フランス旅行で悩みやすいのが「ネット環境をどう確保するか」。
現地SIMカードや日本での事前購入、モバイルWi-Fi、eSIM、日本国内キャリアのローミングなど、選択肢はさまざまです。
しかし、それぞれ料金や容量、準備の手間、現地での使いやすさに違いがあり、最適な方法は旅行の日数やスタイル、旅程によって変わります。
この記事では元フランス在住者である筆者が、旅行者向けの通信手段を徹底的に比較。
日数別・スタイル別のおすすめから、現地キャリアの選び方、よくあるトラブルと回避法までまとめました。
これを読めば、自分の旅行に合った通信手段が見つかり、安心してフランス滞在を楽しめます。
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留学・駐在など長期滞在者向けの通信手段確保についてはこちらの記事で解説しています。

フランス旅行でネット接続はどうする?基本の選択肢5つ
フランス旅行では、ネット環境をどう確保するかが快適さを大きく左右します。
現地でSIMカードを購入するのが定番ですが、それ以外にも「出発前に日本でSIMを買って持参する」「日本からモバイルWi-Fiルーターをレンタルする」「eSIMを使う」「国内キャリアのローミング」といった方法があります。
まずは、それぞれの選択肢を比較表で整理してみましょう。
通信手段 | 準備のしやすさ | 料金と容量の目安 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
現地SIMカード | 到着後に空港や市内ショップで購入 | 10〜30€程度 (50GB~) | 安い&大容量 フランスの電話番号が利用可能 | 深夜・早朝到着では買えない フランス語が必要な場合あり 登録・チャージがやや難しい |
SIMを事前購入 (amazonなど) | Amazon等で出発前に購入可 | 2,000〜4,000円 (数GB) | 日本語で購入でき安心 到着直後に利用可 フランスの電話番号が利用可能 | 現地SIMより割高 プランが限定的 到着まで時間が掛かる 自力で設定が必要 チャージがやや難しい |
モバイルWi-Fiルーター | 日本でレンタルして持参 | 1日あたり800〜1,200円 | 複数人でシェア可 設定が簡単か不要 外国語不要 | 荷物になる 受取・返却が必要 機器の充電が必要 |
eSIM (airaloなど) | アプリで購入・即時利用可 | 5〜20€(1〜5GB) | 到着直後から利用可能 時間の節約になる 登録・チャージが簡単 | データ通信専用(電話番号なし)が多い 現地SIMより割高 |
日本国内キャリアのローミング | SIM差し替え不要、契約中のキャリアで利用可能 | 楽天:月2GB無料、ahamo:月20GBまで海外込み、従来型:1日2,000〜3,000円程度 | 手間ゼロで日本の番号がそのまま使える 短期旅行なら十分 | 長期旅行には容量・有効期間不足 キャリアによって対象外 コスパは他手段より劣る |
このように、それぞれにメリット・デメリットがあり、旅行の目的や日数によって最適な方法は異なります。
ここからは、各選択肢についてもう少し詳しく見ていきましょう。
選択肢1:現地SIMカードを購入する
フランス旅行で最もオーソドックスな通信手段は、現地でSIMカードを購入する方法です。
シャルル・ド・ゴール空港やオルリー空港には販売カウンターやコンビニ(Relay)でSIMを購入できます。また、パリ市内や地方都市にはOrange、SFR、Bouygues Telecomといった大手キャリアのショップがあり、より安く大容量のプランを契約できます。
料金・特徴・メリット&デメリット
同じ現地SIMでも、場所によって購入できる取り扱いSIMの種類やスタッフの対応などに多少差があります。
購入場所 | 料金の目安 | 特徴 |
---|---|---|
空港の販売カウンター | 20〜30€前後で数GB〜10GB程度。 | 利便性重視で割高。 基本的に英語が通じる。 |
通信会社の実店舗 | 20€程度で50GB以上など様々なプランが選べる。 | 短期滞在でもコスパが高い。 フランス語しか通じない場合あり。 |
コンビニ 量販店 | 通信会社の店舗と同様 | スタッフが詳しくないこともあるため、希望プランや手続きは事前に押さえておくのが安心。 フランス語しか通じない場合あり。 |
