ヨーロッパからフランス長期学生ビザ申請!手続き体験談【日本からの申請との違いも合わせて紹介】

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フランスに長期間学生として滞在するするために必要となるのが、フランスの学生ビザ。

筆者の場合はスイスの大学院に留学しているため、そこからフランスへの留学というかたちを取ることになったのですが、手続きを進めるうちに日本からフランスに留学するのと手続きや掛かる時間がかなり異なることが分かりました。

学生ビザの要不要や取得方法について事前にネットで調べた際も、日本語情報はほぼ全て日本からフランスに留学に行く方の情報ばかり…

この記事では、筆者が実際にフランス学生ビザを申請する際に行ったことを日本からフランスに行く場合との違いも交えてご紹介します。日本以外からフランスのビザを申請する方の参考になれば幸いです。

ビザのルールについては変更されることがあります。ご自身でも必ず最新情報をご確認ください。

目次

ジュネーブ滞在許可とフランス学生ビザの複雑な関係

まずはフランス学生ビザの申請に至るまでに生じたちょっとした混乱から。

フランス学生ビザは必要なのか?

まずはそもそもジュネーブの滞在許可を保有している状況でフランスの学生ビザが必要になるのか?という疑問が浮かびました。

フランスのビザが必要かどうかについては、フランス政府が運用しているビザ申請用のウェブサイトAi-je besoin d’un visa?(私はビザが必要?)という項目があり、そちらのページに国籍や滞在目的や期間といった情報を打ち込んでいくとビザの要不要が分かるようになっています。

このページの結果によると、スイスからの留学であっても学生ビザは必要そうです。

手続きは総領事館で

ビザの手続きをどの公館が管轄するかは国や地域によって違うと思いますが、スイスの場合はジュネーブにあるフランス総領事館Consulate General of Franceがビザ関係の事務を取り扱っています。

ビザ取得のために遠くに行かなくても良くてホッとしました。

ただ問題だったのは、ビザ取得のために必要となる面接の予約が全く取れないこと。数カ月先まで埋まっているというレベルではなく、そもそも予約枠がひとつもない状況でした。

学生ビザを取得したいが面接が予約できないのでどうすれば?というような旨の問い合わせメールを送ってみるも返信なし。

日本のフランス大使館での取得を検討し始める

ちょうど日本への一時帰国を検討していた時期だったので、最悪日本滞在中にフランスの学生ビザが取れないかと思い、日本のフランス大使館にも問い合わせを行いました。

日本のフランス大使館からはすぐに返答があり、その内容は、ジュネーブの滞在許可が有効なうちは学生ビザがなくてもフランスに滞在可能というもの。

ジュネーブの滞在許可が2024年の9月までだったため、フランス留学中に滞在許可が切れることのないようジュネーブの滞在許可の更新も進めることになりました。

ジュネーブの滞在許可更新に暗雲…フランスの滞在資格はどうなる?

そんなこんなでジュネーブの滞在許可の更新のためOCPMとのやりとりを行っていたところ、更新済みの滞在許可証の受け取りが早くても10月になることが判明!

フランスの滞在資格としてジュネーブの滞在許可を使うことができないため、フランスの学生ビザが取得できないと正式な滞在許可が無い状態でフランスに滞在することに…

ということでやはりフランスの学生ビザの取得を検討しなければいけない状況になったので、ジュネーブの滞在許可の更新を進めつつフランス総領事館のページを確認していたところ、なんと予約枠が一つある!すかさず手続きを取り、無事に総領事館での面談を予約することができました!

これでフランス学生ビザが取得できる見込みができたため、後述の必要書類の収集フェーズに入りました。

ジュネーブの滞在許可更新が急展開!フランス学生ビザは不要?

しかしここでさらに新展開。ジュネーブの滞在許可更新が8月中に完了し、更新済みの滞在許可証もフランス領事館の面談前に受け取ることができました。

新しい滞在許可の期間はフランス滞在期間を全てカバーできる内容だったので、これでフランス領事館での手続きは要らないかも…という状況に。

ただフランス領事館の予約枠が異常に少なかったことを考えると、この段階で面談をキャンセルしてその後に何かあっても大変!一応フランスの学生ビザ申請に必要な書類は準備しておいて、面談の場で学生ビザの取得が必要かどうか直接確認することにしました。

学生ビザ申請のための必要書類

フランス学生ビザが必要かよく分からない状況でしたが、もし必要だった場合にスムーズに申請手続きが行えるよう書類は必要書類は準備していきました。

日本からフランス学生ビザを申請するにはキャンパスフランス(Etude en France)を通じた手続きが必要ですが、スイス向けのページがなくキャンパスフランスに問い合わせても返答がなかったため、キャンパスフランスについては特に何もしませんでした。

