世界最大級の美術館であり、フランスの代表的な観光地であるルーヴル美術館。
非常に多くの観光客が訪れることから、混雑を避けるため、数年前から入場が事前予約制になりました。
本記事では、事前予約の方法から当日券の取り方といった基本的な事柄から、なるべく並ばずに入場する方法や事前予約なしでも入場できる方法まで、ルーヴル美術館のさまざまな入場方法を解説します。
ルーヴル美術館の概要
まずはルーヴル美術館の概要からご紹介します。
基本データ
開館時間や休館日などの基本データはこちら。
項目 | 内容 |
---|---|
開館時間 | 9時~18時(水曜日と金曜日は21時まで) |
休館日 | 火曜日 |
入場料(一般) | 22ユーロ(※18歳未満は無料) |
パリ・ミュージアム・パス | 利用可(ただし日時指定チケットの予約が別途必要) |
公式ウェブサイト | Site officiel du musée du Louvre |
場所とアクセス
続いて場所とアクセスについてご紹介します。
所在地はこちら。
メトロ1号線パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル(Palais Royal – Musée du Louvre)駅が最寄り駅です。他にも39番と95番のバスがルーヴル美術館前に停まるので便利です。
ルーヴル美術館の代表的な入場方法あれこれ
次にルーブル美術館のチケット購入方法と入場方法について解説します。
2024年10月現在公式ウェブサイトで購入可能なチケット(個人向け)は以下のとおりです。
チケット種別 | 金額(一般) | 内容 |
---|---|---|
Individual tickets for the Museum | 22ユーロ | 通常の入場チケット。 |
Individual tickets for the exhibition | 22ユーロ | 指定の企画展と常設展示の入場がセットになったチケット。 |
Paris Museum Pass holders | 無料 | パリ・ミュージアム・パスを使って入場する方はこちらから日時指定チケットを予約しましょう。 |
Audio Guide booking | 6ユーロ | オーディオガイドをレンタルしたい方は(当日現地でも借りられます)。 |
Conférences, concerts, films, spectacles… | 内容による | 特定のイベント参加のために入場する場合はこちらからイベント名を指定して予約します。 |
Guided Tours | 31ユーロ | ルーヴル美術館が催行するガイドツアーに参加できるチケット。日本語によるプログラムはありませんが、興味があれば。 |
公式ウェブサイトで事前予約して入場する
ルーヴル美術館をスムーズに訪れるための最も一般的で安全な方法は、公式ウェブサイトで事前にチケットを予約することです。チケットは訪問日と時間(30分刻み)を指定でき、事前にチケットを手に入れておけば当日はチケット売り場の列に並ばずに直接入場できます。
ウェブサイトはフランス語のほか英語、中国語、スペイン語に対応しています。
特に観光シーズンや週末には混雑が予想されるため、訪問日程が決まった時点で早めに予約しましょう!
滞在時間には制限がないので、ゆっくり堪能したいなら早めの時間帯の予約がおすすめです。
当日券を購入して入場する
チケットを事前予約をしていない場合でも、当日券を現地で購入すれば入場することが可能。当日券の購入はルーヴル美術館のガラスのピラミッド入場口のチケット売り場で行います。
公式ウェブサイトでも当日券が入手できる場合があるようですが未検証です。
午前中の早い時間に行けば少しは列が短い可能性がありますが、それでもかなりの時間並びますし、また公式ウェブサイトには当日券が必ず手に入るとは記載されていないので、確実に入場したい方にはおすすめできません。
パリ・ミュージアム・パスを使って入場する
ヴェルサイユ宮殿やオルセー美術館など多くの観光スポットで使用できるパリ・ミュージアム・パスは、ルーヴル美術館でも使えます。
ただし注意が必要なのは、このパスを持っているだけでは入場は確約されず、公式ウェブサイトから無料のチケットを予約する必要があることです。
ピーク時にはミュージアム・パス所持者でも待機列が発生することがあるため、パスを持っていても時間に余裕を持って訪問することが大切です。
ツアーを利用する
旅行会社や観光ガイド付きのツアーを利用するのも便利な選択肢。ルーヴル美術館の入場が含まれているツアーに参加すれば、美術館内の見所を効率よく楽しめます。
公式ウェブサイトから様々なツアーに申し込めるほか、初めての方や外国語が不安な方には日本の旅行会社が運営する現地ツアーに参加するのがおすすめ。
団体専用入場口からの入場が確約されているツアーに参加すれば、待ち時間を短縮することができます。
夜間無料開館日を狙う
ルーヴル美術館では一部の特定日に限り無料の夜間開館(通常18時から21時)を行っており、この時間帯の入場なら予約なしで入れます。日中の混雑を避けたい方にとっても絶好のチャンス!
