【完全版】スイス・ジュネーブ州滞在許可申請の流れと必要書類の書き方【更新手続を追加】

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留学生がスイスに90日間以上滞在する際に必要となるのが滞在許可。スイスで学生生活を過ごすために必ず越えなければならないステップです。

この記事では、そんな滞在許可の申請から許可証の取得までの手続きについて、体験談を交えてご紹介します。

無事に滞在許可証を受け取ることができたので、情報を更新しました。これが完全版です。

目次

滞在許可の概要と申請に必要な書類

日本国籍保有者は学生ビザが不要

長期留学に行く場合は通常大使館で学生ビザを申請しますが、日本・スイス間の二カ国協定により、日本国籍保有者は学生ビザの取得が免除になります。

そのため、学生ビザ申請のステップを通り越して滞在許可証の申請に移れます。

滞在許可の種類

滞在許可の申請はスイス入国前に居住予定の州(カントン)に対し申請書類を提出することで行います。

スイスの滞在許可の種類はEU(ヨーロッパ連合)およびEFTA(欧州自由貿易連合)加盟国出身者とそれ以外で異なり、日本国籍の場合は「それ以外」のカテゴリーに入るので、以下の種類が該当します。

滞在許可の種別滞在目的説明
B許可滞在許可一時滞在用(雇用契約の有無に関わらず、特定の目的でスイスに長期滞在する外国人用)。
C許可永住許可永住者用(5年または10年間スイスに居住した後で永住許可を得た外国人。 滞在権に制限はありません)。
Ci許可就労許可付帯滞在許在外公館または政府間組織の職員の就労している配偶者および子どもに対し、州当局から発行される。
G許可越境通勤者許可越境通勤者用(スイスと隣国の国境周辺に居住し、隣接したスイス国内で就労する外国人用)。
L許可短期滞在許可短期間の就労目的、およびその他の一時的滞在。
F許可暫定受入外国人暫定受入外国人用。 連邦移民局の指示に基づき州当局から発行される。
N許可庇護申請者庇護申請者用。 連邦移民局の決定に基づき州当局から発行される。
S許可保護を要する人保護の必要な人用。 連邦移民局の決定に基づき州当局から発行される。

申請条件を満たしていれば、1年間以内の滞在の場合はL許可(短期滞在許可)、1年間を超える場合はB許可(1年間有効)が発行されます。

学生用滞在許可証の申請書類リスト

前述のとおり、滞在許可の申請はスイス入国に各カントン(州)の移民局に対して行います。ジュネーブの場合は、OCPM(Office cantonal de la population et des migrations)に必要書類を郵送するオンラインで手続きが可能です。

筆者が準備をしていた頃はまだオンライン手続きの情報が十分に無かったのと、紙でしか用意できない提出書類(犯罪経歴証明書)があったため、郵送を選びました。

また筆者の場合は大学からビザ申請用の必要書類と合わせて案内があり、そちらとOCPMのサイトを適宜見比べながら申請書類を準備しました。

大学院からの説明によると、OCPMからの回答は通常、先方が書類を受領してから2~3ヵ月かかるそうです。9月開始のプログラムの場合、5月上旬までに申請手続に入ることが推奨されています