フランス学生ビザの申請書類

フランスのビザ申請に必要な書類は以下のとおり。

フランス学生ビザ申請の必要書類
  • 署名済みのオンラインフォーム
  • 証明写真
  • フランスの滞在資格を証明するもの(留学の場合は留学先の学校が発行する受入許可証、同じく留学先の学校が発行する居住証明)
  • パスポートの全ページのコピー(カラー・白黒の指定はなし)
  • Etude en Franceの対象国の場合、Etude en Franceの証明書
  • Etude en Franceの対象国でない場合、直近に取得したディプロム(卒業証明書)
  • フランス滞在に掛かる経済力証明(一か月あたり615ユーロ以上が目安)
  • アパートの契約書など居住地を証明する書類

※上記のリストにはありませんが、学生ビザ申請地の滞在資格が分かるもの(筆者の場合はジュネーブの滞在許可証)も持って行った方が良いです。

※上記の他に申請手数料99ユーロ(または99ユーロに相当する現地通貨)が必要です。カード払いができるかどうかは公館によって異なります。スイスはカード払い可能でした。

ここからは順に説明していきます。

オンラインフォームの各項目の説明

まず必要なのが署名済みのオンラインフォームFormulaire de demande daté et signé。フォームはビザ申請のページに必要な情報を記入することで自動的に作成されるので、印刷して署名すれば完成。

フォームの各項目の訳語と説明は以下のとおり。ここでは成人が学生ビザを取得する際に必要な項目のみ掲載します。

スクロールできます
フランス語日本語訳説明
Nom(s)
Nom(s) de famille antérieur(s)旧姓
Prénom(s)
Date de naissance (jour-mois-année)生年月日(日、月、年)
Lieu de naissance出生地生まれた市区町村の名称を記載します。
Pays de naissance出生国生まれた国を記載します。
Nationalité actuelle現在の国籍現在の国籍を記載します。
Nationalité à la naissance si différente出生時の国籍(異なる場合)現在の国籍が出生時の国籍と異なる場合は出生時の国籍を記載します。
Sexe性別男性であればMasculin、女性であればFémininを選択します。
Etat Civil民事上の地位当てはまる選択肢を以下から選択します。
Célibataire:独身
Marié(e):既婚
Séparé(e) :別居
Divorcé(e):離婚
Veuf(ve):寡婦
Autre (veuillez préciser):その他(具体的に記載)
Type du document de voyage旅券の種類当てはまる選択肢を以下から選択します。
Passeport diplomatique:外交旅券
Passeport de service:サービス旅券
Passeport officiel:公用旅券
Passeport spécial:特別旅券
Passeport ordinaire:普通旅券
Autre document de voyage (à préciser) :その他(具体的に記載)
Numéro du document de voyage旅券番号英字2桁+数字7桁の旅券番号を記載
Date de délivrance (jj/mm/aa)発行年月日(日/月/年)パスポートの発行年月日を記載
Date d’expiration (jj/mm/aa)有効期間満了日(日/月/年)パスポートの有効期間満了日を記載
Délivré par発行国発行国の名称を記載
Adresse du domicile (n°, rue, ville, code postal, pays)申請国の住所(通りの番号、通りの名称、市町村名、郵便番号)申請国における住所を記載
Adresse électroniqueメールアドレス
Numéro(s) de téléphone電話番号
En cas de résidence dans un pays autre que celui de la nationalité actuelle, veuillez indiquer国籍国以外に居住している場合は記載当てはまる場合、以下の情報を記載します。
Numéro du titre de séjour:滞在許可の番号
Date de délivrance:発行日
Date d’expiration:有効期間満了日
Activité professionnelle actuelle現在の職業活動最も当てはまる選択肢を選びます。
留学であればElève, Etudiant, stagiaireを選択。
Employeur (Nom, adresse, courriel, n° téléphone) – Pour les étudiants, nom et adresse de l’établissement d’enseignement勤務先の名称、住所、メールアドレス、電話番号(学生の場合は教育機関の名称と住所)学生の場合は、派遣元の学校の情報を記載します。
Je sollicite un visa pour le motif suivantビザ申請の理由最も当てはまる選択肢を選びます。
留学であればEtudesを選択。
Nom, adresse, courriel et n° téléphone en France de l’employeur / de l’établissement d’accueil / du membre de famille invitant, …etc.フランスの勤務先の名称、住所、メールアドレス、電話番号留学であれば受け入れ先の教育機関の情報を記載。
Quelle sera votre adresse en France pendant votre séjour ?フランス滞在中の住所
Date d’entrée prévue sur le territoire de la France, ou dans l’espace Schengen en cas de transit (jour-mois-année)フランス領かシェンゲン協定国に入る予定日(日、月、年)ビザが有効になる期日がこの項目を基準に決まります。(そこまで厳格ではなく、同日の入国スタンプが求められたりはしませんでした)
Durée prévue du séjour sur le territoire de la Franceフランス領での滞在予定期間当てはまる選択肢を選びます。
Quels seront vos moyens d’existence en France ?
フランス滞在中の費用をどう支弁しますか?当てはまる選択肢を選びます。
Serez-vous titulaire d’une bourse ?奨学金を受給していますか?奨学金を受給していない場合はNONを選択。受給している場合はOUIを選択しその内容を記載。
Serez-vous pris(e) en charge par une ou plusieurs personne(s) en France ?フランスでお世話になる人はいますか?フランスに保証人がいる場合は記載。
Des membres de votre famille résident-ils en France ?フランスに居住している家族はいますか?フランスに家族が居住していたら記載。
Avez-vous déjà résidé plus de trois mois consécutifs en France ?フランスに3ヵ月以上継続して居住したことはありますか?過去にフランスに3ヵ月以上滞在したことがあれば記載。
Lieu et date署名場所と署名期日フォーム印刷後に直筆で記載します。
Signature署名フォーム印刷後に直筆で記載します。