ただし夜間無料開館日には多くの人が集まるため、ある程度混雑することを念頭に置いておきましょう。
(できるだけ)並ばずに入る方法
慢性的に混雑が発生するルーヴル美術館。できるだけ待ち時間を少なくするためにはいくつかの工夫が必要です。
比較的混雑が少ない「カルーゼル・デュ・ルーヴル」入口から入る
公式ウェブサイトでも示されている通り、ルーヴル美術館には主要な入り口が3つあります。
入場者のステータス | ピラミッド入口 | カルーゼル入口 | リシュリュー入口 |
---|---|---|---|
チケットを持っている | ○ | ○ | × |
チケットを持っていない | ○ | × | × |
団体で入場する | × | × | ○ |
会員証(後述)を持っている | ○ | ○ | ○ |
一番目立つ入口はガラスのピラミッドにある入場口ですが、それ以外にも、「カルーゼル・デュ・ルーヴル」や「リシュリュー入口」といった代替入口があります。ピラミッド入口は観光客が集中しやすいですが、他の入口を利用することで比較的スムーズに入場できることがあります。
特におすすめの入り口は、地下に位置する「カルーゼル・デュ・ルーヴル」入口です。
地下商業施設から直接入場できるため天候の影響を受けにくく、観光客がピラミッドに集中する中で、比較的空いていることが多いです。
ガラスのピラミッドの入場口に並ぶのは非常に過酷。夏は暑く冬は寒いです…。
夜間開館の時間帯を狙う
夜間開館の時間帯(水曜日と金曜日の18時から21時まで)は訪問者が比較的少ないため、あまり並ばずに入場できる可能性が高いです。
ただし、夜間無料開館の日には一定の混雑が予想されるため、混雑を避けたいのであれば無料開館以外の水曜日と金曜日の夜間時間帯を狙うとよいでしょう。
またあまりおすすめはできませんが、入口に近い位置にある特定の作品をサクッと見るだけであれば、閉館間際の時間帯を狙うのも手です。
月曜日を避ける
パリの美術館はオルセー美術館やピカソ美術館のように月曜日休館の場所が多い一方、ルーヴル美術館は火曜日が休館日。つまり、月曜日はルーヴル美術館を訪れる観光客が集中することになります。
少しでも混雑を避けたいのなら、月曜日は避けた方が無難です。
事前予約なし&(ほぼ完全に)並ばずに入る方法
ルーヴル美術館を頻繁に訪れる方や、とにかく並ばずに入場したい方は、「アミ・デュ・ルーヴル(Amis du Louvre)」への入会を検討しても良いかもしれません。
この手段を利用すれば、いわゆる年間パスのような感覚で事前予約なしかつ全く並ばずにルーヴル美術館を堪能することができます。
以前であれば列に並ばなくても済む程度のメリットでしたが、ルーヴル美術館が予約制になってからは更に有用度が増しました。気が向いたときにふらっと立ち寄れるのはアミ・デュ・ルーヴル会員だけ!