向いている人/向いていない人
この手段が向いているのは、比較的長期間(1〜2週間以上)フランスを旅行をする人、通信量を多く使う予定がある人、現地の電話番号が必要な人などです。
逆に、1週間以内の短期滞在の人や英語・フランス語でのやりとりに不安のある人にはあまり向きません。また、空港のお店が開いていない深夜や早朝に到着する人も別の手段をあらかじめ用意しておくのがおすすめです。
実体験のひとことアドバイス
私は空港でSIMを買ったことはありません。理由は、到着直後に余計なトラブルを抱えたくなかったからです。
一番の理由は治安面の不安。フランス(特にパリ)の空港は治安が微妙なので、大きな荷物を持った状態で貴重品の出し入れをしたり、SIMを設定するのは避けたいというのが本音です。
時間帯によってはSIMを入手できない可能性があるというのも不安要素です。
1週間程度の旅行であれば安全料だと思って日本から通信手段を用意してきたほうが良い、というのが筆者の率直な意見です。
なお、筆者は通常市内のキャリアショップでOrangeやfreeのSIMを契約・購入しています。
大容量でコスパが良く、長期の滞在にはおすすめできます。
選択肢2:日本で事前にSIMを購入する
フランス渡航前に日本のAmazonや楽天などで「海外旅行用SIMカード」を購入し、スマホに挿して使う方法です。
フランスを含むヨーロッパ全域で使えるSIMやフランス専用SIMなど種類も豊富なので、旅程に合わせて選びましょう。自力で設定が必要ですが、到着後すぐに通信できるのが最大の利点です。
料金・特徴・メリット&デメリット
現地SIMよりも若干コスパが悪いものの、出発前に入手できるので安心感があります。
- 料金の目安:2,000〜4,000円程度で数GB(7〜15日間有効のプランが多い)
向いている人/向いていない人
この手段が向いているのは、1週間以内の短期旅行の人、到着直後からインターネットを使いたい人、英語やフランス語の会話に不安がある人。電話番号が割り振られているSIMの購入も可能なので、SMS認証などを使いたい人にもおすすめです。
また、この手段は現地SIM購入までの繋ぎとして利用するという手もあります。
一方で、大容量の通信容量が必要な人や、2週間以上滞在予定の人などには向いていません。
実体験のひとことアドバイス
私は以前フランスに渡航する際、AmazonであらかじめOrange HolidayというSIMを購入して持参したことがあります。設定は非常に簡単で、現地でも快適に利用できました。
残り容量の確認やチャージには公式ウェブサイトのアカウント登録が必要な点には注意が必要ですが、容量や有効期間に余裕があるのでそこまで気になりませんでした。
選択肢3:モバイルWi-Fiルーターを持参する
日本で事前にモバイルWi-Fiをレンタルしてフランスに持参する方法です。空港カウンターや宅配で受け取り・返却ができるため、海外旅行者の定番手段のひとつになっています。
複数人で同時に利用できる点や、SIMロック解除が不要な点が大きな特徴です。
料金・特徴・メリット&デメリット
日本のサービスを利用することになるので安心感がありますが、その分他の選択肢にはないデメリットも存在する点に注意が必要。
- 料金の目安:1日あたり800〜1,200円前後(容量無制限プランあり)
向いている人/向いていない人
この手段が向いている人は、スマホの設定に自信がない人や日本語サポートを重視する人など、あまり海外旅行に慣れていない人。日本にいるときと同じような感覚でスマホを利用することができます。複数人で回線を共有する前提の人にも便利です。
向いていない人は、まずは荷物を増やしたくない人。また返却が前提&現地電話番号も付与されないので、長期滞在者にも微妙。さらに現地SIMと比較するとどうしても割高になるので、コストを抑えたい人にもイマイチです。
実体験のひとことアドバイス
私は以前、中国旅行の際にモバイルWi-Fiルーターを利用しました。スマホの細かい設定が不要なので簡単に利用ができる一方で、常に持ち歩くのが意外と面倒。しかも夜はスマホやカメラと一緒にルーターも充電する必要があり、そこ分コンセントが塞がるのが地味に不便でした。
また何度か使用するうちに、現地(北京)で故障して使えなくなるというトラブルに遭遇したこともあります。返金はされたものの、代替手段の確保に苦労した記憶があります。
モバイルWi-Fiを利用する場合でも、念のため他の通信手段を準備しておくと安心です。
