER | 銀行・金融機関職員 |
商 / 執行長 / 總裁 / BUSINESS / DIRECTOR / CEO | 経営者、役員、自営業者、フリーランスもここ |
監護工 / CARETAKER | 介護・保育・ケアワーカーなど |
職員 / CLERK / EMPLOYEE / STAFF | 一般会社員、事務職、営業職など |
顧問 / CONSULTANT | コンサルタント、アドバイザー職 |
船員 / 空服員 / CREW / SEAMAN | 船員・客室乗務員(CA)など |
外交人員 / DIPLOMAT | 外交官、国際機関職員など |
潛水夫 / DIVER | ダイバー、潜水作業従事者 |
醫生 / DOCTOR / DENTIST | 医師、歯科医師 |
工程師 / 建築師 / ENGINEER / ARCHITECH | エンジニア、建築士 |
農 / FARMER / AGRICULTURE | 農業従事者 |
漁民 / FISHERMAN | 漁業従事者 |
公務員 / GOVERNMENT OFFICER | 国家・地方公務員、公立学校職員など |
家庭幫傭 / DOMESTIC WORKER / HOUSEHOLD WORKER | 家事労働者、家政婦など |
家庭照顧者 / HOMEMAKER | 専業主婦(夫)、家族介護者など |
資訊人員 / IT | IT関連職、エンジニア、SEなど |
記者 / JOURNALIST / REPORTER | 記者、報道関係職 |
船員 (外籍移工) / SEAFARER | 外国籍の船員労働者 |
律師 / LAWYER / ATTORNEY / COUNSEL | 弁護士・法務職 |
技工 / MECHANIC / FACTORY WORKER | 製造業・工場作業員・整備士 |
製造業技工 / MANUFACTURE WORKER | 製造業従事者 |
音樂家 / MUSICIAN | 音楽家、演奏家、作曲家など |
護士 / 看護婦 / NURSE | 看護師・医療従事者 |
飛行員 / PILOT | 航空機パイロット |
傳教士 / PRIEST | 牧師・宣教師など |
教授 / 大學講師 / PROFESSOR / LECTURER / INSTRUCTOR | 大学・専門学校教員 |
研究人員 / RESEARCHER | 研究職、大学・研究機関職員 |
推銷員 / SALESMAN | 営業職・販売職 |
科學家 / SCIENTIST | 研究科学者、理系専門職 |
秘書 / SECRETARY | 秘書職、アシスタント職 |
專家 / SPECIALIST | 専門職(分析官・技術専門家など) |
學生 / STUDENT / SCHOLAR / PUPIL | 学生・大学院生・留学生 |
教師 / TEACHER / EDUCATOR | 学校教師・教育関係職 |
技師 / TECHNICIAN | 技術者・専門オペレーターなど |
作家 / WRITER | 作家・ライター・編集者など |
無業 / NONE / BABY / INFANT | 無職・専業主婦(夫)・乳幼児など |
其他 (外籍勞工) / OFW | 外国人労働者(フィリピンなどの表現) |
其他 / OTHER | 上記に当てはまらない職業全般 |
選択が完了したら「次へ」をタップ。
なおここで同行者(家族・友人)を登録することができます。
入国情報を入力する
次に出入国に関する情報を入力していきます。

ここでの各文言の意味はこちら。
Expect Entry Mode of Travel
ここでは台湾入国時に利用する交通手段を選択します。
- AIR(空路):飛行機で入国する場合
- SEA(海路):フェリーなど船で入国する場合
Expect Entry Flight Code / Flight Number
ここでは台湾到着の際に利用する航空会社のコードと便名を入力します。
- 「Flight Code」=航空会社(例:SL = Thai Lion Air、JL = JAL、CX = Cathay Pacific)
- 「Flight Number」=便名(例:395、809など)
例)JAL809便の場合:Flight Code: JL、Flight Number: 809
Intended Exit Mode of Travel
台湾出国のために利用する移動手段を選びます。入国手段と同じく航空機を利用して出国するならAIR(空路)、フェリーなどを利用する場合はSEA(海路)を選択します。
到着時と同じ要領で、出発時に利用する利用航空会社のコードや便名といった情報を入力します。
出発予定日
台湾を出発する日を「日(Day)/月(Month)/年(Year)」の順番に入力します。
例:2025年10月30日 → 30/10/2025
渡航目的の選択
この欄では、台湾を訪れる目的を選びます。
このプルダウンは中国語・英語が混ざって表示され、日本語は表示されません。