アミ・デュ・ルーヴルの概要
「アミ・デュ・ルーヴル」は直訳すると「ルーヴル友の会」。
会費を支払って入会すると、1年間にわたって美術館内の常設展示および一部の特別展示に自由に入場することができるようになります。
さらに通常のチケット購入者とは異なる専用の入り口(リシュリュー入口)を利用してガラスのピラミッド下の広場に直接アクセスできるのも大きなポイント。混雑時でも非常にスムーズに入場可能です。
またその他の特典として、ルーヴル美術館敷地内にある飲食店や土産物店で割引が受けられたり、フランス国内外の他の美術館で特典があったりと盛りだくさんです。
アミ・デュ・ルーヴルの特典と会費
アミ・デュ・ルーヴルには4つの種類があり、一般向けのAdhérent、30代未満の若者向けのJeune(特典内容はAdhérentとほぼ同じ)、Adhérentの特典に加え様々なイベントの招待などの付いたSociétaire、Sociétaireの特典に加え更に特別な特典が受けられるBienfaiteurに分かれています。
また対象人数が1名のシングル会員と2名のダブル会員があります。
- ルーヴル美術館およびウジェーヌ・ドラクロワ美術館の常設展および企画展を1年間見放題
- 金曜日の夜間、美術館全体、およびナポレオン・ホール展の最初の2週間、企画展にゲスト1名 (カード会員1名につき)を招待可能
- リシュリュー入口からの優先アクセス
- 会員向け季刊誌・ニュースレターの頒布
- 20ユーロ(シングル会員)、30ユーロ(ダブル会員)の所得税控除が受けられる(フランス在住者限定)
- 各種プログラム(コンサート、映画、講演会)に割引料金で参加可能
- パリ、地方、海外の100以上の美術館の入場料割引
- イタリアにおける FAI(イタリア・ナショナル・トラスト)の歴史的邸宅の入場料割引
- 関連書店で書籍が5%割引
- 美術館内のカフェおよびレストランで10%割引
- コメディ・フランセーズスタジオ(カルーセルギャラリー)の割引
- ルーヴル・ランスの常設展が1年間見放題および企画展の入場が開始2週間無料
- ルーヴル・アブダビが入場無料
ルーヴル美術館やその分館だけでなくウジェーヌ・ドラクロワ美術館なんかも無料で見られるのが嬉しいですね。他の美術館の年間パスが割引になる場合もあります。
アミ・デュ・ルーヴルの会費は以下のとおりです。
種別 | 会費(年会費) |
---|---|
Adhérent | 80ユーロ/120ユーロ(ダブル) |
Jeune | 26歳未満:15ユーロ/28ユーロ(ダブル) 26~29歳:35ユーロ/60ユーロ(ダブル) |
Sociétaire | 140ユーロ/190ユーロ(ダブル) |
Bienfaiteur | 1,000ユーロ/1,200ユーロ(ダブル) |
普通にルーヴル美術館を楽しむだけならAdhérentかJeuneで十分。一般の入場料は22ユーロなのでAdhérentなら4回の訪問で元が取れます。
アミ・デュ・ルーヴルの入会方法
アミ・デュ・ルーヴルへの入会は、アミ・デュ・ルーヴルの専用ウェブサイト(フランス語のみ)または美術館内の専用窓口で可能です。
オンライン入会の場合、必要事項を公式ウェブサイトに入力するとカードが登録住所に郵送される仕組み(10日程度かかるようです)。
現地で入会する場合、通常のチケット売り場とは別の専用受付で手続きを行います。専用受付はガラスのピラミッド下の広場にあり、当日有効なチケットを持っていない場合でもアミ・デュ・ルーヴルへの入会希望である旨を伝えるとガラスのピラミッド下の広場まで通してもらえるので、アミ・デュ・ルーヴルへの入会を前提にしているならチケットの事前予約は不要です。
筆者が手続きを行った際は、英語も普通に通じました。
手続きには身分証明書が必要で、特定の割引対象(学生や若者など)の場合は年齢確認が求められます。なお会員証には写真が付きますが、その場で撮影してもらえるので証明写真を用意していく必要はありません。
会員証は当日から有効&その場で受け取れるので、その足で美術館散策に向かうことができます!
まとめ
ルーヴル美術館への入場方法は多岐にわたり、自分の旅行スタイルや日程に合わせて最適な方法を選ぶことができます。
公式ウェブサイトでの事前予約が最も一般的で安全な方法ですが、何度も訪問する予定であればアミ・デュ・ルーヴルに入会して年間パスをゲットするのも手です。
またなるべく並ばずに入場したいなら、曜日や時間帯選びが肝です。
以上です。本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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