選択肢4:eSIM
近年急速に普及しているのが「eSIM」を使った通信方法です。物理的なSIMカードを差し替える必要がなく、専用アプリからプランを購入すればすぐに利用できます。フランス単独プランのほかヨーロッパ全域で使えるプランもあるなど対象エリアも幅広く、容量も事業者によって少量から容量無制限まで様々です。
eSIMには現地電話番号付きのタイプとデータ通信専用(電話番号なし)タイプがあり、SMS認証などを使う場合は必ず電話番号付きのプランを選びましょう。なお、旅行者向けeSIMはデータ通信専用タイプが多いのが実情です。
一方で、OrangeやSFRなどの大手キャリアでは電話番号付きのeSIMも提供されているため、旅行スタイルや利用目的に応じて柔軟に選べるのが魅力です。
料金・特徴・メリット&デメリット
慣れてしまえば非常に便利な選択肢。現地SIMとモバイルWi-Fiの中間のような料金設定です。
- 料金の目安:5〜20€程度で1〜20GB(7日・14日・30日有効が多い)※事業者によっては容量無制限も
向いている人/向いていない人
eSIMに向いているのは、1週間以内の短期旅行の人や、実店舗でSIMが購入できない深夜早朝時間帯に到着する人。現地SIMを購入するまでの繋ぎとして使いたい人にも向いています。
また、eSIMは事業者によってプランの特色が全く異なるため、現地の電話番号を使いたい人や大容量通信を利用する人はプラン内容をよく確認して吟味する必要があります。
一方で、eSIM非対応のスマホを使っている人やスマホの操作に自信のない人には向かないかもしれません。
実体験のひとことアドバイス
私はフランス長期滞在時、現地SIM購入までの繋ぎとしてeSIM(airalo)を使ったことがあります。専用アプリを使えば数分で設定が完了し、購入やアクティベーションも簡単。到着直後からGoogleマップやメッセージアプリが使えたので非常に便利でした。
👉 詳しい使い方や購入方法は、こちらの記事で解説しています。
👉 実際にeSIMをインストール手順や設定方法はこちらの導入ガイドをご覧ください。
ただし、筆者の購入したプランはデータ専用で電話番号がないため、SMS認証が必要なサービスでは別の手段を使う必要がありました。
SMSではスイスの電話番号を使えた&現地電話番号が必要となる場面が少なかったので個人的には気になりませんでしたが、自分のニーズに応じて適切なプランを選ぶ必要があると感じました。
選択肢5:日本国内キャリアのローミングを利用する方法
日本で契約している携帯キャリアの海外ローミングを利用する方法です。
SIMを差し替える必要がなく、日本の電話番号をそのまま使えるので、最も手軽な方法といえます。
料金・特徴・メリット&デメリット
近年は楽天モバイルやahamoなど、海外利用を標準プランに含むキャリアも登場しており、短期旅行では実用的です。例えば楽天モバイルは毎月2GBまで海外で無料、ahamoは20GBのうち海外利用も可能です。
一方で、従来型のローミング(ドコモ・au・ソフトバンクの通常プラン)では1日あたり2,000〜3,000円程度かかり、容量も限られるため長期旅行には不向きです。
向いている人/向いていない人
向いている人は、数日間の短期旅行や出張、SIMの入れ替えに不安がある人。1週間以上の旅行や大容量を必要とする人にはイマイチです。短期の旅行や出張でもある程度データ容量が必要な場合は上記4手段との組み合わせも検討を。
旅行日数やスタイル別のおすすめ通信手段
フランス旅行でどの通信手段を選ぶべきかは、滞在日数・旅行スタイル・渡航スケジュールによって変わります。
短期旅行では安心感や手間の少なさを重視すべきですし、長めの旅行ならコスパや十分な通信容量の確保が大切です。さらに都市に滞在するか地方を周遊するか、フランスのみかヨーロッパ周遊かによっても最適解は異なります。
ここでは3つの視点から整理しました。
日数別のおすすめ
短期間(〜5日程度)
おすすめは 日本で事前に購入したSIMカードやeSIM、日本国内キャリアのローミング、モバイルWi-Fi です。
- 事前購入SIMやeSIMは、到着直後からすぐに使える安心感が魅力。
- 日本キャリアのローミングはSIM差し替え不要で、楽天モバイルなら海外2GBまで無料、ahamoなら20GBまで海外利用が可能です。短期出張や週末旅行なら十分実用的。