またフォームには写真を貼る欄があるので、事前に貼っていきましょう!

筆者は証明写真を切ってフォームに貼る時間がなかったため台紙のまま持って行ったところ、その場でパスポートサイズに切ってフォームに貼り付けてくれました。(おすすめはしません…)

各書類の入手先

フォーム以外の必要書類の入手先は以下のとおりです。

書類の名称入手先備考
フランスの滞在資格を証明するもの受入教育機関発行機関により名称が異なるかもしれませんが、筆者の場合はそれぞれ以下の名称でした。
受入許可証:Admission Letter
居住証明:Attestation de Domicilation
直近に取得したディプロム(卒業証明書)卒業した教育機関英語可
経済力証明各銀行銀行によって取り扱いが異なるので要確認。
アパートの契約書など居住地を証明する書類フランスでの滞在先学生ビザ申請前に滞在先を確保しておくのが望ましい。

在ジュネーブフランス総領事館での申請手続き

予約も取れたし書類も揃って準備万端!いよいよ総領事館での面接に臨みます。

総領事館に出向く

総領事館の面接予約が取れると登録したメールアドレスにQRコードが送られてくるので、当日はそのQRコードを見せて館内に入る…はずでした(ちなみに暑かったので超カジュアルな私服で行きました)。

面談時間を告げるだけであっさり入館できました。

受付で名前を告げると、待合室に通されました。

フランス語で頑張ろうと思ったのですが、開口一番でフランス語を話したのに英語が返ってきたので、気分が萎えてしまいその後はずっと英語でした…

総領事館で学生ビザの申請手続きを行う

名前が呼ばれたら、個室に入って面接(というか単なる手続き)開始!

係員の方は非常にフランクな感じ。

卒業証明書を見て、とても良い反応をされました(大学名を知っていたとのこと)。

ここでのやりとりはその場で用意してきた申請書類に不備がないか確認するだけ。キャンパスフランスの面接のような志望動機やら将来の予定やらは何も聞かれません。書類のチェック以外には写真撮影と指紋採取が行われました。

なお使用言語は全て英語で非常にスムーズ。

この時点で気になっていた点をいくつか確認しました。

  • 日本人だけどキャンパスフランス(Etude en France)の手続きは必要?→キャンパスフランス対象外のスイスからの留学なので対象外。つまり国籍よりも派遣元機関の立地が重要。
  • 面接の枠が少なかったのはなぜ?→スイス人はビザを取得しなくてもフランスに滞在できるためニーズが少ないから。

書類のチェックと同時並行で、申請料の支払い。総領事館の2階に支払いカウンターがあり、先ほどの係員の方からもらった請求書?を持って支払います。

通常はカード払いができるということだったのですが、何とこの日は世界的にカードのシステムがダウンしており、払えるか分からないという状況(運が悪い…)。

でもダメ元でカードを機械に通してみたら、なんと支払いできました!支払金額(99ユーロ相当)は当時のレートで95.10スイスフランでした。

ということで支払いも終わり、書類のチェックも終わり、この日の手続きは全て完了です。

ビザが用意出来たらメールで連絡が来るので、受け取り日時の予約を取る必要がある、ということでした(通常数週間はかかるらしい)。

ジュネーブにいる時間が限られているので都合が合わないかも、という話をしたところ、ビザの受け取りは10分もあれば終わるのでもし都合が合わなくても別途連絡すれば柔軟に対応してくれるということ。非常にありがたい。

実はビザ申請手続き日の1週間ほど後の期日の鉄道チケット(フランス行き)を購入していました。

ビザ申請に際しパスポートを預けることも想定していましたが、その必要はありませんでした。

ビザ申請中もあちこち旅行できるのでありがたい!