こちらがOCPMウェブサイトの学生用滞在許可証に関するページです。

出典:Je suis ressortissant d’un Etat hors UE-AELE | ge.ch

そして私が実際に郵送した書類がこちら。

必要書類説明入手方法・備考
フォームE学生用滞在許可の申請書類。OCPMのウェブサイトからダウンロード
フランス語版と英語版がありますが、筆者は英語版を提出しました。
身分証明書のカラーコピーパスポート番号や氏名の書かれたページのカラーコピー。
パスポートサイズの写真パスポートサイズ(3.5cm×4.5cm)の写真。裏に氏名を書く
入学許可証合格通知(Offer letter)と入学許可証(Admission Attestation)の両方を提出。合格発表後に大学の出願者用サイトから入手
CV及び志望理由書英文履歴書とスイスで学ぶことを希望する理由書。出願時に使用したCVと志望理由書をちょっと書き直せばOK
学習計画書プログラムの詳細を記載した書類。様式自由。該当プログラムのカタログでOK
卒業後にスイスを去ることの誓約書卒業後はスイスに留まらない旨を書いた誓約書。様式自由。志望理由書にその旨を含めるのが一番簡単。
もちろん別個に作成してもOK
残高証明英文残高証明。取引のある銀行から入手
1年目に必要な資金を証明できればOK(2年コースでも同じ)
賃貸借契約書の写しジュネーブの住居が確保できていることを示す書類。学生寮の賃貸借契約書のコピー
犯罪経歴証明書犯罪経歴証明書。都道府県警察から入手
※必要な書類は申請者の状況によって異なるので、必ずOCPMウェブサイトをご確認ください。またオンライン手続きの場合は必要書類が異なるようです。

次の項目では、フォームEのダウンロード方法と書き方をご紹介します。

フォームEのダウンロード方法&書き方

フォームEのダウンロード方法

まずはOCPMのウェブサイトにアクセスします。学生用滞在許可の申請はこちらのページ。

Je suis ressortissant d’un Etat hors UE-AELE | ge.ch

出典:Je suis ressortissant d’un Etat hors UE-AELE | ge.ch

Déposer une demande de permis pour étudient(学生用滞在許可申請を提出する)の項目の直下に左右2つ並んでいる青ブロックのうち、右にあるTéléchanger le formulaire à retourner par courrier(郵送用フォーマットをダウンロードする)を選択すると、フォームEがダウンロードできるページに飛びます。

出典:OCPM – Formulaire E – Séjour pour études | ge.ch

フランス語版(Formulaire E Demende de séjour pour étude)と英語版(E Form – english version)があるので、お好みの方を選択してダウンロードします。

フォームEの書き方

筆者は英語版を使用したので、英語版をモデルにご説明します。

まずフォームEの各項目に記入する内容は以下のとおり。

項目記入内容
1. Type of request (tick as applicable)留学なのでStudentの欄にチェック。
2. Beneficiary申請者本人に関する情報を記入。
3. Spouse/partner: Arriving also in Geneva?配偶者を帯同する場合は記入。
4. Children子供を帯同する場合は記入。
5. Address abroad申請時のスイス国外住所を記入。
※5.5 Embassy/consulate, responsible for your place of residenceは、日本国籍保有者の場合在ジュネーブ領事事務所が該当するので、Consulat du Japon à Genèveと記入
6. Address in Geneva (if already known)ジュネーブの居住地に関する情報を記入(不明の場合は空欄でも可)。
筆者は学生寮の住所を書きました。
7. Study Program大学院に関する情報を記入。
※7.11 Reasons why you chose Genevaと7.12 Indicate your specific intentions upon studies completionは、筆者は大学院の志望理由書の内容から抜き出した内容を記入しました。
8. Information on your Criminal Record日本国籍保有者は対象外なのでスキップ。
9. Financial guarantees学費・生活費の支払いに関する情報を記入。
近親者から支援を受ける場合や奨学金を受給する場合はフォームOの添付が必要です。
10. Employer営利事業等に従事する場合、雇用主に関する情報を記入。
11. Information on Profitable Activity雇用されていない場合はIndipendentにチェック。被雇用者の場合はEmployedにチェックし、労働条件に関する情報を記入。
末尾の署名欄Place/Dateは本書類を作成した都市名と記入日を、Signatureは申請者の署名を記入。
2023年5月現在の情報ですので、必ず最新情報をご確認ください。

必要な書類が揃ったら、OCPMに郵送しましょう。日本からだと約1週間で届きます。

オンライン手続きも選べます

Déposer une demande de permis pour étudient(学生用滞在許可申請を提出する)の項目の直下に左右2つ並んでいる青ブロックのうち、左のAccéder au formulaire de demande en ligne(オンライン申請フォームにアクセスする)を選択するとオンライン申請が可能です。