- モバイルWi-Fiは複数人でシェアでき、設定も不要。短期間なら割高感も少なく、グループ旅行にも向いています。
👉 向いている人:都市滞在中心、週末旅行や短期出張、SIM入れ替えに不安がある人。
中期(1〜2週間程度)
1〜2週間の旅行では 現地SIMカードやeSIM がコスパに優れます。
- 20€前後で50GB以上のプランがあり、動画や地図アプリも安心して利用できます。
- 深夜到着でSIMが購入できないリスクに備え、eSIMをバックアップに用意しておくのがおすすめです。
👉 向いている人:都市滞在+郊外観光、友人旅行、ワーケーション。
長め(3週間〜1か月程度)
3週間以上の旅行では 現地キャリアの大容量SIM が最適です。
Freeなら20€前後で100GB以上のプランがあり、動画やテザリングも余裕。地方を周遊する場合は、カバレッジが広いOrangeやBouyguesを選ぶと安定して利用できます。
👉 向いている人:周遊型旅行、バックパッカー、データ消費が多い人。
旅行スタイル別のおすすめ
旅行スタイルによっても取るべき選択肢が変わります。
- グループ旅行:モバイルWi-Fiを1台レンタルしてシェア。SIMロック不要で、複数人同時に使えて割安。
- 家族連れ:親は現地SIM/eSIMを使い、子どもの端末はモバイルWi-Fiでまとめて接続すると便利。
- 節約派:フリーWi-Fi+小容量eSIMで最低限の通信を確保すると安価に済む。ただし安定性や安全性に限界があるので、少し投資して現地SIMを調達する方がコスパも通信環境も良い。
- ワーケーション(仕事+旅行):通信の安定性を優先し、OrangeやSFRといった大手キャリアの現地SIMがおすすめ。現地SIM入手まではeSIMなどで凌げばネット環境がない状況を避けられる。
- とにかく手間をかけたくない人:日本キャリアのローミング。SIMの入れ替え不要で日本語サポートも受けられるが、料金は割高。利用しているキャリアによっては高額請求の危険があるので要確認。
渡航スケジュール別のおすすめ
渡航先の組み合わせによっても最適解が変わります。
基本的に都市型(地方都市を含む)なのか、田舎にも行くのか、フランス一国滞在かによって判断するのがおすすめです。
現地SIMを使う場合は、通信会社の特徴に応じて以下のように使い分けると便利です。
- フランス国内のみの滞在:Orange(安心感)、Free(コスパ)、SFR(都市型)から選ぶのが基本。
- ヨーロッパ周遊を含む旅行:BouyguesのEU対応プランやOrange Holidayなど、EUローミング込みのプランが便利。
- 都市型旅行(パリ・リヨンなど):SFRやFreeで十分対応可能。
- 地方や田舎を含む旅行:通信の安定性を重視するならOrangeやBouygues。
まとめ
これまでのおすすめを簡単にまとめると、以下のとおりになります。
- 日数別:短期は安心感重視(事前SIM/eSIM/ローミング/Wi-Fi)、中期はコスパ重視(現地SIM+eSIM)、長めは容量重視(現地キャリアSIM)。
- スタイル別:グループや家族連れはモバイルWi-Fi、節約派はフリーWi-Fi+eSIM、仕事利用は大手キャリア、とにかく手間をかけたくない人はローミング。
- スケジュール別:国内滞在か周遊か、都市か地方かでキャリアを調整。
自分の旅行パターンをこの3つの視点に当てはめれば、最適な通信手段が自然と見えてきます。
現地キャリア店舗でSIMカードを購入する方法
フランスの主要キャリアは Orange(オランジュ), SFR, Bouygues Telecom(ブイグ), Free Mobile の4社で、いずれも旅行者向けのプリペイドSIMカードを提供しています。
購入時には本人確認のためパスポートなど公的IDの提示が法律上必要であり、ショップでの購入ではパスポート原本を持参しましょう(コピー不可)。
基本的にキャリアの店舗で手続きを行いますが、Free Mobileのみは街中(Freeの店舗やFNAC等)にセルフサービスのSIM販売機(自動販売キオスク)を多数設置しており、店員を介さずにクレジットカード決済だけでSIMを入手できる点が特徴です。ただしFreeの自販機は空港には設置されていないので注意してください。
以下では、一般的なプリペイドSIM購入の流れと各キャリアの特徴・最新プラン情報を整理します。
購入の流れ(必要な持ち物を含む)
現地SIMの購入はそこまで難しくありません。必要なのは度胸と少しの語学力!