以下の一覧を参考に、自分のケースに合うものを選びましょう。
表示(繁体字+英語) | 意味(日本語) | 補足説明 |
---|---|---|
1. 商務 Business | ビジネス・出張 | 会議・打合せ・取引など。観光ではない場合はこちら。 |
2. 求學 Study | 留学・短期研修 | 学生、語学研修などの学習目的。 |
3. 觀光 Sightseeing / Travel / Leisure | 観光・旅行 | 一般的な観光客はこれを選択。 |
4. 展覽 Exhibition | 展示会・見本市参加 | 見本市・イベント出展など。 |
5. 探親 Visit Relative | 親族訪問 | 家族や親戚を訪ねる場合。 |
6. 醫療 Medical Care | 医療目的 | 治療や診察を受ける場合。 |
7. 會議 Conference | 会議・セミナー | 国際会議やフォーラム参加。 |
8. 就業 Employment | 就労目的 | 台湾での仕事・契約労働。 |
9. 宗教 Religion | 宗教関連 | 宗教活動・巡礼など。 |
10. 其他 Others | その他 | 上記以外の目的。 |
台湾での滞在先
続いて台湾での滞在先を選択します。各選択肢の説明はこちら。
表示 | 意味・使い方 |
---|---|
住所 | 台湾国内の自宅や知人宅に滞在する場合。住所を英語または中国語で入力する必要あり。 |
ホテル名 | 一般的な旅行者はこちらを選択。ホテル名を英語で入力すればOK(住所は不要)。 |
乗り継ぎ | 台湾に一時入国するだけで宿泊しない場合(例:台北経由で他国へ)。 |
ここまでの記入が終わったら「次へ」をタップ。
入力内容を確定させる
次の画面ではこれまでに入力した内容を確認し、申請内容に虚偽のないことなどの宣誓を行います。

ここまでの内容に問題がなければ、「上記の全ての内容を既読し、十分に理解した上全ての責任を持つことを宣誓します。」にチェックを入れ、「登録」をタップ。

ちょっと日本語が不自然な気もしますが…。気にせずいきましょう。
これでパスポート番号に紐づいた電子入国カードの申請が完了しました。

電子入国カードを受け取る
ここまで進むと登録メールアドレスに電子入国カードがメールで届きます。


入国手続き体験談(桃園空港)
入国審査までの流れと注意事項
筆者は桃園国際空港・第1ターミナルから入国しました。
搭乗便を降りてから入国審査に進むまでに、台湾政府が指定しているリスク要因が低い国・地域から到着した便の乗客には写真のようなカードが配布されます。
このカードを受け取っておくとその後の検疫手続きが一部スキップできるので、置いてあったら必ず受け取りましょう(必ずしも日本が常に低リスク国とは限らないのでご留意を)。

入国審査時、台湾入国カードはどうする?
入国審査の手前には、台湾電子入国カード(TWAC)にアクセスできるQRコードや、その場で入力できる申請端末が設置されており、現地で登録を行っている旅行者の姿も見られました。
入国審査カウンターには「パスポートと入国カードを提示するように」との案内が掲示されています。筆者はパスポートと、メールで届いた入国カードの画面(スマホ)を一緒に提示しました。
特に追加の入力などは求められず、係官が数秒確認したのちすぐにスマホが返却されたため、システム上で事前登録情報がすでに照合されていたと思われます。
入国審査自体は特段質問もなくあっさり終了しました。
到着時刻は平日の20時過ぎ。制限エリア外に出るまでおおよそ30分程度かかりました。
まとめ
2025年10月の制度移行により、電子申請に一本化された台湾の入国カード。
これまで空港で紙に記入していた情報を旅行前にオンラインで登録できるようになったことで、入国手続きはよりスムーズで効率的になっています。
途中で英語と中国語だけしか表示されないなど若干不親切な部分もありますが、日本語が選べて記入内容自体もとてもシンプル。スマホを使えば簡単に申請が完了します。
紙からデジタルへ移行する動きは世界各国で進んでいますが、台湾の場合は「効率化」と「利用者への配慮」の両立が印象的です。
また入国カードはもう少し見られると思っていたのでちょっとびっくりしましたし、係員も日本の空港と比較すると格段に少ないですが、そこまで混乱もないようでした。このあたりはVisit Japan Webを導入しつつ紙での申告も受け付けている日本とのDXの進み具合の差を感じましたね。
電子入国カードの申請は台湾到着後でもできますが、入国カードの記入場所はかなり込み合っていたので、やっぱり日本出発前に申請するのがベストです。余裕をもって申請を行い、楽しい台湾滞在にしてください!
以上です。
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