申請にはアカウント登録が必要です。

こちらのシステムは筆者が触ったことが無いので、今回は説明を省きます。

いずれ機会があれば記事にしたいと思います。

必要書類の郵送~居住許可保証の受領

書類を郵送する

筆者は最寄りの郵便局からEMS(国際スピード郵便)でOCPMに郵送しました。4月18日に郵送手続を行い、4月26日にOCPMに到着しました。その間約一週間。

OCPMからメールが届く

5月11日にOCPMからメールにて居住許可保証書(ASSURANCE D’AUTORISATION DE SÉJOUR)が届きました。つまり到着後約2週間で処理が行われたことになります。

通常ここまでは2~3ヵ月はかかるらしいので驚異的なスピードです。

この文書中でスイス到着後に送付が求められている書類は以下のとおり。

  • Copie du passeport(パスポートのコピー)
  • Copie du tampon d’entrée figurant dans le passeport(パスポートのスタンプのコピー)
  • Attestation d’immatriculation au semestre(セメスターの学費支払証明書)

学生用滞在許可に関して日本で行うべきことはこれでひと段落です。

ジュネーブ到着後

さて、ジュネーブ到着後にすべき滞在許可関連の作業は以下のとおり。

  1. ジュネーブ到着後14日以内に必要書類をOCPMに郵送する。
  2. 生体認証登録に関する書類を郵送で受領後、センターに出向いて登録手続を行う。

必要書類の郵送(到着後14日以内)

到着してすぐに動く必要があるのは、タイムリミットが短めな書類の郵送手続。筆者は到着してから2日目(9月頭)に書類を近くの郵便局からOCPMに郵送しました(普通郵便)。

受領したかどうかの確認は先方からは来ません。今思えば多少追加料金を払ってでも追跡可能な種別で送ればよかったかも。

その後しばらくOCPMから応答がなかったので、「もしかして届いていないのでは?」「書類に不備があったのでは?」とドキドキしました。

生体認証(Biometrics)登録の予約

書類を郵送してから約1ヵ月。OCPMからは何の音沙汰もありません。

保険のこともある(到着してから3ヵ月以内に医療保険関係の手続きを行う必要がある)ので、OCPMから居住許可保証書を受領した際のメールアドレスに返信するかたちで処理状況を聞いてみました。

先方からはすぐに「滞在許可証の申請が集中しており、処理に時間がかかっている。あなたの申請は昨日処理が完了したので、近日中に生体認証登録関連の書類が届く」という旨の返信(フランス語)があり、それから数日後に実際にOCPMから生体認証登録に関する書類手数料に関する書類がそれぞれ届きました(それぞれ1通で計2通)。

生体認証登録に関する書類には予約システムにアクセスするためのQRコードと個別に割り当てられるパスコードが記載されており、これらを利用して空いている時間枠で予約手続きを行いました。

筆者が手続きを行った際は予約可能な枠が直近で数週間先からとなっており、結局10月下旬の枠を取ることになりました。(タイミングによっては早い枠が取れることもあるようです。筆者よりも遅く書類を受け取ったのにかなり早い時期に生体認証登録の予約が取れた留学生もいました。)

手数料の支払い

筆者の場合は合計で232CHFを支払う必要がありました(手続きの方法(オンラインなど)や国籍によって異なるらしい)。銀行送金か郵便局等の窓口で支払うことができます。

支払いは生体認証登録後でも良いという情報もありましたが、筆者は生体認証登録直前にセンター近くの郵便局で支払いました。

郵便局は基本的に現地語のやりとりになるため現地語が話せない場合は若干の不安が残りますが、もし英語が通じない場合でも書類を見せれば意図を汲み取ってもらえると思います。

いよいよ登録センターへ

生体認証の登録手続きは、中心部からやや離れた場所にあるジュネーブ州生体認証登録センター(Centre cantonal de Biométrie)で行います。

当日はパスポートが必要になるので、忘れずに持参しましょう!

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