OrangeやSFRなど大手キャリアの直営店は都市部の街中やショッピングモールにあります。
観光客が多いエリアの店舗では英語対応できるスタッフがいる場合もありますが、地方ではフランス語のみのケースが多いです。
外国人旅行者はSIM購入時に本人確認書類としてパスポート(原本)の提示が求められます。これはフランスの法律でプリペイドSIMにも登録が義務付けられているためで、必ず原本を持参しましょう。
Freeの自販機で購入する場合は店員への提示は不要ですが、念のためパスポートは常に携帯しておくと安心です。
利用日数やデータ容量に応じて希望のプリペイドプランを選択します。
フランスのプリペイドSIMは非常にデータ容量が大きく割安なのが特徴。短期の旅行でも使い切れないほどのデータ量が確保でき、ストリーミングや地図アプリも安心して利用できます。
選んだSIMカード代金・プラン料金を現金またはクレジットカードで支払います。クレジットカード払いがスムーズで、Freeの自販機ではカード決済のみ対応しています。
主要クレジットカードはほとんどの店舗で利用可能です。
購入後、その場で新しいSIMカードをスマートフォンに挿入します。
多くの場合、SIMを入れるだけで自動的に通信設定(APN)が有効になりますが、不安な場合はスタッフに設定や動作確認を手伝ってもらいましょう。
店頭で購入する利点はその場で店員のサポートが受けられることです(Orangeの直営店では英語対応のスタッフもおり安心です)。
- 営業日・時間に注意:
フランスでは多くの商業店舗が日曜日に休業する習慣があり、通信キャリアのショップも日曜は閉まっていることが多いです。また営業時間も日本より短めで、昼休みや夕方早めに閉店する店もあります。
事前に店舗の営業時間を確認し、余裕を持って行動しましょう。 - 言葉の壁:
パリ中心部や観光地の店舗では英語が通じる場合もありますが、基本的にはフランス語のみの対応を想定したほうがよいです。
購入したいプラン名や希望条件をメモして見せたり、スマホの翻訳アプリを使ったりするとスムーズです。 - 通信設定の確認:
購入後にうまくデータ通信できない場合、遠慮せずその場でスタッフに申し出て確認してください。黙っていると「問題なく使えている」と思われてしまうことがあります。店員にスマホの画面を見せ「ネットに繋がらない」などシンプルに伝えれば大抵対応してくれます。
特にAPN設定が自動で入らない機種の場合、スタッフに設定してもらうと安心です。 - Free自販機利用時の注意:
Free Mobileのセルフ端末でプリペイドSIMを購入する場合、表示内容をよく確認してください。購入手続き中に「1ヶ月のみのプリペイド」か「自動更新されるプラン」か選ぶ質問があり、フランス語に不慣れな旅行者が誤って1年契約のプランを選んでしまうケースが報告されています。
必ず1ヶ月のみの選択肢を選ぶようにし、心配な場合はFree店舗のスタッフに「観光で1ヶ月使いたい」旨を伝えて手助けしてもらいましょう(Freeの店内には自販機の操作をサポートする係員がいることもあります)。
Orange(オランジュ):最大手の信頼感とカバレッジの広さ
Orangeはフランスの旧国営通信会社(元France Telecom)でシェア1位の最大手キャリアです。
通信網のカバレッジ(エリア品質)は国内随一と評され、フランスを広く旅行する人に安心感があります。
Orangeは観光客向けに「Orange Holiday」というプリペイドSIMパッケージを提供しており、データ通信・通話・SMSがセットになっていて短期滞在に便利ですが、購入は空港や市内のキオスク端末、提携販売店(ニューススタンド等)で行う形になります(実店舗では取り扱いなし)。
実店舗で購入できるのがOrange本体のプリペイド「Mobicarte」プラン。16.99€で60GB、19.99€で200GBもの大容量データに加え、フランス国内およびEU圏での通話SMSが無制限となり、非常にお得です。
SFR(エスエフアール):都市部に強く多彩なプラン展開
SFRはフランス第2の大手キャリアで、特に都市部での通信品質に定評があります。
パリや主要都市ではOrangeに次ぐシェアで、街中の大型ショッピングエリアなどにショップを構えています。
旅行者が使えるプリペイドSIMも豊富で、小容量で安価なものから大容量・長期利用向けまでプランの選択肢が幅広いのが特徴です。
例えば1GB+通話2時間が€9.99、10GBが€14.99、80GBが€19.99、140GB(5G対応)が€24.99と段階的に用意されています(いずれも有効期間30日)。