ビザ受取の準備完了メールが届く→ビザ受け取り

ビザの受取までは数週間かかるという話ですが、なんと申請日の翌週の月曜日にはビザが準備できたとのメールが届きました(早っ)

金曜日にビザ受け取りの予約ができたので、期日に総領事館に出向いて学生ビザを受け取りました。

ビザはシール式で、パスポートのページにペタッと貼って完了です。

フランスの長期ビザ申請については良い噂を聞かなかったので、あまりにスムーズで拍子抜け。

学生ビザの受領後、フランス到着後3ヵ月以内にオンラインで有効化手続きが必要という説明を受け、総領事館を後にしました。

有効化手続きについて書かれた紙。

ここまで異常にスムーズ。

フランスに到着してからの手続き

いよいよフランスに渡航!(といってもフランス領自体はジュネーブからバスでも行けるので実感は湧かないですね)

いざフランスへ!

ビザを受領後、一度鉄道でフランスに入国し、そしてトルコ・イスタンブールに出国。イスタンブールの旅を楽しんでから再度フランスに入国しました。このときフランスに入国した期日はビザ申請時に申告していた入国日の数日前

鉄道でフランスに入国する場合はパスポートにスタンプは押されませんし、今回押されたスタンプは入国予定日とは異なります。

果たしてこれでビザの有効化が可能なのか、それとも入国予定日として申告していた日付と実際に入国した期日(スタンプの日付)が違うので別の手続きが必要になるのか…実験!

もともとビザの申請手続きを行ったジュネーブからフランス領までは地続きでスタンプも押されないので、もし期日に相違があると言われても電車で出国&入国すれば良いかなと思っていました。

オンラインで有効化手続き

フランスに入国してから数日。申告していたフランス入国期日を過ぎたのでいよいよ有効化手続きに入ります。

パスポート(ビザ情報が必要)とクレジットカードかデビットカード(印紙の支払いに必要)を手元に準備。

指定のウェブサイトのアドレスを入力してアクセスします。Validate your VLS-TS long stay visaを選択し、あとは指示に従い必要な情報を入力していくだけ。

入国日についてはビザ申請時の日付を入力するとそのまま通りました。スタンプのような証明は求められず。途中で印紙の購入が求められる(50ユーロ)ので決済して印紙番号を入手。

印紙番号の入力後、数か所必要な情報の記入などを行い手続き完了。登録完了の旨がメールで送られてきます。

これも非常に簡単でした。

まとめ

ここまでスイスからフランスの学生ビザを申請するための手続きや必要書類などを筆者の体験をもとにご紹介しました。

最後に日本から学生ビザを申請する場合と比較してみます。

項目スイスからフランス学生ビザを申請(実体験から)日本からフランス学生ビザを申請(各種情報源から)
必要書類元々英語かフランス語なので特段対応は不要。滞在許可は持参する必要あり。日本語の書類の場合は法定翻訳が必要。
パスポートを郵送で返却するためレターパックを持参。
キャンパスフランス(Etude en France)の登録&面接不要。必要。登録時に書類のアップロードと手続料の支払いが必要。面接では志望動機やフランス語能力などが問われる。
大使館での手続き領事館で予約を取り訪問。枠が少ないので注意が必要。
コピーが足りない場合はその場でやってもらえる(対応係員によるのかも)。
大使館で予約を取り訪問。枠は多いが時期によっては空きを見つけるのが困難。
コピーが足りない場合は対応してもらえない。
手数料の支払い方法カード払い可日本円現金のみ
パスポートは預けるか?預けない預ける→郵送で返却
大使館での手続きからビザ受け取りまでの期間(目安)数日数週間~1ヵ月
他にも色々違いはありますが、目立つものを挙げました!

ざっと数えただけでもこれだけ違います。ヨーロッパからだとかなりアッサリしていますね。

個人的にポイントだと思ったのは、キャンパスフランスへの登録が不要であることと、パスポートを預ける必要がないこと。日本からの申請とは異なりかなり負担が軽減されます!

ただしこの内容はあくまで筆者の体験に基づくものなので、ヨーロッパからフランスへの留学が全てそうとは限らない点はご承知おきください。

ビザ取得の後に必要になるフランスでの家探しについてはこちらの記事も合わせてどうぞ。

以上です!

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