プリペイドSIMは主にSFRショップ併設の自販機や街中のタバコ屋(Tabac)、Relayの売店で販売されており、パスポート提示による登録後すぐ利用開始できます。
なおSFRの通常プリペイドはフランス国内専用で、EU域内ローミングが含まれていない点に注意してください(必要な場合は60GBで€29.99の「Travel SIM」パックなど国際通話対応プランもあります)。
都市部中心の旅行で手頃な大容量データを確保したい場合、SFRは有力な選択肢となるでしょう。
Bouygues Telecom(ブイグテレコム):隠れたコスパ良好キャリア
Bouygues Telecomはフランス第3の大手キャリアです。
他2社に比べ知名度はやや劣るものの、プリペイドSIMのコストパフォーマンスが良いことから旅行者にも密かな人気があります。
特にBouyguesのプリペイドプランには「ヨーロッパ全域で利用可能」なパッケージがあり、フランス国内だけでなく近隣諸国へも足を延ばす旅行者には便利。
30€前後で30GBのデータが使えるプランが多く、同価格帯で比較するとOrangeよりデータ量が多めでお得な印象。例えば30GBで約€30、60GBでも€35〜40程度と、大容量プランが割安です。
ただし利用者の声として「BouyguesはOrangeほど地方の圏外が少なくない」との指摘もあり、都市間移動や山間部ではカバーエリアを事前に確認したほうがよいでしょう。
とはいえ通常の観光で困ることは少なく、データ量重視かつ比較的安価に抑えたい場合に有力な選択肢です。
Free Mobile(フリーモバイル):超大容量プランを格安提供
Free Mobileはフランスの通信市場に革命を起こした新興キャリアで、低価格で超大容量データが使えるプランを提供しています。
最大の特徴は前述の通り、街中やFree直営店に設置された自動販売機(Freeキオスク)でSIMを即時購入できる点で、観光客でもパスポート不要でクレジットカード決済すれば3分ほどでSIMカードが発行され利用開始できます。
Freeのプリペイド(=月額無契約プラン)は2種類あり、月19.99€でデータ300GB+通話SMS無制限(5G対応)と、月10.99€でデータ140GB+通話SMS無制限(4G限定)という破格の内容。
さらに両プランともEU内ローミングデータが18〜35GB含まれ、国際SMSや主要国での通話も一部カバーします。
ただしFreeには短期旅行者向けの専用プリペイド商品がなく、実態は月額プランに加入して不要になったら自分で解約する形式となる点に注意が必要です。購入時に1ヶ月のみで停止する選択肢を選べば余計な課金は避けられますが、解約手続きを忘れると旅行後も自動的に月額課金が継続されてしまいます。
そのため利用後はFreeのWEBサイト(または店舗)でしっかり解約処理を行ってください。
Freeは後発ながら急速にネットワークを拡充しており、5Gに関しては全国レベルで非常に広範囲をカバーしていますが、4Gも含めた総合的なカバレッジではやはり老舗のOrangeに軍配が上がるとの指摘もあり、都市部だけの滞在であればFreeでも十分ですが、フランス全土を横断するような旅で常に安定通信を求めるならOrangeのほうが安心かもしれません。
まとめ
フランスでプリペイドSIMを購入する際は、主要4キャリア(Orange, SFR, Bouygues, Free)の特徴を理解し、自分の旅行スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
- 通信品質の安心感重視ならOrange: 料金はやや高めですが、フランス国内随一の広範囲カバレッジと信頼性で安心して使えます。地方や郊外まで走るロードトリップや、通信トラブルを避けたい人に最適です。
- 都市部中心の滞在ならSFR: パリや大都市で安定した通信と豊富なデータプランを提供。中~大容量プランが充実しており、短期滞在から長期までコスパ良くカバーできます。
- コスト重視・EU周遊ならBouygues: 同価格帯でより多くのデータが使えるプランが多く、さらにEUローミング込みのSIMもあるためヨーロッパ複数国を旅行する場合に便利です。
- 大容量データをとにかく安く使いたいならFree: 圧倒的な大容量プランを月20€程度で提供。動画視聴やSNS三昧でも通信制限の心配がほぼありません。ただし購入時の自動継続設定に注意。
各社でプラン内容や購入方法に特徴があるので、自分の旅程(都市滞在か地方周遊か、短期か長期か)に合わせてベストなSIMを選んでください!
私はこれまでにOrangeとFreeを実際に利用しました。
- Orangeは対応が丁寧で、カバレッジも広く安心感がありました。
- Freeは非常に安価ながら大容量でコスパが良い反面、パリ中心部でもフランス語しか通じないことも。
→ どちらも一長一短があるので、旅行スタイルに応じて「安心感を取るか」「コスパを取るか」を考えると良いと思います。
短期旅行者に多いトラブルと回避法
フランス旅行では便利な通信手段が揃っていますが、いざ現地で「SIMが買えない」「言葉が通じない」といったトラブルに直面することも少なくありません。ここでは短期旅行者が特に遭遇しやすいケースと、その回避法をまとめました。
深夜到着でSIMが買えないケース
フランスの空港にSIM販売カウンターやショップはありますが、深夜や早朝は閉まっていることが多く、到着直後に購入できないことがあります。
回避法
- 出発前にeSIMをスマホにインストールしておく
- Amazonなどで海外用プリペイドSIMを事前購入して持参する
- 到着初日はホテルや空港のWi-Fiでしのぎ、翌日市内のキャリアショップで購入する
👉 到着時間が夜遅くになる場合は、必ずバックアップ手段を用意しておきましょう。
フランス語でのやり取りに不安がある場合
空港や観光地のショップでは英語対応できるスタッフがいることもありますが、市内のキャリアショップではフランス語オンリーが多いのが実情です。
回避法
- あらかじめ希望するプラン名や条件をメモして提示する
- 翻訳アプリやスクリーンショットを活用して意思を伝える
- Freeの自販機を利用すれば、店員との会話なしで購入できる(ただし誤操作に注意)
👉 語学に不安がある場合は、事前にプランを調べて「これを買う」と決めておくとスムーズです。
無料Wi-Fiの安全性と限界
フランスでは空港やホテルのほか、カフェ(特に大手チェーン)や駅など公共の場に無料Wi-Fiがあります。
旅行者にとって便利な存在ですが、必ずしも安心とは限りません。
回避法
・VPNを利用してセキュリティを確保する
・公共Wi-Fiは地図検索や軽い調べ物に限定し、決済や個人情報入力は避ける
👉 無料Wi-Fiはあくまで補助的な手段と考え、メインの通信手段は別に確保しておくのが安全です。
まとめ
フランス旅行でインターネットを利用する方法には、現地SIMカードの購入、日本での事前SIM調達、モバイルWi-Fiレンタル、eSIM、そして日本国内キャリアのローミングといった複数の選択肢があります。
- 短期旅行(〜5日):手間をかけずに使える事前購入SIMやeSIM、モバイルWi-Fi、日本キャリアのローミングが安心。
- 中期旅行(1〜2週間):現地SIMやeSIMがコスパ良好。深夜到着の場合は事前準備を忘れずに。
- 長めの旅行(3週間〜1か月):大容量の現地SIMを選ぶと安心。地方まで移動するならOrangeやBouyguesが安定。
- 旅行スタイル別:グループや家族はモバイルWi-Fi、節約派はフリーWi-Fi+eSIM、仕事利用は大手キャリア、手間をかけたくない人はローミング。
- 渡航スケジュール別:フランス国内だけか、ヨーロッパ周遊か、都市滞在か地方も行くかで選択肢を調整。
どの方法にも一長一短があり、最適解は「日数」「スタイル」「旅程」によって異なります。大切なのは バックアップ手段を必ず用意しておくこと。深夜到着やトラブルの際に代替手段があれば、安心して旅行を楽しめます。
筆者自身もこれまでOrangeやFreeのSIM、AiraloのeSIMを実際に利用してきました。いずれも便利でしたが、使い勝手や安心感は状況によって違うもの。
皆さんも自分の旅行プランに合った通信手段を選び、快適なフランス滞在を楽しんでください!
ちなみにairaloについては今なら本ブログの限定特典が使えるので、気になった方は是非チェックしてみてください。
- 初めての方はこちら:15%オフ(コード:35RYUGAKU15)
- リピーターの方も:10%オフ(コード:35RYUGAKU10)
筆者が実際にパリでのairaloを利用した体験談はこちらでも紹介しています。

以上です!
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